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2009年6月13日 (土)

レック/東響(2009/6/13)

2009年6月13日(土)18:00
サントリーホール

指揮:シュテファン・アントン・レック
東京交響楽団
(第568回定期演奏会)
チェロ:ダニエル・ミュラー=ショット

シューマン:チェロ協奏曲
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
(アンコール)
ブロッホ:祈り(アンコール)
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」
20090613

今季の東京交響楽団の定期演奏会はシューマンが集中的に取り上げられます。
5月の定期演奏会で演奏されたマーラー版の交響曲第1番に続いて取り上げられたチェロ協奏曲は、「まさか、これもマーラー版では?」と錯覚するほど、すっきりと良く響きました。
野暮ったいところなど皆無の、スタイリッシュなシューマン。
それは、オーケストラの音だけでなく、独奏チェロの音にも言えました。
少し先を急ぎ過ぎなように感じるところもなかったわけではありませんが、テクニックに裏打ちされた明快なサウンドをホールの空間に響き渡らせて、シンフォニックなシューマンに仕上がっていました。
こういうスタイルには人によって好き嫌いが出そうですが、私は聴いていて爽快感を感じ、「こういうシューマンは、また聴いてみたい」と肯定的に受け止めました。
会場も大いに沸いていて、アンコールが2曲演奏されました。

さて、無理矢理こじつけたわけではありませんが、5月のマーラー版のシューマンの交響曲、この日の前半の「まるでマーラー版」と感じられるようなシューマンのチェロ協奏曲の後は、本物のマーラーの交響曲。
東響の音は、ふだんは暖色系の色彩のような暖かい音に感じられることが多いのですが、この日は寒色系の色彩のような印象。
曲が始まったときの第一印象は「客観的なアプローチの演奏かな?」と思いました。
しかし、レックさんのつくる音楽は、かなり曲にのめり込んだ、熱狂的(場所によっては感傷的)なもの。
縦の線を合わせることよりも、流れ、勢いの方を感じさせる演奏でした。
大音量における畳みかけるような迫力は、指揮者の半狂乱の一歩手前のような動作から導かれたものだと思います。
また、指揮棒を置いて演奏された第3楽章の比類のない美しさは、「永遠に続いてほしい」と思えるような陶酔で、「次回は9番を聴いてみたい」と感じました。
全曲が終わっても指揮者はすぐには手を下ろさず、静寂が10秒か15秒くらい。
フライングの拍手もなく、指揮者が手を下ろすのを待って会場から大拍手と盛大なブラボーの声。
今月も、東響定期は素晴らしい演奏会でした。

レックさんの前回の東響への客演のときは、私はチケットを知人に譲って、別の演奏会に行ってしまいました。
再度招聘されたということは、そのときの結果が良かったのでしょう。
この日の演奏を聴いて、前回もパスせずに聴けば良かった…と後悔しました。
ぜひまた、招聘してほしい指揮者です。
そして、できれば、次回の曲目は、マーラーの9番を!

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