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2008年2月10日 (日)

ホーネック/読響(2008/02/10)

2008年2月10日(日)18:00
サントリーホール


指揮:マンフレッド・ホーネック
読売日本交響楽団
(第499回名曲シリーズ)
ソプラノ:薗田真木子
アルト:マルティナ・グマインダー
合唱:国立音楽大学合唱団

マーラー:交響曲第2番「復活」


プログラムの冊子には、ホーネックさんの微弱音のことが「音の魔術」「耳をそばだてて聴く、音楽のすごさ…。」と書かれています。
確かにその通りで、鳴らすところは思いっきり派手にドカンと鳴らすのと好対照の微弱音が、この日の会場を支配しました。
合唱の入りがこんなに小さい声で歌われたのを聴いたは、私は初めての経験のような気がします。

ホーネックさんの指揮姿は美しく、エネルギッシュでありながらも、しなやかな動きでオケを引っ張ります。
素人目の感想で恐縮ですが、こういう棒だったら、弦楽器はさぞかし弾きやすいのではないか…と思いながら聴いていました。
この日の読響の弦の音は秀逸。
特に第2楽章あたりから妖しい(?)雰囲気が会場に満ち始め、第3楽章では聴く者を麻酔にかけるかようなに陶酔感。

加えて、この日の独唱者2人が素晴らしい。
アルトのグマインダーさんは、ホーネックさんの推薦での起用とのこと。
確かに、シーズンプログラム発表の時点ではアルトは「未定」とされていました。
第4楽章のアルト独唱は、第3楽章までの弦の音の“雰囲気”を見事に引き継ぎ、陶酔の極み。
声を張り上げて歌う曲ではないこともあると思いますが、無理をせずに余裕を持って、その余力をニュアンスに振り向けて歌っていたのでしょう。
声の質も魅力的で、ぜひまた聴いてみたい人です。
ソプラノの薗田さんも、決して声を荒げることなくきれいな声を維持して歌いきったように思います。
ソプラノのキンキンする声はあまり好きではありませんが、こういうきれいなソプラノは大好きです。

合唱の国立音楽大学も声を張り上げずに好演。
N響の「第九」で「ちょっと声を張り上げすぎじゃない?」「叫んじゃ駄目だよ」と思うことがたまにあるのでちょっと心配しましたが、ホーネックさんの意図を汲み取ったようです。

全席完売にもかかわらず、会場内には空席が結構ありましたが、この日聴きに来たお客さんは(咳は少し目立ちましたが)みな集中力をもって聴いていたようです。
「拍手はご遠慮下さい」というアナウンスが流れたわけではありませんが、歌手が登場したときの拍手はなし。
曲が終わった後も、こういう曲もかかわらず、ほんのごく僅かとは言え、一呼吸置いての拍手開始。
みんなホーネックさんの魔術にかかってしまったのでしょう。

金管楽器にもこのニュアンスが徹底できればなお良かったと思いますが、本来咆哮する役割の楽器にそれを求めるのは酷なのでしょう。

まるで、この曲を初めて聴いたかのような、「ここは、こんな音だったんだ」というような、いろいろな発見のあった演奏でした。

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