広上淳一/読響(2008/12/15)
2008年12月15日(月)19:00
サントリーホール
指揮:広上淳一
読売日本交響楽団(第477回定期演奏会)
ヴァイオリン:ルノー・カプソン
チェロ:ゴーティエ・カプソン
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ヘンデル(ハルボルセン編曲):パッサカリア(アンコール)
ブラームス(シェーンベルク編曲):ピアノ四重奏曲第1番
(管弦楽版)
兄弟とは言え、まるで一人でヴァイオリンとチェロを弾いているようなカプソン兄弟の一体感は爽快。
思いっきり情熱的に弾いたと感じられるような部分ですら、二人の息はピッタリ。
決して合わせようとしているのではなく、二人とものびのびと弾いているように見えるのに、出てくる音は一体感のある音です。
また、単に一体感があるだけでなく、それぞれの音の艶やかな伸びも美しい。
相乗効果で、1+1=2ではなく、1+1>2の効果を生んでいました。
広上さんの指揮するオケも、交響曲を演奏するような集中力でシンフォニックなサウンドを響かせ、カプソン兄弟も、オケの出来に満足していた様子でした。
後半のピアノ四重奏曲の管弦楽版では、3楽章までは悠然とうねる大河の流れのような演奏。
“シェーンベルク編曲”であることを忘れそうな、ブラームスの哀感をたたえた表情。
「爆演系」とか「鳴らし屋」の面も多少期待していたのですが、老巨匠のブラームスのような印象でした。
第4楽章は打楽器も活躍するのでリズミカルで、さすがに「悠然と」とはいきません。
特に終結部はかなり追い込みをかけていたようです。
しかし、昔(日フィルの常任だった頃)の広上さんに比べれば落ち着いた印象です。
「計算の上での熱狂のようにも見えた」と書いたら言い過ぎかもしれませんが、立派に構築された“シェーンベルク編曲”のブラームスでした。
私は広上さんの指揮は大好きで、この日の演奏会も、年間プログラムが発表されたときから楽しみにしていました。
ただ、指揮をしているときの広上さんの息づかいの荒さは、最近は(この日も)、多少耳障りに感じるときもあります。
| 固定リンク
コメント
アンコールがパッサカリア…。
これだけでも、聴きたかったなあ。
この曲、CD探してもなかなかなくて…。
大好きな曲なんです。
投稿: oyamanoneko | 2008年12月19日 (金) 22時57分
oyamanonekoさん
先日のロンドン交響楽団のときのレーピンさんに続いて二重奏のアンコールでした。
ソロのアンコールよりも数段良くて、やみつきになりそうです。
次はいつお目にかかれることやら…。
投稿: 稲毛海岸 | 2008年12月21日 (日) 17時41分