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2011年3月 5日 (土)

藤原歌劇団「ルチア」(2011/3/5)

2011年3月5日(土)15:00
東京文化会館大ホール

藤原歌劇団公演
ドニゼッティ:ルチア

2011都民芸術フェスティバル参加公演

この日は、いくつかの障害を乗り越えて最後まで聴くことがで、「聴いて良かった、最後まで居て良かった」と気分良く会場を後にすることが出来ました。

指揮の園田隆一郎さんが素晴らしい!
冒頭の「この先、どうなることか」と不安になったピットの東フィルの、硬い、溶け合わないサウンドを少しずつ解きほぐし、中盤にさしかかる頃にはイタリア・オペラを“聴く”喜びを十分に感じさせてくれる展開に。
最初の方では「休憩時間に帰ろうかなぁ」とすら思った気持ちを押しとどめさせてくれたのは、園田隆一郎さんの棒でした。
アンサンブルを立て直した後は、雄弁な“伴奏”。
かなり鳴らしていても、決して声の邪魔をせず、かき消すこともなく、見事なバランス感覚を示したように感じました。

歌手で迫力と伸びのある声を響かせてたのは、エドガルド役の村上敏明さんとエンリーコ役の谷友博さん。
コーラスも、指揮の棒に乗って、艶のある表情豊かなハーモニーを響かせていたように思います。

事前のセールスポイントは佐藤美枝子さんのルチア。
「さすがに狂乱の場は可憐な声を駆使した技巧を堪能させてくれたけど。」
「後半の狂乱の場に備えて前半はセーブしていたのかなぁ…。」
「(前半は)寄り添う、あるいは周りを囲む男性歌手陣の迫力の方が、まさっていた印象。」
などとツィッターでつぶやいたら、すかさず“識者”の方から理路整然とした反論が返ってきて、恐縮してしまいました。
いわく
> ベルカントは型、です。
> 今日の歌手で型がきちんとしていたのは佐藤さん。
> 男声は残念ながら。ただ響かせればいい、というものではないと思います。
とのことです。
私は遠い5階席からの鑑賞でしたので、的はずれな感想を申し上げたかもしれません。

でも、あくまでも私個人の感想としてですが、狂乱の場の佐藤美枝子さんのルチアは十分に素晴らしかったし、型にはまっていなかったのかどうかは素人の私にはわかりませんが、エドガルド役の村上敏明さんとエンリーコ役の谷友博さんの声も、私は大いに楽しませていただきました。
音楽面では、冒頭からの“しばらくのあいだ”があったものの、とりあえず「素晴らしかった」と言いたいと思います。

懸念事項は演出でした。
演出の意図は不勉強な私には定かではありませんが、動きにとぼしく感じられる舞台は、まるでニューイヤー・オペラ・コンサートのよう。
簡素なセットはともかく、歌手がひとつ動くたびに動きを止めて歌い、また動いては止まって歌い…という、カク、カク、カク…という動作は、私は違和感を感じました。
もっとも、コンヴィチュニー演出のめちゃくちゃ動きの多いはちゃめちゃな「サロメ」を観た直後だから、余計にそう感じたのかもしれませんが…。

そうそう、「サロメ」で思い出しましたが、この日「ルチア」は、僅かの空席はあったものの、満席に近い入り。
先日の「サロメ」(私が鑑賞したのは最終日)で空席が目立ったのとは対照的。
チケットの価格、公演回数、その他、様々な要因があるとは思いますが、とりあえず(マナーの良い)お客さんが多いにこしたことはありません。

なお、この日の朝、起床したときは、前日までの仕事の疲労が抜けきれていなくて「今日は安いチケットだし、やめておこう」と思いました。
体調が悪いときは無理しない方が良いことは経験済み。
それでも、治療院でマッサージを受けて体調が回復したので、思い直して会場に向かいました。

それ以前に。この日のチケットを買ったのは、第3の選択肢。
ユジャ・ワンさんのピアノ・リサイタル(夜)は完売で買えなかったし、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(ネット上で大評判です)は、一瞬、躊躇しているうちに、私が買えるような安い方の券はなくなってしまって…という消去法。
でも結果オーライでした。

公演監督:岡山廣幸
指揮:園田隆一郎
演出:岩田達宗

キャスト
ルチア:佐藤美枝子
エドガルド:村上敏明
エンリーコ:谷友博
ライモンド:彭康亮
アルトゥーロ:川久保博史
アリーサ:牧野真由美
ノルマンノ:所谷直生

合唱:藤原歌劇団合唱部
東京フィルハーモニー交響楽団

20110305

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