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2007年11月12日 (月)

ゲルギエフ/東響(2007/11/12)

2007年11月12日(月)19:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:ワレリー・ゲルギエフ
東京交響楽団


モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」
ベルリオーズ:幻想交響曲


プログラムの冊子の解説によると、ゲルギエフさんは、オーケストラの個性に合わせて、演奏スタイルを大きく変えることがしばしばあるそうです。
確かに、前日に所沢のミューズに響いたサウンドと、この日に川崎のミューザに響いたサウンドは、全くの別物でした。
演奏スタイル自体は、終盤にたたみかけていくようなもので、まぎれもなく同じ指揮者の演奏ですが、響きは全く異なります。
技量的にはマリインスキーの方が上なのでしょうが、私の個人的な好みで言えば、東響の上品なサウンドの方が好きです。
そして、東響定期会員の私にとっても、東響がこんなサウンドを響かせるなんて、感無量の演奏会でした。

前半のモーツァルトは、弾力性のある弦の音が、魅力的な音を奏でます。
ゲルギエフのモーツァルトがこんなに上品だなんて、前日の野蛮な「春の祭典」からは、想像もつきません。(当たり前か…)(^^ゞ
第3楽章までは、そんなに煽ることもなく、至福の空間を作り出していました。
そして、第4楽章に入ると、ややテンポを早めて、ゲルギエフらしい、たたみかけるような音の波状攻撃。
でも、決して上品さを失わない格調高い演奏。
「終わってほしくない」と思いながら聴いていた私は、第4楽章冒頭を繰り返したときに「儲かった!」と思ってしまいました。(我ながら浅ましい!)
「ピリオドアプローチではなく、普通のモダンオケの演奏」なんていう情報は、何の意味も持ちません。
申し訳ないけれど、普段の東響で聴いているモーツァルト(←私は満足して聴いていましたが)とは、レベルの違う演奏でした。

休憩後のベルリオーズになって、オケのサウンドが微妙に変化し、フランス風の響きになったように私は感じました。
「フランス風」と言ってもいろいろありますが、私には「フルネさんが都響を振ったときのサウンドを、もう少し輝かしくしたような音」のように聞こえました。
このベルリオーズのサウンドを聴いて、私は「前半はオーストリア風の音だったのかな?」と思いました。
前日、ストラヴィンスキーとチャイコフスキーとで、音ががらっと変わったのに比べれば、僅かな違いですが、やはりゲルギエフクラスになると、棒一本で音を変えてしまうんですね。
このフランス風の響きがまた魅力的。
さすがに奏者が前半に比べて倍増しているので響きの純度は多少低くなりましたが、それでも東響がこんなサウンドを出すなんて…。
たとえば、チューバの音だって、トロンバーンの音だって、普段聴いている東響とは、音の表情が全く違います。
ゲルギエフさんは、ところどころ煽るものの、第4楽章までは上品さを保って曲を進めた感じ。
第5楽章でパワー全開となりましたが、決して粗野な演奏ではありません。

演奏が終わって大喝采の中、楽員の皆さんが、ニコニコしながら隣の奏者と言葉を交わしていたのが印象的でした。
きっと、ゲルギエフさんの魔術にかけられてしまったことを、魔術から覚めた後で「良いひとときだった」と喜んでいたのだと思います。

…というわけで、やはりゲルギエフさんは別格でした。

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