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2008年1月12日 (土)

ブロムシュテット/N響(2008/01/12)

2008年1月12日(土)18:00
NHKホール

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
NHK交響楽団
(第1610回定期公演)

モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」


私は1985年4月から2000年2月までN響の定期会員でした。
その期間は4人の名誉指揮者が次々と来演していました。
デュトワさんの時代に移行した期間でもあり、スヴェトラーノフさんやプレヴィンさんが客演していた時期もありました。
今にして思えば、結構…いや、ずいぶん贅沢だったと思います。

しかし当時は「ブロムシュテットさんやサヴァリッシュさんが毎年のように聞けるのは当然のこと」と勘違いしてました。
(サヴァリッシュさんの最後の来日を「また次があるさ」とたかをくくって聞き逃してしまったのは苦い経験です。)
そうはいっても、当時もブロムシュテットさんが振る日は、かなりワクワクしたものです。
ニールセンの「不滅」やベートーベンの7番などの圧倒的な音響を懐かしく思い出します。

N響の定期会員を辞めた後は、ブロムシュテットさんは2001年にオーチャードホールで聴いただけで、NHKホールには足を運んでいませんでした。
そういうわけで、N響の名誉指揮者陣の中で唯一現役のブロムシュテットさんの演奏会を久しぶりに聴けるのを心待ちにしていました。

この日の席は1階席前方だったので、ブロムシュテットさんのお顔を間近で見ることが出来ました。
確かに、以前に比べれば「少し年をとったなあ…」というお顔をしていますが、とても80歳を越えている印象ではありません。
定期会員だった頃(つまり10年くらい前)に、「ブロムシュテットさんって、70歳になるとは思えない」と感じたのを思い出しました。
しかもこれは風貌の話しであって、歩く足元はまったくあぶなげなく、スタスタと歩いて登場するし、多少動作は少なくなったとはいえスクッと立ってきびきびとした動作の指揮ぶりです。
この様子なら、まだ2~3回は来日してくれるのではないか…と期待してしまいました。

1曲目のモーツァルトの交響曲は、当初発表の34番から変更になった曲。
34番も聴いてみたかった気がしますが、「プラハ」も好きな曲なので不満はありません。オケの並びは、第2ヴァイオリンが右側、チェロが左側に来る対向配置、コンサートマスターはペーター・ミリングさん(シュターツカペレ・ドレスデンのコンサートマスター)がゲスト・コンサートマスターとして座りました。
ブロムシュテットさんはこの曲は指揮棒を持たずに指揮。
ピリオド・アプローチではなく、伝統的な演奏の部類に入ると思いますが、第1楽章や第3楽章ではスピード感のある瞬間が多々あり、決して枯れた演奏ではありません。
ブロムシュテットさんは、ところどころで「シュッ」というような声(息?)を発して力を込めていました。
また、3楽章ではティンパニを「あれ?ピリオドアプローチ?」と思うくらい強打させていました。
一曲目から「ブラボー」の声が多数かかって、大喝采で休憩に入りました。

休憩時間に舞台上は、モーツァルトの小編成からブルックナーの大編成に配置転換。
モーツァルトでは「音が向かってくる」ような印象でしたが、後半のブルックナーでは「音に包みこまれる」ような印象に変わりました。
ブロムシュテットさんは後半は指揮棒を持っての指揮。
第1楽章からオケのメンバーは全力投球の様相です。
すでに体を揺らし、頭を振って弾いている人が何人もいます。
ひたすら美しい瞬間、分厚い響きの瞬間、激しい瞬間が交錯し、その中を美しいホルンの響きが高らかに貫く。
私の席はかなり前の方だったので、随所に出てくる弦の微小な音まで良く聞こえました。壮大な構築物の建築が終了したかのようなエンディングに、会場は一瞬息をのみ、ごく一部の人を除いて一呼吸置いてから盛大な拍手と「ブラボー」で熱演をたたえました。

ただ、欲を言えば、壮大なフォルテの後に残響がほとんど残らず、音がプッツリとぎれるのはやはり残念。
この日の私の席は、NHKホールの中でも比較的音の良い部類の席でしたが、それでも、もう少し残響のあるホールで聴いたら、もっと素晴らしかったと思います。
「赤坂、初台、池袋、横浜、川崎。…」という地名が、演奏中に頭に浮かんでしまいました。

開演前の室内楽
17:15
NHKホール2階北側ロビー

トランペット:井川明彦
ホルン:今井仁志
チューバ:吉川武典
ピアノ:竹島悟史

P.ガべイ:トランペット、ホルン、トロンボーン、ピアノのための
      「レクリエーション」(1958)


開演前の室内楽は比較的珍しい曲だと思います。
1楽章は楽しく弾む雰囲気の曲。私は、サン・サーンスの七重奏曲に通ずる雰囲気を感じました。
2楽章は一転して夜を思わせるような落ち着いた雰囲気。弱音器をつけたトランペットがムードを高めます。中間部は弱音器を外しましたが、終結部は再びつけていました。
3楽章は再び快活な曲。
小空間を埋めた聴衆から盛んな喝采が送られていました。

この空間は、定期会員だった頃の記憶では、弦などは結構残響感を伴って美しく響いていたと思いますが、この日の金管楽器では、かなりストレートに音が向かってくる感じでした。

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