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2010年10月 2日 (土)

新国立劇場「アラベッラ」(2010/10/2)

2010年10月2日(土)14:00
新国立劇場

R.シュトラウス:アラベッラ

シーズン開幕の新制作。
よく雑誌などで外国の歌劇場のシーズン初日の華やかな様子などを写真で見ますが、そのようなゴージャスな雰囲気はないものの、それでも開演前の会場は、いつもよりテンションが高いように感じます。
上演終了後、カーテンコールで演出家(この日は衣装デザイナーも)が出てくるのも良いですね。

記憶の範囲では、私は初日を見るのは初めてです。
普段は、上演回数を重ねて、オーケストラの音などが練れてきた、後の方の上演日を選んでいました。
そういうわけで、オーケストラの音色に、音量が大きく複雑に音が絡み合う場面などで、少し音が整理されていないように感じるときもありました。
おそらく上演を重ねていけば、後半の上演日ではさらに洗練されていくことでしょう。

個人的にリヒャルト・シュトラウスは、とらえどころが難しい作曲家です。
音が騒々しく鳴る場面、高らかに鳴り響く場面、古き良き時代を思い起こすようなひたすら優美な場面。
まあ、その、どれもがリヒャルト・シュトラウスの個性の一面なのでしょう。

過去に経験したいくつかの上演では、結構、汚いくらいに強く鳴り響かせたものもありました。(ペーター・シュナイダーさんの「ばらの騎士」「エレクトラ」など)
この日の、部分的に騒々しく鳴っているように感じたオーケストラの音色も、指揮のシルマーさんが求めたものなのか、東フィルの音が練れていないせいなのか、判然としませんでした。

反面、しっとりと耽美的に奏でられるところは、本当にうっとりとするようなひとときでした。
このオペラは、第2の「ばらの騎士」という形容もあるようですが、確かにそんな雰囲気も感じます。
大騒ぎの後、静かに美しい空間が、永遠に続くかのように流れていくところなど、そっくりかも。
今シーズンは、アルミンクさんの指揮する新日本フィルがピットに入る「ばらの騎士」もあります。
都合がつけば、オケの音色も聴き比べてみたいと思います。

歌手陣では、主役アラベッラを歌ったミヒャエラ・カウネさんが好演。
マンドリカ役のトーマス・ヨハネス・マイヤーさんは、悪くはありませんでしたが、「ヴォツエック」で主役を歌ったときのような凄みは感じられませんでした。

新国立劇場は、今シーズンから少し席割が変わり、D席は4階両脇のみとなりました。
早い話し、値上げですが、需給関係と経済合理性を考えれば、致し方ありません。

もうひとつ変わったことがあって、4階2列にはクッションが付属しました。
お尻の下に敷いても良いし、背中に当てても良いそうです。
これは、2列目だけ前列との段差が小さく、舞台が見にくいため、それを緩和するためのものとの説明書きがありました。
座りごこちは微妙で、敷いて長く座っていると腰に負担がかかる感じがします。
私は、第3幕からは、背中に当てて鑑賞しました。

スタッフ
【指揮】ウルフ・シルマー
【演出・美術・照明】フィリップ・アルロー
【衣裳】森英恵

キャスト
【ヴァルトナー伯爵】妻屋秀和
【アデライデ】竹本節子
【アラベッラ】ミヒャエラ・カウネ
【ズデンカ】アグネーテ・ムンク・ラスムッセン
【マンドリカ】トーマス・ヨハネス・マイヤー
【マッテオ】オリヴァー・リンゲルハーン
【エレメル伯爵】望月哲也
【ドミニク伯爵】萩原 潤
【ラモラル伯爵】初鹿野 剛
【フィアッカミッリ】天羽明惠
【カルタ占い】与田朝子

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団


20101002

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