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2007年7月の14件の記事

2007年7月31日 (火)

アルミンク/新日本フィル(2007/07/30)

2007年7月30日(月)20:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
新日本フィル

チェロ:ソル・ガベッタ


エルガー:チェロ協奏曲
ペリトス・ヴァスクス:チェロのための「本」より(アンコール)
ベートーヴェン:交響曲第4番
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前日の東京フィルの演奏会では、公開リハーサルから気合いを入れて聴き過ぎて、本番で眠くなってしまって後悔しました。
それにもかかわらず、本日も17:00開始の公開リハーサルを聴きに、ミューザ川崎へ行ってきました。
平日ですが会社の夏休み期間なので、こういう贅沢が出来ます。

本日はリハーサル開始予定時刻17:00の10分前くらいにホールに到着。
すでにオケのメンバーは9割くらいが舞台上で音を出しています。
オケの編成は第1ヴァイオリン12人の、比較的小編成。
舞台の前面から2メートルくらい後ろに下がって並んでいます。
1分前にアルミンクさんが登場。
長身で、男の私が見ても「かっこいい」と思います。
まずはベートーヴェン。
各楽章から何箇所かピックアップしての練習です。
すでに、すみだトリフォニーホールでの定期演奏会で2回演奏しているはずですが、意外と細かいことを直しています。
リハーサルは英語のようですが、ときどき「ツヴァイ」なんて言葉も聞こえるし、練習番号については「ナナジュウナナバンデス。ハイッ。」なんて日本語を使ったりしています。
込み入った言い回しについては、「のんびり聞こえるので、猟犬がかみつくように演奏して下さい」などと通訳の方が日本語に訳しました。
1回、客席に降りて1階席後方まで行き、2~3分、オケが演奏するのを聴いていました。
17:27頃に5分間の休憩が入り、チェロ協奏曲のために若干の配置換え。
ソル・ガベッタさんが登場し、エルガーでも何箇所かピックアップしての練習。
17:47頃に練習は終了しました。

その後、嬉しいことにアルミンクさんのトークがありました。
アルミンクさんはドイツ語で話し、それを通訳の方が日本語に訳します。
どういう所を、どういう目的で練習したのかを話してくれました。
「ベートーヴェンは各楽章、エルガーは第1、第2、第4楽章から、かいつまんで練習した。」
「ファゴットの早いパッセージ、ヴァイオリンの16分音符など、技巧が要求される部分を練習で一度演奏しておくと、安心して本番を迎えられる。」
(ファゴットの早いパッセージは、オーケストラが主席ファゴット奏者をオーディションで選ぶときに課題曲とするくらい、難しい部分だ…とも言っていました。)
(日本語で「ジュウロクブンオンプ」と言っていました。)
「すでに2回、すみだトリフォニーホールで演奏しているが、ミューザ川崎の響きに合わせて修正した。このホールは高域や低域に比べて中域がやや聞こえにくいので、中域を強い音で演奏するように指示した。また、トランペットが響きすぎるので、弱めに吹くように指示した。」
「オケも指揮者も、こうして演奏してホールの響きに慣れておくと、本番が安心して迎えられる。」
非常に興味深いトークで大満足。
18:00少し前に、公開リハーサルが終了しました。

一度ホールを出て、本番開演20:00の少し前に、自分の席に戻りました。
本日の私の席は2階の右側のRAブロックです。
両サイドと4階席に空席が目立ちましたが、この日で7日連続で開催されていることと、平日であること、場所が川崎であることを考慮すると、まずまずの集客だと言うべきでしょう。

意外なことに、私がアルミンクさんを聴くのは、今回が初めてです。
なぜか、いつでも聴けるという安心感からか、聴く機会を逸してきていました。
でも、新日本フィルの状態が、昔に比べて格段に良くなっているのは、ロストロポーヴィチさん、小澤征爾さん、ブリュッヘンさんの指揮した演奏会で確認済みです。
そして、この格段の進歩をもたらした人が誰であるかは、雑誌の記事等で、十分に承知しています。
この日は、その“本人”の演奏を、ようやく聴くことが出来たのでした。

まず、一曲目はソル・ガベッタさんのチェロ独奏によるエルガーのチェロ協奏曲。
豪快さよりは、一音一音を大事に演奏するタイプだと聞こえましたが、決して音楽が小さいわけではなく、思わず引き込まれるような音を持っています。
強奏部も良かったですが、特に弱音部の癒されるような緊張感(←矛盾する文言ですが)が素晴らしく、「この曲って、弱音部がこんなにすてきだったんだ!」と再発見させてくれる演奏でした。

盛大な拍手に応えて、アンコールを演奏してくれました。
聞こえないくらいの弱音で始まり、途中、チェロの演奏をバックにヴォーカル(ソプラノだと思う)が入り、最後はまた聞こえないくらいの弱音で終わる曲。
ソル・ガベッタさんが自ら歌っていたのでしょうか。
きれいな声でした。
家に帰ってネットで検索してみると、ヴァスクス(1946-)はラトヴィアの作曲家。
チェロのための「本」(1978)は、本当に、チェリストが演奏しながら歌う曲のようです。
エルガーの後に演奏するには非常に良い選曲。
バッハの無伴奏でなくて良かった!

ようやく拍手がおさまり、舞台上の若干の配置替えをして、ベートーヴェンの交響曲が始まったのが20:45頃。
ミューザ川崎の響きが、この曲にふさわしく、すばらしい!
ベートーヴェンの4番、特に第1楽章は、「残響もこの交響曲の一部」と言っても良いくらい、残響が重要だと思います。
まだ日本にサントリーホールが無かった時代、FM放送で、バイエルン放送交響楽団の演奏するこの曲のライブを聴き、ヘラクレスザールの残響を伴ったこの曲の素晴らしさに驚嘆した記憶がありますが、この日の演奏もミューザの残響で最高の御馳走になりました。

ミューザ川崎は、主にP席、あるいは2階や3階のRA、LA席で聴いていますが、
(つまり安い席)(^^ゞ
どこで聴いてもすばらしい響きです。
でも場所によって、かなり響きの質が違うようです。
5メートルくらい移動してもかなり変わります。
(オーケストラが違うせいだけではないと思います。)
この日の響きは、また格別でした。
3階席が上に少しかぶさっているにもかかわらず良い響き。
ゲネプロと本番で、お客さんが入ったことによる残響の違いまでわかりました。
正直言って響きはゲネプロの方がさらに良かったですが、レコーディングではないので「音を吸収してしまうからお客さんは入れない」というわけにはいきませんね。

とても躍動感のある演奏で、あまり耳慣れないクレッシェンドを2~3回入れたような気がしますが、それ以外は正攻法。
速めのテンポですが、せかせかした感じはありません。
重量級ではありませんが、決して軽い音ではありません。
一部のソロ楽器が完璧とは言えない出来でしたが、それは些細なこと。
特に終楽章の、オケが一丸となって突き進むような推進力は見事でした。

演奏が終わってホールを出たのは21:30に近い時間でした。
でも、この日は体調がとっても良く、演奏に集中できました。
この体調で前日の東京フィルも聴きたかったです。

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2007年7月29日 (日)

チョン・ミョンフン/東京フィル(2007/7/29)

2007年7月29日(日)15:00
ミューザ川崎シンフォニーホール


指揮:チョン・ミョンフン
東京フィル


ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
ベートーヴェン:交響曲第7番


頭の中には前日の「カルメン」や、前々日の「惑星」のメロディが飛来し、余韻がさめていませんが、この日もミューザ川崎に行ってきました。

チョン・ミョンフンさんと東フィルは、ベートーヴェン全曲のツィクルスを終えたばかりで、本日はそのツィクルスの中の1日と同じプログラムのようです。
ツィクルスの方は聴きませんでしたが、ミューザで聴けて良かったです。
しかも、ミューザの方はツィクルスに比べてチケットがはるかに安い。
本日の席は3階の右側(RAブロック)で、舞台の右半分が見えない席ですが、指揮台は見えるし、天井に近い分音響も良いので不満はありません。
しかも、この日は公開リハーサルもあり。
「本当にいいの?」と言いたくなるような大盤振る舞いです。

しかし会場に着いてみると、11:30の開場は変わりありませんが、12:00開始予定だった公開リハーサルが、12:30開始に変更になったとのこと。
リハーサルの終了予定は13:30とのことです。
「1時間のリハーサルでは全曲は弾かないようだな」と思いながら、リハーサル開始まで、席で1時間ほどゆっくりさせていただきました。

金曜日のシティ・フィルの公開リハーサルでは、途中入場のときに「空いている席でどうぞ」と言われましたが、この日は「チケットの席でお願いします」とのことです。
確かに休日の昼間の完売の演奏会ですので、妥当な指示でしょう。
リハーサル開始時には、20~30%くらいお客さんが居たように見えました。

開場してすぐに入場すると、舞台上には両手で数えられる程度の奏者しか居ませんでしたが、なんとすでにコンサートマスターの席には荒井さんが座っていて、熱心に練習しています。
12時過ぎにはオケのメンバーも4割くらいに増えて、いろいろな音がホール内に響きわたります。
こういう、各自勝手に音を出している状態でも、ミューザの響きは美しい。
こううのをリラックスして聴いているのも良いものです。

12:30頃にチューニングが始まり、チョン・ミョンフンさんが登場すると、会場から拍手が起きましたが、チョン・ミョンフンさんは客席には見向きもせず、オケの方を向きました。
「オハヨウゴザイマス」と日本語で挨拶した後は、英語での練習。
高い丸椅子に座り、譜面台に小さなスコアを置いて、でもスコアはほとんど見ないでの指揮です。
まず「田園」からですが、各楽章の冒頭と、最終楽章の最後を練習して、ところどころ直して15分ほどで終了。
「あれ?残り45分で7番をみっちりやるのかな?」と思いましたが、7番も同じような練習で15分ほどで終了。
結局公開リハーサルは30分ほどで終わってしまいました。
まあ、すでにツィクルスで演奏した曲ですから、今さら細かい練習は必要ないということでしょうね。
チョン・ミョンフンさんの退場時も会場から拍手が起きましたが、チョン・ミョンフンさんは、やはり客席には見向きもしませんでした。

13:00頃に一度ホールを出て、14:00から向かいの市民交流室というところで、30分程度の無料のミニコンサートを聴きました。
洗足学園音楽大学の学生4人によるクラリネット四重奏です。
これについては、別途書くことにします。

さて、15:00から、いよいよ待ちに待った本番でしたが、連日の疲れが出て、「田園」の第1楽章の後半から第2楽章にかけて、眠くなってしまいました。
寝てしまうことはありませんでしたが、何度か危なかった。(^^ゞ
こんなことなら公開リハーサル(←まさか30分だけだとは思いませんでした)はパスして、家でゆっくり休んでくればよかったかもしれません。
せっかくのチョン・ミョンフンを、体調管理の失敗で、もったいないことをしました。

幸い第3楽章からは眠気が覚め、至芸を楽しむことが出来ました。
チョン・ミョンフンさんは、譜面台を置かず暗譜での指揮。
ピリオド奏法の影響を取り入れていない、堂々たる正攻法のベートーヴェン。
特別なことはしないなくて、ただ音が鳴っているだけなのですが、その鳴っている音がすごい!
第5楽章の弦などは、本当に愛おしいメロディでした。

休憩時間に目薬を差し、ミントキャンディをなめて後半に臨んだおかげで、7番の方は眠くなることなく聴けました。
「田園」とは性格の違う曲ですが、こちらも特別なことをするわけでもなく、普通に演奏しているのに出てくる音はすごいという点は共通しています。
第1楽章と第2楽章は、間にほとんど間をおかずに演奏。
第2楽章と第3楽章の後では、インターバルをとっていました。
第4楽章はオケのメンバーにかなり力が入り、コンサートマスターをはじめ、体を揺らし、髪を振り乱しての熱演。
たたきつけるようなリズムが決して下品にならず、格調の高い熱狂(狂乱)ぶりでした。

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フェスタサマーミューザ川崎2007「ミニコンサート」(2007/7/29)

2007年7月29日(日)14:00
市民交流室(ミューザ川崎シンフォニーホール)

フェスタサマーミューザ川崎2007
ミニコンサート

クラリネット四重奏(洗足学園音楽大学)
 第1クラリネット:若林愛
 第2クラリネット:澤目未樹
 第3クラリネット:小田祐子
 バスクラリネット:中村奈央

スメタナ:歌劇「売られた花嫁」より「道化師の踊り」
coba:楽天家に捧ぐ螺旋
P.ヒケティック:3つのラテンダンス


この日行われた、チョン・ミョンフン指揮、東京フィルの演奏会で、12:30からの公開リハーサルと15:00からの本番の合間に、ホール向かいの市民交流室という小さなスペースで、無料のコンサートを聴きました。
トータル30分程度のミニ・コンサートです。
チラシによると、定員150名(先着順)とのこと。
椅子の並びは全部で7列だったので、最後列に座りました。

女性4人によるクラリネットだけ4本の四重奏。
3人が4年生、1人が3年生とのことです。
曲の間で、曲紹介やら、次のコンサートの案内やらを、一人ずつ順番に、全員がしゃべりました。
4人とも美人で、しかも(当然)若い。
主観ですが、アイドル路線のJ-Classicで売り出す方式にも十分対応可能な容姿だと思いました。
(でも、容姿に頼らず、演奏で勝負していって欲しいな…と思いました。)

スメタナでは、はつらつとした雰囲気、cobaの曲と、ヒケティックの曲では、ちょっと大人のムードが漂い、珍しい編成、珍しい曲が聴けて、嬉しくなりました。

演奏の方は、テクニックは確かで、聴いていて心地よかったです。
欲を言えば、「私たちは、この曲がこんなに好きなんですよ」というような、演奏する楽しさをもっと表に出すようにすると、さらに良い演奏になると思いました。
結成は、2007年の3月とのことですので、これから演奏経験を積んでいけば、さらに良くなることでしょう。

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小澤征爾音楽塾「カルメン」(2007/07/28)

2007年7月28日(土)15:00
アクトシティ浜松大ホール

小澤征爾音楽塾オペラプロジェクトVIII
ビゼー:歌劇「カルメン」


音楽監督・指揮:小澤征爾
演出:デイヴィッド・ニース
管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ
合唱:小澤征爾音楽塾合唱団

カルメン:ジョシー・ペレス
ドン・ホセ:マーカス・ハドック
ミカエラ:ケイティ・ヴァン・クーテン
エスカミーリョ:マリウス・キーチェン
フラスキータ:三宅理恵(カバー・キャスト)
メルセデス:サンドラ・ピック・エディ
モラレス:ケヴィン・グリーンロウ
スニガ:ピーター・ヴォルピー
ダンカイロ:ジェフリー・マッツィー
レメンダード:トニー・スティーヴンソン

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ウィーンで小澤征爾さんの「さまよえるオランダ人」を聴いて帰ってきて、金銭感覚が麻痺しているときに買ったチケットです。
「タンホイザー」「さまよえるオランダ人」に続く、今年3回目の小澤さんのオペラ。
いまチケットの値段+交通費を冷静な目で見ると、我ながら「よく買ったなぁ」と思いますが、7月31日の東京文化会館での最終公演は完売ですし、本日の結果を考慮すると「行って良かった、値段だけの価値はあった」と思いました。
S席のみ当日券があったようですが、会場は見渡す限りは満席に見えました。
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この日の席は、2階席の前から2列目のど真ん中の特等席。
舞台もオケピットも非常に良く見えます。距離感も抜群。
チケットを買ったときは、ぴあで「残券僅少」でしたが、よくもまあ、こんな席が残っていたと思います。
ちなみに、最初ぴあで検索したときに出て来た席番は「1階席の左端」で、迷って数日待っていたら、「2階席1列目の右端」になり、さらに数日待ったら、この「2階席2列目の中央」が出て来たので購入を決意しました。
「コンピュータが一番良い席を選んでいる」という触れ込みですが、コンピュータのロジックなんて、こんなものですね。
ちなみに、私の前の2階席1列目は、ジャケットを着てきちんとした身なりの人たちが座っていました。
名刺交換をしたり、挨拶を交わしたりもしていたので、そこそこのレベルの方が座っていたとものと思われます。

この席は、小澤征爾さんやオーケストラのメンバーが非常に良く見えて嬉しいですが、指揮者だけでなく舞台も見たいし、字幕も一応見たい。
贅沢な悩みですが、視線の配分に困りました。
でも結局はオケピットの中を半分以上見ていたと思います。
それくらい小澤征爾さんの指揮姿は魅力的でした。

小澤征爾音楽塾の公演は、私は今回が初めてで、オーケストラについては「ユース・オーケストラだから、そこそこでしょう」と全く期待していなかったのですが、予想が全く外れました。
アンサンブルは整っているし、表現は多彩。
もちろん、小澤征爾さんのリードによるところが多いにしても、ここまで応えられるとは見事!
きちんと「小澤征爾さんの楽器」の役割を果たしています。
たとえば、アルミンクさんが音楽監督に就任する前の新日本フィルなんて、ここまで「小澤征爾さんの楽器」の役割を果たしたでしょうか?
(現在の新日本フィルはすばらしいです。)
あるいは、春に聴いた「タンホイザー」の、東京のオペラの森管弦楽団は、小澤征爾音楽塾オーケストラの先生達も弾いていたと思いますが、私は、この日の生徒さん達の演奏の方が良かったのでは?…と思ってしまいました。
この音楽塾オーケストラは、公演を重ねるごとに成長して、初日と最終日では音が全然違う年もあったとか。
この日の浜松公演は、全5回のうちの4回目なので、かなり弾き込んだ後だという要因もあったかもしれません。

小澤さんの指揮は、相変わらずエネルギッシュ。
例によって暗譜のようです。
音を全身で表しています。

各幕の開始時も、弦のトップ奏者8人と握手してから演奏を始めていましたが、第4幕が終わると、小澤さんはオケのメンバー全員と握手。
舞台の上でカーテンコールが始まっても、まだピットの中に居ました。

歌手の中では、カルメン役のペレスは、私はあまり感心しませんでした。
あまり声が通らないときもあり、早いパッセージでは声がうまく切り替わらず、ちょっともたつく感じに聞こえました。
大きな声を出すところでは、叫んでしまうようなときもあったように思います。
でも、会場からは盛大な拍手が贈られていたので、好みの問題かもしれません。
それに比べて、ミカエラ役のクーテンは、声に余裕があり、きれいで迫力もあり、とても良かったと思います。
この日出演した歌手の中で、私は一番良い印象を持ちました。
でも、カルメンよりミカエラの方が存在感があるのは、ちょっと…。
ドン・ホセとエスカミーリョは、まあまあ。
突出しては居ませんでしたが、特に不満もなく、私は一応満足です。

舞台装置は奥行きがあまり感じられず、やや物足りない気がしました。

全体的な印象としては、この日の主役はオーケストラ。
『歌手による伴奏付きの、オーケストラによるオペラ』と言った感じです。
カーテンコールが終わり、オケのメンバーが引き上げ始めると、ピットの前で拍手をしていた人が何人もいました。
私は2階席だったので一緒に拍手はしませんでしたが、その人達の気持ちは十分に理解し、支持します。

なお、ロビーで「プレイガイドチケットをお持ちの方は、オリジナルチケットに交換します」と案内していましたが、最初、何のことか分かりませんでした。
第2幕の後の休憩時に近寄ってみると、ぴあで買って、ファミリーマートで発券したチケットを、デザインされたきれいなチケットに交換してくれるのです。
こういうサービスって、私は初めてです。
でも、卓上には、相当数のチケットが残っていました。
大半の人が、わけがわからず、交換しなかったと思います。

カーテンコールが終わったのが18:30頃。
この日は、開演前、新幹線で浜松駅に着いた直後に、うな重を食べたのですが、極上の音楽を聴いた後でまた食べたくなり、別のお店でまたうな重を食べました。
会計の時に、小澤征爾さんの写真とサインが飾ってあるのに気がつきました。
お店の人に「写真を撮っていいですか?」ときいたら、「いいですよ」と言いながら「きょう、楽屋にお弁当を届けたんですよ」とのこと。
一応ネットで調べて、有名そうなお店を選んで行ったのですが、小澤征爾さんが食べるお弁当を作るお店ですから、浜松で一二を争う名店なのでしょう。
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なお、浜松駅の新幹線ホームは、旅行カバンと楽器ケースを持ったオケメンバーらしき人たちでいっぱいでした。
関係者らしき人の話しが聞こえてきて「今年新しく入った人は6人」とのこと。
音楽塾オーケストラのメンバーも、経験を積んで、徐々に伝統ができつつあるのかもしれません。

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2007年7月28日 (土)

飯守泰次郎/東京シティ・フィル(2007/07/27)

2007年7月27日(金)20:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:飯守泰次郎
東京シティ・フィル

女声合唱:東京シティ・フィル・コーア

ホルスト:組曲「惑星」(冥王星※つき)
※マシューズ作曲


フェスタサマーミューザ川崎2007の公演です。
この日は午後、都内で仕事があり、17:00に終了したため、開演時間の20:00には余裕で間に合いました。
さすがに17:00からの公開リハーサルは無理です。
途中で入場させてくれるのかどうか不明でしたが、とりあえず川崎に向かってみると、17:30頃にはホールに着くことが出来ました。
幸い、曲間で入場させてくれるとのことです。
席はリハーサルは自由席とのこと。
ロビーのスピーカから「木星」が流れる中、指定されたドア(2-R1扉)の前で待ちました。

「木星」が終わったところで入場し、3Cブロックの席で鑑賞しました。
リハーサルを聴いているお客さんは、20~30席に一人程度座っている状況だったでしょうか。
リハーサルは、もっと演奏を途中で止めたり、しゃべって指示をするかと思いましたが、「海王星」まで全く止めずに通しで演奏。
確かに、前日にオペラシティでの定期演奏会で演奏しているわけですから、今さら細かい指示は必要ないのでしょう。
飯守さんは紫色のシャツにコットンパンツとカジュアルな服装。
そのシャツが、「海王星」にさしかかる頃には、汗で色が濃くなっていました。
「海王星」の最後と「冥王星」の最後のコーラスの音量のバランスだけは直していました。
コーラスは3階席後方右側のドア(3-R5扉)を空けて演奏。
飯守さんは、2階席中央席に座っていた関係者の人に「どうですか?」と声をかけ、3階席の関係者の人に指示をして、1回ずつやり直した後、オケと合唱に「OK」を出しました。最後に「聴衆の皆さんもありがとうございました」と言い、会場からは拍手が起きました。
なお、「天王星」の終盤、大音量から一転して静寂になる部分で、曲が終わったと勘違いしたのか、途中でお客さんを入場させ、ホールに靴音が響き渡ったのは、係員の不手際でしょう。
18:15頃に公開リハーサルが終了しました。

いったんホールの外に出た後、本番開演の20:00少し前にホールに戻りました。
今度はRAブロックでの鑑賞。
この日も両サイドの席は、あまり埋まっていなくて空席が目立ちましたが、平日の夜の川崎での演奏会であることを考慮すると、まずまずの入りと言うべきでしょう。

マシューズの「冥王星」付きの「惑星」は、大友直人さんの指揮で、東響定期で聴いて以来です。
私としては、そのときも今回も、なかなか良く出来た曲だと思いました。
「火星」~「海王星」+「冥王星」で統一感があるし、とってつけたような印象は感じません。
ホルストのオリジナル部分だけを聴くのも良し、冥王星を付けて聴くのも良し。
「冥王星」が惑星から格下げされても、マシューズの曲の価値は下がらないと思います。

本番の演奏が始まったとたん、「すごいっ!リハーサルとは別物」と思いました。
公開リハーサルで「まずまずの出来」と思ったのは浅はかでした。
本番は力の入り具合が違う。
シンフォニックで、スケールが大きく、輝かしく、凝縮された音です。
火星では重量級の音。
水星、金星のような曲では透明感のある澄んだ音色。
木星では輝かしい音。
まさに多彩。
特に、木星の中間部の例のメロディは、極上のハーモニー。
最上級の料理を口にしているような恍惚感でした。

「定期演奏会の翌日なので、練習も行き届いていて、きっと良い演奏をするだろう」と期待していましたが予想通り、いや予想以上。
第1ヴァイオリンが14人の編成でしたが、シティ・フィルの正団員は第1ヴァイオリンが8人ですので、半分近くエキストラのはずですが、そんなことは全く感じさせない演奏でした。

合唱は前述のように3階席の扉の外での演奏。
天井から降りそそぐハーモニーで、雰囲気はすばらしい。
音量は大きくはなく、本当に「遠くからかすかに聞こえてくる」という神秘的な状況。
しかし、カーテンコールでパイプオルガンの前に現れた合唱団を見て、かなりの大人数だったので、ちょっと意外でした。

シティ・フィルは、私は最近よく聴くようになりましたが、毎回素晴らしい演奏を聴かせてくれています。

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2007年7月26日 (木)

ルイゾッティ/東響(2007/07/25)

2007年7月25日(水)19:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:ニコラ・ルイゾッティ
東京交響楽団


ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
プロコフィエフ:交響曲第5番
チャイコフスキー:「エフゲニ・オネーギン」から
           ポロネーズ(アンコール)


フェスタサマーミューザ川崎2007のオープニング・コンサートです。
かつては7月下旬から8月いっぱいは、コンサートを聴きに行くことはあまりありませんでしたが、ミューザ川崎が出来てからは、オフ・シーズンが無くなりました。
ミューザ川崎の響きは大好きですし、しかもチケットは安価です。
さらに私は東響のカードを持っているので、ミューザ川崎主催公演は10%引き!
川崎市には税金を払っていないのに申し訳ない…と思いながら、ありがたく楽しませていただきました。

当日は14:30から東京交響楽団ブラスセクションにより、オープニング・ファンファーレが演奏され、15:00から公開リハーサルがあったはずです。
当初は休暇をとって午後から全て楽しもうと思っていましたが、仕事の予定が入って休暇はキャンセル。
なんとか本番の開演前に会場に着くことができました。

1曲目のヴェルディの序曲から、いきなりアクセル全開!
「仕事が延びたら、最悪、後半のプロコフィエフだけでも聴ければいいや」と思っていましたが、聴き逃さないで良かったです。

ルイゾッティさんの指揮は、何かに取り憑かれたかのように体を揺らし、頭を振り、全身を使って激しくリズムを刻んだり、濃厚に歌ったかと思うと、一転して動きを止め、節目節目で合図をする以外は、オケを見守ったりして多彩。
表情もニコニコしたかと思うと、突然厳しい表情になったりして、観ていて飽きませんでした。
広上淳一さんの若い頃の動きもすごかったですが、もしかしたら、その上を行っているかもしれません。
1曲目から、会場からブラボーの声がたくさんかかりました。

2曲目の「ロメオとジュリエット」は、指揮の力の入り具合が音となって出てくる度合いが、他の3曲に比べて多少もどかしい印象を受けましたが、それでも十分に水準以上でした。

3曲目のプロコフィエフの交響曲第5番は大好きな曲です。
この曲のために、この平日のコンサートのチケットを買ったようなものです。
洗練された響きと言うよりは、どちらかと言うと分厚い響きに感じましたが、決して腰が重くはなくて、流れる演奏です。
私の好きなタイプの演奏で、十分に満足しました。
打楽器が活躍する曲なので、打楽器奏者も観たかったのですが、ルイゾッティさんの指揮が観ていてあまりにも面白いので、どちらを観るべきか、目の分配に困りました。

プロコフィエフが全力投球だったのでアンコールは無いだろうと思ったのですが、「エフゲニ・オネーギン」のポロネーズが用意されていました。
ルイゾッティさんは、プロコフィエフのスコアを床に放り投げ、チャイコフスキーのスコアをめくり、演奏を始めました。
スコアを放り投げるのは、個人的にはあまり良い印象ではありませんでしたが、演奏自体は優美で、かつ力強い。
「どこに、こんな力が残っていた(残していた)のだろう?」と思いました。
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当初は「開演に間に合って良かった」と思っていたのが、こうして聴き終えてみると、公開リハーサルを聴けなかったのが非常に残念になってきました。

なお、ミューザ川崎の響きは、私は好きですが、この日座った席(舞台後方側)は、今まで座った中で、一番音が来なかった感じです。
6月17日に東響を聴いた席から5メートルくらいしか離れていませんが、ずいぶんと違う音に感じます。
もっとも、サントリーホールでも、P1列とP7列ではずいぶん音が違いますから、当然かもしれませんね。
そうは言うものの「ミューザ川崎の中では」という比較ですので、とりあえず上質な響きの部類です。

正面の最上階(4階席)や、両サイドの3階席は、あまりお客さんが居ませんでした。
空席が目に付きましたが、平日の夜にしては、まずますの入りだと思います。
熱演に、会場はかなりの盛り上がりで、上の方を見上げなければ、ルイゾッティさんには「満場の大喝采」と感じたことでしょう。
オケが登場すると拍手が起こり、休憩前にオケが退場を始めるとまた拍手が起こり、通常のコンサートとは多少お客さんの層が違ったようですが、鑑賞マナーは概ね良好でした。

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2007年7月21日 (土)

ベルリンフィル12人の金管奏者たち(2007/07/20)

2007年7月20日(金)19:00
東京オペラシティコンサートホール
ベルリンフィル12人の金管奏者たち


思いがけず招待券をいただいたので、聴きに行ってきました。
普段オーケストラのコンサートを中心に聴きに行っている私にとっては、まず、自分ではチケットを買わないジャンルの演奏会です。

金管だけで12人のアンサンブルは、いったいどんな音がするのか、心配半分、期待半分で出かけました。

会場は1階席も、2階、3階のバルコニー席も、かなりのお客さんの入り。
平日の夜のオーケストラの定期演奏会では空席が目立つことも多かったのですが、この分野では注目の公演なのでしょうか?
しかも、みんな熱心に演奏に耳を傾けている様子。
拍手は盛大で、会場はかなり沸いていました。

いつもオーケストラで聴いているオペラシティの音響が、金管だけのアンサンブルで聴くと、違って聞こえます。
それでも潤いのある音に響いたのは、オペラシティの音響の貢献するところ大だと思いました。

金管だけでこれだけ多彩な音が出ることに驚嘆。
トロンボーン四重奏だけでも音色が豊富。
もしかしたら、ふだんのオーケストラの演奏会では、私は多くの音を聞き逃して、表面だけしか聴いていないのではないかと思ってしまいました。

「ベルリン・フィル」と、たいそうな冠がついていますが、「さすがはベルリン・フィル」と思ったのは、技巧はもちろんですが、一人一人の奏者が「お客さんを楽しませよう」という音を出していたこと。
しかし、決して媚びを売るような演奏をしているわけではなく、「自分の出す音」で勝負して、見事勝利をおさめたような演奏でした。

最初から最後まで完璧というわけではなかったように聞こえましたが、9割以上は私は満足できるレベル。
金管という性格を考慮すると、しかも、約2時間吹きっぱなしという事情を考慮すると、驚嘆しても良い“打率”だと思いました。

素晴らしい(私にとっては珍しい)体験をさせていただきました。

■出演
トランペット:
 ガボー・タルケヴィ
 タマーシュ・ヴァレンツァイ
 ゲオルク・ヒルザー
 マルティン・クレッツァー
 マルティン・ワーゲマン
ホルン:
 サラ・ウィリス
トロンボーン:
 クリストハルト・ゲスリンク
 オラフ・オット
 トーマス・ライエンデッカー
 ハンネス・チュッグ
 シュテファン・シュルツ
テューバ:
 パウル・ヒュンペル

■曲目
パーセル(ハーヴェイ編):組曲「アブデラザール」より
 序曲:マエストーソ アレグロ
 ロンド:アレグロ・マエストーソ
 アリア:アレグレット
 ホーンパイプ:アレグロ
 アリア:アレグロ
J.S.バッハ(クレスポ編):
 「主よ、人の望みの喜びよ」BWV.147
 「目覚めよ、と呼ぶ声あり」BWV.645
作者不詳(ディークマン編):スコットランド舞曲
(トロンボーン四重奏)
 エドワード王子のパヴァーヌ
 イングランド女王のパヴァーヌ
 パヴァーヌ
 ガイヤルド
J.S.バッハ(モーワット編):ブランデンブルグ協奏曲第3番BWV.1048
(休憩)
モーツァルト(ガイスマン編):歌劇「魔笛」序曲
ウェーバー(タルクマン編):歌劇「魔弾の射手」より「狩人の合唱」
ビゼー(ハーヴェイ編):組曲「カルメン」より
 アラゴネーズ
 アルカラの竜騎兵
 ハバネラ
 衛兵の交代
 ジプシーの踊り
ガーシュウィン(ハーヴェイ編):アイ・ガット・リズム
グレン・ミラー(オット編):グレン・ミラー・ストーリー
 ムーンライト・セレナーデ
 アメリカン・パトロール
 真珠の首飾り
 ペンシルバニア6-5000
 イン・ザ・ムード
(以下アンコール)
フバーイ:ヘイレ・カティ!
リンケ:ベルリンの風
ハーゼル:ミスター・ジャムス
成田為三:浜辺の歌
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2007年7月17日 (火)

カリニャーニ/読響(2007/07/17)

2007年7月17日(火)19:00
東京芸術劇場大ホール

指揮:パオロ・カリニャーニ
読売日本交響楽団

ピアノ:辻井伸行

ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ
(遅れていったため未聴)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
(遅れていったため第2楽章から鑑賞)
ドビュッシー:映像第1集~「水に映る影」(アンコール)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」


この日は仕事の都合で、開演に間に合わないことが想定されていました。
後半の「春の祭典」だけでも聴きたいと思っていましたが、それも、仕事が延びたら聴けないという微妙な情勢でした。
しかし、仕事が予定よりほんの少し早く終わり、2曲目のラフマニノフの第2楽章から聴くことが出来ました。
たまたま私の乗った有楽町線の車両が、池袋で階段の真ん前に止まったこと、その階段を上がってみたら、芸術劇場に一番近い改札口だったことなど、幸運にも恵まれました。

会場に着いたら、ラフマニノフの第1楽章がロビーのスピーカから流れています。
入り口のおねえさんは、チケットの半券を切りながら「第2楽章から、2階席後方の、舞台が見えない場所で、立っての鑑賞になります。」と言います。
第1楽章も終盤ですので、少し急いで2階席のロビーへ上がりました。
2階R4扉(O列44番の席のところ)の前に立ったのが第1楽章が終わる30秒から1分くらい前。
まさにジャスト・イン・タイムでした。
また、第2楽章と第3楽章の間では、ほとんど間合いがなかったので、途中入場はなかったみたい。
ラッキーでした。

「舞台が見えない場所」とのことでしたが、幸い先頭を切って入場したため、立見の一番前になり、舞台の左半分は見える場所でした。
ピアニストも指揮者も見えました。
そのような場所にしては、音もまあまあでした。
私より先に会場に着いて、ロビーの椅子に座って待っていた方には申し訳ないです。(^^ゞ

ラフマニノフの演奏の第一印象は「ピアノの音がきれい」。
オーケストラの音は、場所が場所だけにあまりよくわかりませんでしたが、お約束の第3楽章では、弦がきれいに歌ってくれて、聴き惚れました。
このラフマニノフ以上に良かったのが、アンコールのドビュッシー。
澄んだ音で、一音一音がはっきりと鳴り、はっとするような美しさでした。
辻井さんは目が不自由な方ですが、演奏が終わって立ち上がるまでは、目が不自由だなんて全くわからない。
このきれいなピアノの音は、また機会を見つけて聴いてみたいと思いました。
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休憩の後、後半は元々のチケットの席、RBA列に移動。
会場を見渡すと、前の週の「展覧会の絵」のとき(2007年7月12日)はずいぶん空席が目立ちましたが、この日は、まずまずの入り。
満席ではありませんが、3階席まで人がいっぱい入っています。

「春の祭典」は、かつては難曲で大曲だったのでしょうが、今ではオーケストラの普通のレパートリーになっている感じがします。
カリニャーニさんの指揮も、冒頭の部分はあまり細かく振らず、表情付けがメインの手振りです。
音楽が進むにつれて、はっきり振るようになっていきましたが、それでも細かく振っているという感じではありませんでした。
後半はさすがに楽譜に目を落としている時間が長くなりましたが、指揮は雄弁で力強く、危なっかしいところは全くありません。
この「春の祭典」の印象をひとことで言うと「力強い音」。
物理的な音の大きさのことではなくて、演奏から感じるエネルギーのことです。
曲が曲だけに大音量であることは事実です。
でも、デュトワなどは大音量であっても「力強い」と感じるよりも「洗練されている」と感じます。
この日の音楽は、本当に力強い演奏でした。
先週の「展覧会の絵」(2007年7月12日)と、この日の「春の祭典」を同列に比べるのは乱暴ですが、この日の演奏方がカリニャーニさんの身振りが、より大きく、音になって出てきていたように感じました。

この日の2日後の19日には、名古屋で同じプログラムの演奏会があります。
さすがに平日に名古屋まで追いかけていくわけにはいきませんので、ひとまずカリニャーニさんとは、今年はこれでお別れ。
またの来演を心待ちにすることにします。

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2007年7月13日 (金)

広上淳一/日本フィル(2007/07/13)

2007年7月13日(金)19:00
東京オペラシティコンサートホール

広上淳一指揮 日本フィル
チェロ:趙静(チョー・チン)

ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」
モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」
プロコフィエフ:協奏交響曲(チェロ協奏曲第2番)


日フィルのオペラシティでの定期演奏会シリーズのラインナップが発表されたときに、「広上淳一さんが「ロンドン」と「プラハ」を振る!」ということで、「これだけは絶対聴きに行く!」と決めていた演奏会でした。
特に、私はハイドンの後期の交響曲が大好きなので、3桁番号の交響曲がプログラムに入っているだけで食指が動きます。
その指揮が広上さんとなると、行かない理由はありません。

そのハイドンは、第1ヴァイオリンが12人の編成。
古楽器の影響はあまり感じさせない堂々たるスケールの演奏で、ベートーヴェンの初期の交響曲を思わせるような迫力です。
弦の音も分厚く、かといって、もたもたした印象はなく、はつらつとしていて、コンサートの最後の曲に置いても良い演奏でした。

次のモーツァルトは、第1ヴァイオリンが10人の編成にスリム化し、一転して古楽器の影響を少し取り入れたような演奏。
アクセントをはっきり付け、きびきびと速めのテンポで進む演奏。
しかし、決して軽くはなく、(飯守泰次郎さんほど重量級ではありませんが)ずしりと響くものを持った演奏でした。
コンサートマスターの扇谷さんも体を揺らしての熱演。
ハイドンに続いて、コンサートの最後の曲に置いても良いと思える演奏が2曲続きました。

先入観でハイドンとモーツァルトのスタイルや編成が逆のように感じてしまいますが、プログラムの冊子によると、「ロンドン」が1795年、「プラハ」が1787年の初演とのこと。専門的なことはよく分かりませんが、年代順に従えば、スタイルや編成は、あっているのかもしれません。

この2曲は至福のひととき。
音の御馳走で満腹になりました。

オペラシティの3階バルコニー席は、視覚的にはともかく、私は音が好きです。
この日は1列目だったので、身を乗り出して広上さんの指揮姿も堪能しました。

さて、そうなると、後半にはベートーヴェンの交響曲あたりを聴きたくなりましたが、時代は一気に下ってプロコフィエフへ。
第1ヴァイオリンが14人の編成になりました。
この曲はロストロポーヴィチのCDを何回か聴いて演奏会に臨みましたが、はっきり言って、まだよく分からないところがあります。
前半に興奮して聴いていたので、ちょっと力を抜いて聴きました。
印象に残ったのは、趙静のチェロの音が朗々と響き渡ったこと。
音の方角としては、私は間接音を聞いているはずですが、そんな不満は全くありませんでした。
演奏が終わると客席はこの日一番の盛り上がり。
この手の曲で客席が沸くなんて、「ロンドン」と「プラハ」を目当てに来た自分としては意外ですが、確かに趙静のチェロの音は圧巻でした。

趙静は、来年2008年の2月22日に、神奈川フィルの定期でハイドンのチェロ協奏曲第1番を弾きます。
平日の夜に横浜まで行くのは厳しいのですが、一応、手帳には書いておこうと思いました。

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カリニャーニ/読響(2007/07/12)

2007年7月12日(木)19:00
東京芸術劇場
パオロ・カリニャーニ指揮
読売日本交響楽団

ヴァイオリン:川久保賜紀

ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲「展覧会の絵」


7月の読響定期を振る予定だったラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスがキャンセルし、指揮者の交代が発表されたのは6月上旬でした。
7月7日の演奏会を指揮したミハイル・アグレストは、私は名前を知りませんでしたが、7月11日、12日、17日(及び19日の名古屋公演)を指揮するカリニャーニは、クチコミでの評判が良いので、逆に楽しみにしていました。
この日は当初行く予定ではなかったのですが、午後に都内で予定が出来たことを幸いに、急きょ買い足したものです。

この日、会場に着いてみると、プログラムに紙が挟まっており「ジャニーヌ・ヤンセン急病のためソリスト交代」とのこと。
指揮者とソリストの両方が交代するというのは、私は初めての経験です。
家に帰って読響のホームページを見ると、7月10日に発表されたようです。

でも実は、川久保賜紀さんは最近発売した「リサイタル!川久保賜紀」というCDが雑誌「レコード芸術」7月号で「特選」になっており、演奏会を聴いてみたいと思っていた矢先でした。
あまりにもタイミングが良いので、「結果オーライ」を通り越して「ラッキー」と思ってしまいました。

その川久保賜紀さんの弾くブルッフですが、きれいな音のひとつひとつに心がこもっていて、私はまるで「こんなにきれいなメロディですよ」「こんなに豊かな音ですよ」と語りかけられたような演奏に感じました。
舞台に登場してからかなり入念にチューニングをしてから演奏を開始していましたが、最初に出て来た音を聴いて「チューニングの成果あり」と思いました。
細い体で体を揺らしての熱演。そんなに派手な揺らし方ではありませんが、実に音楽的な身振りに見えました。
30分もかからないブルッフの曲ですが、まるで45分くらいの大曲の協奏曲を聴いたかのような充実感を覚えました。

家に帰って手帳を見ると、川久保さんは、以前に東響定期でショスタコーヴィチの1番の協奏曲を聴いているはずですが、なぜかあまり記憶に残っていません。(^^ゞ
確かこの時期の私は1ヶ月近くにわたって風邪が抜けきらず、苦しんでいたように記憶しています。
私の体調が不十分だったせいもあるかもしれません。

会場で「レコ芸特選」のCDを買ってきました。
小品集ですが、きれいな音で雄弁に奏でており、演奏会のアンコールを聴いているような気分です。

さて、もうひとつのお目当てはカリニャーニの指揮です。
聴いた(観た)のは、私は今回が初めてでした。

冒頭の「オベロン」序曲からして、7月7日のアグレスト指揮とは読響の音が違います。
ブルッフの伴奏も良かったし、「展覧会の絵」もすばらしい。
テンポといい、間の取り方といい、絶妙だと思いました。
スキンヘッドで、長身で、しなやかに体を動かし、指揮棒は表情を刻み、左手はアクセントをつける美しい指揮姿。
一応、楽譜を置いて指揮していますが、視線はオケの方を向いていることが多く、その表情は多彩。
素人の私でも「この指揮姿からは、こういう音が出てくるはずだ」と納得できる指揮でした。
この日は2階RBA列(舞台右横の席)に座って、視覚的に指揮者もオケも良く見える場所だったのですが、私は演奏中ほとんど指揮者を見て(見とれて)いました。

前半の2曲では、金管楽器に、ところどころ、「ん?」と思う場所があり、後半は持ち直したものの、木管も含めて「読響ならさらに洗練されたサウンドも出せるはず」と思いましたが、7月7日のアグレスト指揮の演奏が私の好みの音ではなかったので、口直しができ、しかもごちそうだったので、大変満足して帰ってきました。

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2007年7月 8日 (日)

NHK-FM:兵庫芸術文化センター管弦楽団と大阪フィル

きょうはNHK-FMで、関西での興味深い2つの演奏会が放送されました。
関東在住の私にとっては、嬉しい機会です。

2007年7月8日 NHK-FMで放送
佐渡裕指揮
兵庫芸術文化センター管弦楽団

チャイコフスキー:交響曲第5番
2007年4月6日 兵庫県立芸術文化センターで収録


いま何かと話題の兵庫芸術文化センター管弦楽団の演奏は、きょうFMで初めて聴きました。
このオーケストラについては、雑誌の批評では、批判的な記事が多いように思います。
「オーケストラとしての基礎が出来ていない」という辛辣な評論もあったように記憶しています。
それに対して、ごく少数派ですが、「オーケストラのコンセプトが違うのだから、批判は妥当ではない」という記事もありました。
確かに「35歳以下」「在籍は最長3年」とのことですので、ユース・オケと思った方がよいのかもしれません。
また、最近では「発足当初に比べて、最近はまとまってきた」という記事もありました。
今回放送されたのは、その「最近」の、2007年4月6日のライブで、曲はチャイコフスキーの交響曲第5番。
指揮は芸術監督の佐渡裕さんです。
生演奏ではなくFMで、それも1回だけ聴いただけなので断言はできませんが、設立から1年半が経過しており、オケとしてのまとまりは出来てきているように聞こえました。
(確かに、いきなり若手を集めて、伝統のあるオケのような音を出すのは難しかったでしょうね。)
佐渡裕さんのわくわくするようなチャイコフスキーの音楽を十分に奏でてくれたように思います。

楽団のホームページを見ると「定期会員券は完売しました」とのこと。
もっとも全席完売ということではなく、一回券は発売されるようです。
定期会員券と一回券の比率がどのくらいなのかわかりませんが、それにしても会員券が完売すると言うことは、地元の期待の高さを感じますね。

2007年7月8日 NHK-FMで放送
大植英次指揮 大阪フィル
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
2007年4月20日 ザ・シンフォニーホールで収録

続いて放送されたのは、大植英次さん指揮の大阪フィルの2007年4月20日の演奏会で、曲目は、ショスタコーヴィチの交響曲第5番です。

大植さんは、健康上の理由で、2月の定期演奏会と東京公演をキャンセルし、6月の定期演奏会もキャンセルしたそうです。
この演奏会は、その中間で行われた演奏の記録になります。

現代のショスタコーヴィチ演奏には、いろいろな解釈が可能な時代ですが、大植さんの演奏は、楽天的過ぎず、深刻過ぎず、スケールの大きい音響を奏でていたと思います。
金管などに小さなミスはあったようですが、そんなのは些細なことであって、日本でもこういう音が鳴り響いてしまうんだな~と感激しました。

関東は、関西に比べて演奏会の量は恵まれていると思いますが、絶対に関西にかなわないのが、大植英次さんの指揮に接する機会です。
大植さんには、健康に気をつけて頑張ってもらって、いつの日か私が関西まで聴きに行くときに、キャンセルしないでもらいたいものです。(^_^)

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広上/日本フィル(2007/07/07)

2007年7月7日(土)18:00
横浜みなとみらいホール

広上淳一指揮 日本フィル
ピアノ:小山実稚恵

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ:交響曲第2番
ラフマニノフ:ヴォカリーズ(アンコール)


久しぶりの1日2回の演奏会です。
14:00からの読響に続いて、18:00から日フィルを聴きました。
今年のゴールデンウィーク、ウィーンでの「1日3回」(4月29日)は例外として、ここ数年は、こういうスケジュールは組んでいませんでした。

ホールに着いてみると「全席完売」とのことで、「チケット求む」という紙を掲げた人も居ました。
日フィルの横浜定期は一時期会員になっていましたが、(コバケンがチャイコフスキーを振るときでさえ)空席が目立つことが多かったので、ちょっと意外な感じです。

小山実稚恵さんは、私は大好きです。
私は、コンサートはオーケストラがほとんどで、ピアノリサイタルとかにはあまり行きません。
その、オケのコンサートで、ソリスト目当てに行きたくなるのが小山実稚恵さんです。
2005年11月4日に、「小山実稚恵20周年記念コンサート」として、小山実稚恵さんが協奏曲を3曲弾いたのを聴いたことがあります。
(ショパンの1番、スクリャービン、チャイコフスキーの1番)
このときバックを務めたのも、広上淳一さん指揮の日本フィルでした。

今日は一曲だけですが、曲がラフマニノフの3番ですので、大いに期待して出かけました。
その“大きな期待”をはるかに上回る演奏で、「大々々満足」でした。
私が座ったのは2階RA3列で、Pブロックに近いので、ピアノの音はあまり期待できないと思っていました。
しかし、迫力のある大きな音が私の耳にも届きました。
これだけ聞こえれば、この席でも十分です。
「1階席ではいったいどんな音が鳴っているだろう」と思いました。
ショパンを弾くときのチャーミングな音とはずいぶん違って、「小山さんって、こんな音も出すんだ」と、ますます好きになりました。
ブラームスとかも聴いてみたくなりました。
(秋に、N響定期で弾きますね。)
例によって、大歓声にちょっとはにかんだようにお辞儀をする仕草も好感度満点です。

この曲って、2番よりも「オケがピアノの引き立て役」の部分が多いような気がします。
この日の広上さんの指揮も、鳴らすところはドカンと鳴らすけれど、それ以外の部分は、少しおとなしめに振っていた印象でした。
できれば、このコンビで2番も聴いてみたいものです。

さて、私は小山実稚恵さんも大好きですが、広上淳一さんも大好きです。
広上さんが日フィルの常任だった頃には、「追っかけ」に近いくらい、コンサートに通っていた時期もあります。
そういうわけで、後半の交響曲にも大いに期待していましたが、その期待が満たされた部分と、ちょっと印象が違った部分とがあり、手放しで「大満足」にはなりませんでした。

第1楽章では、いまひとつサウンドが整理されていない印象を受けました。
いろいろな曲調が出てくる楽章なので「そういう曲だ」と言われればそれまでですし、「お前の頭の方が整理されていなかったのでは?」と言われればそれまでです。
しかし、広上さんの演奏会で、「ん?」と思ったのは、たぶん今日が初めてでした。

第2楽章以降は、特に不満はありません。
歌うところはきれいに歌い、鳴らすところは鳴らしていました。
特に3楽章のメロディーはきれいでした。
でも、欲を言えば、ちょっとすっきりし過ぎているような印象です。
広上さんの音って、もう少し温もりがあったような気がするけど、気のせいでしょうか。
アンコールもラフマニノフで、選曲は良いと思いました。
メロディーがきれいに響き、文句のつけようがありません。
でも、交響曲同様、ちょっとすっきりし過ぎているような印象を持ちました。

広上さんの演奏の優位性は疑う余地はありませんし、広上さんの大ファンの私ですが、この日は珍しく私個人の好みと多少違う部分があり、「こういう日もあるんだな」と再認識した次第です。

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アグレスト/読響(2007/07/07)

2007年7月7日(土)14:00
東京芸術劇場

ミハイル・アグレスト指揮
読売日本交響楽団

ピアノ:児玉桃

モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」から
          「チャールダーシュ」(アンコール)


当初、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスの指揮が予定されていたコンサートです。
フリューベック・デ・ブルゴスの「シェエラザード」が聴きたくてチケットを買いました。
しかし既報のように病気療養のためキャンセルとなり、代役でミハイル・アグレストが指揮をしました。
アグレストの名前は、私は知りませんでした。

モーツァルトでは、児玉桃さんのピアノは、ただただ自然。
ところどころ装飾音はつけているものの、奇をてらったところは全くなく、モーツァルトのピアノ音楽を心ゆくまで楽しみました。
特に2楽章を、ちょっぴり早めのテンポで美しく弾いたのが特に心に残りました。

オケの方は、弦はなめらかな音を奏でていますが、金管やティンパニは、ややするどいアクセントをつけており、伝統的な音楽なのか、古楽器の影響を受けた音楽なのか、よくわかりませんでした。

この日座った、LBI列は、比較的舞台に近く、左側の席にもかかわらず、ヴァイオリンの音があまり来ませんでした。
確かに、角度的には第1ヴァイオリンの皆さんの楽器は違う方を向いていますが、ちょっと意外でした。
後半のシェエラザードでも傾向は同じで、コンサートマスターの藤原さんのソロも、間接音を聞いているような気分でした。
ピアノの音は、良く届いてました。

後半のシェエラザードでは、私の好みから言うと、もう少し響きに洗練されたものが欲しかったような気がします。
「オペラのオケみたいな音」と言ったら歌劇場のオケに失礼かもしれませんが、読響ならもっとシンフォニックな音を出せると思いました。
もっとも、アグレストの経歴からすると、活動の中心は劇場なので、しっかり“彼の音”を出していたのかもしれません。
シェエラザード第3曲(若い王子と王女)の歌わせるところは、甘美なメロディーを奏で、非常に良かったです。

アンコールにチャイコフスキーの「白鳥の湖」から「チャールダーシュ」。
この曲だけ暗譜で指揮をしました。
自信に満ちあふれた演奏で、推進力も加わって迫力満点。
会場は沸いていましたし、私も聴いていて興奮しましたが、一歩下がって冷静な目で見ると、やはり、もう少し響きの洗練さが欲しくなります。
5月27日にテミルカーノフが同じ読響を振った、チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」の響きの方が私の好みには合うようです。

…というわけで、残念ながら「大満足」とはいかないで、でも「児玉桃さんのピアノが聴けて嬉しかった」という気分で会場を後にしました。

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2007年7月 1日 (日)

NHK-FM:ドゥダメル指揮 シュツットガルト放送交響楽団

この日はNHK-FMで、いま話題のグスタボ・ドゥダメル指揮の演奏会が放送され、堪能しました。

2007年7月1日 NHK-FMで放送
グスタボ・ドゥダメル指揮
シュツットガルト放送交響楽団

バイオリン:ヒラリー・ハーン


モーツァルト:バイオリン協奏曲第3番
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界から」


2007年4月16日 バチカン・パウロ6世ホールで収録
(南西ドイツ放送協会)


先日鳴り物入りで発売されたデビューCD(ベートーヴェンの交響曲第5番、第7番)では、あおり立てる印象が強く、オーケストラの響きも洗練されていないように聞こえ、「私の好みには合わない指揮者かも」と思っていました。

しかし、この日の演奏はオーケストラがCDのベネズエラのユース・オーケストラではなく、ヨーロッパの楽団ですので、響きもきれい。
特に後半の「新世界」では、歌うところはたっぷり歌って、盛り上げるところはすごい迫力で鳴らし、ためを作るところでは思い切りアクセントをつけ、圧倒されました。
前半で美しいモーツァルト(自作のカデンツァとのこと)を奏でたヒラリー・ハーンの印象が薄くなってしまうくらいでした。
まだCDを1枚とFM放送で2曲を聴いただけですので早急な判断はできませんが、やはり評判通り、ただ者ではないようです。

なお、この日の演奏会は、ローマ法王ベネディクト16世の80歳の誕生日を祝した記念演奏会とのことで、閣僚の祝辞やベネディクト16世のスピーチなどもあったそうです。
各楽章ごとに拍手が起き、普通の演奏会と雰囲気は違うようでしたが、演奏自体は真剣勝負との印象を受けました。

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