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2009年4月15日 (水)

新国立劇場「ワルキューレ」(2009/4/15)

2009年4月15日(水)14:00
新国立劇場
ワーグナー:ワルキューレ

20090415




日曜日の公演のチケットが手に入らなかったので、当初は鑑賞しない予定でしたが、3月の「ラインの黄金」が面白かったので、ついついチケットを買ってしまいました。
平日の14:00スタートの公演で、昼から休暇を取って出かけましたが、終演後にカーテンコールが終わったのは19:40頃。
家路につく途上は、まるで残業して帰宅するような体感ですが、心地良い、充実感のある疲労感でした。
第3幕のスタートは18時を過ぎており、コンサートを2会場ハシゴした気分です。

この日も視覚的に非常にインパクトのある舞台と感じました。
昨年鑑賞した二期会の「ワルキューレ」とは全く別物のオペラのようです。

第1幕は、冒頭はヴォータンが立って、舞台の奥の方を慌ただしく駆け抜けていく人々を眺めています。
その後、フンディングの家の中になり、人間の背丈ほどある巨大なテーブルと椅子が置かれていて、フンディングとジークリンデの結婚写真も飾られている部屋。
赤い大きな矢印が天井から突き刺さすようにテーブルに向けてつり下がっています。
この矢印は、ヴォータンの槍の先なのでしょうか。
光が効果的に使われ、朝日のような光が差し込むかと思うと、夕闇のような光になったり、緑色の光や赤い光になったり。
あるいは、扉が開いて光が差し込むときは、人物の黒い影が大きく壁に映し出されたりして、舞台から目を離すことができません。

第2幕では床面が地図のようになっていましたが、これは神々が地上を支配している様子なのでしょうか。
でも、その舞台いっぱいの地図も、四方に縁取りがしてあり、箱庭のように感じられなくもありません。
舞台左側に段ボールなどが積み上げられた一角がありましたが、3月の「ラインの黄金」でも同様の段ボールが使われていましたので、ここはヴォータンの居室でしょうか。
その一角が撤去されると影から小さな家が表れ、さらにフンディングはその家から頭を出して、床下から現われました。
決闘も地図の床面の上で行われました。

第3幕冒頭はドライアイスか何かの霧状のものが客席にまで立ちこめ、字幕がかすれて見えるほど。
霧は4階席まで来ました。
「ワルキューレの騎行」は、なんと病院の廊下。
白い布をかけられた遺体の載せられたベッドを、ナース(ワルキューレ)たちが、慌ただしく、次から次へと病室から廊下へ運び出して大騒ぎ。
布を取ると、遺体はベッドから起き上がり、舞台奥の「ヴァルハル」と表示がある霊安室?に歩いて行きます。
遺体の上半身には、大きな刀傷。
ヴォータンが登場すると、やがて、この病院のセットは舞台の奥へするすると下がっていき、まるで映画のスクリーンの中の1シーンよう。
それもやがて消え去り、舞台には巨大な馬のセットが現われて、ヴォータンとブリュンヒルデの葛藤は、この馬を前にして延々と演じられました。
罰を与えるシーンでは黒いスクリーンが降りて馬のセットを隠しました。
スクリーンには炎を上げている文字が映し出されましたが、その後、スクリーンが上がると、舞台上には人間の背丈ほどある巨大なベッド(第1幕のテーブルと縮尺は同じくらい)の上にブリュンヒルデが横たわっています。
赤いイルミネーションがチカチカしていたので「あ、これが火を暗示しているのね」と早合点していたら、最後の最後に、ベッドの縁の4辺から本物の火が出て驚きました。

演出と視覚効果のことばかり書きましたが、この日は音楽的にも満足しました。

歌手はみなさん好感でしたが、特にジークリンデのマルティーナ・セラフィンさんの声の迫力がスゴイ。
下手な歌手がここまで大きな声を張り上げたら絶叫になってしまうでしょう。

オケも「ラインの黄金」のときよりも金管の音が洗練されていた印象。
最終日ということもあるのかもしれませんが、エッティンガーさんの意図が浸透していたのでしょう。

この分だと、来年の「ジークフリート」と「神々の黄昏」もチケットを買ってしまいそうです。

【指揮】ダン・エッティンガー

《初演スタッフ》
【演出】キース・ウォーナー
【装置・衣裳】デヴィッド・フィールディング
【照明】ヴォルフガング・ゲッベル

【芸術監督】若杉弘

キャスト
【ジークムント】エンドリック・ヴォトリッヒ
【フンディング】クルト・リドル
【ジークリンデ】マルティーナ・セラフィン
【ヴォータン】ユッカ・ラジライネン
【ブリュンヒルデ】ユディット・ネーメット
【フリッカ】エレナ・ツィトコーワ
【ゲルヒルデ】高橋知子
【オルトリンデ】増田のり子
【ワルトラウテ】大林智子
【シュヴェルトライテ】三輪陽子
【ヘルムヴィーゲ】平井香織
【ジークルーネ】増田弥生
【グリムゲルデ】清水華澄
【ロスヴァイセ】山下牧子

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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» ワーグナー「ワルキューレ」 [オペラの夜]
<楽劇「ニーべルングの指環」第一夜> 2009年4月6日(月)14:00/新国立劇場 指揮/ダン・エッティンガー 東京フィルハーモニー交響楽団 演出/キース・ウォーナー 再演演出/マティアス・フォン・シュテークマン 装置・衣裳/デヴィッド・フィールディング 照明/ヴォルフガング・ゲッベル ジークムント/エンドリック・ヴォトリッヒ ジークリンデ/マルティーナ・セラフィン ブリュンヒルデ/ユディット・ネーメット ヴォータン/ユッカ・ラジライネン フリッカ/エレナ・ツィトコーワ フンディング/クルト... [続きを読む]

受信: 2009年4月18日 (土) 20時28分

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