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2007年5月 2日 (水)

第5日(ウィーン第4日)(4)♪小澤征爾/ウィーン国立歌劇場「さまよえるオランダ人」

2007年5月2日(水)19:30
シュターツオーパー(ウィーン国立歌劇場)
指揮:小澤征爾
ワーグナー/歌劇「さまよえるオランダ人」

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本日の当日券売り場には「Sold Out」の文字。
出発前、インターネット予約サイトで見ていたら、小澤さんのウィーン復帰初日の4/29(私がムジークフェラインでヤンソンスを聴いていた日)は、早々と売り切れましたが、2日目のこの日のチケットはずっと残っていたので、「あれ?意外と人気がないのかな?」と心配していました。しかし心配は不要でしたね。
(入場してみると、5階席両脇の立見スペースには、多少空きがあったようですが、座席と立見は別枠なのでしょう。入り口も違いますし。)
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前日は5階席でしたが、この日の席は1階席中央通路のすぐ後ろの左寄りです。
(PARKETT LINKS Reihe: 14 Platz: 3)
上から3番目のランクの席で、95ユーロでした。今回の8公演のチケットのうち、唯一10,000円をこえた公演です。それでも日本での外来オペラの公演に比べれば、めちゃくちゃ安い。オーストリア政府の補助を受けている歌劇場で、オーストリアに税金を払っていない日本人が、こんなに安く極上の演奏を聴くのは、ちょっとだけ申し訳ない気分になりました。
この席でも、やはり、あまり残響のない、新国立劇場よりは東京文化会館に近いデッドな感じの音でしたが、5階席よりもバランスが良く、かつ大きい音に感じました。

この劇場は、前の席の背もたれの所に字幕表示装置がついていますが、この日の席の前は中央の通路なので、きっと字幕はない席なのだろうと予想していました。でも、この席の場合は、椅子の下から表示装置を引っ張り出して、手に持って見るようになっていました。私は、最初だけ手に持っていましたが、字幕表示装置を見ていたら舞台を見れませんので、すぐにしまいました。
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それにしても、この日の会場は、日本人が多いこと!
ウィーンに来てから7回目のコンサート(オペラ)ですが、今までで一番日本人が多いでしょう。2階のロージェ(6人個室のボックス席)などは、1列目は半分以上が日本人だったような気がします。
昼間のモーツァルトザールのコンサートでは、日本人は皆無で、来てはいけないところに来てしまったような気がしましたが、夜は全く逆です。さすがは小澤征爾さん!
そういう自分も(それだけが目的とは言いませんが)小澤征爾さんが目当てでウィーンに来ています。
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一度席についたものの、まだ時間があるので、左側の通路でオーケストラピットの前まで行ってみました。(さすがに中央の通路は遠慮しました。)(^^ゞ
背中が見えるコンサートマスターはキュッヒルさんのようでした。

チューニングが終わり、場内が暗くなり、例によって、指揮者登場の合図の電子音が3回鳴り響くと、拍手が始まります。しかし、みんな背伸びをしているので、私の席からは小澤征爾さんの姿は見えません。

(後日追記)この電子音は、「携帯電話の電源を切れ」と意味の、携帯着信音を模したものだという話しを、かなりたってから聞きました。

序曲が始まると、みんな椅子の背もたれに寄りかかったせいか、小澤さんの頭と、指揮をする手が、人々の頭の間から見えるようになりました。
もちろん、舞台は良く見えました。でも、そんな状態でも、私はときどき、舞台から目をそらして、オーケストラピットの小澤征爾さんの指揮姿に見とれました。2階席より上の階にすればよかったと思うほど、力強く美しい指揮姿でした。

この日は、序曲が終わると拍手が起きましたが、この曲って、序曲の後で拍手をするんでしたっけ?私の隣のドイツ人女性は拍手はしませんでした。

オーケストラの音は、前日とは全く違います。序曲こそ少し荒く感じたものの、曲が進むにつれて調子を上げ、2幕では、もう完全にあのウィーン・フィルの音。
美しい!
このオペラは合唱も魅力ですが、コーラスが入るとさらに小澤さんの真骨頂。
前日のペーター・シュナイダーさんには申し訳ないけれど、(そして、シュナイダーさんも相当の実力者であるにもかかわらず)、レパートリー指揮者と音楽監督クラスのビッグネームでは、格が違うと感じました。
そう、小澤征爾さんはビッグネームなんです。ボストン交響楽団音楽監督からウィーン国立歌劇場音楽監督に転身したビッグネームなのです。ウィーン・フィルの定期演奏会に呼ばれるビッグネームなのです。
日本では、一部に小澤征爾さんを過小評価する声もありますが、こうしてウィーンへ来てみると、よくもまあ、こんなところで音楽監督をやっていると感心します。
日本にいたときも「ウィーン国立歌劇場音楽監督」の価値はわかっていたつもりでしたが、頭ではわかっていても、その価値を“正しく”実感はしていなかったようです。

もうひとつ思い出したのは、3月下旬に聴いた、東京のオペラの森の「タンホイザー」。指揮はもちろん小澤征爾さんです。
あのときの、臨時編成のオケ「東京のオペラの森管弦楽団」は、名手揃いのはずなのに、私は「あれ?こんなもん?」と思いました。
今日は、同じ小澤征爾さんの指揮で、ウィーン国立歌劇場管弦楽団が「ウィーン・フィルの音」を響かせています。小澤さんが本当に出したかったのは、こういう音だったんだ…と思いました。
東京のオペラの森の「タンホイザー」も、もちろん良かったけれど、この日はその数段上。オケの「格」の違いを見せつけられました。

前日は気がつきませんでしたが、シーズンプログラムを売っていたので買ってきました。あまり気にしませんでしたが、今シーズンのではなく、2007年9月から1年間の来シーズンのプログラムでした。
その来シーズンの年間プログラムを見ると、レパートリー公演に混じって、ムーティ、ティーレマン、メータ、ウェルザー=メスト、そして小澤さんが振る公演があります。きっとレパートリー公演とは「格」の違う音が鳴り響くのでしょう。
(そのシーズンプログラムには、表紙をめくってすぐの2ページが総監督のホーレンダーの写真とサイン入りのメッセージ。その次の4ページに音楽監督セイジ・オザワの写真とサイン入りのメッセージが載っています。よくもまあ、こんな位置に…と感激しました。)

「ずっと終わらないでほしい」と思いながらも、舞台はあっという間に第3幕へ。そしてフィナーレへ。
通例の「オランダ人」の公演同様、幕間の休憩のないスタイルで、2時間15分ですが、「本当に2時間もかかったの?」と思うくらい、あっという間に聴き通した感じでした。

歌手では、ゼンタを歌ったNina Stemmeさんが素晴らしかったです。ファンになりました。(9月のチューリッヒ歌劇場来日公演で「ばらの騎士」に出演するようです。)

後で、日本に帰ってから知ったのですが、終幕でゼンタが焼身自殺するシーンは、プレミエ(新演出初演)の時は物議をかもして、ブーイングも出たとのこと。
私は今回初めて見ましたが、(海に身を投げるのに比べて)そんなにショッキングには感じませんでした。もちろん、会場からもブーイングはありません。
演出は、その終幕に舞台上で火が燃えるのを除けば、船も登場するし、3幕の幽霊船の登場の場面は真っ赤な照明で迫力満点。
オーソドックスな演出のように感じました。

終演後、楽屋口で待って、小澤征爾さんのサインをいただきました。
「3月のタンホイザーも聴きました」と言ったら「ああ、日本でやったやつね」と答えてくれました。もっともっと、感動したことを言葉にしたかったのですが、言葉にならず「ありがとうございました」と言うのが精一杯でした。
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小澤さんは、ねだられたファンにサインをし、ねだられたファンと写真に収ると、一人で足早に、ケルントナー通りをシュテファン寺院の方向へ歩いて消えていきました。
カジュアルな服装に着替え、足早に歩く白髪の東洋人を、すれ違う人は誰も「ウィーン国立歌劇場音楽監督」とは思わないでしょう。それくらい肩の力の抜けた自然体でした。

ホテルに帰ってからシーズンプログラムをじっくり見てみると、来シーズンも、小澤征爾さんの登場回数は結構少ないようです。当然のことながら、来年のゴールデンウィークにウィーンに来ても、小澤さんは聴けません。今年来て本当に良かったと思いました。

この日ファンになったNina Stemmeさんのサインも欲しかったのですが、出て来たのに私が気がつかなかったみたいです。小澤さんの後、歌手が何人か出て来たら、楽屋口で待っている人達が解散してしまいました。仕方なく、私も帰ることにしました。

この日の夕食は引き続き和食を食べようかとも思いましたが、22時をまわっていたのと、多少疲労も感じていたので、例のよって「ウィーン西駅」のスーパーでサンドイッチを買って帰り、ホテルの部屋で軽く済ませました。

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コメント

 ブログ開設おめでとうございます。
 更新、楽しみにしていますね。
 写真も見せて頂いてたせいか、改めて読んでいると、私まで小澤さんの「出待ち」をしていたような錯覚が…。すたすたとウィーンの街の闇に消えていく小澤さんの後ろ姿を見送っているような気分になりました(笑)。
 あさっての広上さん、楽しみですね。私は一番お安い3階席~。身を乗り出して広上さんの指揮を真正面から楽しむ覚悟です。

投稿: gizmo | 2007年6月 5日 (火) 08時59分

>gizmoさん
一番乗りありがとうございます!
きょうは、第5日(ウィーン第4日)から最終日までの写真を貼りました。
少しずつ“作業”をしていきますので、気長に見守ってくださいね!
あさっての広上さんは、私も3階席です。

投稿: 稲毛海岸 | 2007年6月 5日 (火) 22時18分

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