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2007年7月31日 (火)

アルミンク/新日本フィル(2007/07/30)

2007年7月30日(月)20:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
新日本フィル

チェロ:ソル・ガベッタ


エルガー:チェロ協奏曲
ペリトス・ヴァスクス:チェロのための「本」より(アンコール)
ベートーヴェン:交響曲第4番
Img_1705




前日の東京フィルの演奏会では、公開リハーサルから気合いを入れて聴き過ぎて、本番で眠くなってしまって後悔しました。
それにもかかわらず、本日も17:00開始の公開リハーサルを聴きに、ミューザ川崎へ行ってきました。
平日ですが会社の夏休み期間なので、こういう贅沢が出来ます。

本日はリハーサル開始予定時刻17:00の10分前くらいにホールに到着。
すでにオケのメンバーは9割くらいが舞台上で音を出しています。
オケの編成は第1ヴァイオリン12人の、比較的小編成。
舞台の前面から2メートルくらい後ろに下がって並んでいます。
1分前にアルミンクさんが登場。
長身で、男の私が見ても「かっこいい」と思います。
まずはベートーヴェン。
各楽章から何箇所かピックアップしての練習です。
すでに、すみだトリフォニーホールでの定期演奏会で2回演奏しているはずですが、意外と細かいことを直しています。
リハーサルは英語のようですが、ときどき「ツヴァイ」なんて言葉も聞こえるし、練習番号については「ナナジュウナナバンデス。ハイッ。」なんて日本語を使ったりしています。
込み入った言い回しについては、「のんびり聞こえるので、猟犬がかみつくように演奏して下さい」などと通訳の方が日本語に訳しました。
1回、客席に降りて1階席後方まで行き、2~3分、オケが演奏するのを聴いていました。
17:27頃に5分間の休憩が入り、チェロ協奏曲のために若干の配置換え。
ソル・ガベッタさんが登場し、エルガーでも何箇所かピックアップしての練習。
17:47頃に練習は終了しました。

その後、嬉しいことにアルミンクさんのトークがありました。
アルミンクさんはドイツ語で話し、それを通訳の方が日本語に訳します。
どういう所を、どういう目的で練習したのかを話してくれました。
「ベートーヴェンは各楽章、エルガーは第1、第2、第4楽章から、かいつまんで練習した。」
「ファゴットの早いパッセージ、ヴァイオリンの16分音符など、技巧が要求される部分を練習で一度演奏しておくと、安心して本番を迎えられる。」
(ファゴットの早いパッセージは、オーケストラが主席ファゴット奏者をオーディションで選ぶときに課題曲とするくらい、難しい部分だ…とも言っていました。)
(日本語で「ジュウロクブンオンプ」と言っていました。)
「すでに2回、すみだトリフォニーホールで演奏しているが、ミューザ川崎の響きに合わせて修正した。このホールは高域や低域に比べて中域がやや聞こえにくいので、中域を強い音で演奏するように指示した。また、トランペットが響きすぎるので、弱めに吹くように指示した。」
「オケも指揮者も、こうして演奏してホールの響きに慣れておくと、本番が安心して迎えられる。」
非常に興味深いトークで大満足。
18:00少し前に、公開リハーサルが終了しました。

一度ホールを出て、本番開演20:00の少し前に、自分の席に戻りました。
本日の私の席は2階の右側のRAブロックです。
両サイドと4階席に空席が目立ちましたが、この日で7日連続で開催されていることと、平日であること、場所が川崎であることを考慮すると、まずまずの集客だと言うべきでしょう。

意外なことに、私がアルミンクさんを聴くのは、今回が初めてです。
なぜか、いつでも聴けるという安心感からか、聴く機会を逸してきていました。
でも、新日本フィルの状態が、昔に比べて格段に良くなっているのは、ロストロポーヴィチさん、小澤征爾さん、ブリュッヘンさんの指揮した演奏会で確認済みです。
そして、この格段の進歩をもたらした人が誰であるかは、雑誌の記事等で、十分に承知しています。
この日は、その“本人”の演奏を、ようやく聴くことが出来たのでした。

まず、一曲目はソル・ガベッタさんのチェロ独奏によるエルガーのチェロ協奏曲。
豪快さよりは、一音一音を大事に演奏するタイプだと聞こえましたが、決して音楽が小さいわけではなく、思わず引き込まれるような音を持っています。
強奏部も良かったですが、特に弱音部の癒されるような緊張感(←矛盾する文言ですが)が素晴らしく、「この曲って、弱音部がこんなにすてきだったんだ!」と再発見させてくれる演奏でした。

盛大な拍手に応えて、アンコールを演奏してくれました。
聞こえないくらいの弱音で始まり、途中、チェロの演奏をバックにヴォーカル(ソプラノだと思う)が入り、最後はまた聞こえないくらいの弱音で終わる曲。
ソル・ガベッタさんが自ら歌っていたのでしょうか。
きれいな声でした。
家に帰ってネットで検索してみると、ヴァスクス(1946-)はラトヴィアの作曲家。
チェロのための「本」(1978)は、本当に、チェリストが演奏しながら歌う曲のようです。
エルガーの後に演奏するには非常に良い選曲。
バッハの無伴奏でなくて良かった!

ようやく拍手がおさまり、舞台上の若干の配置替えをして、ベートーヴェンの交響曲が始まったのが20:45頃。
ミューザ川崎の響きが、この曲にふさわしく、すばらしい!
ベートーヴェンの4番、特に第1楽章は、「残響もこの交響曲の一部」と言っても良いくらい、残響が重要だと思います。
まだ日本にサントリーホールが無かった時代、FM放送で、バイエルン放送交響楽団の演奏するこの曲のライブを聴き、ヘラクレスザールの残響を伴ったこの曲の素晴らしさに驚嘆した記憶がありますが、この日の演奏もミューザの残響で最高の御馳走になりました。

ミューザ川崎は、主にP席、あるいは2階や3階のRA、LA席で聴いていますが、
(つまり安い席)(^^ゞ
どこで聴いてもすばらしい響きです。
でも場所によって、かなり響きの質が違うようです。
5メートルくらい移動してもかなり変わります。
(オーケストラが違うせいだけではないと思います。)
この日の響きは、また格別でした。
3階席が上に少しかぶさっているにもかかわらず良い響き。
ゲネプロと本番で、お客さんが入ったことによる残響の違いまでわかりました。
正直言って響きはゲネプロの方がさらに良かったですが、レコーディングではないので「音を吸収してしまうからお客さんは入れない」というわけにはいきませんね。

とても躍動感のある演奏で、あまり耳慣れないクレッシェンドを2~3回入れたような気がしますが、それ以外は正攻法。
速めのテンポですが、せかせかした感じはありません。
重量級ではありませんが、決して軽い音ではありません。
一部のソロ楽器が完璧とは言えない出来でしたが、それは些細なこと。
特に終楽章の、オケが一丸となって突き進むような推進力は見事でした。

演奏が終わってホールを出たのは21:30に近い時間でした。
でも、この日は体調がとっても良く、演奏に集中できました。
この体調で前日の東京フィルも聴きたかったです。

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