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2010年10月の9件の記事

2010年10月31日 (日)

10月に鑑賞した演奏会・オペラ

10月に鑑賞した演奏会・オペラの感想を、Twitterでつぶやいた内容のコピペでまとめてみました。

2010年10月23日(土)
新日本フィル定期すみだ。ルプーのキャンセルは残念だが、ずっと聴きたかったレーゼルが聴けて私は結果オーライ。第4協奏曲ってこんなに良い曲だったんだ…と今頃言ったらバカにされそうだが、カデンツァでは心底「この方の弾くソナタも聴きたい」と思った。アンコールに弾いてくれて幸せいっぱい。

私が知らなかっただけで、アルミンクは熱演型の指揮者だったのか?すみだでの定期、ベートーヴェンの正攻法の力強い堂々たる響きは、ウィーン交響楽団でも聴いているような気分。改めてアルミンクがウィーンの人であることを再認識。第8交響曲だけでなく、4番の協奏曲も力強かった。

2010年10月18日(月)
都響A文化会館。ティル・オイレンシュピーゲルが定期演奏会の最後に演奏されると、こんなにも表情豊かな壮大な音のドラマになるのかと目から鱗。ドン・ファンも含めて、R.シュトラウスの作品が、サウンドトラックではなく、交響詩であるという、当たり前のことを再確認した演奏会。

2010年10月16日(土)
スクロヴァチェフスキ信者の集会の後、一緒に参加した友人と歓談して帰宅。地底から沸き上がるような「未完成」、天上から降りそそぐようなブルックナー。「スケールが大きい」と一言で片付けられない奥深さ。金管の音色が今ひとつだったことは気がつかなかったことにして、一般参賀にも参加した。

2010年10月09日(土)
秋山和慶/東響定期、サントリー。たっぷり果汁を含んだ果肉のような弦が魅惑的なモーツァルトはピアノ独奏は伊藤恵27番。それにちりひとつなく磨き上げられた黄金のような金管がブレンドされたブルックナー4番。そびえ立つようでもあり、深みを感じるようでもあり、秋山さんの円熟の境地。

2010年10月02日(土)
新国立「アラベッラ」終了。個人的にRシュトラウスは、音がガチャガチャ鳴るところと、しっとりと耽美的に奏でられるところの落差がしっくりこなくて相性は今ひとつ。よって、聴いていて少し疲れたが、第3幕終盤の美しさには、こんな私でも、うっとりと聞き惚れた。
「アラベッラ」は「第2の薔薇の騎士」という形容もあるようだけど、まあ、そんな雰囲気もあるかな。アルミンク/新日本フィルがピットに入る「薔薇の騎士」と、本日のシルマー/東京フィルとで、オケの音を聴き比べてみたい。

2010年10月01日(金)
鈴木雅明/東京シティ・フィル、オペラシティ。完璧に古楽風の叩きつけるような爽快なモーツァルトの後、明晰、クリアーなマーラーの「巨人」。古楽の巨匠のマーラーは、感情移入を抑えて、音符に雄弁に語らせたもの。しかし激しさは合わせもち、見事にクライマックスを築いたと思う。

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10月に聴いたCDの感想

10月も通勤途上のヘッドフォン・ステレオでの鑑賞がメインですが、CDをいろいろ聴き、Twitterでつぶやきました。その内容をコピペでまとめておきます。

私の場合、ファイル形式は、MP3、256kbps VBR 高音質、エンコーダはiTunesを使用しています。
可逆圧縮、無圧縮の方が理論上音は良いはずですが、電車の中や歩行中に聴くのがメインですので「私には違いはわからない」とMP3形式で割り切っています。
プレイヤーは主にiPhne 3GS、ヘッドフォン(イヤフォン)は、Klipschというメーカーの、IMAGE X5という製品を使っています。

2010年10月30日(土)
昨年の今頃、非常に体調が悪い時期に聴いていた曲は、つらい日々の記憶がよみがえるようで、しばらく聴けなかった。最近ようやく楽しんで聴けるようになった。ブラームスのセレナード第1番もそのひとつ。もちろん交響曲のかわりにはならないけれど、無視するには惜しい作品。今日はケルテスのCDで。

2010年10月27日(水)
ブルックナーでは神経質なくらい論じられる版の問題が、チャイコフスキーのVn協奏曲では表示すらされないのはなぜ?近年まで一般的だった省略や装飾のある版は「アウアー版」とか明記してほしいところ。クレーメルのCDで聴いて以来、ノーカットのオリジナル版でないと、軽い失望感を覚える。

2010年10月26日(火)
ヒラリー・ハーンのCDを聴きながら、前回の来日のときの演奏会、特に協奏曲を聴きに行かなかったことを悔やむ。幸い、次の機会は来年3月。協奏曲は聴けないが、リサイタルがある。こんどは聴いてみたい。

チャイコフスキーのVn協奏曲を「酒のにおいのする下品な作品」と評した同時代の評論家は、ある意味、本質を見極めていたとも思える。しかし、ヒラリー・ハーンは、その土俗臭のいっさいを消し去り、高度に純化したスタイリッシュな音楽に変えている。しかも音に込められた情報量は多い。素晴らしい。

ヒラリー・ハーンパガニーニVn協奏曲のCD。作品の品格がふた周りくらい高くなった印象。こういう演奏で聴くと、この曲も「芸術作品」なんだな…と思う。併録のシュポアの協奏曲は、来年2月の読響定期のオール・シュポア・プロで取り上げられる曲かも。

2010年10月25日(月)
ヘッドフォンステレオに入っている曲を入れ替え。RCAのリビングステレオのBoxは確かに1枚あたりの単価は安かったけど、音質はやっぱり年代を感じて少々つらい。ショルティの優秀録音があるのにあえてライナー/CSOを聴く理由は、今の私にはないと思った。

2010年10月24日(日)
スクロヴァチェフスキ/読響ブルックナー8番のSACD、気になって一番最後の部分から聴い。噂のフライング気味のブラボーがしっかりと記録されている。聴くたびにこれが耳に入るのは少々つらい。自分の行った演奏会がこちらではなく、静寂が数秒間保たれたサントリーホールの方で本当に良かった。

2010年10月13日(水)
インバル/都響ブル8ライヴCD。インバルお得意の初版での演奏。会場で聴いた高揚感がよみがえる、力強いけど美しい演奏。ただ、東京文化会館にしては残響が多い感じ。確かに、大編成を2階正面で聴くと残響を感じることもあったけど、当日私が聴いたのは5階席の分解能の高い音。

2010年10月12日(火)
ウィーン・フィルシャンゼリゼ劇場ライヴCD3枚組。メータ、ムーティ、小澤の個性よりも、VPOの音色の統一感が印象的。でも、3人の中でいちばん指揮者の音色に染まっているように感じたのは、ちょっと意外だが小澤さんブラームス2番。機能的に感じるVPOの演奏。

2010年10月11日(月)
久しぶりにクレーメル&マゼール/BPOチャイコフスキーVn協奏曲のCDを取り出した。レコ芸によれば現在廃盤とのこと。79年のデジタル初期の録音だが、クレーメルはこのころから凄かった。実は同時期に同コンビの現地ライヴがFMで放送され、さらに輪をかけて凄かったのを思い出した。

ヒラリー・ハーンチャイコフスキーVn協奏曲のCD。レコ芸8月号の吉田秀和さんの文章「何という俗気のなさ!」「バッハみたいなチャイコフスキー」さすが大家の文章は違う。ムター&カラヤンの同曲の演奏との比較も面白い。私もハーンの演奏の方が好き。

NHKでハリソン・フォードのメッセージVTRの前に、インディ・ジョーンズの音楽が少し流れた。この曲、結構好きで実はCDも3枚所有。演奏はカンゼル/シンシナティが断然面白く、次はサウンドトラック作曲者ジョン・ウィリアムズ自作自演(ボストン・ポップス)は意外と面白くない。

2010年10月08日(金)
国内盤は既発だが、輸入盤の発売を待っていたヒラリー・ハーンチャイコフスキーVn協奏曲のCDが届いた。今さら言うまでもないが、Vnの音色、ニュアンスの多彩なこと!上品に演奏されているが、心に響くように語りかけてくる音は途絶えることなく、一音一音が全て魅惑に満ちている。

2010年10月06日(水)
円高の恩恵の安値で入手したブーレーズリングワルキューレから聴き始めたが、まるでフランス音楽のような気品のある美しい演奏に驚く。当時、演出だけでなく演奏も賛否両論だったと読んだ気がするが、このワーグナーらしくない音のせい?この透明感のある音、私は好きだ。

2010年10月04日(月)
なんと、NAXOS MUSIC LIBRARYには、ミンコフスキ/ルーヴル宮音楽隊ハイドン交響曲も、ファイ/ハイデルベルク響のハイドン交響曲もある。どちらもCDが欲しかったけど我慢していた演奏。すごく得をした気分。

ブーレーズシマノフスキ、Vn協奏曲1番交響曲3番のCD。彼が振ると、どこのオケでもしっかりブーレーズの明晰な音がするが、それはウィーン・フィルでも同じ。それでも、どこかウィーン・フィルっぽい艶やかさを内在させているところが、この、ちょっと退廃的な印象もある曲に合っているかも。

2010年10月03日(日)
ヒラリー・ハーンのことは、最近まで「有名なヴァイオリニスト」程度の意識しかなかったが、たまたま、家にあったCDを聴き返してみて、すっかりハマってしまった。今さら「ヒラリー・ハーンってスゴイ」と言ったって、誰も感心してくれないのはわかっているけど、言わずにはいられない。

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10月に聴いたFM放送の感想

10月はあまりFM放送は聴きませんでしたが、Twitterでいくつかつぶやいたのでその内容をコピペしておきます。

2010年10月31日(日)
NHK-FMでクラリネットのジャック・ランスロの演奏が放送されているが、ゲストの横川晴児さんの話しによると、ランスロの録音はほとんどが一発勝負、録り直し無しだったとか。

2010年10月29日(金)
NHK-FMでミンコフスキハイドンを放送中。これ、テレビでもやったし、FMでも以前放送されなかったっけ?それはともかく、行きたかったけど都合がつかずにあきらめた演奏会をNHKが収録して繰り返し放送してくれるのは本当に嬉しい。

2010年10月24日(日)
NHK-FMで生中継のアーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスロ短調ミサ曲。アーノンクールの演奏とは相性が悪い私だが、この演奏は気持ちよく聴いた。会場も盛り上がっているようだが、あの巨大なNHKホールでどのように響いたのだろうか?

2010年10月21日(木)
今夜のNHK-FMはムーティ指揮、フランス国立管弦楽団。曲目はシャブリエ、ヒナステラ、ファリャ、ラヴェルとかだけど、意外に透明感のない音色に聞こえるのは、録音のせいか、シャンゼリゼ劇場の音響のせいか、それともムーティの豪腕のせい?

2010年10月20日(水)
NHK-FMで放送中のチョン・ミョンフン指揮、フランス放送フィル「ダフニスとクロエ」から「ラ・ヴァルス」へ。やっぱりライヴだと多少爆演傾向なのね。でも、東フィルを振ったときと違ってあまり荒々しくならず、美音を保った上での熱狂であるところが、やっぱりフランスのオケ。

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2010年10月23日 (土)

アルミンク/新日本フィル(2010/10/23)

2010年10月23日(土)18:00
すみだトリフォニーホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
新日本フィルハーモニー交響楽団
(第468回定期演奏会)
ピアノ:ペーター・レーゼル

リーム:変化 2(2005)(日本初演(2日目))
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
ベートーヴェン:ピアノソナタ第18番~第2楽章
(アンコール)
ベートーヴェン:交響曲第8番

7月の定期演奏会で、君子が野獣に豹変した…と思っていましたが、私が知らなかっただけで、実はアルミンクは熱演型の指揮者だったのでしょうか?
ベートーヴェンの正攻法で力強い堂々たる響きは、まるでコンツェルトハウスでウィーン交響楽団でも聴いているかのような気分。
改めてアルミンクさんがウィーンの人であることを再認識した感じ。
あの小さな印象の第8交響曲が、5番の交響曲のような迫力でした。

交響曲だけでなく、協奏曲でのオーケストラも凄かった。
第2楽章は短調の交響曲のような迫力。
終楽章も、たたみかけるような力強さでした。

この演奏会は、ラドゥ・ルプーさんの独奏が予定されていましたが、キャンセル。
それ自体は非常に残念なことですが、ずっと「聴きたい」と思っていたペーター・レーゼルさんの生演奏が聴けて、私は「結果オーライ」でした。
第4協奏曲ってこんなに良い曲だったんだと再認識…今日は“再認識”が多いですが…再認識させてくれた演奏でした。
決して無理をしない。
力まない。
それなのに、出てくる音はひ弱ではなく、チャーミングな表情。
外見上は丹精込めて弾いている努力の素振りも見せずにさらりと弾いているようでいて、本当に味わい深いベートーヴェンでした。
第1楽章のカデンツァでは、心底「レーゼルさんの弾くソナタも聴きたいっ!」と思いました。
なんとその願いは直後のアンコールでかないました。
小さなソナタのひとつの楽章だけとは言え、幸せいっぱいの数分間でした。

最初に演奏されたリームの作品も、そのときはなかなか興味深く聴きましたが、終わってみれば、ベートーヴェン3曲の印象が思い出となった演奏会でした。
Photo

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2010年10月18日 (月)

クレー/都響(2010/10/18)

2010年10月18日(月)19:00
東京文化会館

指揮:ベルンハルト・クレー
東京都交響楽団
(第704回定期演奏会Aシリーズ)
ヴァイオリン:ラファエル・オレグ

R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番
モーツァルト:交響曲第31番「パリ」
R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」

私はあまりリヒャルト・シュトラウスの音楽は好みではないのですが、この日は楽しく聴けました。
冒頭の「ドン・ファン」。
最後の「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
いずれも、表情豊かで生き生きとした音が躍動する快感。
コンサートマスターの矢部さんのソロは言うまでもなく、木管奏者の方々のソロの雄弁なこと!
いずれの曲も、コンサートでメインの曲にはならない演目ですが、都響の定期演奏会で演奏されるとなると、力の入り具合が違います。
残響の少ない東京文化会館の音響の中、クリアで分離の良い音はハンディをほとんど感じませんでした。
これらの壮大な音のドラマ、映画のサウンドトラックなどではなく、れっきとした交響詩であるという、当たり前のことを再確認しました。

ただ、間に挟まれたモーツァルトでは、やはりこのデッドな音響が少々恨めしくなりました。
「ドン・ファン」の演奏が終わった後、舞台上では延々と配置転換。
その後に奏でられたヴァイオリン協奏曲では、一瞬、頼りなく感じるほどの音量。
ソリストのオレグさんは、この音響の中、よく頑張ったと思います。
音が丸裸になるような環境で、美しい音色を保ち続け、魅惑的でした。

休憩後のパリ交響曲では、ティンパニは小型(古型?)で甲高い打撃音を響かせていたものの、オーケストラ全体で奏でられたのは、往年の名匠風のモーツァルト。
ゆったりとしたテンポでも間延びした印象はなく、一歩一歩着実に積み上げた感じの演奏でした。

パリ交響曲の後の舞台上では、また延々と配置転換。
指揮台の高さの調整も。
苦労して配置転換したパズルを最初の状態に戻した感じ。
モーツァルトをリヒャルト・シュトラウスでサンドイッチにするという曲順は、何か意味があるのかもしれませんが、素人の観客の視点では、待ち時間が少々長く感じた舞台でもありました。

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2010年10月16日 (土)

スクロヴァチェフスキ/読響(2010/10/16)

2010年10月16日(土)18:00
サントリーホール

指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
読売日本交響楽団
(第497回定期演奏会)

シューベルト:交響曲第7番「未完成」
ブルックナー:交響曲第7番

地の底から響いてくるような「未完成」が始まったとき、「これは凄いことになるかも」と思いました。
音楽が進み、地底から沸き上がるように高揚していったときも、傷一つ無い光沢面のようなサウンドに、なかば唖然として身を任せていました。

スクロヴァチェフスキさんの常任指揮者最後の演奏会から、まだ半年くらいしかたっていないので、退任された現・桂冠名所指揮者と言うよりは、名コンビ健在といった印象もあります。
御高齢にもかかわらず、背筋を伸ばして起立し、2曲とも暗譜での指揮。
入退場の足元は若干、以前より衰えつつあるようにも見えましたが、それでもまだまだお元気の様子。
指揮の動作もきびきびとしている姿が健在です。

それでも、「少し丸くなったかな」という印象もありました。
以前のような鋭いアタックが少なくなった感じ。
ただし、スクロヴァチェフスキさんのサウンドの印象は、私の場合、聴くホールや席の場所による音響の違いで結構異なるので、一概に決めつけるべきではないかもしれません。
ブルックナーに進むと、ホールの中は、天から降り注ぐような神々しい音響空間。
この日の聴衆は、ほとんどがスクロヴァチェフスキさんの信者でしょう。
信者の集会は、異様とも思えるくらいの集中力で、静寂の中に響く壮大な音楽に体を委ねていました。
事前に「指揮者がタクトを下ろすまで、拍手はお控え下さい」とのアナウンスがながれたこともありますが、曲の最後も、残響が消え去るまで静寂が守られました。

この日の読響の弦の音色は素晴らしかった。
それに対して、金管の音色には、特にブルックナーの後半の方で「疲れたのかな」と思うような場面が少なからずありました。
でも、この日は、スクロヴァチェフスキさんの信者の集会ですから、「気がつかなかったことにしよう」と頭の中でエラー訂正プログラムを働かせて、幸福感に包まれながら全曲を聴くことが出来ました。

スクロヴァチェフスキさんの指揮は、8番のときもそうでしたが、この日の7番でも、最後はあまりもったいぶらずに、さらりと終わらせました。
「終わった~!」というよりも、最初に戻ってまた演奏を始めても違和感がないくらいあっさりしていますが、それが永遠に続くような長大なブルックナーには、意外とふさわしいかもしれません。
もっとも、この日は、その永遠に続くような曲が、あっという間に終わったような感覚の集中力で聴くことが出来ました。

終演後は恒例の指揮者のソロ・カーテンコール。
次回の予定は2012年3月とかなり先ですので、御高齢でもあり多少心配ですが、お元気な姿に再会できることを心待ちにしたいと思います。

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2010年10月 9日 (土)

秋山和慶/東響(2010/10/9)

2010年10月9日(土)18:00
サントリーホール

指揮:秋山和慶
東京交響楽団
(第582回定期演奏会)
ピアノ:伊藤 恵

モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

スダーン&東響のコンビの相性の良さはもちろん素晴らしいです。
しかし、長年コンビを組んだ秋山&東響のコンビだってまだ健在です。
いわば、ふだんはお父さんが指揮しているけど、今日はお爺さんが指揮をしているようなものです。
最近は、秋山さんの定期演奏会への登場回数は減っていますので、貴重な機会でした。

秋山さんのモーツァルトは、ピリオド風ではありません。
だからといって物足りなく感じるところは一切無く、なんともみずみずしい響きがホールに香ります。
たっぷり果汁を含んだ果肉のような弦楽器の響きが魅惑的。
私の聴いたのは、ピアノの音は「反対側」に近い場所だったので、この日の伊藤恵さんの演奏についてあまり述べる立場にありませんが、個人的には、秋山さんの紡ぎ出すオケの音に酔ったモーツァルトでした。

後半のブルックナーになると、その“果汁たっぷり”の弦の響きに、ちりひとつなく磨き上げられた黄金のような金管の響きがブレンドされ、ホールの中は至福の音響空間。
そびえ立つようでもあり、深みを感じるようでもあり、秋山さんの円熟の境地。

秋山和慶さんは、私が高校生だった頃にハガキを出して頂いた招待券で東響定期を聴いて大感激して以来のファンです。
あのとき秋山さんのチャイコフスキー:交響曲第4番を聴いたから、今の私のライフスタイルがあると言ってもいいくらいです。

冒頭に書いたように、秋山さんが東響主催公演を振る回数は減っており、来シーズンは2012年3月の1回のみ。
それ以外でも、2012年1月のオペラシティ・シリーズ1回、2011年末の「第九と四季」、2012年の「ニューイヤーコンサート」。
それから、ミューザ主催の2011年6月の川崎名曲が1回です。
東響以外の在京オケの定期では、読響が2011年12月に招聘。
私にとって、秋山さんは、今も昔も、聴き逃すことの出来ない指揮者です。

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2010年10月 2日 (土)

新国立劇場「アラベッラ」(2010/10/2)

2010年10月2日(土)14:00
新国立劇場

R.シュトラウス:アラベッラ

シーズン開幕の新制作。
よく雑誌などで外国の歌劇場のシーズン初日の華やかな様子などを写真で見ますが、そのようなゴージャスな雰囲気はないものの、それでも開演前の会場は、いつもよりテンションが高いように感じます。
上演終了後、カーテンコールで演出家(この日は衣装デザイナーも)が出てくるのも良いですね。

記憶の範囲では、私は初日を見るのは初めてです。
普段は、上演回数を重ねて、オーケストラの音などが練れてきた、後の方の上演日を選んでいました。
そういうわけで、オーケストラの音色に、音量が大きく複雑に音が絡み合う場面などで、少し音が整理されていないように感じるときもありました。
おそらく上演を重ねていけば、後半の上演日ではさらに洗練されていくことでしょう。

個人的にリヒャルト・シュトラウスは、とらえどころが難しい作曲家です。
音が騒々しく鳴る場面、高らかに鳴り響く場面、古き良き時代を思い起こすようなひたすら優美な場面。
まあ、その、どれもがリヒャルト・シュトラウスの個性の一面なのでしょう。

過去に経験したいくつかの上演では、結構、汚いくらいに強く鳴り響かせたものもありました。(ペーター・シュナイダーさんの「ばらの騎士」「エレクトラ」など)
この日の、部分的に騒々しく鳴っているように感じたオーケストラの音色も、指揮のシルマーさんが求めたものなのか、東フィルの音が練れていないせいなのか、判然としませんでした。

反面、しっとりと耽美的に奏でられるところは、本当にうっとりとするようなひとときでした。
このオペラは、第2の「ばらの騎士」という形容もあるようですが、確かにそんな雰囲気も感じます。
大騒ぎの後、静かに美しい空間が、永遠に続くかのように流れていくところなど、そっくりかも。
今シーズンは、アルミンクさんの指揮する新日本フィルがピットに入る「ばらの騎士」もあります。
都合がつけば、オケの音色も聴き比べてみたいと思います。

歌手陣では、主役アラベッラを歌ったミヒャエラ・カウネさんが好演。
マンドリカ役のトーマス・ヨハネス・マイヤーさんは、悪くはありませんでしたが、「ヴォツエック」で主役を歌ったときのような凄みは感じられませんでした。

新国立劇場は、今シーズンから少し席割が変わり、D席は4階両脇のみとなりました。
早い話し、値上げですが、需給関係と経済合理性を考えれば、致し方ありません。

もうひとつ変わったことがあって、4階2列にはクッションが付属しました。
お尻の下に敷いても良いし、背中に当てても良いそうです。
これは、2列目だけ前列との段差が小さく、舞台が見にくいため、それを緩和するためのものとの説明書きがありました。
座りごこちは微妙で、敷いて長く座っていると腰に負担がかかる感じがします。
私は、第3幕からは、背中に当てて鑑賞しました。

スタッフ
【指揮】ウルフ・シルマー
【演出・美術・照明】フィリップ・アルロー
【衣裳】森英恵

キャスト
【ヴァルトナー伯爵】妻屋秀和
【アデライデ】竹本節子
【アラベッラ】ミヒャエラ・カウネ
【ズデンカ】アグネーテ・ムンク・ラスムッセン
【マンドリカ】トーマス・ヨハネス・マイヤー
【マッテオ】オリヴァー・リンゲルハーン
【エレメル伯爵】望月哲也
【ドミニク伯爵】萩原 潤
【ラモラル伯爵】初鹿野 剛
【フィアッカミッリ】天羽明惠
【カルタ占い】与田朝子

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団


20101002

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2010年10月 1日 (金)

鈴木雅明/東京シティ・フィル(2010/10/1)

2010年10月1日(金)19:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:鈴木雅明
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(第242回定期演奏会)

モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」
マーラー:交響曲第1番「巨人」

「目が覚めるような」というのは、こういう演奏のことを言うのでしょう。
叩きつけるような鋭いアタックで始まったモーツァルト。
今風の、正真正銘の古楽風の、速いテンポとティンパニ強打。
あの東京シティ・フィルが、飯守泰次郎さんが振ったときとは全く違う音色に染められました。

鈴木雅明さんがこのオケを振るのを聴くのは3回目。
1回目(2006年11月2日)はモーツァルト止まりでしたが、2回目(2009年3月19日)はメンデルスゾーンまで。そして今回はなんとマーラーまで到達しました。

対向配置で演奏されたモーツァルトに対して、マーラーは通常のコントラバスが上手側にくる配置。
別に古楽風のマーラーではありませんが、音色はクリアーで、明晰。
感情移入をせず「ただ音にしただけ」のような演奏なのに、その音が雄弁に語りかけてくるよう。
どろどろしたところのないにもかかわらず、激しさはある。
計算され尽くした熱狂なのか、無我夢中で到達した熱狂なのか。
ブーレーズ指揮/クリーブランド管弦楽団の演奏の音色を連想させる場面も多々ありました。

もちろん、多勢のエキストラを迎えた東京シティ・フィルの演奏に、技術的なアラや、ソロの音色の濁りなどを探せば、きりがありません。
でも、そんなあら探しをして聴いても楽しくありません。
この日、私は、勢いよく流れていく音楽に身をゆだね、酔ったように楽しませていただきました。

音色は少し重心の軽い軽快な面もありましたが、鈴木雅明さんの指揮の身振りは、本当に流麗な美しさでした。

終演後のロビーは、笑顔、笑顔、笑顔。
興奮させられた演奏の後の聴衆は、みな顔が輝いています。

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