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2008年3月30日 (日)

飯守泰次郎/関西フィル(2008/03/30)

2008年3月30日(日)19:00
すみだトリフォニーホール

指揮:飯守泰次郎
関西フィルハーモニー管弦楽団

(地方都市オーケストラ・フェスティバル2008)
ソプラノ:緑川まり(*)
バリトン:三原剛(**)

オール・ワーグナー・プログラム
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
歌劇「タンホイザー」より「夕星の歌」
(**)
歌劇「ローエングリン」より「エルザの夢」(*)
「エルザの大聖堂への行列」「第3幕への前奏曲」
楽劇「ラインの黄金」より「ヴァルハラ城への神々の入場」
楽劇「ワルキューレ」より「ワルキューレの騎行」
「ヴォータンの別れと魔の炎の音楽」
(**)
楽劇「神々の黄昏」より「ジークフリートの葬送行進曲」
「ブリュンヒルデの自己犠牲と終曲」
(*)

私は聴きませんでしたが、昨年の関西フィルの東京公演もかなりの迫力だったそうです。
幸い、その演奏(ショスタコーヴィチの5番)はCD化され、この日の会場で先行発売されていました。
(一般発売は5月とのことです。)
http://www.taijiroiimori.com/04disc/discf.html
“重い音”がズシッと響く“飯守泰次郎さんの音”は、聴けば聴くほど「また次回も聴きたい」と思うようになってしまいます。
2月の二期会の「ワルキューレ」を聴いたこともあり、この日も吸い寄せられるようにすみだトリフォニーホールに来てしまいました。

空席はありましたが、前日の広島交響楽団よりはお客さんの入りは多い。
金、土、日で5公演(さらに室内楽公演もあり)、この演奏会が日曜日の夜という条件を考慮すると、“飯守泰次郎さんがワーグナーを振るとどうなるのか”を知っている人が集まったのかもしれません。

一曲目のマイスタージンガーから、もう心はウキウキです。
なんとも言葉にしようがない、飯守さんのワーグナー・サウンドです。
「このまま第1幕に突入してくれないかなぁ」という欲求すら感じましたが、曲が終わったときには、第3幕の最後を聴いているかのような満足感。
全く矛盾する二つの感情ですが、どちらも演奏に満足した感情であることは間違いありません。

関西フィルのサウンドは、飯守さんが東京シティ・フィルを振ったときに比べれば、多少軽い感じもしますが、1月に新国立劇場で「ナクソス島のアリアドネ」のピットに入ったときも、こういう方向性のサウンドでした。
長い曲などは力を入れる場面と少し力を抜く場面を使い分けていたようですが、逆にマイスタージンガーや、ローエングリンの前奏曲、そしてワルキューレの騎行など、オケだけで演奏されることも多い曲は、響きも磨かれ、迫力満点でした。

歌手の二人も見事。
三原さんはすっかり役になりきって歌っていたようで、前半のタンホイザーと、後半のワルキューレでは全く表情が違う。
もちろん燕尾服での歌唱でしたが、後半で出て来たときは、思わず「あ、ヴォータンの顔になってる!」と、思わずニヤッとしてしまいました。
緑川さんは、ブリュンヒルデの自己犠牲で、オケの強奏にも負けずに声を張り上げ、それが決して「叫び」にならないところが日本人歌手としてはトップクラスなのでしょう。
すばらしいパワーですが、声のきれいさがパワー全開でも損なわれないのに感心しました。

歌手のお二人が暗譜なのは、オペラ歌手として、ある意味当然ですが、指揮の飯守泰次郎さんも、最初から最後まで暗譜。
すっかり手の内に入っているワーグナーを披露してくれたのでした。

なお、この日はプレトークで紹介されましたが、若いコンマスの人がトップに座り、ベテランのコンマスの人が内側に座りました。
ただ、見ていると、内側に座ったベテランの人は、自分が弾いていないときはソロを吹いている管楽器奏者の方を見たりして目配りをしていますが、若いコンマスの人は、あまりそういう気配は見えませんでした。
休憩前や終演後のオケを解散させるタイミングなども、結構難しそうです。
都響のコンマスの矢部達哉さんが、「コンマスになりたての頃に、先輩のコンマスから、コンマスとして何をしなければならないかを、みっちりたたき込まれた」と雑誌のインタビューで語っていたと思いますが、コンマスは、なってからが大変なのでしょうね。

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