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2008年5月25日 (日)

小林研一郎/日本フィル(2008/05/25)

2008年5月25日(日)14:00
サントリーホール

指揮:小林研一郎
日本フィル
(第322回名曲コンサート)
ピアノ:後藤泉

ベートーヴェン:「エグモント」序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ベートーヴェン:交響曲第7番

アイルランド民謡:ダニーボーイ(アンコール)
ベートーヴェン:交響曲第7番の終結部(アンコール)


フィラデルフィア管弦楽団を聴いた翌日ですが、感動、感銘は、チケットの値段に比例しません。
管楽器の音色のニュアンスに歴然とした差があるのは、致し方のないことです。
アメリカのメジャーオケと比較するのは、比較するのが日フィルには申し訳ないくらいです。
でも、このうねるような音の迫力の素晴らしいこと!
コンサートの価値という点では、決して劣っていない印象でした。
コバケンのベートーヴェンは、今はやりのピリオド系の演奏ではありませんが、この推進力は得難いものです。

コバケンというと、ついつい幻想交響曲やチャイコフスキーの5番などの、比較的狭いレパートリーでの18番の超名演が頭に思い浮かんでしまいます。
前回、2007年3月にコバケンの7番を聴いたときも「はたして、どのような演奏になるのか?」と思って出かけた記憶があります。
しかし、重々しい音の固まりが咆哮しながら突進するような熱演に圧倒されました。
そのとき「コバケンの7番」は、私の頭に中に刷り込まれました。
今回は2回目だったので比較的冷静に聞くことが出来ましたが、今回も熱演は再現しました。

もっとも後半だけでなく、前半の演奏から指揮者もオケも力は入っていました。
「エグモント」序曲も決して前座の慣らし運転の演奏ではなく、交響曲の楽章のひとつのような演奏。
ピアノ協奏曲のオケパートも同様。
コバケンは序曲と交響曲は譜面台を置かずに暗譜での指揮。
協奏曲は譜面台を置いていましたが、最初は譜面を開かずに振っていて、第1楽章の途中から譜面をめくりはじめました。
完全に手の内に入っている指揮でした。

ピアノ独奏の後藤さんは初めて聴きましたが、音楽性を感じるフレーズが心地良かったです。
一音一音がくっきりしているのに流れもスムーズ。
部分的にテクニック的な問題で音が少し濁った部分もあったような気もしますが、そのようなことでこの演奏の価値は揺るがないでしょう。
ぜひまた、聴いてみたいピアニストです。

休憩後に登場したコバケンは、スポンサー企業への感謝の言葉の後、ピアノを弾きながら第7番を解説。
「皇帝の熱気をさまして7番へと聴衆を導く」という役割を果たした、なかたか良いトークでした。
ここでコバケンがピアノで弾いた第2楽章のフレーズが素晴らしい!!
思わず会場から拍手が起こったほど。
本番の第2楽章よりも良かったかも…などと言ったら日フィルに怒られそうですが、「このまま引き続けてほしい!」と思ってしまいました。

アンコールに「ダニーボーイ」を演奏した後に、7番の第4楽章終結部を50秒ほど演奏。
2007年3月のときと、アンコール曲は2曲とも同じですが、前回は「35秒ほど」と言って会場の笑いを誘っていましたが、今回は「50秒ほど」と言っていました。
こういうアンコール、コバケンくらいしかやりませんが大好きです。
壮大な交響曲の後に「フィガロの結婚」などを演奏されるとがっかりしますが、壮大な交響曲の後に、壮大な交響曲の終結部をもう一度聴いて、大満足で家路につきました。

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