« ドゥダメル/SBYO(2008/12/17) | トップページ | 2008年を振り返って »

2008年12月26日 (金)

飯守泰次郎/東京シティ・フィル(2008/12/26)

2008年12月26日(金)19:30
東京文化会館大ホール

指揮:飯守泰次郎
東京シティ・フィル
(第九特別演奏会)
ソプラノ:佐々木典子
アルト:小山由美
テノール:水口聡
バリトン:成田眞
合唱:東京シティ・フィル・コーア
合唱指揮:藤丸崇浩

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」

何年か前から気になっていた“飯守泰次郎さんの第九”を、ようやく聴くことが出来ました。
去年はチケットを買ってあったのに、聴きに行けませんでした。

うわさ通り、オケの迫力がスゴイ。
特に第1楽章と第2楽章でのティンパニの強打は「“やり過ぎ”と紙一重の差」と思ったほどです。
80年代にこんな演奏をしたら「暴力的にひっぱたくだけのニュアンスのかけらもない演奏」と酷評されたかもしれません。
でも、“ピリオド後”の現代では、それほど違和感があるわけでもなく、音のバランスを崩した印象もありません。
弦楽器もティンパニに負けず、渾身の力で弾いていた印象です。

もちろん、このエネルギーの源は飯守さんの指揮。
音を合わせることよりも、迫力と推進力を重視していたのではないでしょうか。
歯切れがよいのに、音がズシリと重い。
そして、ここぞというところでは、渾身の力を込めて煽る。
ドイツ風の伝統的なアプローチと、ピリオドアプローチの影響と、情熱とを完全に消化(昇華)して結実させた見事なスタイルだと思います。

第3楽章は、管楽器はもう少しニュアンスが欲しい気もしましたが、弦楽器が情感たっぷりに歌い、ティンパニもここでは控え目にアクセントを添えていました。

第4楽章は、合唱だけが突出することはなく、かといって決して非力な声でもなく、オケとコーラスが一体となって飯守さんの棒に応えた素晴らしいハーモニー。
「合唱付き」などという副題は不要の「交響曲」が演奏されたように思います。
独唱は、私は女性陣2人の方が好印象でした。
バリトンの“入り”は「少し緊張されたのかなぁ?」という印象もあり、「飯守さんの音楽の流れの一部になりきれていない歌唱」のような印象も少しありました。
また、四重唱でも「指揮棒をよく見て!」という場面もあったような気がします。
しかしその後は、またオケと合唱が壮大なシンフォニーを奏で、最後はオケがスピードを上げてたたきつけるような迫力で締めくくりました。

来年の東京シティ・フィルの第九は、指揮が飯守さんではなく、ゲルハルト・ボッセさんと発表されています。
私はボッセさんも好きなので、それはそれで楽しみですが、同時に飯守さんの大ファンでもあるので、来年は(関西まで行かないと)聴けないのはちょっと寂しいです。
それだけに、今年聴けたことを感謝したいと思います。

|

« ドゥダメル/SBYO(2008/12/17) | トップページ | 2008年を振り返って »

コメント

こんにちは。お久しぶりです。

飯守泰次郎=シティ・フィルの「第九」は毎年恒例なので、一度聴きに行きたいとは思いつつ、つい先延ばしになってしまいました。

26日はオピッツのベートーヴェン/ピアノ・ソナタ全曲演奏会の最終日と重なったためそちらに行ってしまったのですが、来年は飯守先生ではないのですね。すばらしい演奏だったようで、両公演の日程が重複したことが残念でなりません。

しかし、またいずれこのコンビでの「第九」を聴く機会はあるでしょうから、それを待ちたいと思います。

投稿: prelude | 2008年12月27日 (土) 01時02分

preludeさん、こんにちは。
日程重複問題は頭が痛いですね。
こんどの2月にも、「飯守さんの天地創造」と「ブリュッヘンのハイドンの交響曲」の演奏会が同じ日に開催され、歯がゆい気分でいっぱいです。
ちなみに、私は、今年は、飯守泰次郎さんの指揮する東京シティフィル定期演奏会は、病気と仕事で1回も聴けませんでした。
最後の最後に第九を聴けたのは良かったですが、その反面、聴けなかった演奏会を思い出して、ますます残念に思ってしまいました。

投稿: 稲毛海岸 | 2008年12月27日 (土) 08時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214768/43539208

この記事へのトラックバック一覧です: 飯守泰次郎/東京シティ・フィル(2008/12/26):

« ドゥダメル/SBYO(2008/12/17) | トップページ | 2008年を振り返って »