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2008年8月31日 (日)

フルネ/都響(1995/12/24)

1995年12月24日(日)14:00
東京芸術劇場大ホール

指揮:ジャン・フルネ
東京都交響楽団
(都響スペシャル)
ソプラノ:澤畑恵美
アルト:寺谷千枝子
テノール:小林一男
バリトン:木村俊光
合唱:二期会合唱団

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」
ベートーヴェン:交響曲第9番

今年になってまた、引退されたジャン・フルネさんが都響を指揮されたCDが発売になっています。
この演奏会のCDも発売されました。(収録曲目は「第九」のみ。)
数ある「第九」のCD中でこのCDがベスト1だと主張するつもりは毛頭ありませんが、この日会場で聴いて感動した私にとっては、このCDの発売は本当に嬉しい贈り物でした。

この年(地下鉄サリン事件の年ですがそれはさておき)の手帳を見返してみると、目に付くものだけでも朝比奈隆さん(都響、東響、N響)、先日亡くなられたホルスト・シュタインさん(N響)、紀尾井ホールのオープニング、ピエール・ブーレーズ・フェスティバル(私が聴いたのはロンドン響)、インバルさん(都響)、マリナーさん(都響)、ブロムシュテットさん(N響)、若きパーヴォ・ヤルヴィさん(東響)、プレヴィンさん(N響)、サヴァリッシュさん(N響)、デュトワさん(N響)と、「今になってみれば、恵まれた年だった」と感じられるような演奏会が記録されています。
この“演奏会に恵まれた1995年”の最後に聴いたのが、このフルネさんの「第九」だったのでした。

まだ80歳台前半だったフルネさんの指揮は、例によって格調高いもので、なんとも上品なサウンドでした。
しかし、上品だからと言って、情熱に欠けていたり、重量感に欠けていたりということは一切ありません。
曲の最後の重厚な響きもかなりの迫力です。
引退される頃の演奏に比べてテンポも引き締まっており、かといって先を急ぐような音楽ではなく、もしかしたらフルネさんの最良の時だったかもしれません。
今、冷静に「記録」としてのCDを聴き返して、この日の会場での感動が100%戻るわけではありませんが、13年前の記憶を追体験できるのは幸せなことです。

このCDは、雑誌「レコード芸術」の2008年7月号の評では小石忠夫さんが「準推薦」とされています。
文章からすると、指揮とオケには不満はなく、第4楽章の独唱者と合唱に対して、さらに上のレベルを望みたいという意図で「推薦」ではなく「準推薦」にされたものと思われます。
しかし、当日の私は声楽にも大満足でした。

実はフルネさんはこの前の年(1994年)にも「第九」を指揮されていて、私のそのうち2回を聴きました。
(フルネさんは都響で25回「第九」を指揮されたそうですが、私が聴いたのは1994年~1995年の3回だけです。)
その前年の「第九」のうち、新宿文化センターで開催された演奏会(1994年12月11日)の方が、合唱が「新宿文化センター第九合唱団」という団体で、残念ながらアマチュアの域を出ておらず、がっかりしたことがあったからです。
「みんなで第九を歌おう!」という思いを否定するつもりはありませんが、フルネさんの指揮じゃなくてもいいんじゃない?…と思いました。
プログラムの冊子を見ると「団員324名」と書いてあります。
その全員が出演したかどうかはわかりませんが、事実、舞台上の合唱団員はかなりの大人数でした。
そして、この年、もう1回聴いた東京芸術劇場でのフルネさんの第九(1994年12月24日)の合唱はプロの二期会合唱団で、人数ははるかに少ないのに迫力は数段上。
もちろん表現力も数段上…と言うより、比べものにならないくらい上。
こうして“口直し”をして大満足した演奏会の1年後の再会が、このCDになった演奏会だったのです。

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