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2010年11月29日 (月)

カンブルラン/読響(2010/11/29)

2010年11月29日(月)19:00
サントリーホール

指揮:シルヴァン・カンブルラン
読売日本交響楽団

(第498回定期演奏会)
ヴァイオリン:ヴィヴィアン・ハーグナー

《3つの〈ペレアスとメリザンド〉》
ドビュッシー(コンスタン編曲):
                       「ペレアスとメリザンド」交響曲
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲

《マーラー・イヤー・プログラム》
マーラー(ブリテン編曲):野の花々が私に語ること
                            (原曲:交響曲第3番第2楽章)
シューマン:交響曲第4番(第1稿)

演奏会の最初から最後まで、不思議な音の世界。
何とも言えない色彩感を音色に感じながら聴いていました。

最初の「ペレアスとメリザンド」交響曲は、交響曲と言うよりは交響詩のイメージ。
原曲の歌劇「ペレアスとメリザンド」は、演奏会形式で全曲を聴いたことがありますが、この短く編纂された曲でも、あのオペラの、なんとも形容しがたい世界を垣間見ることは出来ました。
3つの〈ペレアスとメリザンド〉という副題は、4月のシェーンベルク、7月のフォーレと合わせてのツィクルス。
1回の演奏会における選曲の妙と、シーズンを通しての選曲の妙。
3回全てを聴けたわけではありませんが、知的好奇心の充足感を与えてくれる曲目でした。

次のコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲も、現代風でもあり、ロマン的でもある、一風変わった音の世界。
私は、昔は、作曲家のプロフィールなどから「所詮、映画音楽」という先入観を持っていました。
しかし、聴く回数を重ねるにつれて、ヴァイオリン協奏曲としての魅力を感じるようになってきました。
この日のソリストのハーグナーさんは、情感たっぷりに楽器をかき鳴らし、技巧と叙情性をたっぷり堪能させてくれました。

後半でも、シューマンの交響曲第4番の初稿は、聴き慣れた“普通の”改訂版とは違う場面が神出鬼没に顔を出す、不思議な音の世界。
カンブルランさんの指揮の動作は力強いものの、出てくる音はエッジを削り落としたような滑らかな演奏。
あえて音を整理せず、混沌としたまま鳴らしたような印象もあり、その響きがまた不思議な音の世界。
マーラー版ではないのに「シューマンの交響曲って、マーラーに通じる面があるかも」と思いながら聴いていました。

そして、そのシューマンの前に演奏されたのは、ブリテン編のマーラーの曲。
カンブルランさんがそこまで意図したかどうかは定かではありません。
私の深読みのしすぎかもしれません。
でも、こうして4曲を一晩の演奏会で聴いてみると、全く生い立ちの異なるこれらの曲が、妙に符合して統一感を持って聞こえてくるから不思議。
繰り返しになりますが、選曲の妙だと思います。

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