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2009年3月の8件の記事

2009年3月22日 (日)

スクロヴァチェフスキ/読響(2009/3/22)

2009年3月22日(日)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
読売日本交響楽団

(みなとみらいホリデー名曲コンサート )

チャイコフスキー:弦楽セレナーデ
ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲
ブラームス:交響曲第4番

スクロヴァチェフスキさんの演奏の印象は、ホール(もちろん座る席の場所も、ですが)の音響によっても結構違う感じがします。
この日は、2007年4月21日にこのホールで聴いた演奏会を思い出しました。

その後、
2007年9月24日(東京芸術劇場)
2008年4月18日(サントリーホール)
2008年9月10日(サントリーホール)
2008年9月21日(東京芸術劇場)
と聴きましたが、サントリーホールのP席などで聴くと、もう少しまろやかなサウンドに聞こえます。

この日の演奏(音響?)は、分厚い音でありながら適度な分解能を保ち、機動力も感じる音。
比較的大きな編成でありながら、もたもたした印象は皆無です。
第1ヴァイオリンが16人の編成で演奏されたチャイコフスキーは、大きめの室内楽などではありません。
たまたま管楽器が入っていないだけで、フル・オーケストラによる交響楽です。
音色は艶やかで伸びがあり、もう「きれい」としか言いようがありません。
それなのに、決して表面面だけの演奏ではなく、スクロヴァチェフスキさんの豊かな音楽性を十分に堪能させていただきました。

続いて、当初の曲(スクロヴァチェフスキさんへの委嘱新作が予定されていました)から曲目変更になったストラヴィンスキー。
チャイコフスキーから一転して、舞台上は管楽器奏者だけ。
なかなか面白い選曲です。
曲の性格も楽器編成も全く違うのに、面白いことに印象はほとんど同じ。
ただ、金管は後半の方で多少音が濁った感もありました。

休憩後のブラームスは風格の演奏。
ちょうど前半の2曲で感じた印象を足したような印象で、弦楽器と木管楽器の艶やかな伸びのある音と、ほぼ同じ傾向ながら時々(特に第2楽章で)荒くなりがちな金管の音。
でも、ティンパニを強打させたり、金管に鋭い音を吹かせたりしていましたので、スクロヴァチェフスキさんが洗練された音を求めていたのかどうかはわかりません。
でも、そんな音色がどうのこうのとあげつらうのは野暮というもの。
老巨匠の滋味を感じさせながら、若々しい情熱も合わせ持つという至芸を堪能させていただきました。

なお、演奏とは関係ありませんが、この日は余裕を持って自宅を出たのに、強風のために電車が遅れ、横浜駅でみなとみらい線に乗車したのが13時42分。
直感的にちょっと焦りましたが、会場には定刻の10分前くらいに着き、余裕で間に合いました。
ロビーで知人に再会して短時間の歓談をさせていただいてから席に向かっても、まだ余裕でした。
(通常、演奏会は5分くらい遅らせて始まりますので。)
みなとみらい線の威力は絶大。
開通する前とのホールへのアクセスの利便性は雲泥の差です。

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2009年3月21日 (土)

スダーン/東響(2009/3/21)

2009年3月21日(土)18:00
サントリーホール

指揮:ユベール・スダーン
東京交響楽団
(第565回定期演奏会)
メゾ・ソプラノ:谷口睦美
合唱:東響コーラス
合唱指揮:三澤洋史

シューベルト:交響曲第7番「未完成」
シューベルト:付随音楽
        「キプロスの女王ロザムンデ」
(全曲)

最終回にふさわしい、素晴らしい出来映えでした。
今季の東京交響楽団の定期演奏会はシューベルト・ツィクルスでしたが、中でも音楽監督のスダーンさんが指揮をしたシューベルトの交響曲第1番から第6番は、「シューベルトって、こんなに面白いの?」と毎回目を輝かせながら聴きました。
2008年5月17日(1番、4番)
2008年9月27日(5番、6番)
2008年11月1日2日(2番、3番)

実は、今回は、曲が7番「未完成」ということで、多少心配していました。
今季のツィクルスに先駆けて、2007年11月10日に演奏された8番「ザ・グレイト」が、私の印象では今季の演奏に及ばなかったからです。
「初期の曲は抜群でも、もしかしたら後期の曲では…」という心配もありました。

しかし、その心配は杞憂でした。
杞憂どころか、今季最高の出来かもしれません。

「未完成」は、冗長に感じるところが皆無のキリリと引き締まった演奏。
バロック・ティンパニの音が、歯切れの良いリズムを刻みます。
それなのに、メロディーはなんとも豊かな雰囲気を醸し出す。
ホールの空間になんとも上品な空気が漂っているのにところどころはスピード感も感じるという絶妙の間合い。
毎回感じてきた「こんなに面白い曲だったっけ?」という印象は、「未完成」でも、いや「未完成」だからこそ、強く感じました。

30分に満たない曲だったのに充足感あふれる休憩の後は、そんなに演奏機会が多いとは思えない「ロザムンデ」の全曲。
プログラム冊子の解説によると、劇の台本はきちんとした形で残っていないとのことで、この日の曲の演奏順は、スダーンさんの希望とのこと。
聴き慣れた「序曲」や「第4幕への間奏曲」以外の曲も、どれも魅力的な曲でした。
「全曲」と銘打たれているものの、聴いた印象は「曲集」としての一体感はあまり感じられず、11曲の独立した曲という感じです。
そういう印象を強調したのが、ほとんどの曲が全力投球だった素晴らしい演奏でした。
約60分の大曲となると、普通は流れの中で力を入れる場面と多少力を抜く場面があるのではないかとお思いますが、なにせ、独立した11曲のような曲集ですから、どの曲にも(規模の差はあるものの)起承転結があります。
曲の耳あたりの良さとは裏腹に、演奏者の皆さんは、結構大変だったのではないでしょうか。
演奏は前半の「未完成」同様、ホールに満ちた上品で豊かな雰囲気のサウンドに包まれる快感を感じさせるものでした。

東響コーラスの出番は3曲、メゾ・ソプラノの谷口睦美さんに至ってはたった1曲の出番でしたが、どちらも透明感のある美しい声で素晴らしい出来。
なんとも贅沢な一夜でした。

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2009年3月19日 (木)

鈴木雅明/東京シティ・フィル(2009/3/19)

2009年3月19日(木)19:00
東京オペラシティ・コンサートホール

指揮:鈴木雅明
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(第227回定期演奏会)

ヘンデル:合奏協奏曲ト短調作品6-6 HWV.324
ハイドン:交響曲第90番
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」

鈴木雅明さんが前回東京シティ・フィルの定期を指揮した2006年11月の演奏会が素晴らしかったので楽しみにしていましたが、その期待すら大きく上回る素晴らしい演奏。
興奮させられる演奏でした。

ヘンデルは私にとっては曲自体がとらえどころが難しかったのですが、大好きなハイドンになると、その演奏の非凡さは迫力とともに迫ってきました。
たぶんノン・ヴィブラート奏法だと思いますが、はっきりとしたアクセントをつけ、鳴らすところは思いっきり強奏し、静かなところやゆっくりとした部分との対比が面白い。
その強奏の迫力たるや、単に音量だけの問題ではなく、意思や情熱の力を感じるもの。
鈴木雅明さんの指揮の動作は、音楽がそのまま視覚化されたような、しなやかな美しいものですが、強奏の部分の動作の迫力もかなりのものでした。

この曲の最後は、終わったかに見せてもう少し続くのですが、CDで聴いているとその面白さがあまりわかりません。
この日は、白熱した演奏につられて「終わったかに見せた場面」で会場に盛大な拍手が起こり、鈴木雅明さんはお辞儀をして舞台の袖に引き上げてしまいました。
その後、拍手を遮るように、コンサートマスターの戸澤さんの合図で曲が再開し、鈴木雅明さんは大あわての素振りで出て来て指揮を再開し、最後は半狂乱に近い盛り上げ方で曲を終えました。

「ハイドン一曲聴けただけでも来た甲斐があった」と思って幸せな休憩時間を過ごした後、後半のメンデルスゾーンが、また、ものすごい演奏。
こんどは、たぶんノン・ヴィブラート奏法ではないと思いますが、音色はロマン派の交響曲っぽいもの。
その音のメリハリと迫力は、圧倒される思い。
第2、第3楽章は一転して、ピリオド・アプローチのような音色で静かに進み、第4楽章はまた畳みかけるような迫力。
メリハリという意味では、個々の音のメリハリとともに、楽章間のメリハリも、コントラストとして効果的でした。

この日は、東京シティ・フィルのサウンドも、かなり伸びやかに鳴っていました。
鈴木雅明さんには、もっともっとモダン・オケを指揮する機会を作っていただき、ハイドン以降の曲もたくさん指揮していただきたいと思いました。

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2009年3月15日 (日)

新国立劇場「ラインの黄金」(2009/3/15)

2009年3月15日(日)14:00
新国立劇場
ワーグナー:ラインの黄金

そんなに数多くオペラを観ているわけではないので演出のことはよくわかりませんが、SFのようでもあり、ドタバタ喜劇のようでもあり、視覚効果も映画のように面白くて、楽しませてもらいました。
DVDで観たメトロポリタン歌劇場のオットー・シェンク演出の正攻法の舞台とは、全く別のオペラのようです。
神話の世界の印象は皆無でした。
私は今まで「読み替え演出よりは伝統的な演出の方が好き」と思っていましたが、こういう舞台に接すると、なぜ全世界で演出の先進性が競われているのか、ちょっぴりわかったような気がします。

冒頭も、真っ暗の中で一点の光だけがしばらく点灯し、やがてヴォータンが客席の方を向いて座っている姿が表れます。
何のことかわかりませんでしたが、やがて映画館の中のような場面になったので、ヴォータンが映写を観ている場面だったのでしょうか。
第1場のラインの娘たちとアルベリヒの掛け合いは、その映画館?の客席で繰り広げられました。
スクリーンには、水しぶきや、大きな目や、ジクソーパズルの一片(後でそれは指輪だとわかりましたが)が映し出されたり。
スクリーンの形は遠近感を模したのか、いびつな形をしていましたが、それは第2場以降への布石。
第2場と第4場は、そのいびつな形の枠内で演じられました。
さらには、第3場の地底の場面は、そのいびつな形を左右対称で逆にした枠内。
最後のヴァルハル城入場の場面だけが、枠がすっかり取れ、真っ白な場面。
しかし、多くの風船が床に転がっており、なんとも形容しがたい場面でした。

各所で光がかなり刺激的に使われており、度肝を抜かれました。
巨人2人が登場する場面は、2つの大きなライトが迫ってきました。
まるで、ジープかブルドーザーが突進してきたような印象。
火の神ローゲも閃光とともに登場しましたし、ヴァルハル城入場場面への転換も稲妻のような光と音を伴って刺激的に行われました。

アルベリヒが蛙に変身して捕まえられトランクの中に押し込められた後に、地上に上がってきてトランクを開けると、人間の大きさのアルベリヒが小さなトランクの中から出て来て唖然。
おそらく単純な手品のトリックだと思いますが、視覚的にはトリックは全くわかりませんでした。

歌手陣では、ごろつきのようなアルベリヒ(ユルゲン・リンさん)の存在感と迫力が印象に残りました。
ミーメ(高橋淳さん)もエネルギッシュに動き回り、声もそれに見合っていてなかなかの好印象でした。

ファーゾルトとファフナーの巨人2人は、視覚的には巨体の存在感がありましたが、声はもう少しぞっとするような迫力が欲しいな~という印象もありました。
登場の場面における光の効果と、叫ぶようなオケの音の後に発せられた第一声は、ちょっと大人しい印象がありました。

エッティンガーさんの指揮するオーケストラは、ことさら重量感だけを強調するものでは無いものの、金管の咆哮などは結構荒々しい。
こういう視覚効果の面白い舞台だと、ハリウッド映画のサウンドトラックのようなサウンドでも面白い(エリック・カンゼルさん指揮のシンシナティ・ポップスなんてどうでしょう?)と思いましたが、そういう洗練された音ではありませんでした。
金管の荒々しさが、奏者の力量なのか、エッティンガーさんの求めた音なのかはわかりません。
ただ、弦楽器の歌わせ方などは、けっこうきれいな音で甘美な印象もありました。

【指揮】ダン・エッティンガー

《初演スタッフ》
【演出】キース・ウォーナー
【装置・衣裳】デヴィッド・フィールディング
【照明】ヴォルフガング・ゲッベル

【芸術監督】若杉弘

キャスト
【ヴォータン】ユッカ・ラジライネン
【ドンナー】稲垣俊也
【フロー】永田峰雄
【ローゲ】トーマス・ズンネガルド
【ファーゾルト】長谷川顯
【ファフナー】妻屋秀和
【アルベリヒ】ユルゲン・リン
【ミーメ】高橋淳
【フリッカ】エレナ・ツィトコーワ
【フライア】蔵野蘭子
【エルダ】シモーネ・シュレーダー
【ヴォークリンデ】平井香織
【ヴェルグンデ】池田香織
【フロスヒルデ】大林智子

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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2009年3月 8日 (日)

飯守泰次郎/東響(2009/03/08)

2009年3月8日(日)14:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:飯守泰次郎
東京交響楽団
(川崎名曲全集 第45回)
ピアノ:今川映美子

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」~前奏曲と愛の死
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」~ワルキューレの騎行
ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」
        ~ジークフリートの死と葬送行進曲
ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
        第1幕への前奏曲
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲

        (アンコール)

東京交響楽団のコンサートも、飯守泰次郎さんのコンサートも、比較的多く聴いている私にとって、飯守泰次郎さんが東京交響楽団を指揮している場面は、ちょっと不思議な気分でした。

手兵の東京シティ・フィルを振ったときのような重低音が迫ってくる雰囲気とは多少雰囲気が違い、比較的カラフルな音。
しかし、秋山和慶さんが振ったときとも、スダーンさんが振ったときとも異なり、やはり飯守さんの重めのサウンドです。
しかし、この日はかなり歯切れの良さも感じました。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲を飯守さんが振るというだけでオーケストラパートに期待してしまいますが、単なる伴奏のはずの弦のピチカートすら、飯守さんは力を込めて振り、オケもそれに応えてまるで交響曲のような気合いの入れ方で演奏していました。
飯守さんの指揮は、ただ力で押し切るだけではなく、結構あちこちでアクセントを加えていて、重量感と推進力とひねりのスパイスが効いた快演でした。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を飯守さんの指揮で聴いてみたくなりました。
(他に3番は、2007年に都響で聴いたことがあります。)

ピアノの今川映美子さんは、音楽性が豊かなようで好感を持ちました。
メロディーを決して急がずに丁寧に歌い込む演奏は、ぜひまた聴いてみたいです。
ただ、残念ながらこの日の演奏では、オケの音とピアノの音が合っていない箇所が結構あったような気がします。
専門的なことは私にはわかりませんが、舞台後方側の席で聴いていた私には、今川さんがあまり指揮者の方を見ていなかったような気がしました。
多くのソリストは、演奏中にもう少しオケの方を見たり、指揮棒に目をやったりしているような気がします。

さて、休憩後は飯守さんお得意のワーグナー。
1年前に関西フィルの東京公演で聴いた曲とかなりの曲が重複していますが、何度聴いても良いものです。
オケだけでなくホールの音響の違いもあるのかもしれませんが、冒頭に書いたように重量感がありながら比較的カラフルな音の印象。
「トリスタンとイゾルデ」は、比較的静かな部分が多いせいが、音響的には小さめに感じましたが、「ワルキューレの騎行」以降は、咆哮するオケが轟音でおそってきました。
金管はもちろんですが、木管や弦の“音の力”もかなりのものでした。

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2009年3月 7日 (土)

シュナイト/神奈川フィル(2009/03/07)

2009年3月7日(土)14:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
(名曲コンサート「珠玉の名旋律」)
ヴァイオリン:石田泰尚
チェロ:山本裕康

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
カザルス:鳥の歌
(アンコール)
ブラームス:交響曲第1番

神奈川フィルの定期演奏会は、来季からは土曜日午後の開催の回も増えましたが、今季は原則平日の19:00開始です。
私のライフスタイルでその時間帯に横浜みなとみらいホールに行くのはちょっと厳しいので、この日のような演奏会が、音楽監督の指揮で開催されるのは嬉しいものがありました。
この日は全席完売。
私が行った神奈川フィルの定期演奏会での空席を思い出すと、スポンサーの意向とかがあるのかどうかはわかりませんが、平日の夜の開催には多少の疑問も感じます。

シュナイトさんは音楽監督を3月末で退任とのことです。
この日の後、3月の定期演奏会があり、退任後の5月にも演奏会はありますが、とりあえず一区切り。
聴く回数が限られていた私には、シュナイトさんが神奈川フィルに残した足跡がいかほどのものかは、私にはわかりません。
しかし、音楽監督就任記念公演(2007/5/11)の出来と比べると、格段の進歩があるような気がします。
2年前の演奏会も曲目は違いますがブラームス。
そのときは、神奈川フィルの管楽器奏者、特に金管は、スローテンポのところでは恐る恐る音を出しているように感じる場面が結構ありました。
この日は、すっかりシュナイトさんの手足となって、シュナイトさんの意図を体現していたのではないかと思います。

目で見ていると、奏者は皆、結構大きなアクションで、体を揺らして、力を込めて弾いています。
音を消して映像だけを見たら、熱演、爆演のように見えるかもしれません。
しかし、鳴っている音は、暖かく、柔らかく、優しく、なんとも心地良い音。
うまく言えませんが、「バンッ」ではなく「ホワァーン」という感じ。
これは、交響曲もそうですが、二重協奏曲のソロの石田さんと山本さんも同じ。
石田さんなど、かなりのアクションで情熱的に弾いていたように思いますが、それとても包み込んでしまうシュナイトさんの懐の深さでした。

なお、協奏曲のアンコールは、ソリスト2人に、第1ヴァイオリン2人、チェロ1人の五重奏でした。

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2009年3月 2日 (月)

新日本フィルのハイドン全曲演奏

新日本フィルは2009年2月28日にブリュッヘンさん指揮によるハイドン・プロジェクトのフィナーレを104番で締めくくりました。
  「天地創造」(2009/2/7)
  「ロンドン・セット」第1回(2009/2/11)
  公開リハーサル(2009/2/14)
  「ロンドン・セット」第2回(2009/2/15)
  「ロンドン・セット」第3回(2009/2/20)
  「ロンドン・セット」第4回(2009/2/28)
天地創造と交響曲第93番~104番が演奏されたシリーズは、恍惚感すら感じる素晴らしさでしたが、ハイドン好きの私は18年前に終了した同じ新日本フィルによる全曲演奏のことも、久しぶりに思い起こしました。

その全曲演奏はカザルスホールで行われ、全34回でした。
一人の指揮者によるものではなく、毎回異なる指揮者による演奏。(複数回登場の指揮者もあり。)
私はそのうち、第20回~最終回(第61番以降)を聴きました。
試しに1回聴きに行ってみたらハイドンの面白さと素晴らしさ(もちろん演奏も)にハマってしまい、その後通い詰めました。
まだピリオド系の影響はあまり受けていなかった演奏が多かったような気がしますが、あまり詳しくは覚えていません。
でも、私のハイドンの交響曲好きは、このときに始まったような気がします。

全曲演奏のラインナップは以下の通りです。

第 1回 井上道義
第 2回 井上道義
第 3回 佐渡裕
第 4回 デール・クレベンジャー
第 5回 原田幸一郎
第 6回 小林道夫
第 7回 大友直人
第 8回 高関健
第 9回 小泉和裕
第10回 山田一雄
第11回 原田幸一郎
第12回 天沼裕子
第13回 朝比奈隆
第14回 レオン・フライシャー
第15回 黒岩秀臣
第16回 ジョセフ・シルバースタイン
第17回 岩城宏之
第18回 ヴォルデマル・ネルソン
第19回 マキシム・ショスタコーヴィチ
(上記19回は未聴)
第20回 十束尚宏(1989/12/17)
第21回 豊島泰嗣(弾き振り)(1990/1/14)
第22回 高関健(1990/2/12)
第23回 岩城宏之(1990/3/11)
第24回 山田一雄(1990/4/8)
第25回 手塚幸紀(1990/5/27)
第26回 小泉和裕(1990/6/10)
第27回 シモン・ゴールドベルク(1990/7/15)
第28回 佐渡裕(1990/9/23)
第29回 アレクサンダー・シュナイダー(1990/10/7)
第30回 ゲルハルト・ボッセ(1990/11/18)
第31回 ヨアフ・タルミ(1990/12/16)
第32回 大野和士(1991/1/13)
第33回 レオン・フライシャー(1991/2/3)
第34回 沼尻竜典、小澤征爾(1991/3/21)

1ヶ月に一回、休日の午後に御茶ノ水に通った日々を懐かしく思い出しました。

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2009年3月 1日 (日)

沼尻竜典・小澤征爾/新日本フィル(1991/3/21)

1991年3月21日(木)14:00
カザルスホール

指揮:沼尻竜典(103番、協奏交響曲)
   小澤征爾(104番)

新日本フィルハーモニー交響楽団
(ハイドン交響曲定期演奏会・33)
ヴァイオリン:豊島泰嗣
チェロ:松波恵子
オーボエ:渡辺克也
ファゴット:近衛一

ハイドン:交響曲第103番「太鼓連打」
ハイドン:協奏交響曲
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」

ブリュッヘン/新日本フィル(2009/2/28)のハイドン・プロジェクトのフィナーレを聴いて思いだした18年前の演奏会。
新日本フィルによるハイドンの交響曲全曲演奏の最終回です。

この回は、かなりの間「指揮者未定」と告知されていて「大物が出演するのかな?」と思っていたら、かなり後の方になって小澤征爾さんが振ることが発表されました。

しかし、当日会場に着いてみると、小澤さんが病気(記憶では、確かインフルエンザだったような気がします)でリハーサル時間を十分に取れず、104番一曲だけを指揮するとのことでした。

他の2曲の代役は、まだかなり若かった沼尻竜典さんの指揮。
沼尻さんのプロフィールを見ると、前年の1990年にブザンソン国際指揮者コンクール優勝とあります。
ピンチを救った沼尻さんには「お疲れ様でした」とは思いましたが、さすがにこの年代でハイドンの交響曲を、しかも小澤征爾さんの前に演奏するのは、かなり荷が重かったのではないでしょうか。
指揮棒で拍子はきちんきちんと取っていましたが、なにせ、ハイドンはなかなか一筋縄でいかない曲です。
沼尻さんの指揮する演奏会には、その後何回か行ったことがあり、貫禄十分にスケール感のある音を響かせる演奏にも接していて、いまの沼尻さんはこのときの沼尻さんとはまるで別人ですが、私の頭の中にはいまだにこのときの必死に?指揮する沼尻さんの姿が刷り込まれていて、懐かしい思い出です。
主催者からは、2曲の指揮を終えた沼尻さんに花束が贈られ、沼尻さんは「僕ですか?」というように尋ねた後、受け取りました。

そして、休憩後の会場は小澤征爾さんの登場を期待して待っていたはずですが、なんと小澤さんは、オーケストラがチューニングを始めるときには舞台に出て来てしまい、一部の気がついた人がパラパラと拍手をしただけで、多くの人は「あっ」と気がついたときには小澤さんはニコニコしながらチューニングを見守っていて、完全に拍手をするタイミングを逸してしまいました。

小澤さんがオーケストラの方を向き直り、腕を振り下ろして、交響曲104番の冒頭の音が鳴ったときの圧倒されたような体感は、いまだに覚えています。
若き沼尻さんの指揮で前半を聴いていたので余計にそう感じたのかもしれませんが、そのスケール感に、たった一音で私はノックアウトされてしまいました。
あとはよく覚えていません。
次から次へ繰り広げられる圧倒的な音を唖然と聴いていたのかもしれません。

私はブリュッヘンさんの指揮するハイドンが大好きですし、小澤征爾さんの古典派の曲の演奏が、必ずしも評論家の方などから好意的に評価されているわけではないことは承知しています。
でも私は、“ひとつのやり方”として、小澤さんのハイドン演奏は結構好きです。
この日に小澤さんが指揮をしなかった協奏交響曲は、18年後の2009年1月17日にサントリーホールで聴くことが出来ました。

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