« テミルカーノフ/読売日本交響楽団(2007/5/19) | トップページ | 飯守泰次郎/東京シティ・フィル(2007/5/26) »

2007年5月20日 (日)

山下一史/ニューフィル千葉(2007/5/20)

2007年5月20日(日)14:00
習志野文化ホール

山下一史 指揮
ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉

ピアノ:原田英代

シベリウス:カレリア組曲より「行進曲風に」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
ベートーヴェン:交響曲第7番
シューベルト:「ロザムンデ」から間奏曲(アンコール)


正直言って、行くかどうかは迷っていました。
しかし“一抹の不安”は見事にハズレました。行って良かった!

指揮の山下一史さんは、2005年夏の「N響ほっとコンサート」がテレビで放映されたのを見て、注目をしていました。
でも意外と聴く機会が無くて、その後、ミューザ川崎で、東響の名曲集コンサートを聴いただけでした。そのコンサートも良かったのですが、あくまでも小品ばかりのコンサートでした。この日はベートーヴェンです。
山下一史の名前を最初に知ったのは、急病のカラヤンの代役で、ジーンズ姿でベルリン・フィルの「第九」を指揮した有名なエピソードです。
注目している山下さんが、ベートーヴェンの7番を振るのに、行かない手はありません。

しかし、ニューフィル千葉の実力やいかに?
今まで一度も聴いたことがありません。
今年1月に放送された、NHKの「クローズアップ現代」(オーケストラを救えるか~深刻な財政危機~)
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2007/0701-3.html
では、賃金カットの話しなどが放映されていました。
正団員の数もあまり多くないという話しも聴いたことがあります。
演奏会の数も、あまり多くないようです。はたして…??

で、ギリギリまで迷っていたのですが、結局出かけました。
ホームページには「当日券はA券のみ発売」と書いてありました。

会場に着いてみて、活気のあるロビーにびっくり。
当日券は、もう残り少なく、席は選択の余地はありません。
18列の右端に近い席を買いました。
習志野文化ホール
http://www1.seaple.ne.jp/narabunh/
は、1475席(ワンスロープ形式)ですが、満席に近い盛況です。

都内のホールとはお客さんの層が多少違いますが、音楽を聴きたくて楽しみに来ている様子が伺えます。
ラフマニノフの第1楽章が終わったところで拍手をした人が結構居ましたが、それ以外は鑑賞マナーもかなり良くて、演奏中も静かでした。

チューニングの音を聴いて「あ、プロの音だ」と安心しました。
当たり前か…(^^ゞ
失礼ですよね。(^_^;)
アンサンブルもしっかりしていて、危なっかしく感じるところは皆無。
「どんな音なのだろう?」という心配していたことなどすっかり忘れて、楽しみました。そして、非常に良いと思ったのは、よく“歌う”こと。
ラフマニノフの第2楽章、ベートーヴェンの第2楽章など、弦楽器も木管も、本当にうっとりするような甘美なメローディーを奏でます。
もちろん、山下さんのリードによるものなのでしょうが、こんなに“歌った”演奏は、あまり聴いた記憶がありません。

あと、協奏曲でも同じ水準の音を維持していたことも感心しました。

最近ではあまりありませんが、私が学生の頃は、在京オケと言えども、協奏曲では手を抜く(と言うより、練習不足)のことが多かったです。
序曲で目の覚めるような演奏をした後、協奏曲の“伴奏”では「気のない演奏」をして、休憩後の交響曲では、気合いの乗った、緻密な素晴らしい演奏をする…、そんな演奏会を、数多く聴きました。
したがって、この日もそれを心配していましたが、(←失礼ですよね、すみません)そのようなことは全くありませんでした。
ピアノとの音のバランスも良く、3楽章の最終部の強奏でも、ピアノの音をかき消すことなく盛り上げました。

山下さんのベートーヴェンはオーソドックスなもので、堂々たるもの。奇をてらったところはいっさいなく、4楽章の最終部分でも、決してオケをあおり立てることなく、悠然と曲を締めくくりました。
また、先ほど書いたように、第2楽章の“歌”は、本当にうっとりと聞き惚れました。

終演後の拍手では「ブラボー」の声もかかりましたが、本当に良い演奏だったと思いました。

前日に聴いた、テミルカーノフ/読響と二者択一を迫られたら、読響をとってしまうかもしれませんが、音楽というのは、比較して優劣を決めるという性格のものではないと思います。それに、推測ですが、読響とニューフィル千葉では、かけられるお金の額が桁違いに違うと思います。
山下一史さんのベートーヴェンを、良いオーケストラで聴けて、収穫でした。

終演後のロビーは、アンケート用紙に記入している人がたくさん!
アンケートの回収ボックスは、紙の山が出来ていました。
「来て良かった~」という顔をしている人がいっぱいでした。

私もアンケートを書きました。
「山下一史さんの指揮で、ベートーヴェンのツィクルスを企画してほしい」
「最低でも、山下一史さんの指揮で『田園』を聴きたい」
あの“歌う”弦と木管の音を、ぜひ『田園』で聴いてみたいものです。

ホールを出ると、楽団員が並んで「ありがとうございました」と挨拶をしていてびっくり。NHKの番組「クローズアップ現代」で札響がやっているのを紹介していましたが、ニューフィル千葉でもやっている(あるいは始めた)ようです。とっても感じが良いものですね。
欲を言えば、楽器を持って立っていてくれると、もっと良かったかな。

|

« テミルカーノフ/読売日本交響楽団(2007/5/19) | トップページ | 飯守泰次郎/東京シティ・フィル(2007/5/26) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214768/15368064

この記事へのトラックバック一覧です: 山下一史/ニューフィル千葉(2007/5/20):

« テミルカーノフ/読売日本交響楽団(2007/5/19) | トップページ | 飯守泰次郎/東京シティ・フィル(2007/5/26) »