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2009年5月25日 (月)

小林研一郎/都響(2009/5/25)

2009年5月25日(月)19:00
東京文化会館

指揮:小林研一郎
東京都交響楽団
(第680回定期演奏会Aシリーズ)

スメタナ:連作交響詩「わが祖国」

「わが祖国」はコバケンの18番。
翌日のサントリーホールでの演奏会も含めてチケットは完売のようです。
昨年予定されていた演奏会が中止になったリベンジという話題性も多少はあるのかもしれませんが、やはり聴衆の演奏に対する期待の高さの現れでしょう。

この日は第一曲の「ヴィシェフラド」(高い城)からパワー全開。
大音量が意思の力を持って迫ってきます。
間合いを置かずに続けて演奏された「モルダウ」では、弦楽器のうねるような音の流れが大河の雄大な水の流れを連想させ、圧倒されました。

ここで間合いを取った指揮者は、かなりの時間をかけて顔の汗を拭っていました。
再開後の「シャルカ」でもテンションの高さは持続しましたが、殺戮の総攻撃の前の旋律の不気味さは、わかって聴いていても、背筋が寒くなってゾッとするほどでした。

休憩後の3曲も同様の熱演。
「ボヘミアの森と草原より」の終結部や、「ターボル」の終結部、「ブラニーク」の開始部などの鋭い音の迫力。
そうかと思うと、流れるような旋律の歌わせ方の中間部。
「ブラニーク」終結部は、煽ったりせず、むしろ悠然と余裕を持って推進。

この日の弦楽器や木管のニュアンスは抜群。
随所で、ハッとするような美しい箇所、あるいは「オッ」と思うようなアクセント。
(金管については、このホールの音響では少しうるさめに聞こえてしまうのですが、サントリーホールなら違う印象を持ったと思います。)
コンマスの矢部さんも随所で大きく体を揺らしての演奏。
各奏者のテンションも、かなり高かったように見えました。

曲が完全に手の内に入っているコバケンの、お約束の名演でした。

私がコバケンの指揮する「わが祖国」を聴くのは10年ぶりです。
前回は1999年11月28日のチェコ・フィル来日公演でした。
CDが発売され、評判になった直後だったと記憶しています。
オケの音に魅了され、「さすがはチェコ・フィルのスメタナ」と感じました。
しかし、そのときの演奏が素晴らしかったのは、「コバケンだから」だったようです。
2007年11月22日に聴いた別の指揮者によるチェコ・フィル来日公演では、私はあまり感銘を受けませんでした。
「チェコ・フィルのわが祖国」と思っていた名演は、「コバケンのわが祖国」でした。
この日、ホールに響き渡ったのも「コバケンのわが祖国」でした。
そして、その「コバケンのわが祖国」を演じきった都響の演奏も、見事でした。

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受信: 2009年5月28日 (木) 19時13分

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