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2008年2月 9日 (土)

新国立劇場「サロメ」(2008/2/9)

2008年2月9日(土)14:00
新国立劇場
R.シュトラウス:サロメ

この日ピットに入った東京交響楽団は、前日の夜にサントリーホールでの定期演奏会を聴いたばかりです。
ずいぶんハードだと思いますが、さすがはプロですね。
(2日続けて聴いている私も私ですが…。)(^^ゞ
ちなみに、サロメの公演は2月3日(日)、6日(水)、9日(土)、11日(月・祝)の4日で、その合間(?)に8日(金)にサントリーホール、10日(日)にミューザ川崎で定期演奏会の開催です。
ピットに入るのはオケとしては重要な活動(経験)だと思いますが、もう少しスケジュールは考慮した方が、演奏の“質”のためには良いのではないかとも思います。

私個人の印象では、この日の東響の演奏は、“オペラのオケ”としては満足できるレベルだったと思います。
確かに超一流クラスの指揮者が振ったときのオペラのオケの響きは、絶妙のものがあります。
昨年は、小澤征爾さん指揮のウィーン国立歌劇場(現地)やサイトウキネン、ウェルザー・メストさん指揮のチューリッヒ歌劇場(来日公演)で、オペラのオケの極上の響きを聴きました。
この日の演奏は、もちろんその域には達していないと思います。
でも、普通のレパートリー指揮者が振る、普通の(?)オペラのオケとしては、迫力も繊細さも雰囲気もありました。
評論家の先生の中には、ピットでの演奏を「ステージ上(つまり定期演奏会など)では、あれだけ良い演奏をするのに…」と酷評する向きもありますが、指揮者も違いますし、ある程度は、いたしかたないことだと思います。
この日の演奏だって、昨年11月にゲルギエフさんが東響を振ったときの演奏と比べてみても仕方ありません。
繰り返しになりますが、私は、この日のレスナーさん指揮の東響の演奏で、「サロメ」というオペラを満喫しました。

(その分、定期演奏会の方に多少の負担が出ていたような気がしないでもありません。メンバー表を見ると“分担”はしているようですが、東フィルのような大所帯ではないので、共通しているメンバーが多いと思います。)

歌手陣では、ヘロデ王役のヴォルフガング・シュミットさんが絶妙。
声の質が私のイメージするヘロデ王にピッタリだと思います。
ヨハナーン役のジョン・ヴェーグナーさんも、朗々と響き渡る声で、自信に満ちた預言者を演じていました。
王妃ヘロディアス役の小山由美さんも、妖艶な熟女の雰囲気とはちょっと違いましたが、声量も声の質も、なかなかのものでした。
私は、この3人の歌唱が印象に残りました。

サロメを歌ったナターリア・ウシャコワさんは、この3人に比べて、4階席の私の座った席までは、声があまり強く響いてこない印象がありました。
特に前半は、多少抑え気味に聞こえました。
確かに、最初から最後まで、ほぼ出ずっぱりですし、踊りも踊らなければならないので大変だと思いますが、“主役”なわけですから、頑張ってほしかったと思います。
…と言っても「3人と比べて」の話しですから、合格ラインに達していないわけではありません。

演出はおそらくオーソドックスなものだと思います。
私はそんなに“オペラ通”ではないので、やはりこういう演出の方が安心できます。
もっとも、プログラムの冊子によれば、最後にサロメにとどめを刺すのが小姓であるところは新機軸とのこと。
サロメのせいで自殺した護衛隊長に思いを寄せていた小姓が敵を討つ…ということだそうです。
もっとも、新機軸と言っても、もとになった演出はバイエルン国立歌劇場の1987年の演出とのことですから、1987年当時の新機軸ですが…。
(この新国立劇場の「サロメ」も、私は観るのは初めてですが、プレミエは2000年です。)

開演時は、場内が暗くなって指揮者の登場を待っていると、幕が上がり、いきなり音楽が鳴り始めました。
…というわけで、開演時の拍手は無し。
終演時は、最後の大音量が鳴り終わって舞台が暗転し、ふた呼吸ぐらい置いてから拍手が始まりました。
フライングの拍手など無く、とても良かったと思います。

【指揮】トーマス・レスナー
【演出】アウグスト・エファーディング
【美術・衣裳】ヨルク・ツィンマーマン
【再演演出】三浦安浩
【舞台監督】大澤裕
【芸術監督】若杉弘
【管弦楽】東京交響楽団

キャスト
【サロメ】ナターリア・ウシャコワ
【ヘロデ】ヴォルフガング・シュミット
【ヘロディアス】小山由美
【ヨハナーン】ジョン・ヴェーグナー
【ナラボート】水口聡
【ヘロディアスの小姓】山下牧子
【5人のユダヤ人1】中嶋克彦
【5人のユダヤ人2】布施雅也
【5人のユダヤ人3】松浦健
【5人のユダヤ人4】小貫岩夫
【5人のユダヤ人5】大澤建
【2人のナザレ人1】青戸知
【2人のナザレ人2】青柳素晴
【2人の兵士1】大塚博章
【2人の兵士2】斉木健詞
【カッパドキア人】藤山仁志
【奴隷】鈴木愛美

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