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2007年8月11日 (土)

大野和士/東京フィル(2007/8/10)

2007年8月10日(金)19:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:大野和士 東京フィル
ピアノ:小山実稚恵

R.シュトラウス:
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
ショパン:ピアノ協奏曲第2番
ベルリオーズ:幻想交響曲


こういう演奏に対して「言葉」は無力です。
…と言いつつ、書いてしまいますが…(^^ゞ

この日の演奏が、偶然に、みんながノッてしまって生まれたものでないことは、冒頭の「ティル…」を聴けば明らかです。
熱演、爆演と言うよりは、周到に準備された力演のはずです。
有無を言わせぬ圧倒的な音の力。
オケのメンバーも、当たり前のような顔で、ものすごい音を鳴らしていました。

でも、幻想交響曲の第4、第5楽章のあの演奏は、何だったのでしょう。
大野さんの顔の表情は、3楽章までとガラリと変わって、鬼のような形相も浮かべていました。
第5楽章の最後の部分の半狂乱のような演奏は、あれが周到に準備された予定通りの結末だとしたら、すごすぎる。

第3楽章の張り詰めたような音楽もすばらしかったです。
第3楽章と第4楽章の間では、(私も含めて)多くの聴衆が、体の力を抜いてホッと一息をつき、来るべき第4楽章に備えて姿勢を直していました。

大野さんの評判は、十分に聞いたり読んだりしていますし、私が大野さんの演奏を聴くのが初めてではありませんが、こんなにすごい演奏で打ちのめされたのは初めてです。

以前NHKで放映された番組http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070125/index.html
で「相手を圧倒する」と語っていたのは、演奏する側の人のことだと記憶しています。
でも、この日の音楽は、聴衆をも圧倒ました。
オケが引き上げても拍手は続き、大野さんを舞台に呼び戻しました。

開演前に、大野さんのトークがありました。
「「ティル…」も幻想交響曲も、主人公が死刑になる音楽です。オペラシティ開館10周年にふさわしくない曲で、関係者の皆さんすみません。」
などと言って会場の笑いを取っていましたが、10周年に対する最高のはなむけの演奏でした。

休憩前の、小山さんのチャーミングなショパンの演奏も、もちろん良かったのですが、後半の幻想交響曲があまりにも凄すぎたので、損な役回りだったかも。
なお、この曲でも、オーケストラは雄弁で、「ショパンの作曲は、オーケストラの部分が下手」という先入観を覆すものでした。
R.シュトラウスとベルリオーズという名人2人に挟まれれば、さすがに差は素人の私にもわかりますが、決してピアノの引き立て役の伴奏…というレベルではないと思いました。

蛇足:
第4楽章が終わったところでコンサートマスターのヴァイオリンの弦が切れ、ヴァイオリン入れ替えのリレーが見れました。
弦を張り直したヴァイオリンは、2列目の奏者までは戻ってきましたが、コンサートマスターに戻る前に曲が終わってしまいました。

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