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2008年3月21日 (金)

マリン/新日本フィル(2008/03/21)

2008年3月21日(金)19:15
サントリーホール

指揮:イオン・マリン
新日本フィル
(第428回定期演奏会)
ヴァイオリン:パトリシア・コパチンスカヤ

バーンスタイン:「キャンディード」序曲
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番
ホルヘ:クリン(アンコール)
プロコフィエフ:交響曲第5番

指揮者のマリンさんは、ひたすらきれいな響きを追求していたように感じました。
「キャンディード」序曲も、プロコフィエフの交響曲も。
まるで、ジョン・ウィリアムズの映画音楽のような…と言ったら叱られるでしょうが、汚い音は徹底的に忌避して、オケの強奏でも澄んだ響きで、全くうるさく感じません。
ひたすら、きれいに、きれいに。
かなりオケを煽っている場面がありましたが、それでも音はきれい。
重量感や、突き刺さるような迫力や、心躍るようなリズムはあまり感じられません。
指揮棒も、点を打つと言うよりは、しなやかに弧を描く感じ。
おそらく、好みによっては評価が分かれる演奏だったのではないでしょうか。

私は「キャンディード」はともかく、プロコフィエフはもう少し迫力とリズムを感じたい気分でしたが、マリンさんの音のスタイルは徹底していて、これはこれで認めざるを得ないと思いました。
確かに、こういうサウンドでオケの強奏が止まった後にサントリーホールに響く残響の美しさは格別のものがあります。
「ちょっと好みと違うんだよな~」と思いながらも目を輝かせて聴き入ってしまい、第4楽章の最後では「終わらないでほしい」と思ってしまいました。
こういう音作りだったら、ラヴェルの曲を聴いてみたくなりました。

協奏曲のソロを務めたコパチンスカヤさんは、ときに足を踏み鳴らし、上半身を派手に動かし、情熱の熱演。
それにもかかわらず音は濁らず、テクニック的にも素晴らしい。
暗譜ではなく譜面を置いての演奏でしたが、決して曲が頭に入っていないわけではなく、曲は完全に彼女のものになっていたと思います。
木管奏者のソロの場面で2回ほどオケの方を振り返って、ソロ奏者に目を向けましたが、その目線の魅力的なこと!
指揮のマリンさんとは違って、聴衆を興奮に誘うような、力のこもった音でした。

会場の聴衆だけでなく、オケのメンバーまでがアンコールを促すかのように拍手をしていました。
アンコール曲は短い曲でしたが、こするような音も使った(たぶん)超絶技巧の曲。
会場からは、演奏中にもかかわらず、かすかにどよめきと笑いが起こりました。
ぜひまた聴いてみたいヴァイオリニストです。

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