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2008年1月14日 (月)

ラヴェル「ボレロ」のCD

マゼール/ウィーン・フィルの「ボレロ」のCD(1996年録音)が、雑誌(「レコード芸術」2008年1月号)に「クセ者の面目躍如」「抱腹絶倒」と書いてあったので、買ってきて聴いてみました。
確かに、妙なヒネリというか、テンポの揺らし方、見得の切り方をしていて、面白いといえば面白いです。
「抱腹絶倒」と言うほど笑いはしませんでしたが、ニヤリとさせられる演奏でした。

そう言えば、別に意識して買い集めてはいませんが「ボレロ」のCDはいつの間にか何枚か持っていますので、久しぶりに聴き比べてみました。
「ボレロ」という曲は、もともと繰り返しの曲なので、8枚続けて聴いても飽きません。
他の曲なら、そうはいかないでしょう。

■アバド/ロンドン交響楽団(1985年録音)

変わり種としては、こちらをマゼールよりも上位にすべきだと思います。
クライマックスで興奮したオケのメンバーから叫び声が上がっていることで有名(?)な演奏です。
発売された頃、知人に聴かせてもらったときは「何じゃ、こりゃ」と思いました。
たぶん、まだLPだったと思いますが、かなり叫び声が強調された録音だったような印象が残っています。
それ以来、ず~っと「ゲテモノ」扱いで触れずに来ましたが、近年になってCDを買って聴いてみると、それほど叫び声が強調された印象はありません。
そして、演奏自体は、確かに叫び声を上げたくなるような高揚感です。
最近は、このCDを手に取ることが結構多いです。

■デュトワ/モントリオール交響楽団(1981年録音)

以前は「ボレロ」と言えば、このCDばっかり聴いていました。
やや速めのテンポがスマートで、響きの透明感もピカイチだと思います。
私がこのコンビでこの曲を生演奏で聴いたのは20年以上前の1985年ですが、今でも、そのときの鮮烈な印象が残っています。

■小澤/ボストン交響楽団(1974~5年録音

雑誌などで“名盤”として取り上げられることはほとんど無いと思いますが、終盤の迫力はスゴイと思います。
サイトウキネンもいいですが、個人的には、ボストン響時代の小澤さんの録音にも、凄い演奏がたくさん残っているような気がします。
ブラームスの交響曲第1番(1977年録音)も、同じような高揚感を感じたCDです。

■ミュンシュ/パリ管弦楽団(1968年録音)

悠然と始まり、良い香りがしてきそうな雰囲気を漂わせながら徐々に高揚し、最後は圧倒的な迫力。
横綱相撲の演奏だと思います。

■ブーレーズ/ベルリン・フィル(1993年録音)

ブーレーズは私の大好きな指揮者の一人ですが、このCDはどうも掴み所がよくわかりません。
もちろん不満の残る演奏ではありませんが、上記の数枚に比べると、手に取る回数は少なくなっています。
「ブーレーズを聴きたい」と思ったときは「春の祭典」やマーラーの交響曲のCDの方を手に取ってしまいます。
雑誌などでの評価は、かなり高い方の盤です。

■フルネ/東京都交響楽団(2004年録音)

フルネさんの「ボレロ」は、生で数回聴いていると思います。
いずれも上品な香りの漂う優雅な演奏でした。
このCDは、フルネさんの生演奏の印象を十分に捕らえているとは言えないかもしれませんが、フルネさんが引退した今となっては、貴重な記録のひとつであることは事実だと思います。

■マルティノン/パリ管弦楽団(1974年録音)

たまたま輸入盤の超廉価盤で買ってきたドビュッシーのCD(フランス国立放送管弦楽団、1973~4年録音)が素晴らしかったので、きっとラヴェルも素晴らしいだろうと思って買ってきたCDです。
「フランス風の香り」と言っても「デュトワ風」もあれば「フルネ風」もあり、ひとつではありません。
「マルティノン風」もまたこれらとは違いますが、まぎれもなく素晴らしい!
悠然と始まり、悠然と歩を進めますが、最後はたたみかけるように高揚して終わります。


…というわけで、スマートでスタイリッシュな演奏を聴きたいときはデュトワ、ゆったりと香りを味わいたいときはマルティノン、迫力と高揚感を味わいたいときはアバドか小澤、香りと迫力の両方を求めるならミュンシュ、ニヤリと笑いたいならマゼール…という選択になるでしょうか。
でも、こうして並べて聴いてみると、一番印象の薄かったブーレーズが、実は一番バランスが取れているのかな…と感じたりして面白いです。
いずれも素晴らしい演奏だと思います。

なお、クリュイタンスの「ボレロ」のCDは所有していませんでした。
雑誌の評ではこれをダントツのベスト盤に上げているものもあるので、「これを聴かずにボレロ」を語るべからず!」と叱られれば反論の余地は無いでしょう。
機会を見つけて聴いてみたいと思います。

そう言えばカラヤンの「ボレロ」のCDも持っていない…などと考え始めると、きりがありませんが…。

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