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2009年6月15日 (月)

秋山和慶/読響(2009/6/15)

2009年6月15日(月)19:00
サントリーホール

指揮:秋山和慶
読売日本交響楽団
(第483回定期演奏会)
ピアノ:三浦友理枝

《R.シュトラウス没後60年》
R.シュトラウス:組曲「町人貴族」
R.シュトラウス:家庭交響曲

なんと優美なシュトラウス!
以前は、比較的カチッとした音を作っていた秋山さんですが、最近はまろやかな音を聴かせることが多くなったような気がします。
そんな最近の秋山さんが振るリヒャルト・シュトラウスは、まさに20世紀初頭のウィーン風の香り。
極上の手触りの布をなでているような快感に浸ることが出来ました。

「町人貴族」は小編成の曲。
「ナクソス島のアリアドネ」と似た響きの曲だな~と思っていましたが、プログラムの冊子を見ると、失敗に終わった作品を改作し、「ナクソス島のアリアドネ」と「町人貴族」という2つの作品を作ったそうです。
弦楽器奏者の数は少なく、しかし管楽器奏者の数は結構普通に居て、ピアノも加わるという編成は、室内楽的でありながらシンフォニックでもあるという不思議な音響。
随所で繰り広げられる弦楽器奏者のソロ。
もちろん管楽器奏者のソロも盛りだくさん。
下手なアンサンブルだったら、バラバラの印象を与えかねない難しさがあるのではないかと思いますが、さすがは絶妙の棒さばきの秋山さんに名手揃いの読響メンバー。
聴いていて惚れ惚れするような絶妙のソロを披露しながら、伸びのある統一感のとれたサウンドを聴かせてくれました。
ピアノの三浦友理枝さんも、ノリの良いチャーミングな演奏。
自分が弾いていないときでも体を揺らして音楽に浸っていて好印象でした。
割とマイナーな曲ですが、拍手は結構長く続き、会場のウケも上々でした。

休憩後の舞台上は、前半とは対照的に、舞台上は人、人、人…。
この大編成にもかかわらず、優美さは一切損なわれなかったのは驚嘆です。
オケが強奏していても、うるささを全く感じさせないどころか、本当に愛おしくなるような音の御馳走。
きれいに揃えて鳴らしているだけという低次元のレベルではなく、個々の奏者が自発性を持って全力で弾いているのに、まるで一人で弾いているかのような統一感。
その統一感を保ちながら、音は無限の広がりを持って拡散していくようなスケール感。
素晴らしい演奏でした。

「秋山さんが読響を振るのは珍しい」と思っていましたが、プログラムの冊子によると、なんと、1975年以来、34年ぶりとのことです。
それだけ、秋山&東響という最強のコンビの結びつきの強さを表しているのかもしれませんが、2009年に実現した読響との演奏もなかなか魅力的。
東響の艶やかな音とはちょっと違う、読響のしっとりとした音で聴く秋山さんも、また聴いてみたいものです。

ちなみに私は、1985年9月20日の東響定期(会場は東京文化会館)で、家庭交響曲を秋山さんの指揮で聴いたことがあります。
ずいぶん前の演奏会ですが、印象が強かったのか、おぼろげに覚えています。
交通整理がバッチリ決まって好演でした。
しかし、東響に限らず、当時の日本のオーケストラの多くは、現在の読響や東響とはだいぶ異なる水準でした。
24年の歳月は、日本のオケにとっても、秋山さんにとっても、無為に過ごした年月ではありません。
この日の懐の深い演奏を聴いて、本当に幸せな気分になりました。

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