« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »

2008年4月の8件の記事

2008年4月29日 (火)

インバル/都響(2008/04/29)

2008年4月29日(火・祝)18:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:エリアフ・インバル
東京都交響楽団
(都響スペシャル
エリアフ・インバル プリンシパル・コンダクター就任披露公演)

マーラー:交響曲第8番「千人の交響曲」

ソプラノ:澤畑恵美
ソプラノ:大倉由紀枝
ソプラノ:半田美和子
メゾソプラノ:竹本節子
メゾソプラノ:手嶋眞佐子
テノール:福井敬
バリトン:河野克典
バス:成田眞
合唱:晋友会合唱団
児童合唱:NHK東京児童合唱団
合唱指揮:清水敬一
児童合唱指揮:加藤洋朗

28日、29日、30日と、3公演とも全席完売となっただけでなく、オケと合唱が引き上げた後も無人の舞台に3回も呼び戻されたインバルさん。
スゴイ人気です。

指揮する姿を見ている限り、特に緊張感も力みもなく、普通に振っているだけ。
そうは言っても動きはしなやかで、音を形に表しているので、見ていて心地良いです。
第1部の終結部と、第2部の終結部は、さすがに鬼のような形相を見せましたが、それ以外は表情も比較的穏やか。
オーケストラのメンバーも、舞台に登場したときから特に緊迫感もなく、平静な雰囲気です。
コンサートマスター席に矢部さんと山本さんの二人が座っているあたりは、さすがに「プリンシパル・コンダクター就任披露公演」だからかなと思いましたが、昨年12月の「悲劇的」のときもそうでした。
「千人の交響曲」に身構えていたのは、全席完売のチケットを手に入れた聴衆の方だったのかもしれません。
しかし、その肩の力の抜けた演奏から出てくる音そのものは、轟音だったり、耽美的な弱音だったり…。
この、見た目はさりげなく振って、さりげなく弾いて、でも出てくる音はものすごい音…というのは、昨年12月の「悲劇的」のときの印象と一緒です。
でも、第1部の後半(児童合唱が登場するあたりから後)は、結構、熱演型の演奏になっていたと思いました。
また、第2部終結部は、ミューザの音響もあるのでしょうが、強奏でも音が飽和状態にならず、分解能とブレンドの両立したサウンドになっていました。

コーラスは晋友会なので期待したのですが、私の座ったRAブロックでは、おそらく角度の問題だと思いますが、今ひとつ音が迫ってきませんでした。
(2LAと2RAのP席寄り、およびP席を使っていましたが、私の席からはコーラスの3分の1は見えませんでしたので。)
また、ところどころ微妙に出だしが揃っていない箇所もあり、(最後の「Alles …」「Ist nur …」など)ちょっと意外でした。
児童合唱は舞台上後方で歌っていたので、私の席でも位置的な問題もなく、きれいなハーモニーが響いてきました。
コーラスは児童合唱も含めて暗譜での歌唱でした。

独唱者はPブロック1~列目での歌唱でしたが、第2部でのテノールの福井敬さんが特に印象に残りました。
まるでアニメを見ているかのような表情の変化で、かなりの感情移入をした力のこもった歌唱で圧倒されました。

なお、2-L1扉付近だと思いますが、第1部終結部と、第2部終結部で、バンダ(客席で吹く別働隊の金管楽器)が演奏。
第2部では女声の独唱も同じ位置で歌い、上方から降りそそぐ音は音響効果としてはなかなかのものでした。
(ちなみにバンダは、おそらく2-R1扉付近にも居たと思いますが、私の席からは見えませんでした。)

終演後はホール出口で記念品が配られました。
20080429




この曲は「めったに聴けない大作」という印象があるものの、一方で「意外と頻繁に演奏されているかも」という印象もあります。
ちなみに、今までに私が生で聴いたのは、この日が6回目です。
平均すると3~4年に1回くらいは聴きに行っていることになるようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月19日 (土)

ベリオのレンダリング

2008年4月19日の東京交響楽団定期演奏会で演奏された、ベリオのレンダリングですが、「Rendering」を英和辞典で見ると、表現、演出、解釈、翻訳、訳文、完成予想図、画像の三次元化…などという言葉が並んでいます。
私は建築やデザインの世界にはあまり馴染みがないのですが、なんとなく言葉の雰囲気は「わかったような気分」にはなりました。

ウィキペディアには、
「交響曲ニ長調D-936の補筆完成の一つであるが、ベリオはシューベルトの様式を完全に守って完成させるのは不可能だとして自分の個人の様式で自由に後を続けた。」
と書かれています。

2007年7月1日にNHK-FMで、この曲のブリュッヘン指揮、18世紀オーケストラによる演奏が放送されました。
(2007年2月18日、ベルギー・ブリュージュ・コンセルトヘボーでの演奏)
アスコ・アンサンブルとシェーンベルク・アンサンブルが共演しており、放送時の解説によると、シューベルトが作曲した部分は18世紀オーケストラ、ベリオが補作した部分はアスコ・アンサンブルとシェーンベルク・アンサンブルが演奏していたとのことです。
このときの印象は、ロマン派の時代の音楽と20世紀の音楽が交互に演奏されたような、ちょっとつぎはぎのような印象でした。
「ベリオのような大家が独自色を出して取り組まなくても、音楽学者が補作すれば良いではないか?」とさえ思いました。

そう言えば、プッチーニの「トゥーランドット」のベリオ補作版(演奏会形式)を東京交響楽団の定期演奏会(2005年6月12日、スダーン指揮)で聴いたときも、「変わっていて面白い」とは思いましたが、やはり違和感は感じました。
慣れの問題だったのかどうかは、その後聴いていないのでわかりません。
でも、ずっと暗譜で自信満々に確信を持って歌っていたような歌手陣が、ベリオ補作の箇所からは楽譜を見ながら歌っていたのも象徴的だったような気もします。

話しをレンダリングに戻すと、この曲のCDは、私は(あまり聴き込んではいませんでしたが)シャイー指揮のものを持っていました。
「ベリオ・トランスクリプションズ」というCDで、ベリオが編曲(補筆?補作?)した様々な曲が収められています。
こちらの演奏は、前述のブリュッヘン指揮の演奏に比べると、全体的に厚い響きをもって演奏され、統一感を感じます。
極端にシューベルト的でもないし、極端に20世紀音楽的でもなく、ベリオ作曲、シューベルトの交響曲風の3楽章の管弦楽曲…とでも言いたくなるような、独自の世界が展開します。
こういう演奏だったら、オーケストラの日常的なレパートリーのひとつに加わっても良いのではないかと思いました。

もっとも、2008年4月19日の東京交響楽団の演奏会のプログラムの冊子(広瀬大介さんの解説)によれば、「完成」を目指す発想を放棄し、シューベルトの遺志を汲んだ「補筆」ではなく、ベリオ自身の音響で「修復」した…とあります。
また、聴き手は、現実と夢の間を行き来しながら、次第に両者の世界はさほど隔たった場所にあるわけではないことが明らかになる…とも書いてあります。

そういう意図であれば、ブリュッヘンの演奏に感じた「つぎはぎ」という印象は、むしろ意図されたもののようにも思えてきます。
なかなか一筋縄ではいかない、興味深い曲だと思いました。

なお、シャイー指揮のCD(国内盤)には、英語で「Rendering for Orchestra」と小さく書いてあるところの上に、日本語で「交響曲スケッチに基づく《レンダリング》」と、親切な(?)タイトルが付いています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

大友直人/東響(2008/04/19)

2008年4月19日(土)18:00
サントリーホール

指揮:大友直人
東京交響楽団
(第555回定期演奏会)
ヴァイオリン:エリック・シューマン

ベリオ/シューベルト:レンダリング
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
J.S.バッハ:パルティータ第2番~「アルマンド」
(アンコール)
レスピーギ:交響詩「ローマの松」

今季の東京交響楽団の定期演奏会は、シューベルト・ツィクルスです。
12月の定期演奏会を除き、全ての定期演奏会でシューベルトの曲が最低1曲は演奏されます。
その中で、年間プログラムが発表になったときに特に目を惹いたのが、この日の「レンダリング」でした。
さすがは大友さん。
「冥王星」付きの「惑星」も2001年の定期演奏会でいち早く取り上げた人だけあって、面目躍如と言ったところです。
レンダリングは1989年作曲なので、「いち早く」ではありませんが、珍しいことには変わりません。
「レンダリング」については別項にも書きますが、この日の演奏は、つぎはぎの修復の印象はなく、音響的にも統一感が取れていて爽快な印象でした。

さて、せっかくベリオの作品を取り上げたのだから、続けて「シンフォニア」も演奏してくれれば、7月の定期演奏会で金聖響さんが振る「復活」との対比にもなって面白いのに…とも思いましたが、さすがに休憩後の後半はポピュラーな曲が並びました。

まず、ブルッフのヴァイオリン協奏曲ですが、ソロのエリック・シューマンさんと指揮の大友直人さんの相性は、結構良かったのではないでしょうか。
あまり感情移入をしない、純粋に音を奏でているヴァイオリン独奏に聞こえましたが、このスタイルとしてはかなり“立派な音”。
オーケストラもシンフォニックな響きでソロと渡り合い、演奏終了後は独奏者と指揮者が抱擁。
エリック・シューマンさんの仕草や表情は、オケの演奏に大満足のように見えました。
アンコールは、曲名を日本語で紹介してからの演奏。
協奏曲で聴いたソロと同じような印象で、なかなか“立派な音”でした。
大友直人さんも舞台下手のヴァイオリンの後ろの空いた席に座って聴いていました。

最後のローマの松は、舞台上の空席が全て埋まり、大編成。
バンダ(客席で吹く別働隊の金管楽器)は、RCブロックの後ろで演奏していました。
私の座っていた席では、「アッピア街道の松」の最後で、本来のクライマックスの10~15秒くらい前に音量が飽和状態に達してしまい、最後の最後で音の動きがちょっと聞き分けにくかったですが、それはほんの些細なこと。
カラフルな色彩の音響が響き渡り、大いに満足しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月18日 (金)

スクロヴァチェフスキさんの後任

スクロヴァチェフスキさんの後任は、スクロヴァチェフスキさんでした。

4月18日の定期演奏会は、私は開演直前に会場に到着したので、プログラムを一切見ないで演奏を聴き、家路につきました。
家に帰って先に演奏会の印象を書きましたが、その記事にトラックバックをいただき、スクロヴァチェフスキさんの任期延長のお知らせがプログラムに挟まれていたことを知りました。

スクロヴァチェフスキさんの読響常任の任期は当初2年で、2009年の3月で終了。
…ということは、後任はいつ頃発表になるんだろう?
後任は下野さんが昇格?
それともテミルカーノフさんとかヴァンスカさんとか、馴染みの指揮者が常任?
それとも、まったく未知の指揮者が?
スクロヴァチェフスキさんの後任は、それ相応の人でないと納得できないかも。
…と、勝手に想像たくましくしていましたが、スクロヴァチェフスキさんの任期1年延長が決まったとのことで、私個人としては大歓迎です。

読響のHPにもお知らせが出ているそうです。

確か、就任の際に「若い、良い指揮者が見つかるまで…ということで引き受けた」と言うようなインタビュー記事があったような気がします。
来年の今頃には発表になるのでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

スクロヴァチェフスキ/読響(2008/04/18)

2008年4月18日(金)19:00
サントリーホール

指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
読売日本交響楽団
(第470回定期演奏会)

ブルックナー:交響曲第5番

重厚なブルックナーではないし、“筋肉質”という比喩もちょっと違うかも。
約1年前に、みなとみらいホールで聴いたときに「まるでアメリカのメジャーオケのような」と感じたのを思い出しました。

この日の読響も全席完売の人気。
招待客の未来場分かどうかわかりませんが、僅かの空席はありましたが、2月のホーネックさん3月の下野さんの“完売”のときよりも、お客さんは入っていたと思います。

スクロヴァチェフスキさんは、例によって80歳をこえているとは思えない足取りでスタスタと歩いて登場。
もちろん全曲立っての指揮ですし、多くの曲でそうであるように、この曲も暗譜での指揮です。
そして、出てくる音楽は決して枯淡の境地などではなく、生命力と推進力に満ちたものです。
第1楽章が始まったばかりだというのに、オケの団員もめいっぱい力を込めて演奏しています。
チェロ主席の毛利さんが、頭を振り、肩を大きく揺らして熱演しているのが特に目立ちました。

第1楽章、第2楽章は、テンポがそれほど速いわけではありませんが、爽快感を感じるブルックナーでした。
第3楽章は、私の持っているCDの演奏に比べると、ところどころ、結構速めに感じました。
オケも、ギリギリと言うほど危うくはありませんが、この速めのテンポに夢中でついていった印象です。
この曲の3楽章では、ブルックナーにしては(?)心が弾むようなメロディーの部分も多々あり、速めのテンポが生きた感じです。
そして、素人耳にはそれほど荒れた印象はありませんでしたが、この3楽章が終わったところで、スクロヴァチェフスキさんはコンマスの藤原さんにチューニングを要求。
音を整えたところで第4楽章を高らかに演奏しました。

全曲が終わり、スクロヴァチェフスキさんが手を止めた後もすぐには拍手は起こらず、残響が消えていくのがはっきり最後まで聞こえました。
スクロヴァチェフスキさんが手を下ろすやいなや、盛大な拍手とブラボーの嵐。
(サントリーホールの残響が満席時に2.1秒とのことなので)その間はほんの4~5秒だと思いますが、日頃、フライング気味の拍手に辟易しているので、幸福な瞬間でした。

スクロヴァチェフスキさんが1回舞台の袖に引き上げて再登場した時点で、オケのメンバーからは盛大な拍手。
精緻なアンサンブルと言うよりは、勢いを重視したような演奏でしたが、ライブならではの興奮を誘う演奏に対して、この拍手は異存はありません。
それにしても、たいした人気です。
オケが引き上げた後もスクロヴァチェフスキさんを舞台に呼び戻しました。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2008年4月13日 (日)

東京のオペラの森2008(2008/04/13)

2008年4月13日(日)15:00
東京文化会館大ホール

指揮:小澤征爾
東京のオペラの森2008オペラ公演

演出:ファルク・リヒター

※新演出・ウィーン国立歌劇場との共同制作

チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」(全3幕)

200804132200804133200804131_3









私にとってあまり馴染みの無かったチャイコフスキーのオペラですが、昨年は「スペードの女王」(指揮:小澤征爾)と、演奏会形式の「イオランタ」(指揮:ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー)の実演に接することが出来ました。

最初、予習を兼ねて「スペードの女王」の録画(NHK BS2で放送)を観たときは、とまどいました。
ストーリーからして暗い上に、輪をかけて音楽もめちゃくちゃ暗い!
「スペードの女王」は一瞬、観に行くのが嫌になったほどです。
「イオランタ」はハッピーエンドですが、最初の方は暗い音楽が続き、「おいおい、スペードの女王の続きかい?」と思いました。
この「エフゲニー・オネーギン」だって、陰惨と言って良いくらいだと思います。

しかし、慣れてしまえば麻薬のような作用があるのか、この暗さが快感に変わってきました。
チャイコフスキーだけあってメロディーはきれいだし、コーラスの使い方もうまい!
(大作曲家に向かって素人が言うセリフではありませんが。)(^^ゞ
また、過去の小澤征爾さんのキャリアで「チャイコフスキーのオペラで大成功」という場面が多々あったとも聞いています。
この日も大いに期待して会場に向かいました。

昨年の東京のオペラの森2007の「タンホイザー」では、オーケストラにもう少し上のレベルを望みたいところが、ごく僅かながらありました。
しかし一抹の不安を吹き飛ばして、今年のオケは実に雄弁。
第2幕あたりまでは、歌手よりもオケの方が雄弁な印象すらありました。
コーラスの響きにも満足。
そう言う意味では、小澤さんのチャイコフスキーを聴くという私の期待はかなえられました。

初日ということもあったのかもしれませんが、第1幕では歌手陣の声は、いまひとつ迫ってきませんでした。
タチヤーナの第1幕でのアリアも、第3幕での劇的な歌唱に比べると、少し非力だった感じ。
オネーギンも、同じく第3幕での歌唱に比べると第1幕はいま一歩の印象を受けました。
ただし第3幕での歌手は、あまり演技をせずに、直立して観客席の方を向いての歌唱だったので、比較的演技の動きが多かった第1幕、第2幕とは一概に比較できないかもしれません。
第2幕でのレンスキーも、迫力やテクニックよりも情感を優先したような感じ。
でも、第3幕でのグレーミン公爵は、逆に迫力満点でしたがあまり情感は感じませんでした。
圧巻だったのは、第3幕第2場でのタチヤーナとオネーギンのやり取り。
ここに至って、ようやくオケの雄弁さに歌手が追いついた感があります。
最後は劇的なフィナーレになりました。

舞台装置や衣装は写実的なものではなく、現代的なものでしたが、昨年の「タンホイザー」のような極端な読替があったわけではないので、素直に楽しめました。

第2幕第1場や第3幕第1場のパーティー?の場面以外では、背景で雪がずっと降り続いていますが、これはロシアを意識したものなのか、心理描写を意図したものなのか、雰囲気作りなのか。
少なくとも視覚効果はなかなかのものでした。
第3幕での最後の場面では、オネーギン一人を残してタチヤーナが降りしきる雪の中に消えていきました。

第1幕では、8組の男女が舞台後方で抱擁したまま静止しています。
何を意味しているのかわかりませんでしたが、第3場になって、オネーギンがタチヤーナの求愛を拒絶する場面で、一人、また一人と、男性が抱擁をふりほどいて去っていき、舞台上に女性だけ8人が取り残されました。
BGMの映像版みたいなものですが、この視覚効果も結構印象的でした。

新演出の初日を観るのは私は初めての経験でしたが、自分自身もわくわくするものがありますし、会場の雰囲気もなかなか良いものです。
歌手陣に関しては、もしかしたら回を重ねるごとにもっと良くなるかもしれません。

装置: カトリーン・ホフマン
衣装: マルティン・クレーマー
照明: カーステン・サンダー
振付: ジョアンナ・ダッドリー

オネーギン: ダリボール・イェニス(バリトン)
タチヤーナ: イリーナ・マタエワ(ソプラノ)※
レンスキー: マリウス・ブレンチウ(テノール)
オリガ: エレーナ・カッシアン(メゾ・ソプラノ)
グレーミン公爵: シュテファン・コツァン(バス)
ラーリナ夫人: ミハエラ・ウングレアヌ(メゾ・ソプラノ)
フィリッピエヴナ: マルガレータ・ヒンターマイヤー(メゾ・ソプラノ)
トリケ: ヘルムート・ヴィルトハーバー(テノール)
ザレツキー: 北川辰彦(バス)
隊長: 桝貴志(バリトン)

演奏:東京のオペラの森管弦楽団
合唱:東京のオペラの森合唱団
200804134200804135_2200804136_2   








※中央と右の写真(オペラする彫刻)の撮影日は2007年4月5日。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月12日 (土)

シュナイト/神奈川フィル(2008/04/12)

2008年4月12日(土)15:00
神奈川県立音楽堂

指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
神奈川フィル

(シュナイト音楽堂シリーズVol.14「シューマン・シリーズI」)
ヴァイオリン:石田泰尚

シューマン:序曲、スケルツォと終曲
シューマン:ヴァイオリン協奏曲
シューマン:トロイメライ
(アンコール、ヴァイオリン&チェロ二重奏)
シューマン:交響曲第1番「春」

神奈川フィルのシュナイト音楽堂シリーズは、今回からシューマン・シリーズです。
全回は聴けないかもしれませんが、昨年の年末に発表になって以来、シューマンの交響曲の好きな私は、心待ちにしていました。

残響が少なく、でも音がくっきりと聞こえるこのホールの音響でシューマンを聴くと、サントリーホールなどの残響感のあるホールで聴くのとは違う味わいがあります。
シュナイトさんの場合、もちろんピリオドアプローチではありませんが、あまりシンフォニックでない響きは、ブリュッヘン/新日本フィルで聴いた4番の響きと、根底では通じるところがあるような気もしました。

ただし、シュナイトさんのテンポは比較的遅め。
交響曲では(耳が慣れたせいか)それほど「遅い」と感じませんでしたが、ヴァイオリン協奏曲では、私が過去に聴いた演奏や持っているCDに比べると、ずいぶん遅く感じました。
でも、その遅さが冗長さにつながらないところは、やはりシュナイトさん(やソロを弾いたコンマスの石田さん)の音楽性なのでしょう。
交響曲、協奏曲とも、「あ、この部分のメロディー、こんなに魅力的だったんだ!」と感じる瞬間が何箇所もありました。
また、なめらかに全曲が続く印象ではなく、ところどころ、ブチッ、ブチッと楽想が変わるのも、結果的に聴いていてよくわかりました。

友人に教えていただいたのですが、チェロ主席の山本裕康さんのブログに、練習でシュナイトさんが「これはブラームスじゃない!シューマンだ!」とおっしゃったと書いてあったそうです。
確かに、シューマンはブラームスではなく、メンデルスゾーンでもありません。
ブルックナーを予見させる、あるいはマーラーを連想させる…と言ったら言い過ぎかもしれませんが、この日の演奏は、シューマンの音響が本来持っている性質を、正攻法の演奏で示したような気がします。

生演奏で聴いたときに多少違和感を感じた、ヴァイオリン協奏曲の遅いテンポですが、帰宅後、頭の中で3楽章のメロディーが、あのテンポで鳴り続けています。
もう一回聴きたい!
演奏会の会場で「頭」がついて行けなかった自分を悔やむしかありませんが、「耳」は覚えていてくれたようです。
石田さんのソロの美音も、ソロを弾く姿も、後半コンマスの席に座って交響曲を弾く姿も、耳と目に残っています。
終わった後で、じわじわと感動が深まる、不思議な体験でした。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2008年4月 5日 (土)

エリシュカ/都響(2008/04/05)

2008年4月5日(土)14:00
東京藝術大学奏楽堂

指揮:ラドミル・エリシュカ
東京都交響楽団

(東京のオペラの森2008・NOMORIイベント・ウィーク)

ドヴォルザーク:交響詩「野鳩」
ヤナーチェク(ターリッヒ編曲):組曲「利口な女狐の物語」
チャイコフスキー:交響曲第5番

この4月に札幌交響楽団の主席客演指揮者に就任したエリシュカさんの評判は、雑誌の記事などで伝わってきていました。
2006年に札響定期に登場したときに、初日の演奏の素晴らしさが口コミで伝わり、2日目の当日券売り場に長蛇の列が出来たとか。
そのエリシュカさんの、おそらく「東京初登場」の演奏会を聴くことが出来ました。

NOMORIイベント・ウィークの中で一番の注目公演と私は思っていましたが、1000人程度のホールにもかかわらず、多少の空席はありました。
でもまあ、空席が目立つというほどでは無かったので良かったと思います。

エリシュカさん、やはり評判通り、かなりの実力者のようです。
私は、この日のエリシュカさん指揮の演奏を聴いて、ジャン・フルネさんを思い出しました。
フルネさんが指揮台に立つと、オケの音が何とも言えない上品な音に変貌しました。
もちろんエリシュカさんの音とフルネさんの音は目指す方向が違いますが、エリシュカさんの指揮する都響の音は、なんとも格調高い、しなやかな音に変貌しています。

格調の高い熱演。
でも、指揮者は決して熱狂はしていなくて、比較的冷静に、次々と的確な指示を出しています。
オケのメンバーがそれに“夢中”になって奏でている感じです。
オケのメンバーが“本気”になっているのは、“目つき”を見て、はっきりわかりました。

このホールの音響のせいだけではないと思いますが、全般的に、まろやかな響きの音。
特に印象的だったのが、3曲とも甘美なメロディーの部分。
特に弦楽器が歌うように心を込めて奏でるメロディーには、心底うっとりと聴き惚れました。

コンサートの冒頭で舞台に登場したとき、エリシュカさんはちょっと緊張しているように見えました。
1曲終わった後の盛大な拍手で少し表情がゆるんだような印象でしたが、結局コンサートの最後まで、笑顔は見せなかったと思います。
確かインタビュー記事で「小澤征爾さんが音楽監督を務める音楽祭で指揮をすることができるとは思ってもいませんでした」というようなコメントもあったので、「東京初登場」も含めて緊張されていたのでしょうか。
でも、聞こえてくる音楽には、全く影響はありませんでした。

ヤナーチェクの演奏の後と、チャイコフスキーの演奏の後で、エリシュカさんはオケの中に入っていって、管楽器奏者を次々に立たせるとともに握手。
オケが引き上げ始めた直後に、エリシュカさんは再度舞台に現れ、一人舞台上で拍手に応えるエリシュカさん。
ぜひまた聴いてみたい指揮者です。

エリシュカさんは、この後、4月11日(金)、12日(土)と、札幌で、札響の主席客演指揮者就任記念公演です。
ドヴォルザークの交響曲第6番が予定されていますが、これは聞き物でしょう。
私は関東在住だし、日程の都合も交通費の都合もつかないので聴けませんが、札幌の音楽ファンの方が羨ましいです。
また、秋には大阪フィルの定期演奏会も指揮されます。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »