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2007年9月 8日 (土)

チューリッヒ歌劇場「ばらの騎士」(2007年9月8日)

2007年9月8日(日)14:00
Bunkamuraオーチャードホール


チューリッヒ歌劇場
指揮:フランツ・ウェルザー=メスト


R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」
(第1幕、第2幕の後に、それぞれ30分の休憩)
Img_2077









ウィーン旅行から帰ってきて、金銭感覚が麻痺しているときに買ったチケットの最後の一枚です。(^^ゞ
正規にぴあで購入したので、比較的高価なランクの席しか残っていませんでした。
その代わり、さすがに高いだけあって、舞台が非常に良く見えました!
3階席ですが、左側の前に張り出した部分の前方です。

そんな(私にしては)高額チケットを持っているのに、今週は疲労感から体調が優れず、一時はどうなることかと思いました。
この日は、体調はだいぶ持ち直しましたが、第1幕、第2幕あたりは、少し眠気を感じながらの鑑賞になってしまい、ちょっともったいないことをしました。

この日のチケットを買った動機は、ソプラノのニーナ・シュテンメさんが出演することでした。
ゴールデン・ウィークのウィーン旅行中にウィーン国立歌劇場で観た「さまよえるオランダ人」(指揮:小澤征爾)でゼンタ役を歌い、その歌唱が素晴らしかったので注目していました。
もちろん、カサロヴァさんも出演するし、ウェルザー=メストさんが指揮するし、今年来日する他の歌劇場(ベルリン、ドレスデン)に比べてチケットは安いし、会場も(NHKホールではなく)オーチャードホールなので容積的にもお得感が…と、条件は揃っていました。
その後ウェルザー=メストさんは、次期ウィーン国立歌劇場音楽監督に決まり、箔がついてお得感倍増。
調子に乗って、9月1日の「椿姫」まで追加購入してしまいました。
(こちらはオークションで入手)

オーケストラの優秀さは9月1日の「椿姫」にて確認済み。
この日も期待を裏切りませんでした。
「ばらの騎士」は6月に新国立劇場で、ペーター・シュナイダーさんの指揮で聴きましたが、そのときの、どちらかというと分厚い響きに比べて、この日はすっきりとしたサウンド。
ペーター・シュナイダーさんの強奏は迫力重視で、ある意味“汚い”音も出していましたが、この日のウェルザー=メストさんの音は、強奏でも純度の高いきれいな音が響いていました。
どちらが好き、嫌いという話しではなく、同じ「ばらの騎士」でも、指揮者が変わるとオケの音はずいぶん変わるんだな…と思いました。
(ちなみに、ペーター・シュナイダーさんの指揮は、ウィーン旅行中、ウィーン国立歌劇場で「エレクトラ」を観ましたが、新国立劇場で聴いた「ばらの騎士」と同じ傾向のサウンドでした。)

歌手では、お目当てのニーナ・シュテンメさんは、あまり声を張り上げることなく、きれいな声を保持していたように感じました。
ウィーンで聴いたときのゼンタ役では、けっこう声を張り上げていた印象があるので、多少イメージが違いましたが、これはこれで素敵でした。
シュテンメさんの容姿は、実は私は好みでして、ゼンタ役のときは、かわいらしく見えましたが、この日は元帥夫人役なので、色っぽさにくらくらっときました。(^^ゞ
シュテンメさんの実年齢は40歳前後だったと思いますが、現代において元帥夫人を演じるには、最適の年齢かもしれません。
こんな元帥夫人が居たら、オクタヴィアンのような若い男は参ってしまうだろうな~と、リアリティを感じながら観ていました。
ウィーンでファンになって、この日ますます好きになりました。

カサロヴァさんは、比較的、声を張り上げていた印象があります。
パワフルなオクタヴィアンの印象を受けましたが、素晴らしかったです。
シュテンメさん、カサロヴァさんに加えて、ゾフィー役のハルテリウスを加えて、第3幕の最後の方で3人揃って歌う場面は、ため息をつきたくなるくらいの至福の一時でした。
オックス男爵役のムフさんは、こういう役にもかかわらず、いやらしさを感じさせません。
迫力のある声と存在感で、貴族としての尊厳を演じていて、好演だったと思います。

終演後の盛大なブラボーは、シュテンメさん、カサロヴァさん、ムフさん、そしてウェルザー=メストさんに集中しました。
ウェルザー=メストさんへのブラボーが一番大きかったのは当然だと思いますが、シュテンメさんにも、それに匹敵するくらいのブラボーの声がかかり、ファンの私はとても嬉しかったです。

ところで、音楽的には非常に満足した上演でしたが、演出(舞台装置を含む)は、オペラ初心者の私には、よく分かりませんでした。
第1幕は、屋内の場面のようですが、木のようなものが生えています。
そこにテーブルとか椅子を置いての演技で、最初は特に違和感を感じませんでした。
でも、“歌手”役のベチャーラさん(「椿姫」にはアルフレード役で出演)が、箱に入って変な格好で出て来て「ん?」という感じ。
さらに、第2幕のシーンは、コックさんのような人がいっぱい並んでいる場面。
厨房なのでしょうか?
曇りガラスの向こうでもなにやら演技をしたり、人が走り抜けたり…。
ここは、どういう設定なのか、私にはよくわかりませんでした。
第3幕は、第1幕と同じ場所にテントのようなものをつって料理屋の場面。
骸骨のコスチュームの怪物は面白かったですが、それ以外の役(料理屋の従業員?)も変なかぶり物をしています。
プログラムの冊子には演出に関する記述はあまりないので、「音楽の友」誌あたりに記事が載るのを待ちたいと思います。

陸軍元帥ヴェルデンベルク侯爵夫人: ニーナ・シュテンメ
レルヒェナウのオックス男爵: アレフレッド・ムフ
オクタヴィアン: ヴェッセリーナ・カサロヴァ
フォン・ファーニナル: ロルフ・ハウンシュタイン
ゾフィー: マリン・ハルテリウス
マリアンネ: クリスティアーネ・コール
ヴァルツァッキ: ルドルフ・シャシング
アンニーナ: キスマーラ・ペサティ
警部: ラインハルト・マイヤー
元帥夫人家の家令: フォルカー・フォーゲル
ファーニナル家の家令: アンドレアス・ヴィンクラー
公証人: トーマス・スラヴィンスキー
料理屋の主人: フォルカー・フォーゲル
歌手: ピョートル・ベチャーラ
帽子売り: カロリーネ・フス
3人の貴族の孤児: シュ・リヴェロス、
          フランチスカ・モンティエル、
          ヴァレーナ・ハッセルマン
動物売り: トーマス・ピュッツ
4人の元帥夫人の召使い: ノエル・ヴァスケス
             ティエリー・デューティ
             ミヒャエル・ムロセック
             フラヴィオ・マティアス
ピポリート: クリストフ・ヘレン
モハメッド: ヤン=ガン・ズーター
レオポルト: プージャ・タレビ

指揮:フランツ・ウェルザー=メスト
演出:スヴェン・エリック・べヒトルフ
装置:ロルフ・グリテンベルク
衣装:マリアンヌ・グリテンベルク
照明 ユルゲン・ホフマン
合唱指揮:ユーグ・ヘマリー、エルンスト・ラッフェルスベルガー

チューリッヒ歌劇場合唱団
チューリッヒ歌劇場エキストラ協会
チューリッヒ歌劇場管弦楽団

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