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2009年3月21日 (土)

スダーン/東響(2009/3/21)

2009年3月21日(土)18:00
サントリーホール

指揮:ユベール・スダーン
東京交響楽団
(第565回定期演奏会)
メゾ・ソプラノ:谷口睦美
合唱:東響コーラス
合唱指揮:三澤洋史

シューベルト:交響曲第7番「未完成」
シューベルト:付随音楽
        「キプロスの女王ロザムンデ」
(全曲)

最終回にふさわしい、素晴らしい出来映えでした。
今季の東京交響楽団の定期演奏会はシューベルト・ツィクルスでしたが、中でも音楽監督のスダーンさんが指揮をしたシューベルトの交響曲第1番から第6番は、「シューベルトって、こんなに面白いの?」と毎回目を輝かせながら聴きました。
2008年5月17日(1番、4番)
2008年9月27日(5番、6番)
2008年11月1日2日(2番、3番)

実は、今回は、曲が7番「未完成」ということで、多少心配していました。
今季のツィクルスに先駆けて、2007年11月10日に演奏された8番「ザ・グレイト」が、私の印象では今季の演奏に及ばなかったからです。
「初期の曲は抜群でも、もしかしたら後期の曲では…」という心配もありました。

しかし、その心配は杞憂でした。
杞憂どころか、今季最高の出来かもしれません。

「未完成」は、冗長に感じるところが皆無のキリリと引き締まった演奏。
バロック・ティンパニの音が、歯切れの良いリズムを刻みます。
それなのに、メロディーはなんとも豊かな雰囲気を醸し出す。
ホールの空間になんとも上品な空気が漂っているのにところどころはスピード感も感じるという絶妙の間合い。
毎回感じてきた「こんなに面白い曲だったっけ?」という印象は、「未完成」でも、いや「未完成」だからこそ、強く感じました。

30分に満たない曲だったのに充足感あふれる休憩の後は、そんなに演奏機会が多いとは思えない「ロザムンデ」の全曲。
プログラム冊子の解説によると、劇の台本はきちんとした形で残っていないとのことで、この日の曲の演奏順は、スダーンさんの希望とのこと。
聴き慣れた「序曲」や「第4幕への間奏曲」以外の曲も、どれも魅力的な曲でした。
「全曲」と銘打たれているものの、聴いた印象は「曲集」としての一体感はあまり感じられず、11曲の独立した曲という感じです。
そういう印象を強調したのが、ほとんどの曲が全力投球だった素晴らしい演奏でした。
約60分の大曲となると、普通は流れの中で力を入れる場面と多少力を抜く場面があるのではないかとお思いますが、なにせ、独立した11曲のような曲集ですから、どの曲にも(規模の差はあるものの)起承転結があります。
曲の耳あたりの良さとは裏腹に、演奏者の皆さんは、結構大変だったのではないでしょうか。
演奏は前半の「未完成」同様、ホールに満ちた上品で豊かな雰囲気のサウンドに包まれる快感を感じさせるものでした。

東響コーラスの出番は3曲、メゾ・ソプラノの谷口睦美さんに至ってはたった1曲の出番でしたが、どちらも透明感のある美しい声で素晴らしい出来。
なんとも贅沢な一夜でした。

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コメント

実は私も、同じ心配をしていました。
即ち、「未完成」はどうだろう…という。

しかしおっしゃる通り、全くの杞憂でしたね。
詳しくは自分のブログに書きたいと思いますが、
一本取られたような気持ちすらしました。
マエストロ、さすがです。

谷口さんも本当にすばらしかったですね!

投稿: prelude | 2009年3月22日 (日) 01時48分

preludeさんもそうでしたか。
その心配を吹き飛ばして「未完成ってこんなに面白い曲だったんだ!」と感激させてくれたスダーンさんに感謝ですね。

投稿: 稲毛海岸 | 2009年3月22日 (日) 19時50分

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