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2009年3月 1日 (日)

沼尻竜典・小澤征爾/新日本フィル(1991/3/21)

1991年3月21日(木)14:00
カザルスホール

指揮:沼尻竜典(103番、協奏交響曲)
   小澤征爾(104番)

新日本フィルハーモニー交響楽団
(ハイドン交響曲定期演奏会・33)
ヴァイオリン:豊島泰嗣
チェロ:松波恵子
オーボエ:渡辺克也
ファゴット:近衛一

ハイドン:交響曲第103番「太鼓連打」
ハイドン:協奏交響曲
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」

ブリュッヘン/新日本フィル(2009/2/28)のハイドン・プロジェクトのフィナーレを聴いて思いだした18年前の演奏会。
新日本フィルによるハイドンの交響曲全曲演奏の最終回です。

この回は、かなりの間「指揮者未定」と告知されていて「大物が出演するのかな?」と思っていたら、かなり後の方になって小澤征爾さんが振ることが発表されました。

しかし、当日会場に着いてみると、小澤さんが病気(記憶では、確かインフルエンザだったような気がします)でリハーサル時間を十分に取れず、104番一曲だけを指揮するとのことでした。

他の2曲の代役は、まだかなり若かった沼尻竜典さんの指揮。
沼尻さんのプロフィールを見ると、前年の1990年にブザンソン国際指揮者コンクール優勝とあります。
ピンチを救った沼尻さんには「お疲れ様でした」とは思いましたが、さすがにこの年代でハイドンの交響曲を、しかも小澤征爾さんの前に演奏するのは、かなり荷が重かったのではないでしょうか。
指揮棒で拍子はきちんきちんと取っていましたが、なにせ、ハイドンはなかなか一筋縄でいかない曲です。
沼尻さんの指揮する演奏会には、その後何回か行ったことがあり、貫禄十分にスケール感のある音を響かせる演奏にも接していて、いまの沼尻さんはこのときの沼尻さんとはまるで別人ですが、私の頭の中にはいまだにこのときの必死に?指揮する沼尻さんの姿が刷り込まれていて、懐かしい思い出です。
主催者からは、2曲の指揮を終えた沼尻さんに花束が贈られ、沼尻さんは「僕ですか?」というように尋ねた後、受け取りました。

そして、休憩後の会場は小澤征爾さんの登場を期待して待っていたはずですが、なんと小澤さんは、オーケストラがチューニングを始めるときには舞台に出て来てしまい、一部の気がついた人がパラパラと拍手をしただけで、多くの人は「あっ」と気がついたときには小澤さんはニコニコしながらチューニングを見守っていて、完全に拍手をするタイミングを逸してしまいました。

小澤さんがオーケストラの方を向き直り、腕を振り下ろして、交響曲104番の冒頭の音が鳴ったときの圧倒されたような体感は、いまだに覚えています。
若き沼尻さんの指揮で前半を聴いていたので余計にそう感じたのかもしれませんが、そのスケール感に、たった一音で私はノックアウトされてしまいました。
あとはよく覚えていません。
次から次へ繰り広げられる圧倒的な音を唖然と聴いていたのかもしれません。

私はブリュッヘンさんの指揮するハイドンが大好きですし、小澤征爾さんの古典派の曲の演奏が、必ずしも評論家の方などから好意的に評価されているわけではないことは承知しています。
でも私は、“ひとつのやり方”として、小澤さんのハイドン演奏は結構好きです。
この日に小澤さんが指揮をしなかった協奏交響曲は、18年後の2009年1月17日にサントリーホールで聴くことが出来ました。

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