« ノリントンの「わが祖国」のCD | トップページ | 新国立劇場「サロメ」(2008/2/9) »

2008年2月 9日 (土)

大友直人/東響(2008/2/8)

2008年2月8日(金)19:00
サントリーホール


指揮:大友直人
東京交響楽団
(第553回定期演奏会)
ピアノ:ジョナサン・ビス

ハイドン:交響曲第25番
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
ドビュッシー:交響詩「海」
ラヴェル・ラ・ヴァルス


ゲストコンサートマスターのレオン・シュピーラーさん(元ベルリン・フィル)は、拍手を受けて入場すると、団員を立たせて答礼してからチューニングに入りました。
ベルリン・フィルのスタイルですね。
オーストリア式、イギリス式など、国によっていろいろなスタイルがありますが、私は、このベルリン・フィルのスタイルが結構好きです。

シュピーラーさんは1928年1月生まれということですのでなんと80歳になったばかり。
技巧的にはともかく、座って弾いているときの存在感はさすが。
ベートーヴェンの協奏曲の“伴奏”では、特に力が入っていたように見えました。
ジョナサン・ビスさんのピアノは一音一音がくっきり聞こえる感じで、「この音でドビュッシーのピアノ曲を聴いてみたい」などと考えながら聴いていましたが、曲が進むにつれて次第に熱がこもっていったのは生演奏ならでは。
ベートーヴェンの協奏曲の中では、この3番がビスさんに合っていたかもしれません。

大友直人さんは、最近はいつもそうしているように指揮棒を持たないでの指揮。
後半のドビュッシーでは、最初は「直球勝負の演奏」と感じました。
確かに“音楽”としては、聴いていて非常にわかりやすい演奏だったと思います。
「リヒャルト・シュトラウスの交響詩のようなドビュッシー」などと言ったら言い過ぎかもしれませんが、旋律の流れが非常によくわかり、各楽器の音が生々しく聞こえました。
しかし、個人的には、もう少しミステリアスな雰囲気や、ブレンドされた音の香りが欲しいところです。
この曲の生演奏をそれほど多く聴いたことがあるわけではありませんが、ジャン・フルネさん指揮の演奏に接したことがある者としては、どうしてもあの独特の雰囲気が忘れられません。
…というわけで、「悪い演奏ではないのだが…」と思って聴いていると、第3曲からオケの響きが変わったような気がしました。
各楽器の音が生々しく聞こえていたのが、音が溶け合って、クリアで透明感のあるサウンドに聞こえるようになりました。
このサウンドが曲の最後では高らかに鳴り、快感。
第1曲、第2曲が私の個人的な好みに合わなかったことなど忘れて、幸せな気分で拍手をしました。

ラヴェルでは再び少し生々しい音に戻った感じですが、ドビュッシーでは気に入らなかったサウンドであっても、ラヴェルだったらOKの場合もあります。
「響きのきれいさ」よりは「迫力」を目指したような演奏でした。

1曲目のハイドン(ピリオドアプローチではありませんが、やや速めのテンポで、きれいな弦の音が印象的)からベートーヴェンを経て、休憩後はドビュッシーとラヴェルというのは、バラエティーに富んでいて、面白いプログラムです。
でも、楽員の皆さんは(プロだから大丈夫なのかもしれませんが)多少切り替えが難しかったのではないかと感じました。

|

« ノリントンの「わが祖国」のCD | トップページ | 新国立劇場「サロメ」(2008/2/9) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214768/40050197

この記事へのトラックバック一覧です: 大友直人/東響(2008/2/8):

« ノリントンの「わが祖国」のCD | トップページ | 新国立劇場「サロメ」(2008/2/9) »