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2011年7月18日 (月)

アルミンク/新日本フィル(2011/7/18)

2011年7月18日(祝・月)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第480回定期演奏会)

ワーグナー作曲:トリスタンとイゾルデ(コンサート・オペラ)

舞台後方にパイプオルガンを覆い隠す巨大なスクリーン。
その前(オケ後方)と、木管の前(弦の後方)、そしてオケの前(舞台の客席寄り)の3列に、歌手が歩く通路。
舞台の両サイドの3階バルコニー席はパイプオルガン側の座席が撤去されており、歌手・合唱、独奏はそこにも現れる。
2階バルコニー席の先端には、歌手が指揮を見るためのモニター画面も取り付けられていました。
演出効果のため、オケが弾く舞台の床は黒色。
指揮者の譜面にライトがついていないと思ったら、天井のほぼ真上から指揮者を照らすスポットライト。
アルミンクさんのスタイリッシュな指揮姿が浮かび上がりきれいでした。

歌手はイゾルデが圧倒的。
第1幕の怒りはたじろぐくらいの剣幕。
表情からして完全になりきっている。
ネット上の情報では、音程が今ひとつ、叫び過ぎ、イゾルデ向きでない、など、どちらかというとネガティブな感想が多い感じですが、私は、そのフルボリュームの声を楽しませてもらいました。
そのイゾルデをなだめるブランゲーネも負けていない。
藤村実穂子さん、バイロイトの常連であるだけでなく、ティーレマン/ウィーン・フィルの第九のソリストに迎えられる人です。
私はドイツ語のことはよくわかりませんが、くっきりと発音されていて美しいと思いました。

アルミンクの指揮するオケも表情豊かにドラマを奏でる。
アルミンクらしい明晰な音だが軽くはありません。
第2幕終了時に、ブラボーに混じってブーイングも出ましたが、まあ、認めない人は、受け入れられないでしょうね。
私はこういうサウンドも結構好きですが…。

第1幕のハイテンションに比べると、第2幕のイゾルデはおとなしめ?
もっとも、夜の場面ですからね。
第2幕で印象的だったのはマルケ王の、声が震えんばかりの深い苦悩と悲しみ。
これも、ネット上での評判は今ひとつでしたが、まあ、こういうのもありだと私は思いました。

演出は「???」
最後のメロートの剣を受けるとき、2人の間隔は5~6m。
真ん中の通路の必要性が、私には今ひとつわからなかったです
。あれだって作ればお金はかかりますし…。

スクリーンに映写されるCGはイメージを想起させるような少し抽象化した画像ですが、私は音楽を邪魔しない効果を好意的に見ていました。
もっとも去年の「ペレアスとメリザンド」で見たような画像の使い回しがあったような気もしないではありません。
第3幕の惑星(地球?)CGは、私には意味不明でした。

第3幕開演のチャイムがなった後、誤操作か、ホール内の照明が急に全て消えて、真っ暗になるハプニング。
一瞬、東京電力の大規模停電か?という考えも頭をよぎりました。
指揮者を映すモニターはついていたので、すぐに「違う」とわかりましたが…。

改めて、第3幕の開始は暗転した中で、指揮者とトリスタンがそ~っと登場し、明かりがついたときには、トリスタンは横たわっており、アルミンクさんは指揮台に立っていました。
第3幕は再び緊迫感ある舞台。
イゾルデの力強い声。
最後の音が消え、暗転し、数秒の静寂の後の大歓声。
藤村実穂子さんと石野繁生さんへのブラボーが、ひときわ大きかったようです。

歌手が目立つのはオペラだから当然ですが、新日本フィルの好演も素晴らしかったと思います。
そして、奏者だけでなく、経済的にも相当大変だったと想像される企画を実現させたスタッフの皆さんにも拍手を贈りたい気分。
新日本フィルにとって、新国立にお呼ばれして「ばらの騎士」のピットに入るのと、主催公演(定期)で「トリスタンとイゾルデ」をやるのとでは、演奏の大変さの違いはさておき、経済的な大変さの違いは、想像するだけで頭が下がる思いです。

演出:田尾下哲
トリスタン:リチャード・デッカー
マルケ王:ビャーニ・トール・クリスティンソン
イゾルデ:エヴァ・ヨハンソン
クルヴェナル:石野繁生
メロート:桝貴志
ブランゲーネ:藤村実穂子
牧童、若い船乗りの声:与儀巧
舵取り:吉川健一
合唱:栗友会合唱団
合唱指揮:栗山文昭

20110718


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