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2008年3月20日 (木)

新国立劇場「アイーダ」(2008/03/20)

2008年3月20日(木・祝)14:00
新国立劇場
ヴェルディ:アイーダ

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豪華な舞台装置の第1幕、第2幕に比べれば、第3幕の舞台装置はやや質素。
でも質素な舞台の第3幕の方が、緊張感のある人間模様が迫力のある歌唱によってドラマティックに迫ってきたような気がして、ちょっと面白くなりました。
もっとも、これは舞台装置のせいというよりは、尻上がりに調子が上がったと見るべきでしょう。

第1幕のラダメス、アイーダ、アムネリスの三重唱や、第2幕のアイーダ、アムネリスの二重唱など、水準以上ではあるものの、もう少し迫力がほしい気がしました。
あるいは「清きアイーダ」のアリアも、第3幕、第4幕のベルティさん(ラダメス役)の素晴らしい歌唱に比べれば、多少抑え気味だったような印象でした。

第2幕第2場の「凱旋の場」は、豪華な装置の舞台を次から次へと人々の行列が精巧な小道具を伴って横切ります。
一瞬目の錯覚かと思いましたが、本物の馬に乗った人も横切りました。
たかだか10秒か15秒のために、めちゃくちゃ贅沢ですね。
しかし、この豪華な舞台の割りには、意外に音が迫ってこない印象でした

私は最初、会場の音響のせいだと思っていました。
この日座ったのは3階席のサイド。
頭上には4階席の底があるので、ホールの天井からの反射音などがあまり聞こえないせいだろうと思っていました。
でも、第3幕、第4幕の“音”を聴くと、そのせいではなかったような気がします。

第3幕のアイーダとラダメスの掛け合いは迫力満点。
オーケストラもシンフォニックな響きで迫力を後押しします。

第4幕の裁きの場面における緊張感は、“迫力”は“音の大きさ”のことではないということを示してくれました。
神殿と地下牢の上下二段構造の舞台も同様。
地下牢のアイーダとラダメスはしっとりと歌い上げ、それに神殿のアムネリスがからみ、息をのむような美しい瞬間でした。

ピットの東京交響楽団は2月の「サロメ」よりも音がきれいだったような気がします。
(席が違うので一概には言えないかもしれませんが。)
管楽器も含めて、定期演奏会で聴くようなシンフォニックな音を出しているように感じました。
私の席からはオーケストラピットの指揮者は見えなかったので、フリッツァさんの指揮ぶりはわかりませんでしたが、少なくとも第3幕、第4幕については、なかなかの好演だったと思います。
歌唱の方では、ラダメス役のベルティさんがいちばん印象に残りました。

…というわけで、第1幕と第2幕に対してネガティブな感想を書いてしまいましたが、あくまでも「第3幕と第4幕に比べて」ということですし、この豪華な舞台だけでも“目には御馳走”ですので、大いに満足して帰ってきました。
第2幕第2場(凱旋の場)などは、“耳ではなく目が主役”だったと思えば、お釣りが来るくらいです。
やはり「ゼッフィレッリのアイーダ」だったのでしょう。

【指揮】リッカルド・フリッツァ
【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
【再演演出】粟國淳
【照明】奥畑康夫
【振付】石井清子
【舞台監督】大仁田雅彦
【芸術監督】若杉弘

キャスト
【アイーダ】ノルマ・ファンティーニ
【ラダメス】マルコ・ベルティ
【アムネリス】マリアンナ・タラソワ
【アモナズロ】堀内康雄
【ランフィス】アルチュン・コチニアン
【エジプト国王】斉木健詞
【伝令】布施雅也
【巫女】渡辺玲美

【合唱指揮】三澤 洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【バレエ】東京シティ・バレエ団
【児童バレエ】ティアラこうとう・ジュニアバレエ団
【管弦楽】東京交響楽団

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<新国立劇場開場10周年記念特別公演> 2008年3月29日(土)14:00/新国立劇場 指揮/リッカルド・フリッツァ 東京交響楽団 新国立劇場合唱団 演出・美術・衣裳/フランコ・ゼッフィレッリ 再演演出/粟國淳 照明/奥畑康夫 振付/石井清子 東京シティ・バレエ団 ティアラこうとう・ジュニアバレエ団 アイーダ/ノルマ・ファンティーニ ラダメス/マルコ・ベルティ アムネリス/マリアンナ・タラソワ アモナズロ/堀内康雄 祭司長ランフィス/アルチュン・コチニアン エジプト国王/斉木健詞 伝令/布... [続きを読む]

受信: 2008年4月 1日 (火) 12時38分

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