金聖響/神奈川フィル(2011/4/29)
2011年4月29日(金・祝)14:00
昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ
指揮:金聖響
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
(川崎・しんゆり芸術祭 - アルテリッカしんゆり
オープニングコンサート)
ピアノ:小山実稚恵
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
この1367席のホールは、私は2回目ですが、こじんまりとした雰囲気の良い空間です。
被災したミューザ川崎の代替で東響川崎定期の会場にもなっています。
基本的に“劇場”なので、コンサートホールに比べるとやや残響は少なめかもしれませんが、席によって変わるかもしれないので、断言は出来ません。
2階席、3階席が馬蹄形にならんではいますが、ホール自体の形状は、シューボックスに近いと思います。
よそ者の私がもぐりこんだ、地元の皆さんのための川崎・しんゆり芸術祭 - アルテリッカしんゆり。
クラシックだけでなく、落語あり、ジャズあり、そして小川典子さんのピアノ・リサイタルに、最後は藤原歌劇団の「ルチア」と多岐に渡るラインナップ。
私はさすがにこの日のオープニング・コンサート1回だけの鑑賞ですが、この劇場でオペラを聴いたら、本当に素晴らしそうです。
ただ、この日は、開演に先立って、オープニングセレモニーとして、実行委員長と川崎市長の挨拶が始まり、さらには、司会者が、市会議員、地元選出の衆議院議員も来場していると紹介。
川崎に避難している被災者を招待しているとも。
その間10分ほど。
会場からはさかんに拍手が起きていましたが、よそ者の私にとっては「音楽会に来た」という気分を少し損ねたことは偽らざる心境です。
それはともかく、音楽自体は力のこもった、心躍らされるような演奏でした。
金聖響さんのベートーヴェンは、完全なるピリオド奏法ではないと思いますが、メリハリをつけて金管が強奏し、ティンパニが強打する気持ちの良い演奏。
遠目だったので定かではありませんが、バロック・ティンパニが使用されていたかも。
第1ヴァイオリンが10人という小編成で、ホルンも3人。
金聖響さんの指揮は、全身と、細かく激しい腕さばきで、力強く推進力のある音楽を表現していました。
それにしても神奈川フィル、先日のマーラーの7番のときにも感じましたが、以前に比べてずいぶんうまくなった気がします。
木管のフレーズなど、以前とは格段の違い。
シュナイトさんの遅めのテンポよりも、金聖響さんのきびきびとした音楽の方が、神奈川フィルには合っているのかな?
前半の小山実稚惠さん独奏の「皇帝」は、個人的な体調の問題で、私は眠気との戦いだったのでコメントする資格はありません。
3階サイドのバルコニー席だったせいか、ピアノの音がややきつめに聞こえました。
もちろん、違う席で聴いたら、違う印象だった可能性も十分にあります。
それから今日の神奈川フィルのコンサートマスターは、石田さんではありませんでした。
遠目からも大工の棟梁みたいに見える雰囲気は「都響の山本さん?」と思っていたら、やはり、山本友重さんとのことでした。
しかも、神奈川フィル主席チェロの山本裕康さんの弟さんとのこと。
お二人が御兄弟とは存じ上げませんでした。
いつか、兄弟共演でブラームスの二重協奏曲を聴いてみたいものです。
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