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2007年9月10日 (月)

小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ(2007/09/09)

2007年9月9日(日)15:00
長野県松本文化会館

サイトウ・キネン・フェスティバル松本
オーケストラコンサートBプログラム


指揮:小澤征爾
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ

ソプラノ:ルネ・フレミング


ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
アンリ・デュティユー:瞬間の神秘
アンリ・デュティユー:Le Temps L'Horloge
ベルリオーズ/幻想交響曲


ある雑誌の記事によると、小澤さんの若い頃は「オザワの幻想」は“ブランドもの”だったそうです。
その“ブランドもの”を初めて生で聴くことが出来ました。

夏の疲れが出たのか疲労気味で、この日は「義務感」で新宿駅へ向かいました。
しかし、特急の車窓をぼ~っと眺め、食事の後で30分ほど居眠りをしたりしていたら、松本に着く頃にはすっきりとしました。
特急の2時間半が格好の休憩になったようです。
2週間前の「スペードの女王」のときは到着後に食事をしたのですが、満腹で第1幕は少し苦しかったので、今回は車内で早めに駅弁で昼食を済ませました。
前回と同じ13:36に体調を回復して松本に到着。

会場は「松本駅からバスで20分」とのこと。
13:45発の「信州大学経由浅間温泉行き」のバスは立っている人もいたので見送り、13:50発の「横田経由浅間温泉行き」のバスに乗りました。
こちらの方はすいていて、座ることができました。
運賃は240円で、20分もかからず、10分ほどで「松本第1高校」のバス停に着きました。
会場の松本文化会館はそこからすぐです。
Img_2086 




14:00開場でしたがリハーサル中なのか、ロビーで待たされ、客席に入れたのは14:30頃。ロビーではワインが振る舞われていましたが、酒に強くない私が飲んだら寝てしまうかもしれないのでパスしました。
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楽員が入場を始めると拍手が始まり、小澤さんはそれに混じって登場。
小澤さんの姿が見えると、拍手は大きくなります。
全員揃ったところで着席を促し、チューニングに付き合うマエストロ。
こうして1曲目の「亡き王女のためのパヴァーヌ」が始まりました。

この日の私の席は最安席で、2階席後方の右端。
視覚的には結構遠いのですが、音はびっくりするくらい良く届きます。
一瞬「PAを使っているのでは?」と思ってしまったくらいでした。
天井に近い席と壁に近い席は、反射音の関係で音が良く届く場合が多いのですが、この日の席はその法則に当てはまるので、まあ、良い席に当たったのでしょう。
オケの編成も、第1ヴァイオリンが16人の大編成でした。

遠いのでコンマスはよくわかりませんでしたが、ラヴェルは小森谷巧さん?
(違ってたらゴメンナサイ)
ベルリオーズは矢部達哉さん?(これはたぶん間違いないと思う。)
デュティユーはわかりませんでした。
フルートの工藤さん、クラリネットのライスターさんは、遠目でもわかりますが、楽員はあまり判別できませんでした。
NHKのカメラが入っていましたので、いずれ放送されたときにわかるでしょう。

サイトウ・キネン・オーケストラと言えば、海外のメジャーオケ並みの実力なのでしょうが、こうして聴いてみると、常設のオケではなく、祝祭管弦楽団の性格のオケであることがよくわかります。
美しいハーモニーやシンフォニックな響きと言うよりも、パワフルなソリスト集団という感じです。

2曲目の「瞬間の神秘」では、曲が始まる前に、舞台設営の人が譜面台の高さを変更していたので「あれ?」と思っていたら、なんと小澤征爾さんが譜面を見ながら指揮していました。
「小澤さん=暗譜」と刷り込まれていますので、ちょっとびっくり。
スコア(総譜)を見ながら指揮をしました。
それ以外の曲では、いつも通り、譜面台にスコアを置いたまま開かずに暗譜で指揮。
珍しいものを見せていただきました。

デュティユーさんの曲は、現代曲にしては聞きやすいと思います。
「わかって聴いているの?」と突っ込まれるとつらいものがありますが、オーケストラの音としての耳あたりはなかなか良く、機会があったらCDでも買って聴いてみたいと思いました。

3曲目の世界初演(正確には、1日目の9月6日が本当の世界初演でしょうが)の曲は、プログラムの冊子によると「まだ未完」の状態で、4曲目を作曲中とのこと。
この日は3曲が演奏されました。
演奏終了後、客席を見渡す小澤さん。
1曲目と2曲目が終了して小澤さんが舞台の袖に引き上げる際に、しきりに客席を気にしていたので「もしや」と思いましたが、作曲者のデュティユーさんが来ていたのでした。
デュティユーさんは1916年生まれとのことですから91歳です。
まさか、来日して会場にいらっしゃるとは思いませんでした。
3曲目終了後、手招きして舞台へ呼び寄せる小澤さん。
杖をつきながら、ゆっくりステージに向かって歩いてくるデュティユーさん。
舞台に上がる階段は用意されていなかったので、デュティユーさんは舞台にもたれかかるような姿勢で客席の方を向いてお辞儀をしていました。
デュティユーさんはジャケットの襟をめくって何かを見せています。
客席の前方で笑いが置き、ステージ上の小澤さんも笑っていたようでした。
サイトウキネンのワッペンかネクタイでも見せていたのでしょうか?
私の席からは、遠くて見えませんでした。
最前列おお客さんが高齢の作曲家を気遣って席を譲り、デュティユーさんはそこに座って、小澤さんとフレミングさんがステージに呼び戻されるたびに促されて立ち上がり、拍手に応えていました。
この辺は主催者がもう少し配慮があれば良かったかもしれません。
でも、高齢とは言え、聴衆の拍手とブラボーを受けるのは、作曲家としても良い気分でしょう。

休憩の後は、お待ちかねのブランド「オザワの幻想」。
昨年のショスタコーヴィチの交響曲第5番が最近CDで発売され、派手な鳴らしっぷりに感激しましたが、この日の演奏もパワフルそのもの。
アンチ・オザワの人には「鳴らせば良いというものではないよ」と叱られそうですが、この重量感のある音の砲弾は、私にとっては快感でした。
8月に大野和士さんの素晴らしい幻想を聴いたばかりですが、「さすがは小澤さん、まだまだ目の黒いうちは…」と言うべきか、「大野さんはポスト・オザワの最有力候補」と言うべきか、しばらくは、普通の「幻想」は聴きたくありません。

演奏終了後、小澤さんはオケのメンバー全員と握手し、それが終わると、全員が引き上げます。
カーテンコールはオケメンバー全員がぞろぞろと。
これが3~4回、繰り返されました。
最後は、舞台上でメンバー全員に花が贈られ、その後その花は、客席に向かって投げられました。
1階席前方の人は大喜びで奪い合っていたようです。
会場の出口でも、お客さん全員に花がプレゼントされていました。

なお、この日の隣の席は、小さな女の子を連れたお母さん。
それほど大きな音ではありませんが、親子とも、しばしばガサゴソ動くので、私は集中力を維持することが出来ず、ちょっと残念でした。
この日の演奏だったら、S席を奮発しても良かったな…と思いながら、会場を後にしました。

拍手がおさまり、会場を出たのが17:15頃。
「帰りはタクシーでもいいな」と思っていましたが、会場の前のタクシー乗り場が長蛇の列だったので、結局「松本第一高校」のバス停に向かいました。
ちょうど行った後で15分ほど待ちましたが、こちらはすいていて、バスも十分に座れました。
駅までの所要時間はやはり12~3分でした。

帰りの特急は、18:00頃の駅の表示では「空席あり」になっていましたが、発車して間もなく「指定席は満席」との放送が入りました。
また、車内販売のお弁当はすぐに売切れてしまい「御了承下さい」車内放送が流れました。
松本駅の売店で、最後の2個のうちの1個を迷わず買って乗って、正解でした。

こうして“松本日帰り”の一日が終わりました。

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