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2008年5月 8日 (木)

ウルフ/東フィル(2008/5/8)

2008年5月8日(木)19:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:ヒュー・ウルフ
東京フィル
(第38回東京オペラシティ定期シリーズ)
ピアノ・トリオ:椎名豊トリオ
 椎名豊(ピアノ)
 広瀬潤次(ドラムス)
 本川悠平(ベース)

ジョン・アダムズ:舞台音楽「委員長は踊る」
ガーシュイン:ラプソディ・イン・ブルー
ベートーヴェン:交響曲第7番

オーケストラの演奏会でジャズのピアノ・トリオ(ピアノ、ベース、ドラムス)を聴いたのはおそらく2回目だと記憶していますが、こういう流れるようなスピード感のある音が情熱的に奏でられると、普段のクラシック音楽のコンサートでは味わえない魅力に耳と目はステージに釘付けになります。
考えてみれば最近は、協奏曲のカデンツァですら即興の入り込む余地は無いのではないでしょうか?
この日のラプソディ・イン・ブルーは、クラリネットの音ではなく、即興風のピアノのソロで始まり、驚きました。
途中数回、ピアノ独奏の部分で、ジャズ・ピアノ・トリオによる比較的長い即興演奏が挿入され、演奏時間は30分近く。
しかし、冗長な印象は全くなく、40分でも50分でもやってほしいくらいでした。

オーケストラも呼応して熱演していたと思いますが、ジャズの即興演奏の前には少々分が悪かったかもしれません。
もっとスゴイ演奏も出来たはずだと思います。
なぜならば、後半のベートーヴェンが白熱の熱演だったから!

ちょうど雑誌「レコード芸術」の2008年5月号に、ウルフ/フランクフルト放送響のベートーヴェン交響曲全集のCDの評が載っていましたが、「プジョーに乗ってハイウェイをすべるよう」と、ほめつつも半分皮肉も込めたような論調に、「今日はいったいどんな演奏を聴かせてくれるのだろう?」と期待半分、不安半分で会場に向かいました。
確かに、深刻な世界は、ウルフさんのベートーヴェンからは聴き取れないかもしれません。
でも、ピリオドアプローチでないのに、この迫力とスピード感。
推進力と迫力のある音が堂々と奏でられ、これはこれでひとつのスタイルとして、私は何の不満もありませんでした。

細部の木管楽器の音色には、もう少し上を望みたい部分もありました。
また、第3楽章と第4楽章はほとんど間をおかずに続けて演奏されたのですが、第3楽章の最後の部分は、続く第4楽章の冒頭に気が行ってしまったのか、少し軽めに終わったような気もしました。
でも、聴いていて「おや?」と思ったのはその程度。
オケメンバーの体を揺らし、頭を振っての熱演に満場大喝采でした。

この日は、(おそらく舞台上の配置換えのためかと思いますが)1曲目終了後に10分、2曲目終了後に15分の休憩がありました。
1曲目のジョン・アダムズの曲も、なかなか面白い曲でした。
10分程度の曲ですが、リズムが印象的でいた。

なお、ウルフさん、1月の読響への客演では松葉杖をついてステージに現われたそうですが、私は行かなかったのでその姿は見ていません。
まだ半年はたっていないので「まさか足を引きずって出て来たら…」と心配しましたが、足早に歩いて出て来て、足は全く危なげ無し。
心配は杞憂でした。

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