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2007年6月の7件の記事

2007年6月17日 (日)

ガンバ/東京交響楽団(2007/6/17)

2007年6月17日(日)14:00
ミューザ川崎シンフォニーホール
ラモン・ガンバ指揮 東京交響楽団
ピアノ:仲道郁代

ハイドン:交響曲第93番
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
ショスタコーヴィチ:交響曲第12番「1917年」


サントリーホール閉館中の、ミューザ川崎での定期演奏会の2回目です。

ミューザの響きは、私は大好きです。
ラトルがベルリン・フィルと来演したときに「持って帰りたい」と絶賛したという話しを聞いたような気がします。
サントリーホールに帰ってしまうのがちょっと残念になるくらいです。

前半はその美しい響きがひときわ映える古典派の曲。
前半の2曲はティンパニはバロック・ティンパニを使用していました。

東響は今シーズンの定期でハイドンの交響曲を連続して取り上げます。
私はハイドンの交響曲が大好きなので嬉しいシーズンです。
4月の「時計」に続いて今月は93番。
93番を選ぶところが渋いですね。
演奏は特に古楽奏法を模したものではなく、普通のモダンオケの演奏のように思いましたが、リズムなどはやはり21世紀の演奏です。
(定盤と言われているヨッフムのCDなどは、最近聴くとずいぶん昔の演奏に聞こえます。)

2曲目のモーツァルトは、3月の日フィルで「指揮者が2人いるみたい」と思った仲道さん。
ソロがないときはオケの方を向いて、眼光鋭く、多少の身振り手振りを交えて、まるで指揮をしているような感じなのは一緒ですが、この日は、日フィルのときに比べてやや控えめで、時々指揮を見つめていたのがちょっと違いました。
確かにこの曲でのガンバの指揮するオーケストラは見事。
第3楽章の弾むような音のご馳走もすばらしかったですが、第2楽章冒頭の美しさは格別。
あまりの美しさに、体の力が抜けて前のめりになりそうになりました。
ゴールデンウィークにウィーンのカフェ・モーツァルトでグーラシュ(※)の最初の一口を口に入れたときの感覚です。
きっと、人様にはお見せできないような恍惚の表情を浮かべていたはずです。(^^ゞ

※グーラシュ(Gulyas):オーストリアの料理で、パプリカが入ったソースで煮込んだビーフシチューのことです。

Pブロックで聴いたのでピアノの音については正確なところはわかりませんが、第1楽章では「ちょっと音が強めかな?」と思った箇所もありました。
でも、後の2楽章はこの曲にふさわしいタッチで堂々と、しかしチャーミングに弾ききり、「さすが仲道さん」というほかありません。
久しぶりに、素敵なモーツァルトのピアノ協奏曲を聴きました!
(家に帰って手帳を見てみたら、20番、24番は何回か聴いているものの、長調のピアノ協奏曲は2004年4月の東響定期のファジル・サイ以来でした。)

このまま古典派の曲を聴き続けたいような気分を抱きながら、後半は一転してショスタコーヴィチの交響曲。
この曲はあまり聴き込んでいないので演奏の善し悪しを論ずる資格はありませんが、屈折した心情や、憂いの表情などはあまり感じず、純粋に音として楽しむべく、豪華な音響がミューザに響き渡ったように感じました。
プログラムの冊子には、この12番のことを「彼の交響曲15曲のうち、最大の失敗作と見なされている」と書いてありましたが、ティンパニの強打は5番並みに面白いし、私は大いに楽しんで帰ってきました。

ガンバの指揮は前半から音楽の表情を身振りで体現するエネルギッシュな指揮。
ショスタコーヴィチの演奏が終わった後は、全力疾走した後のように、しばらく動きませんでした。

前回のガンバ指揮の東響定期は2005年9月で、おととしの手帳にも書いてあって私は聴いているはずですが、あまり記憶にありません。(^^ゞ
「惑星」が大音量だったような、かすかな記憶が…。
このブログを始めた理由のひとつに、(自分のために)忘却による記憶の風化を少しでも抑えて残しておきたいという思いがありますが、これはまさにその実例ですね。

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2007年6月16日 (土)

ファルスタッフ(新国立劇場)(2007/6/16)

2007年6月16日(土)14:00
新国立劇場
指揮:ダン・エッティンガー

ヴェルディ:ファルスタッImg_1185_1





前日の「ばらの騎士」の終演が22:30でしたので、15時間後に再び新国立劇場の戻ってきたことになります。
複数の上演日があるので、日程を分散させることも出来たのですが、今回はあえて集中させてみました。
「ばらの騎士」と「ファルスタッフ」を連続して聴く(観る)しあわせ。
ウィーンでの音楽三昧の感覚を少しでも再現してみたかったこともあります。

この日の席は4階席の2列目左寄り。
舞台は問題なく見えますが、オケピットは全く見えません。
初めて生で聴くエッティンガーさんの指揮も楽しみにしていたので、ちょっと残念でした。
しかし、前日の2階席後方の、“3階席の屋根”の下の席よりは音が良かった(大きかった)ような気がします。
(作品も指揮者も違うので断定はできませんが。)

堀内修さんの本によれば、通の人にとっては「ファルスタッフこそ、ヴェルディの最高傑作」(※)なのだそうです。
私はオペラは初心者で「通」の域には達していないので、最高傑作かどうかはわかりません。
「アイーダ」や「オテロ」と比較するには次元が違いすぎるような気もします。
堀内修さんによれば「難解ではなく、万人が楽しむことが出来る作品だが、そのすごさがわかるには、かなりの耳がいる」(※)とのこと。
…というわけで、私は初心者として十分に楽しませてもらいました。

※「これだけは見ておきたいオペラ」(新潮社)という本を見て書きましたが、堀内さんの文章そのものではなく、私が意味をもとに作文しました。

確かに、これは、本当に見ていて楽しいオペラです。
「こうもり」のような「はっはっは」と笑うオペラではなく、ときどき「くすっ」としながら、にこにこして観るオペラ。
「こうもり」が下品というわけではありませんが、上品な(上質なと言った方が良いかも)笑いを誘うオペラだと思いました。

この日の上演も、あちこちに「くすっ」とさせる仕草が仕掛けてあって、字幕に目をやっていると見逃しそうになります。
ピットが見えないのでエッティンガーさんの指揮やオケの様子はわかりませんでしたが、音楽は生き生きとしていて、歌手の皆さんも、この伴奏に乗って演じることが楽しかったのではないでしょうか。

前日の4時間を超える公演に比べて、この日は2時間半の短い(?)公演でしたが満足度では劣りません。
2日続けて性格の全く異なるオペラを2つ聴いて(観て)、日程を分散させずに集中させて良かったと思いました。

【作曲】ジュゼッペ・ヴェルディ
【原作】ウィリアム・シェイクスピア
【台本】アッリーゴ・ボーイト

【指揮】ダン・エッティンガー
【演出】ジョナサン・ミラー
【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
【照明】ペーター・ペッチニック
【再演演出】田尾下 哲
【舞台監督】大仁田 雅彦

【合唱指揮】三澤 洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

キャスト
【ファルスタッフ】アラン・タイタス
【フォード】ヴォルフガング・ブレンデル
【フェントン】樋口 達哉
【医師カイウス】大野 光彦
【バルドルフォ】大槻 孝志
【ピストーラ】妻屋 秀和
【フォード夫人アリーチェ】セレーナ・ファルノッキア
【ナンネッタ】中村 恵理
【クイックリー夫人】カラン・アームストロング
【ページ夫人メグ】大林 智子

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2007年6月15日 (金)

ばらの騎士(新国立劇場)(2007/6/15)

2007年6月15日(金)18:00
新国立劇場
指揮:ペーター・シュナイダー

Rシュトラウス:ばらの騎士


Img_1184




ゴールデン・ウィークに、ウィーン国立歌劇場で「エレクトラ」を聴いたシュナイダーさんの指揮です。
18:00開演なので、定時に会社を出ても間に合いませんので、休暇を取って出かけました。

席は2階最後列の右端。
3階席が屋根になっている場所ですが、新国立劇場なので音響はまあまあ。
鑑賞には問題はありませんでした。

それほどオペラ通ではないので、演出がどうのこうのはわかりませんが、プログラムの冊子によれば、本来の設定は18世紀ですが、このオペラが初演された20世紀初頭の設定とのこと。
でも極端に現代化されているわけでもなく、抽象化されているわけでもないので、素直に楽しむことが出来ました。
歌手についても専門的なことはわかりませんが、私は十分に満足しました。

シュナイダーさんの指揮は面白かったです。
ウィーンで聴いた「エレクトラ」では、「これがウィーン・フィルの母体のオケか?」と思うくらい、荒々しい音を出してましたが、第1幕ではひらすら甘美な音。
私の耳は、ときどき舞台上の歌手から離れ、オケの音に聴き惚れました。
「ウィーン・フィルのような」などと言うと、通の人には軽蔑されそうですが、東京フィルの響きは本当にきれいでした。
しかし、第2幕になって、いろいろな騒動の場面なると、シュトラウスの音楽も荒々しい音楽に変わり、シュナイダーさんの音も一変します。
ウィーンで聴いた「エレクトラ」ほどではありませんが、強奏では「きれいな音」ではなく「迫力のある音」を指向している感じ。
「あ、ウィーンで聴いたのは、こういう音だ」と懐かしくなりました。
第3幕は、前半が荒々しいシュナイダーさん、後半が甘美なシュナイダーさんでした。

真偽は定かではありませんが、Rシュトラウスは生前「リヒャルトならワーグナーだ。シュトラウスならヨハンがいいぞ。」と揶揄されたという話しを聞いたことがあります。
でも、この日の演奏を聴くと、その言葉は揶揄ではなく、最高のほめ言葉のように思えてきます。

各幕とも1時間くらいかかるのですが、その1時間があっという間。
「もう休憩?」「もう終わり?」という感じ。
「終わってほしくない」と思いつつ、4時間の贅沢な“音のご馳走”の時間が終了しました。
オペラのチケットは比較的高価ですが、かかっているコストと、出てくる舞台と音への対価として考えると、決して高くありませんね

終演予定時刻は最初から22時10分となっていましたが、カーテンコールが終わったのは
22時30分頃でした。
シュナイダーさんと主役クラスの歌手には盛大なブラボーが飛び交い、かなり沸いていました。

【作曲】リヒャルト・シュトラウス
【台本】フーゴー・フォン・ホフマンスタール

【指揮】ペーター・シュナイダー
【演出】ジョナサン・ミラー
【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
【照明】磯野 睦
【舞台監督】大澤 裕

キャスト
【元帥夫人】カミッラ・ニールント
【オックス男爵】ペーター・ローゼ
【オクタヴィアン】エレナ・ツィトコーワ
【ファーニナル】ゲオルグ・ティッヒ
【ゾフィー】オフェリア・サラ
【マリアンネ】田中 三佐代
【ヴァルツァッキ】高橋 淳
【アンニーナ】背戸 裕子
【警部】妻屋 秀和
【元帥夫人の執事】秋谷 直之
【ファーニナル家の執事】経種 廉彦
【公証人】晴 雅彦
【料理屋の主人】加茂下 稔
【テノール歌手】水口 聡
【帽子屋】木下 周子
【動物商】青地 英幸
【レオポルド】三戸 大久

【合唱指揮】三澤 洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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2007年6月11日 (月)

金聖響/東京交響楽団(2006/11/22)

2006年11月22日(水)19:00
市川市文化会館

金聖響指揮 東京交響楽団
ピアノ:小川典子*
ヴァイオリン:大谷康子**

ベルリオーズ:ローマの謝肉祭
ショパン:ピアノ協奏曲第1番*
サラサーテ:チゴイネルワイゼン**
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」(新版)


半年以上前の演奏会ですが、某所で金聖響さんの話題が出たので、別の場所で書いた文章を編集して再掲することにしました。

東響はサントリーホールの定期会員なのですが、この日は勤務先の近くで東響の演奏会があったので、聴きに行きました。
ふだん平日の夜にコンサートに行くときは、就業のチャイムが鳴ると同時に席を立ち、慌ただしく都内へ向かうのですが、この日はずいぶんゆっくりと会社を出ました。
ちょっと不思議な感覚でした。

小川典子さんのショパン、コンサートマスターの大谷康子さん独奏のチゴイネルワイゼンも素晴らしかったですが、最後のメンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」(新版)が素晴らしい企画でした。
メンデルスゾーンはこの交響曲を何回か改訂していて、少なくとも3つの版があるそうです。この日は原典に近い新版を使用しての演奏とのことです。
新版の目新しさもさることながら、当時のゲヴァントハウスでの演奏スタイルの再現ということで、チェロとバロックティンパニ以外は全員立っての演奏。
しかも第1ヴァイオリンとヴィオラが右側、第2ヴァイオリンとチェロが左側という配置。
コンマスの席に大谷さんが居ないので「ツィゴイネルワイゼンの独奏の後だから、出演しないのかな~」と思って、よく見たら右側に立っていたのでびっくり!
3曲目から4曲目になって立奏に変わったとたん、響きが変わりました。
特に木管がきれい!
(視覚的にも、フルートの甲藤さちさんが良く見えるようになって嬉しかった!)(^^ゞ

金聖響さんも御自身のブログに、
> 立って演奏することがこんなに自然なものだとは思いもしませんでした。
> こんなに違うんだな、と感じられて大きな発見でした。くせになりそう(笑)
と書いていました。

今回のメンデルスゾーンは、市川だけでやるのはもったいない企画で、ぜひ定期演奏会等で再演してほしいものですが、どうやら市川オリジナル企画のようです。
市川文化会館の学芸員の方は、オリジナル企画にこだわりがあるようです。

なお、この日の演奏会は、曲と曲の間でトークがあり、楽しめました。
1曲目が終わった後に、演奏会を企画した市の学芸員の方と大谷康子さんによるトーク。4曲目のメンデルスゾーンの前に金聖響さんのトーク。
数日前に結婚が報じられたこともあり、会場から「結婚おめでとう」の声がかかったりして、沸いていました。
どちらも、協奏曲のためにピアノを準備している時間と、立奏のために椅子を片付けている時間を利用したものですが、こういうのも良いなと思いました。

正直言って、いわゆる“地方公演”なので、それほど期待していなかったのですが、いつも行っている定期演奏会と同等以上の満足度でした。
東響は手抜きをしませんね。
ますます好きになりました。

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2007年6月 7日 (木)

広上淳一/NHK交響楽団(2007/6/7)

2007年6月7日(木)19:00
東京オペラシティ・コンサートホール
広上淳一 指揮 NHK交響楽団
ピアノ:児玉麻里、児玉桃*
チェロ:藤森亮一**
オルガン:ギラン・ルロワ***

サン・サーンス/組曲「動物の謝肉祭」*
サン・サーンス/チェロ協奏曲第1番**
サン・サーンス/交響曲第3番***


平日夜なので行けなくなる可能性もあると考え、一番安い席を買っておきました。
お値段は2,000円です。
3階右側バルコニー席2列目で、舞台が半分見えない席ですが、この値段で、これだけ近くで見ることができるのですから不満はありません。
それに、オペラシティの3階バルコニー席は、結構音が良いように思います。

この日は、いろいろバラエティーに富んだプログラムで、面白かったです。

まず、1曲目の「動物の謝肉祭」。
プログラムの冊子には「オリジナル室内楽編成による演奏」とありますが、指揮者とピアニスト2人を入れて12人の奏者だったようです。(←半分見えないので)
こういう曲なのに、N響の団員さんが、みんな真面目な表情で演奏しているのが、ちょっとおかしかったです。
もう少し、にこやかに、楽しんで演奏しても良いのに、皆さん音楽に真剣なんです。
児玉麻里さん、児玉桃さんも、最初は真面目に弾いていましたが、最後の方は、児玉麻里さんが、結構気合いを入れた身振りで弾いていました。
児玉麻里さん、私は今回初めて聴きましたが、今度は協奏曲でも聴いてみたいです。

2曲目のチェロ協奏曲では、藤森亮一さんの美しい音に聞き惚れました。
オケの団員のソロというと、10年くらい前は多少弱く感じたものですが、近年のオケのレベルアップは目覚ましく、首席奏者クラスの腕も上がっているのでしょうね。
「動物の謝肉祭」(「白鳥」を含む)のチェロ奏者は、プログラムの冊子によると木越洋さんだったようです。(←舞台が半分見えないから…)(^^ゞ
同じN響主席でも微妙に音が違います。
でも、どちらもすばらしかったです。!

3曲目の交響曲では、オルガンの音に魅了されました。
オペラシティのオルガンを聴くのは初めてのような気がします。
本当にきれいな音です。
柔らかいオルガンの音がオケの響きと溶け合って、極上のハーモニーを奏でます。
座った席が良かったのか、オルガン自体が良いのか、奏者が良かったのかわかりませんが、サントリーホールや東京芸術劇場のオルガンよりも良い響きに感じました。

ギラン・ルロワは、1月のデュトワのときも、オルガンを弾きました。
あのときはNHKホールでしたが、それでも結構良い音でした。
もしかしたら、ギラン・ルロワの力量もあるかもしれません。

オケの音は、「広上節」の中に「デュトワの置きみやげのサウンド」が垣間見れて、面白かったです。
N響は本当にフランス音楽がうまくなりました。
フレンチ・サウンドと言うよりも、デュトワ・サウンドですが、本当に良い置きみやげだと思いました。

広上さんの指揮でこの曲を聴くのは10年ぶりくらい。
前回は日フィルでした。
当時、「広上さんの指揮は、日フィルの方が面白い」と思っていました。
破綻無くまとまるN響と、出来不出来はあるがノッたときは破綻ギリギリの熱演をする日フィル。
でも、この日のN響は、体を揺らしての熱演でした。

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2007年6月 2日 (土)

プレトニョフ/ロシア・ナショナル管弦楽団(2007/6/2)

2007年6月2日(土)14:00
横浜みなとみらいホール

ミハイル・プレトニョフ指揮
ロシア・ナショナル管弦楽団

ピアノ:上原彩子

チャイコフスキー:イタリア奇想曲(曲目追加)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番「革命」
Jシュトラウス2世:ポルカ「ハンガリー万歳」(アンコール)
ハチャトゥリアン:レズギンカ(アンコール)


前半と後半で、印象が全く違う演奏会でした。

前半終了後:
「禁欲的すぎて物足りない」
「もうプレトニョフの指揮する演奏会には行きたくない」(-_-;)

後半終了後:
「プレトニョフのショスタコーヴィチはすばらしい」
「ショスタコーヴィチの他の交響曲もぜひ聴いてみたい。」\(^_^)/

まず会場に着いて、嬉しいと(そのときは)思ったのは曲目の追加。
「演奏者の希望により」とのことですが、元のプログラムでも約90分あったのに約15分の追加です。

しかし、「イタリア奇想曲」で印象に残ったのは、目の前2~3メートルの至近距離で炸裂したシンバルでした。(^^ゞ
オケの並びは、チョロとコントラバスが左側に行き、第2バイオリンが右側に来る配置。打楽器陣は右側に行き、私の座ったP席の真ん前でした。
ティンパニが、通常はコントラバスが居るあたりに配置されています。
まあ、シンバルはともかく、先週聴いたテミルカーノフ/読響のチャイコフスキーに比べて、“聴いていてわくわくするような何か”が私には感じられないのです。最後は大きな音で終わって、会場からは「ブラボー」の声もかかっていましたが、なんか、きつねにつままれたような気分でした。

次のラフマニノフでも、プレトニョフの演奏は禁欲的で、まるでショスタコーヴィチの交響曲の緩徐楽章のようなラフマニノフに感じました。いや、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲のような…と言った方が良いかもしれません。
昨年の年末の、プレトニョフ指揮、東京フィルの「第九」の記事が朝日新聞に出ていましたが、いわく「肩すかしを食った」「ショスタコーヴィチのようなベートーヴェン」。その記事を思い出しました。

上原彩子さんは頑張ったと思います。
会場からは「ブラボー」の声がかかり、カーテンコールは4~5回続きました。
しかし、ピアノの構造上、P席から聴く音は、多少マスクされたような音になるのは仕方ありません。「向こう側で聴きたい」と思いながら、(最安席を買っているのですから仕方なく)禁欲的なオケの音を聴いていました。

プレトニョフは、協奏曲のカーテンコールには一切登場せず、毎回、上原さんだけが出てきました。
元々、普段からそういう人なんでしょうか?
それとも、上原さんの演奏をあまり良く思わなかったのでしょうか?
「イタリア奇想曲」がプログラムに追加されたことも含めて、いろいろな憶測をしてしまいました。

さて、ショスタコーヴィチのようなチャイコフスキーと、ショスタコーヴィチのようなラフマニノフの後は、本物のショスタコーヴィチです。
ショスタコーヴィチのようなショスタコーヴィチが悪いわけがありません。
それに、前半に比べて、指揮者もオケもテンションが違うみたい。
「あれ?前半は禁欲的と言うよりも、力をセーブしていたの?」と思いました。
テンポも、速いところはかなり意図的に速くしたりしていましたし、音の大きいところはかなり鳴らしていました。
もちろん、静かなところの張りつめた雰囲気は、前半から聴いてきた「ショスタコーヴィチのような」の面目躍如です。
すばらしいショスタコーヴィチでした。

アンコール1曲目は、Jシュトラウスの「ハンガリー万歳」で、意表をつかれました。
最初「あ、聴いたことがある」と思いながらも、誰の曲か思い出せず、「プロコフィエフ?」「ドヴォルザーク?」「???」
最後の方になって、ようやく「ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの中継で聴いたことがある」と思い当たり、ようやく曲名を思い出しました。
さすがにウィーンの曲だけあって、結構、弦がきれいに鳴っていました。

アンコール2曲目は、さすがにすぐ「ハチャトゥリアン」とわかりましたが、1~2メートルの至近距離で小太鼓が大活躍したため、私の席では音のバランスがとれていなくて、(金管の音すらあまり聞こえないほど小太鼓の音が凄かった)途中から全体のメロディーはわからなくなりました。
でも、まあ、なかなか出来ない経験で面白かったです。

…というわけで、指揮者プレトニョフは私は今回が初めてでしたが、前半と後半で印象が違いすぎたので、プレトニョフという指揮者がわからなくなった演奏会でした。

どうも釈然としないので、会場で「イタリア奇想曲」と「悲愴」が入ったCDを買ってきました。「イタリア奇想曲」は会場で聴いたのと同じような印象。「悲愴」も禁欲的な印象でした。

この後の、6/5(火)、6/6(水)のオペラシティでの東京公演を聴く予定はありませんが、いったいどんな演奏になるのでしょうか。
また、10月の東京フィルの演奏会の中には、「田園」などという曲目が入った日があります。いったいどんな演奏になるのか、怖いもの見たさで聴いてみたい気もしました。

その後、2007/6/8の朝日新聞夕刊に、この日の演奏会評が載っていました。
「ロシア人が自国の音楽ばかり弾くのに(中略)次々に裏切られる。」
「ロシアの重苦しい憂鬱を(中略)巧みにすり抜ける。」
「淡々と突き放す。思い入れず、感動させない。」
「表層的な音の戯れの中に奥に、根深いニヒリズムが見える」
やはり、ちょっと異質な音楽だったのですね。

でも、ショスタコーヴィチは、そういう演奏でも良いと思います。

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2007年6月 1日 (金)

NHK教育「小澤征爾ウィーン国立歌劇場復帰」(2007/6/1放送)

2007年6月1日にNHK教育テレビで放送された「芸術劇場」の「海外情報コーナー」で、小澤征爾さんのウィーン復帰の模様が10分ほど放送されました。

放送されたのは初日の4月29日の公演で、私が聴いたのは5月2日でしたが、舞台装置や出演者は同じですので、ゴールデンウィークの至福の記憶がよみがえりました。

小澤征爾さんのインタビューも放送されていました。
「40歳の頃から病気をするまで同じようなスケジュールを組んでいました。それまでは、昼は次の公演の準備をして、夜は今の公演をやるというような同時並行の進め方をしていましたが、やめました。」
「ウィーンで振る回数は少なくしますが、ウィーンには居て、オーディションを聴いたり、新しい指揮者がデビューするときの公演を聴いたりして、本来の音楽監督のやらなければいけない仕事をやります。」
というような意味のことを語っていました。

ウィーンで買ってきた、2007年9月から始まる1年間のシーズンプログラムの冊子を見て、10月28日プレミエの「スペードの女王」(再演が11月1、5、9、13、17日と2008年6月22、26、30日)しか振らないので、「あれ?ウィーンでの音楽監督の仕事は、もう、あまり、やらないのかな?」とちょっと心配していましたが、取り越し苦労でほっとしました。

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