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2009年2月の9件の記事

2009年2月28日 (土)

ブリュッヘン/新日本フィル(2009/02/28)

2009年2月28日(土)15:00
すみだトリフォニーホール

指揮:フランス・ブリュッヘン
新日本フィルハーモニー交響楽団

(「ロンドン・セット」全曲演奏会 第4回)

ハイドン作曲交響曲第102番
ハイドン作曲交響曲第103番「太鼓連打」
ハイドン作曲交響曲第104番「ロンドン」
ハイドン作曲交響曲第104番~第4楽章
(アンコール)

2月上旬に始まった至福の日々も、ついに最終回になってしまいました。
なんだか卒業式の後のような気分です。
思い起こせば20年近く前の1991年3月21日にも、新日本フィルはカザルスホールでのハイドンの交響曲全曲演奏のフィナーレを104番で締めくくりました。
コンサートマスターはこの日と同じ豊島泰嗣さん。
あのときも「ああ、とうとう終わってしまう」「終わってほしくない」という惜別の思いを感じました。

ツィクルス全体を通じて素晴らしい演奏でしたが、この日は特に風格を感じる演奏。
3曲とも、ベートーヴェンの交響曲第1番が初演される僅か5年前に初演されたということを、音として体感した気がします。
アンサンブルの美しさは比類がありませんが、決して軽い音楽ではなく、スケールの大きさと気迫のこもった音がホールに響き渡りました。

例によってブリュッヘンさんの演奏は、聴いていて「おや?」と思うようなユニークな箇所が随所にありました。
しかし、聴いている私が「あっ」と思ったときには音はすでに通り過ぎており、舞台を見ると楽員さんの一部がにんまりしていたりします。
103番冒頭のティンパニは、かなり派手に叩いていました。
18世紀オーケストラを指揮したCDの演奏とも違ったアクセントが加えられており、ちょっと驚きました。
もし同一プログラム2日公演だったら、2日続けて聴きたくなる演奏でした。

104番は前回のブリュッヘンさんが来日したときの2007年2月3日にも演奏されましたが、何度聴いても、飽きるどころか、また聴きたくなります。
第4楽章が終わった直後に全く同じ第4楽章がアンコールに演奏されても、聴いていて全く飽きません。

ハイドンの交響曲の大好きな私にとって、今回のツィクルスは最高の贅沢でした。
この有意義なツィクルスが日本で行われたことを、心から感謝したいと思います。

プログラムの冊子にはさまれたチラシに、「フランス・ブリュッヘンにきっとまた、会える。次回共演、計画中!乞うご期待」と書いてありました。
終わったばかりなのに、次回が待ち遠しくてたまりません。

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2009年2月27日 (金)

チョン・ミョンフン/東京フィル(2009/02/27)

2009年2月27日(金)19:00
サントリーホール

指揮・ピアノ:チョン・ミョンフン
東京フィルハーモニー交響楽団
(第766回サントリー定期シリーズ)
ヴァイオリン:スヴェトリン・ルセヴ
ヴィオラ:須田祥子
チェロ:ルイジ・ピオヴァーノ

ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
バルトーク(ピオヴァーノ編):
「ルーマニア民族舞曲」より第4曲「角笛の踊り
」(アンコール)
ブラームス(シェーンベルク編):
ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)

終演は21時30分頃と長い演奏会でしたが、ずいぶんと選曲が工夫された面白い組み立てでした。

室内楽の演奏会には滅多に行かない私にとって、ピアノ四重奏曲のオリジナルを生演奏で聴くのは初めてかもしれません。
管弦楽版で聴き慣れたフレーズがすっきりとした響きで聞こえます。
第1楽章や第2楽章は「なごやかな合奏」といった面も感じましたが、第3楽章あたりから「おおっ」と思うような迫力がみなぎり始め、第4楽章は息詰まる緊張感。
チョンさんのときどき足も踏みならしながらピアノを弾く姿と、その姿に視線をやりながら気迫の熱演を繰り広げたルセヴさん。
定期演奏会の一曲としての室内楽は、決して「前座」などではない充実した満足感を与えました。

休憩後は舞台上にオーケストラが並び、室内楽のソリスト2人がそのままソリストとして登場して二重協奏曲。
オーケストラの響き、特に管楽器の音はもう少し洗練されて欲しい印象もありましたが、ソリスト2人のテンションの高い演奏が、ぐいぐいと会場の雰囲気をひっぱっていきました。
オーケストラの伴奏でのアンコールの後は、短時間、舞台上の配置転換が行われましたが休憩は無し。
チェロのピオヴァーノさんがオケの中で弾くために登場すると会場から盛大な拍手がおくられました。
管弦楽版のピアノ四重奏曲の演奏は、面白いことにオリジナルの室内楽版と印象が似ていました。
第1、第2楽章は少しおとなしめに感じましたが、第3楽章からはスピード感と迫力のある大音量がホールに響き渡り、曲の最後の部分は快感。
荒っぽい演奏に紙一重の煽り方でしたが、指揮者には響きを洗練させようなどという意図は、最初からなかったことでしょう。

オケの演奏は2008年12月の読響定期と曲目は同じでしたが、この2曲の組み合わせ、なかなか良い取り合わせです。
ピアノ四重奏曲を2回聴くのは「飽きるのでは?」と内心心配して会場に向かいましたが、編成が違うとはいえ、良い曲は2回聴いても飽きませんでした。

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2009年2月21日 (土)

飯森範親/東響(2009/02/21)

2009年2月21日(土)18:00
サントリーホール

指揮:飯森範親
東京交響楽団
(第564回定期演奏会)
ピアノ:岡田博美

シューベルト:イタリア風序曲第2番
リスト:死の舞踏
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

前半は良かったです。
はつらつとした、メリハリのきいたシューベルト。
プログラムの冊子の解説を読む限り、「ロッシーニの序曲のような」と言わない方が良さそうですが、それでも素人的にはそういう連想をしてしまう曲であり、演奏でした。

リストの死の舞踏は、岡田さんのピアノの迫力に圧倒されました。
私は舞台後方側で聴いていてこの音ですから、正面側で聴いていたらもっとすごかったでしょう。
曲としては、ピアノ協奏曲に比べて全体像の捉えどころがわかりにくい印象も受けましたが、それでもリストはリスト。
ピアノパートはもちろん魅力的ですし、オーケストラも結構派手に鳴ります。
オーケストラのドライブという意味では、飯森さんがピンチヒッターで指揮をした「ペトルーシュカ」の快演(2008年6月)を思い出しました。

そういうわけで、後半のマーラーに大いに期待して休憩時間を過ごしたのですが、残念ながら、この日の「夜の歌」の演奏は、私の好みとちょっと違っていたようです。
この曲の第1楽章から第4楽章は、神秘的な雰囲気とか、妖しい雰囲気が欲しいような気がします。
この日の演奏は、音がストレートに出てくる感じ。
純音楽的と言えばそうなのかもしれませんが「音楽」と言うよりも「サウンド」に聞こえました。
もちろん、飯森さんの意志を感じる力強いサウンドでしたが、先ほど書いたようにストレート過ぎる印象を持ちました。
第5楽章も、本来であれば第4楽章までの雰囲気から一転した「何かが始まる」ようなにぎやかさを対比して欲しいところですが、「サウンド」としては第4楽章までと変わらない印象。
この曲には、曲としての難しさもあるようですが、図らずもそれを体感したような気がしました。
もっとも、会場は大いに沸いていて「ブラボー」も飛び交っていたので、このように感じていたのは私だけかもしれません。

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2009年2月20日 (金)

ブリュッヘン/新日本フィル(2009/02/20)

2009年2月20日(金)19:15
すみだトリフォニーホール

指揮:フランス・ブリュッヘン
新日本フィルハーモニー交響楽団

(「ロンドン・セット」全曲演奏会 第3回)

ハイドン作曲交響曲第99番
ハイドン作曲交響曲第100番「軍隊」
ハイドン作曲交響曲第101番「時計」
ハイドン作曲交響曲第101番「時計」~第2楽章
(アンコール)

前半、ちょっと体調不良だったので定かではありませんが、99番の音は今までの6曲とは違って聞こえました。
すっきり目のいわゆるピリオド系らしいサウンドで、音の分解能は良いです。
その分、ふくよかさや音の厚みはあまり感じられません。
好みの問題だとは思いますが、今までの6曲の印象が強烈なので、私は多少違和感を感じました。
もっとも「比較すれば」の話しであって、十分に素晴らしい演奏であることは間違いありません。
この一曲だけを聴いたとしたら、おそらく大絶賛したと思います。

2曲目の「軍隊」になると、今までの6曲に近いサウンドに変わったような気がします。
驚いたのは第4楽章後半で、舞台上手(右側)から打楽器奏者(4人だったかな?)が軍楽隊に扮して隊列を組んで出て来て、どんちゃんどんちゃんと鳴らしたこと。
ときどき立ち止まりながら曲が終わるときには舞台下手(左側)に去っていきました。
視覚効果に加えて、指揮者より前(客席寄り)で演奏したことによる音響効果で、強烈な印象です。
まさか、こんな演出をするとは!
この第4楽章は、強烈なリズムと迫力で、やはり、今までの6曲や、この日の99番とは違った印象を受けました。

こうして軍楽隊に目を覚まされたのか、休憩の後にはなぜか体調も良くなり、「時計」は存分に楽しむことが出来ました。
この演奏のサウンドは、今までの6曲と同じ傾向の印象。
有名な第2楽章では、弦のピツィカートに耳慣れない装飾音がついていて、「おや?」と背伸びして見ると、楽員さんもにこにこ笑っている方もいます。
しっとりとした第3楽章の神秘的とすら言えそうな雰囲気も魅力的。
第4楽章は格調高く崇高な雰囲気で、素晴らしい演奏でした。

アンコールは、有名な「時計」の第2楽章。
個人的には、あの軍楽隊の再登場も期待したのですが、まあ有名な度合いから言えば「時計」の方がはるかに上でしょうから、聴衆へのサービスという点では妥当な線なのでしょう。
あの「おや?」と思った場面ももう一回再現され、素敵なプレイバック。
あと5回繰り返して聴いても飽きないでしょう。
「ああ、もう終わってしまう!」「これであとはたったの3曲しか残っていない!」と思いながら聴いていました。

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2009年2月15日 (日)

ブリュッヘン/新日本フィル(2009/02/15)

2009年2月15日(日)15:00
すみだトリフォニーホール

指揮:フランス・ブリュッヘン
新日本フィルハーモニー交響楽団

(「ロンドン・セット」全曲演奏会 第2回)

ハイドン作曲交響曲第94番「驚愕」
ハイドン作曲交響曲第98番
ハイドン作曲交響曲第97番
ハイドン作曲交響曲第98番~第4楽章
(アンコール)

前日の公開リハーサルで聴いた曲が2曲含まれているのに、新鮮な気持ちで目を輝かせて聴いてしまいました。

最初は前日のリハーサルには含まれていなかった94番。
「驚愕」というタイトルやエピソードのおかげか、有名曲です。
もちろん素晴らしい曲です。
しかし、こうしてシリーズの中で聴いてみると、この曲だけが突出しているわけではなく、いずれの曲も「驚愕」と同様に素晴らしいことがわかります。
ハイドンにこのような12曲を書く機会を作ったザロモン感謝しなければなりません。
有名な第2楽章の“フォルテッシモの一撃”の前の弱音は、「3階席まで聞こえるのだろうか?」と他人事ながら心配になるほどの小さな音。
そして、その美しいこと!

続く2曲は、前日のリハーサルとは逆の曲順で、フォルテピアノの渡邊順生さんが加わる98番から。
前回の演奏でも感じましたが、18世紀オーケストラと録音したCDよりも遅めのテンポに感じます。
ピリオド系の演奏というと、速めのテンポ、鋭いリズムの比較的軽めの演奏を思い浮かべてしまいますが、ブリュッヘンさんの場合は、風格すら感じられる巨匠風と言っても良い演奏。。
それでいて音楽が重くならず、旋律は生命観をもって魅力的に響く。
オケの音はきれいに溶け合い、“ひとつの音”と化してなっているのに、決して団子状にはなっていないハーモニー。
素晴らしい!
休憩後の97番も同様の演奏で「こんな贅沢をして良いのだろうか」と後ろめたくなるほどでした。

この日も、ブリュッヘンさんは、97番の演奏終了後、1回舞台の袖に引き上げただけで、フォルテピアノの渡邊さんを伴って入場し、すぐにアンコールを開始。
ただし、前回と違って、多少間を取って、オケに心の準備をする余裕を与えていたようです。
もっとも、オケの方も前回慌てた教訓が生きているのか、アンコール曲の演奏の準備をして待っていたようです。
休憩時間にフォルテピアノの調律が行われていたので予想していましたが、アンコールは98番の第4楽章。
コンマスの西江さんのソロも含めて、休憩前の本番の演奏よりもさらに素晴らしく、オケも聴衆も、どんどんブリュッヘンさんに洗脳されていくようです。

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2009年2月14日 (土)

ブリュッヘン/新日本フィル:公開リハーサル(2009/02/14)

2009年2月14日(土)10:30
すみだトリフォニーホール

指揮:フランス・ブリュッヘン
新日本フィルハーモニー交響楽団

(「ロンドン・セット」全曲演奏会 第2回 公開リハーサル)

ハイドン:交響曲第97番より
ハイドン:交響曲第98番より

今回のロンドン・セット全曲演奏会(全4回)のチケット購入者は、演奏会前日の公開リハーサルに入場することが出来ます。
しかし、リハーサルが行われるのはこの日を除いて全て平日の昼間。
この日は、貴重な(唯一の)土曜日のリハーサルでした。

10時頃にホールに入ると、舞台上ではすでに何人かの楽員が座っていて、それぞれ音を出して練習しています。
開始5分前くらいにブリュッヘンさんがにこやかな顔で登場。
その後、開始2分前くらいにコンサートマスターの西江さんが登場し、指揮台に歩み寄り、何か言葉を交わした後、握手して着席。
その間、ステージ上では楽員がそれぞれ音を出していましたが、開始時刻になるとステージマネージャーがパンパンと手をたたいて音を止め、チューニングの後、97番の第2楽章から練習が始まりました。

最初は、多少音が揃わない印象もあり、「リハーサルだから全力では弾かないのかな?」と思いました。
しかし、リハーサルが進むにつれて、気合いが入った演奏に変化し、ホールに響き渡る美しいサウンドにうっとりとしてきました。
ブリュッヘンさんは、ところどころ演奏を止め、短い言葉で指示をしていました。
止める前の演奏も、素人耳には十分素晴らしいのですが、指示を受けた後の修正された演奏が、(どこがどう変わったのか素人にはよくわかりませんが)さらに素晴らしい音に変わる。
すでに100点満点で95点になっている演奏を、直して100点にしている作業のように感じました。
第1ヴァイオリンへの指示が多く、そのたびに楽員の皆さんが必死に楽譜にメモをしています。

第3楽章と第4楽章よりも第2楽章に、より多くの時間を割いていた印象です。
前回2月11日の演奏会の公開リハーサルは聴いていませんが、96番や95番の第2楽章の比類のない美しさを思い出すと、「もしかしたら前回も第2楽章重視で練習したのかな」と思いました。

練習開始から約1時間経過した11:35で「15分休憩」とのブリュッヘンさんの声がかかりました。
ブリュッヘンさんは退場、オケの面々も引き上げていきましたが、その後でステージマネージャーから説明があり、ブリュッヘンさんの指示で第1ヴァイオリンのみパート練習をするとのこと。
コンマスの西江さんのリードで、第2楽章の練習が15分ほど行われました。
パート練習終了後にさらに15分の休憩の時間が取られ、再開は11:05となりました。

パート練習の後、ステージマネージャーが客席に向かってマイクでお話しをしてくれました。

『前回来日時、最後のパルテノン多摩での演奏会終了後、帰りのタクシーの中でブリュッヘンさんから一枚の紙を渡されました。
「天地創造」と、交響曲が作曲順に書かれており、今回招聘した歌手3人の名前と、チェンバロ奏者の名前が書かれており、
「これをどこかでやりたいと思っているのだが、ぜひ新日本フィルとやりたいのだ」
と言われました。
幸いスポンサー企業が見つかり、演奏会の日程の調整、ブリュッヘンさんの1ヶ月間に渡る日本滞在もOKになり、今回のシリーズが実現することが出来ました。
(外国人の客演指揮者の日本滞在は2週間が普通です。)
新日本フィルのリハーサルは10:30~16:00ですが、ブリュッヘンさんはリハーサルが終わると1人でタクシーに乗って銀座や丸の内の店などに食事に行かれているようです。
ミシュラン2008東京も持参されていました。』

…というような内容でした。
その後、第2ヴァイオリンの篠原さんが急きょ指名され、ブリュッヘンさんのリハーサルの印象を語ってくれました。

『ひとことで言うと、“宝の山”のリハーサルです。
ハイドンの時代には、楽譜にはこう書いてあっても、このように弾いた…というようなことを次から次に教わります。
凡庸な指揮者のリハーサルは10分でも長く感じて苦痛なのですが、ブリュッヘンさんのリハーサルは「もう1時間たってしまった、もう1日終わってしまった」と思えるくらい楽しく、朝ホールに来るのが毎回楽しみです。

…というような内容でした。

休憩後はフォルテピアノの渡邊順生さんも加わり、98番の練習。
ブリュッヘンさんに紙を渡されたときは、「よしお、よこはま」としか書かれていなくて、「誰のこと?」という状態だったそうですが、探し当てて出演していただいたそうです。
リハーサルは13:00頃に終了し、ステージマネージャーから楽員には「14:00再開」と告げられましたが、聴衆には「では皆さん、明日15:00にここで会いましょう」と告げられ、公開リハーサルはここまで。
30分位の曲のリハーサルに1時間くらいかかっている計算になるわけですが、聴いている私の方も、「もう1時間たってしまった」「もう終わってしまった」という状態でした。

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2009年2月11日 (水)

ブリュッヘン/新日本フィル(2009/02/11)

2009年2月11日(水・祝)15:00
すみだトリフォニーホール

指揮:フランス・ブリュッヘン
新日本フィルハーモニー交響楽団

(「ロンドン・セット」全曲演奏会 第1回)

ハイドン:交響曲第96番「奇蹟」
ハイドン:交響曲第95番
ハイドン:交響曲第93番
ハイドン:交響曲第93番~第4楽章
(アンコール)

「このまま寝入ってしまったら気持ちいいだろうな」と感じたくらい心地良いサウンドでした。
ブリュッヘンさんが18世紀オーケストラを指揮したCD(4枚組)は何度聴いたかわからないくらいのお気に入りです。
体感的には、どの曲もCDの印象よりゆっくりめに感じましたが、本当にそうかどうかはわかりません。
ただ、CD録音時からはずいぶん経過しているので、多少、風格が出て老巨匠の域に近づいたような印象もありました。
また、古楽オーケストラではない新日本フィルのサウンドも、CDで聴く18世紀オーケストラとはちょっと印象が違います。
前半の96番、95番ともに、第2楽章や第3楽章は、弦を主体に本当にきれいなサウンドでした。
そして、どちらの曲も第4楽章になると、たたみかけるような気合いでクライマックスを築きました。
休憩後の93番はさらに輪をかけて冒頭から気合いの入った演奏。

ハイドンの曲は耳あたりは良いですが、あちこちに「おや?」と思うような仕掛けがしてあります。
新日本フォルのトップ奏者(弦・木管)は、それをさりげなく(実は結構演奏は難しいのでは?)こなしていて、すばらしかったです。

ブリュッヘンさんは93番の演奏が終わった後、1回舞台の袖に引き上げただけですぐにアンコールを開始。
オケのメンバーもちょっと意表をつかれたようで、慌てて楽譜をめくり、出だしはちょっと音が合わなかったのは御愛嬌。
93番の第4楽章をもう一回演奏するというアンコールのスタイルは、私は結構好きです。
中には「同じ曲を2回続けて聴くなんて!」という意見の方もいらっしゃるかもしれませんが、変な曲で前の曲の余韻を消されるよりは、私は好きです。
幸せな気分で会場を後にすることが出来ました。

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2009年2月 8日 (日)

秋山和慶/東響(2009/02/08)

2009年2月8日(日)14:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:秋山和慶
東京交響楽団
(川崎名曲全集 第44回)
ヴァイオリン:ナージャ・サレルノ=ソネンバーグ

ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
(アンコール)
ブラームス:交響曲第1番

秋山さんの指揮は結構聴いていますが、卓越した棒さばきから、どうしても“カチッとしたシンフォニックなサウンド”という先入観を持ってしまいます。
しかし、情感を持ち、歌うところは歌う魅力的な音楽であることは、毎回確認済み。
この日の「謝肉祭」も、最初と最後の“鳴らす部分”だけでなく、中間部のゆったりとした部分の雰囲気も印象的でした。

続くヴァイオリン協奏曲では、サレルノ=ソネンバーグさんの情熱的なソロが炸裂。
冒頭のソロから聞こえるか聞こえないかのような小さな音でゆっくりと弾き始め、強弱のアクセントや表情付けを多用した演奏。
こういうスタイルの演奏は、特にライヴで映える演奏だと思います。
オーケストラも、コンマスの高木さんが渾身の力で応じ、丁々発止のやり取りを演じていたように思います。
しかし、決して粗野な演奏ではなく、ギリギリのところで節度を保った魅力的な演奏でした。
秋山さんとオーケストラも一緒に演奏されたアンコールは、曲がヴォカリーズということでしっとりとした演奏でした。

休憩後のブラームスは正攻法。
決して先を急がず、かといって、もたもたせず、重くならず、軽くならず。
描写力が無くて「こういう特徴のある演奏でした」と言えないのですが、全曲を、ひたすら心地良く、充足感を持って聴くことが出来ました。
第3楽章での高木さんのソロが、伸びやかな高音を響かせて魅力的。
高木さんのリードもあったのか、弦楽器は好調でした。
高木さん、コンマス就任当時に比べて余裕が出て来たというか、リーダーシップと存在感を感じる演奏でした。
木管陣もフルートの甲藤さんをはじめ、美しい音色で演奏に華を添えていました。

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2009年2月 7日 (土)

ブリュッヘン/新日本フィル(2009/02/07)

2009年2月7日(土)15:00
すみだトリフォニーホール

指揮:フランス・ブリュッヘン
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第441回定期演奏会)

天使ガブリエル、イヴ :
 マリン・ハルテリウス(ソプラノ)
天使ウリエル:
 ジョン・マーク・エインズリー(テノール)
天使ラファエル、アダム:
 デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(バス)
合唱:栗友会合唱団
合唱指揮:栗山文昭

ハイドン:オラトリオ「天地創造」

新日本フィルのサウンドは、在京オーケストラでは“ブリュッヘンさんの音”を出すのに一番適しているかも…と思いながら聴いていました。
ステージ左側(下手)に第1ヴァイオリンとヴィオラとコントラバス、右側(上手)に第2ヴァイオリンとチェロという配置でノン・ヴィブラート奏法。
劇的なスタイルと言うよりは、比較的淡々と演奏されたようなスタイルに感じましたが、音楽が味わい深いので、聴いていて心地良い。

私の座った席からだとソリストの声を論じる資格はありませんが、ソプラノのハルテリウスさんが好印象。
客席に向かって語りかけるような表情で、心を込めて歌っていたようです。
コーラスも澄んだ響きのきれいなハーモニーでした。

20090207




第1部と第2部が1時間をこえて続けて演奏され、休憩の後に30分ほどの第3部が演奏されました。
ブリュッヘンさんのこの曲のCDでも、DISC1に第1部と第2部、DISC2に第3部が収録されています。
確かにストーリー的には、こういう切り方が妥当なのかもしれません。
ただ、私個人としては、聴き手としての集中力を維持するのが結構難しかったです。
休憩前の演奏も真ん中辺で「やっぱりちょっと長いな」と感じたり、休憩後が気分が高揚する前に終わってしまった感があったり…。
…という個人的な集中力の問題かもしれませんが、私としては前半(第1部と第2部)の方が、より楽しんで聴けました。

なお、プログラムの冊子とともに歌詞の対訳が配付されましたが、再三の場内アナウンスにもかかわらず、演奏中、ページがかわる箇所で会場中からガサガサガサというページをめくる音が発せられたのはちょっと興ざめでした。

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