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2007年10月31日 (水)

ボッセ/都響(2007/10/30)

2007年10月30日(火)19:00
サントリーホール


指揮:ゲルハルト・ボッセ
東京都交響楽団

トランペット:高橋敦

ハイドン:交響曲第85番「王妃」
ハイドン:トランペット協奏曲
バッハ:管弦楽組曲第2番~終曲(アンコール)
ハイドン:交響曲第101番「時計」

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都響の年間プログラムが発表されたとき、「この日だけは最優先で聴きに行こう」と思いました。
オケの定期でオール・ハイドン・プログラムには、あまり出会えません。
ハイドンの交響曲が大好きな私にとっては、インバルのマーラーを差し置いて、のどから手が出るくらい、一番欲しいチケットでした。

一曲目の85番は、第1ヴァイオリンが10人の小編成。
ティンパニ無しで、金管はホルンだけ。
数少ない経験から「ボッセさんの古典派はピリオド的」という先入観を持ってしまっていましたが、普通のモダンオケの演奏でした。
でも、往年のヨッフムのCDなどに比べると、やはり「ピリオド後」のはつらつとしたハイドンです。
コンサート全体を通して、出だしの音が微妙にずれる場面がときどきありましたが、そんなことは些細なことに思えてくるような美しい音。
ひとたび音楽が動き始めてしまえば、そこには至福のハイドンの音の世界が広がります。小編成でも音量は不足せず、十分な残響も伴っています。
弦の音が特に魅力的でしたが、木管も素晴らしかったです。
決して“前座”ではないシンフォニーの演奏でした。

2曲目のトランペット協奏曲は、高橋さんのソロの音色が見事。
舞台後方のPブロックで聴いたのに、その輝かしい音に魅了されました。
プログラムの冊子によれば、この曲の独奏は現代の奏者にとっても難しい曲とのこと。
確かに、技巧的にも高度なものが要求されているように聞こえます。
しかし、高橋さんのソロは、技巧は当たり前のものとして、もっと高度な次元での音楽を奏でていたと思います。
この日の演奏に比べれば、その昔、入門用にLPレコードで聴いたこの曲の演奏は、今となってはムード音楽の印象です。
オケの第3楽章でのたたみかけるような追い込みもあって、スリリングで躍動感のある21世紀のハイドンでした。
プロコフィエフの古典交響曲や、ストラヴィンスキーのプルチネルラに匹敵するような新しさを持っている…などと言ったら、「これでから素人は…」と音楽の専門家にバカにされるかもしれませんが…。
この曲の編成は、さらに小さくなり、第1ヴァイオリンが8人まで減らされ、コントラバスなどは1人。
しかし、ティンパニが加わったことで、1曲目よりも音にアクセントがついた印象です。
バロック・ティンパニだったのかどうか、良く見えませんでしたが、聴いた印象では、バロック・ティンパニ風の音。
弦や管は普通のモダンオケの音を出していますが、ティンパニの音が加わるだけで、ずいぶんピリオド風の音に聞こえました。

アンコールは、指揮者無しの弦楽合奏を伴って、バッハの組曲第2番のフィナーレ。
オール・ハイドン・プロの中のバッハも、なかなか良かったです。
開放的なハイドンとは音色が少し異なり、魂を搾り出すような力のこもった演奏でした。
原曲がフルート独奏の曲であることを一瞬忘れさせてくれました。

後半の「時計」は、第1ヴァイオリンが12人と、この日の中では大きな編成。
この曲は、ハイドンの交響曲の中では、私の好きな曲ベスト3のひとつにあげています、
それくらい好きな曲なので、本当にあっという間に終わってしまったような印象を受けるくらい、楽しい30分した。
第2楽章の有名なメロディーのためにムード音楽的に見られがちですが、実は堂々たるシンフォニーの傑作だと思います。
第2楽章の有名なメロディーも突出はしていなくて交響曲の一要素ですし、第1、第4楽章は、ベートーヴェンの初期の交響曲にも比肩するような素晴らしさです。
第3楽章は、少しミステリアスな雰囲気も感じられるような、ハイドンならではの世界です。
この日の演奏は、この曲が決して“軽い音楽”などではなく、立派な交響曲であることを、存分に示した演奏だったと思います。
定期演奏会で、最後の曲として演奏されるハイドンの素晴らしいこと!
終演後の会場は、良い音楽を聴いた喜びに満ちた、暖かく盛大な拍手が贈られていました。
ハイドンの交響曲で、会場がこれほど盛り上がるとは!
ハイドン好きにとって、嬉しい限りです。

ボッセさんは、この後12月に札響定期でもオール・ハイドン・プログラムを振ります。
曲目は、トランペット協奏曲に、交響曲第6番「朝」、第7番「昼」、第8番「晩」。
また、1月には神奈川フィルの定期で「驚愕」を振ります。
札幌や横浜まで追いかけていきたくなりました。

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