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2008年1月25日 (金)

ボッセ/神奈川フィル(2008/01/25)

2008年01月25日(金)19:00
横浜みなとみらいホール

指揮:ゲルハルト・ボッセ
神奈川フィル
(第241回定期演奏会)

J.C.バッハ:シンフォニア ト短調作品6-6
ハイドン:交響曲第94番「驚愕」
ベートーヴェン:交響曲第7番

古典派の交響曲の歴史を、迫力とスピード感のある演奏でたどることができました。

私がヨハン・クリスティアン・バッハの曲を聴くは、もしかしたらこの日が初めてかもしれません。
プログラムの冊子によれば、J.S.バッハの末っ子で、ハイドンより2歳年下とのことです。
聴く前は「バッハ」という名前から「J.S.バッハの亜流」をイメージしてしまいましたが、聴いてみると、全く作風は違います。
プログラムの冊子には「偉大な父親の呪縛からは解き放たれて」とありますが、まさにその通りであることを、この日の演奏で確認しました。
この曲は、急-緩-急の3楽章構成で、交響曲の先駆けとなったジャンルとのこと。
劇的な第1楽章と第3楽章、ロマンティックではないが気品のある緩徐楽章など、とっても魅力的な曲です。

神奈川フィルの弦が美しい!
ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートマスターだったボッセさんに、かなり鍛えられたのでしょうか?
昨年2回ほど聴いた神奈川フィルの定期のときよりも格段にきれいに聞こえました。
もっとも、座った席は違うので、一概には比較できませんが…。

ハイドン好きの私は、J.C.バッハのこの曲が気に入ったので、他の曲も聴いてみたくなりました。
しかし、プログラムの冊子によれば、シンフォニアだけで60曲あまりも作曲しているとのこと。
「ハイドンの交響曲ですらまだ聴き込んではいないのに、J.C.バッハに手を出したら、時間がいくらあっても足らない」と思いましたが、そこに宝の山があることだけは覚えておきたいと思いました。

続いて、この日の私のお目当てのハイドン。
昨年10月30日の都響12月7日12月8日の札響と、勝手に“ボッセ・ハイドン・ツィクルス”と心の中で名付けて聴きに行っていますが、「驚愕」一曲とはいえ、聞き逃すわけにはいきません。
その期待通り、素晴らしい演奏でした。
80歳台後半の指揮者が振る演奏の新しいこと!
ピリオド奏法ではありませんが、明らかにピリオドアプローチが台頭した以降の演奏スタイル。
それでいて決して軽くなく、芯の据わった音。
この曲でも弦楽器の美しさは比類なく、フルートを始めとする木管の積極的な演奏も大変魅力的でした。
雑な音はいっさいなく、ちょっとした音まで表情が込められています。
以前聴いた神奈川フィルの演奏会で「極細部の詰めが…」と感じた面影は皆無でした。

ここで帰ってしまっても大満足…という状態の幸せな休憩時間の後は、さらに輪をかけてノリノリのベートーヴェン。
ボッセさんは、4つの楽章を、ほぼ続けて演奏しました。
緊張がとぎれず、交響詩のような効果を生んでいて、良かったと思います。
このボッセさんの推進力は、もし若手の駆け出しの指揮者が真似をしたら、一歩間違えば「爆演系」の粗野な演奏になるかもしれません。
しかし、さすがはボッセさん。
スピードと迫力と格調を兼ね備えた、ピリオドアプローチ以降の、現代のベートーヴェン演奏を満喫しました。

この日のベートーヴェンの曲が1番や2番ではなく、7番であるところが、プログラミングのうまさでしょう。
J.C.バッハが1770年出版、ハイドンが1791年作曲、ベートーヴェンが1813年初演とのことです。
ほぼ20年の間隔で「交響曲がこのように発展してきた」ということが、演奏会全体を通して、そして7番の終楽章の圧倒的な迫力によって示されたような気がします。
選曲、演奏ともに、素晴らしい演奏会でした。

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