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2011年1月 4日 (火)

新国立劇場「トリスタンとイゾルデ」(2011/1/4)

2011年1月4日(火)14:00
新国立劇場オペラパレス

ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」

シーズン中に同一演目を2回鑑賞するのは、新国立劇場では初めての経験です。
オケの音は初日よりもかなり練れてきている印象。
この日の東フィルは、まるでチューリッヒ歌劇場のオケのようでした。
初日だって十分に良かったと思いますが、今日はその上を行く十二分の出来。
歌手も含めて緊迫感は初日の方があったような気もしますが、細部の完成度や余裕度は、回を重ねたこの日の方が素晴らしかったと思いました。
初日の歌手、特にトリスタン役のグールドさんの神がかったような歌唱は、この日の余裕を持った歌唱では見られませんでしたが、それでも十分。
ブランゲーネ役のツィトコーワさんは、この日の方が迫力があったように感じました。
もっとも、それは聴く側の思い入れ、あるいは席の違いによるものかもしれません。

この日はオーケストラピットの中を見るために奮発して2階サイドの座に座りました。
しかし、意に反して、数列前の人の頭がちょうど私の視線の先の指揮者の位置をさえぎり、大野さんの姿はときどきしか見えず、残念。
でも、その前の人の頭の陰からときどき見える大野さんの棒は、常に振りっぱなしではなく、まさに緩急自在の印象。
でも、軽く振っているだけのときも、オケは素晴らしい美音を奏でる。
そして、ここぞというところでの手の動きは、まるで千手観音のよう。
微弱音も雑にならず、まさに陶酔のひとときでした。

ただ、第1幕で、船が接岸するときに、ベリベリッと音を立てたのは初日はなかったように記憶しています。

あと、第3幕で、オーケストラピットの中で何かあったようで、オケのメンバーが出たり入ったり。
ネット上の情報では、奏者の一人が失神されたとの噂も。
そんな出来事があって聴き手は多少集中力がそがれましたが、さすがにプロ集団だけあって、音楽の方は全く弛緩することなく進んだように思います。

「新国立のオペラは、初日よりも、回を重ねた後の方が、特にオケの音の完成度が高まる」という噂を聞いたことがあります。
常にそうかどうかはわかりませんが、少なくとも今回の私の聴き比べに限っては、初日より3回目のこの日の方が上。
カーテンコールの回数も初日より多いし、会場の沸き具合もしかり。
残りの公演のチケットは持っていないので確かめようもありませんが、きっと素晴らしい上演になるでしょう。

なお、この日の公演は、皇太子殿下が御来場になりました。
開演前に場内アナウンスがあり、御入場の際には客席が明るく照らされ、2階R1列のあたりに陣取った報道カメラマンからフラッシュの光。
ちなみに皇太子殿下が座られたのは1階中央通路の後方。
両脇を理事長とオペラ監督がエスコート。
ネットニュースなどの写真を拝見すると、かなりの距離があるところから撮ったとは思えない写真。さすがはプロのカメラマンと感心。
デジカメでフラッシュをたく素人とはエライ違いです。

スタッフ
【指揮】大野和士
【演出】デイヴィッド・マクヴィカー
【美術・衣裳】ロバート・ジョーンズ
【照明】ポール・コンスタブル
【振付】アンドリュー・ジョージ

キャスト
【トリスタン】ステファン・グールド
【マルケ王】ギド・イェンティンス
【イゾルデ】イレーネ・テオリン
【クルヴェナール】ユッカ・ラジライネン
【メロート】星野淳
【ブランゲーネ】エレナ・ツィトコーワ
【牧童】望月哲也
【舵取り】成田博之
【若い船乗りの声】吉田浩之

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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