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2009年9月 5日 (土)

インキネン/日フィル(2009/9/5)

2009年9月5日(土)14:00
サントリーホール

指揮:ピエタリ・インキネン
日本フィルハーモニー交響楽団
(第613回定期演奏会)
ヴァイオリン:樫本大進

ショスタコーヴィチ:祝典序曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

オーケストラ全体が溶け合った豊かなサウンドがホールに響き渡りました。
上質の布の手触りのような優しい音。
決して粗野にならない上品で洗練された音。
でも、弱腰ではなく、意志の強さも感じられるテンションの高い音です。

一曲目の祝典序曲の演奏が始まった瞬間に、この音の魅力に釘付けになりました。
日フィルの管楽器の技術が完璧とは言えなかったような気もしますが、インキネンさんの棒から導かれたこのサウンドとハーモニーは、極上でした。
金管のアクセントも、オーケストラ全体での一撃も、弾力性のある音でした。

続くヴァイオリン協奏曲では、樫本さんの伸びやかなソロの音がインキネンさんの振るオケの音と見事にマッチング。
爆演や熱演というよりは洗練された演奏の印象でしたが、艶やかなヴァイオリンの音が屈指のテクニックに支えられて自在に歌いました。
ベルリン・フィルのコンサートマスター就任はめでたいことですが、ソリストとしての活動が減ることはちょっと複雑な気もします。
オーケストラも手を抜かずに、伴奏ではなく協奏。
しっとりと歌ったかと思うと、うねるような響きを奏で、インキネンさんの指揮でシベリウスの交響曲を聴いてみたくなるような演奏でした。

交響曲はやはり洗練された印象。
野蛮な咆哮はいっさいなく、大音量であっても上品さを失いません。
特に第3楽章の静かな部分の雰囲気は息をのむような美しさ。
フランス音楽のようなと言ったら言い過ぎかもしれませんが、エレガントなショスタコーヴィチでした。
しかし、迫力不足の印象はなく、鳴らすところは透明感のある伸びやかなサウンドがホールに響き渡り、爽快でした。

日フィルからこういうハーモニーを引き出したインキネンさん。
前評判通り、ただ者ではないようです。

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