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2007年10月20日 (土)

飯森範親/東響(2007/10/20)

2007年10月20日(土)18:00
サントリーホール

指揮:飯森範親
東京交響楽団


ヘンツェ:
オペラ「ルプパ ― ヤツガシラと息子の愛の勝利」
(演奏会形式、日本初演)


アル・カジム:ラウリ・ヴァサール(バリトン)
バディアト:森川栄子(ソプラノ)
デーモン:トーマス・マイケル・アレン(テノール)
老人:松下雅人(バス)
アジブ:ファブリス・ディ・ファルコ(カウンター・テナー)
ガリブ:ジェローム・ヴァルニエ(バリトン)
マリク:小川明子(メゾ・ソプラノ)
ディジャブ:小野和彦(バス)

ヴォーカル・アンサンブル:東京混声合唱団
 好田真理、和田友子(ソプラノ)
 尾崎かをり、箕輪由樹(アルト)
 柿本竜二郎、志村一繁(テノール)
 徳永祐一、山田茂(バス)

演出:飯塚励生


「ちょっと難しかったけど、くせになりそうな音楽」…聴き終わった後の体感は、そういう印象でした。

しかし、実は休憩前の前半(第1部、約65分)は、眠かったです。(^^ゞ
演奏が悪かったわけではないと思います。
たまたま私の体調が、少し疲労感を感じる状態でした。
その上、初めて聴く作品だったので、字幕を一生懸命追ってしまいました。
せっかく生演奏を聴いているのに、指揮者もオケも歌手も、ろくに見ないで、ヘンツェの曲を「BGM」に文字を読んだのは失敗でした。

後半の80分を耐えられるかどうか不安になり、「疲れているので帰ろうか」と一瞬考えましたが、「ヘンツェのオペラなど、次はいつ聴けるかわからない」と思い直し、残ることにしました。
休憩時間に疲労回復のためにチョコレートを食べ(←小箱を携行していると便利です)、プログラムの冊子をもう一度読んでストーリーを復習し、後半(第2部、約80分)は字幕は時々見る程度にしたら、ずいぶん楽しめました。

プログラムの冊子によれば、「歌」は、調性を感じる節はほとんどなく、言葉から発する自由な抑揚、リズム、音程によって作られている(言葉によって支配されている)とのことです。
それに対して「オケ」は、音楽としての独自のおもしろさを示している(歌の伴奏をしていることもあるが、音楽自体に魅力に満ちあふれているものが少なくない)そうです。
その役割分担を意識して聴いてみると、このヘンツェの音楽の独特の音響が、俄然面白くなってきました。

現代のオペラをほとんど聴いたことがない私には、最初「これがオペラかい?」という思いも少し抱きましたが、以前、やはり東響定期で聴いた、ラッヘンマンの「マッチ売りの少女」に比べれば、十分すぎるほど「オペラ」だと思います。

舞台後方を高くし、Pブロックも使ったセミステージ形式での上演でした。
譜面台に楽譜を見ながらの歌唱ですが、衣装を着けて、多少の身振り、演技が入る上演だったので、単なる演奏会形式とは違って、多少の雰囲気も楽しめました。
ただ、東響の毎年のセミステージ形式のオペラでいつも思うのですが、スクリーンに映し出される映像の意味が、私にはよくわかりません。
「意味」とまで言わなくても、「雰囲気」作りの効果が出ているようにも、私には感じられません。
今回は、静止画も動画もありましたが、CGのようなアニメ調のものも出て来ました。
特にこれらの映像が無かったとしても、この日の演奏は成り立ったような気がしないでもありません。
それから、夏でもないのにオケメンバー全員が白い色の上着だったのは、照明効果を狙ってのことでしょうか?
黒い上着は指揮の飯森さんだけでした。
記憶の範囲では、私が過去に聴いた東響のセミステージ形式のオペラ上演では、「白い上着」は、なかったような気がします。

残念ながらお客さんの入りは盛況とは言えない状況でしたが、こういう曲を聴きに来るお客さんなので、多くの人は集中して聴いていました。
(演奏開始後20分くらいしたところで、立ち上がって帰ってしまったお客さんも居ましたが…。)
終演後、最後まで残っていたお客さんは三分の二くらいだと思いますが、結構熱心な拍手が続きました。

そういうわけで、体調がいまひとつだった割には、帰宅後も「あのサウンド」が耳に残っているくらい、刺激を受けてきました。

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