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2011年7月の15件の記事

2011年7月30日 (土)

大野和士/群響(2011/7/30)

2011年7月30日(土)18:45
ベイシア文化ホール(群馬県民会館)

指揮:大野和士
群馬交響楽団

(第474回定期演奏会)
ヴァイオリン:渡辺玲子


西村朗:「桜人(さくらびと)」~オーケストラのための
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:交響曲第4番

夏休み3日目。
会場のベイシア文化ホール(群馬県民会館)は、約2000人収容。
事前情報で音響はいまひとつと聞いていましたが、やはりこの空間を音で埋めるのは苦しそう。
私は先日の群馬音楽センター同様、やや前方の壁に近い側の席を買い、直接音プラス壁からの反射音を狙いにいったのですが結果はいまひとつ。
群馬音楽センターのドライな音に比べれば潤いのある音ですが残響感もかなり乏しく、迫力もいまひとつ。
うーーーーん、演奏は十分に良かったとは思いますが…。

西村朗さんの曲は、私にはよくわからないのでノーコメント。
会場は、演奏終了後に舞台に呼ばれた西村さんには暖かい拍手(N響アワー効果?)。
休憩時間はロビーで西村さんの前にサインをもらう人だかりができていました。

渡辺玲子さんのブリテンの協奏曲は、素晴らしく良かったです。
2日前の新日本フィル定期で、イザベル・ファウストさんの独奏で凄い演奏を聴いたばかりですが渡辺さんも負けていません。
演奏のから受ける印象は少し違っていて、渡辺さんの豊に鳴らす音の方が、少しおおらかかもしれません。
渡辺さんの演奏に限っては、ホールの音響のハンディはあまり感じずに聴けました。
渡辺さんも譜面を置いての演奏でしたが、譜面台からは結構離れて立ち、あまり目をやらず、完全に手の内に入っている印象でした。
このの曲は、つい一週間前まで私にとって「あ、予習しなきゃ…」という曲でしたが、今ではすっかり大好きな曲になりました。
(予習に聴いたジャニーヌ・ヤンセンさんののCDの演奏も良かったですし。)

後半のブラームスの交響曲第4番は、弦楽器のニュアンスに魅了されました。
憂いを帯びた第1、第2楽章、弾むような第3楽章、…。
しかし、やっぱり、この約2000人収容の大ホールではなく、翌日の太田市の中規模なホールで聴けば良かった…という思いは拭い去れませんでした。

私は大野和士さんをそれほど多く聴き続けているわけではないので、もしかしたら間違っているかもしれませんが、以前(たとえば新国立の「トリスタン」のときや、ずいぶん前に聴いた東京フィルのとき)よりも、少し動きの激しさが少なめになっていたような印象が…。
私が1月のキャンセルで先入観を持っているせいかもしれませんが…。
もちろんそれがマイナスには働いていませんし、むしろ力みが消えて、よりしなやかになっている様子です。

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2011年7月29日 (金)

鈴木秀美/名フィル(2011/7/29)

2011年7月29日(金)18:45
三井住友海上しらかわホール

指揮:鈴木秀美
名古屋フィルハーモニー交響楽団

(しらかわシリーズVol.17)

<シューベルト・ツィクルス I >
シューベルト:歌劇「サラマンカの友人たち」序曲
シューベルト:交響曲第1番
シューベルト:交響曲第8番「グレイト」

夏休み2日目。
山形交響楽団に続いて、鈴木秀美さんを追いかけて名古屋へ日帰り遠征。
某外来オケの高額チケットに投資しなかったお金をJR各社に納める旅、第2弾です。
ちなみに私は、今回が生涯初の名古屋駅下車でした。

シューベルトの第1番は山形交響楽団定期でも聴いた曲。
古楽系のサウンドですが、ホールの音響のせいか、名フィルのアンサンブルのせいか、山響よりまろやかな響きに感じます。
しかし奏者が手を抜いているわけではなく、目で見ている限りは、ノン・ヴィブラートはむしろ徹底されている様子。
名フィルの方が良い意味で音が大人と言うか、良いときの都響のように、渾身の力演でも音が荒れず、高いレベルでアンサンブルが整っている感じ。
山響の勢いを感じる演奏も良かったですし、甲乙つけがたい。
終楽章が終わった後、山響のときと同様に、楽員さんたちは「すごかったねー」というような表情でニコニコされていました。

後半のグレイトは、曲が曲だけにさらにスケールが大きく、空間を満たすような演奏。
全奏者が半狂乱に近い動きで引っかき回すように弾いているのに美しいハーモニーが維持されていた驚嘆です。
「こんな音を引き出すことが出せれば、そりゃ、指揮したくなるだろうなぁ…。」と、山形交響楽団のときと同じことを考えました。

この公演は、しらかわシリーズという名古屋フィルの主催公演。
ホールは約700席。
シューベルト・ツィクルスと題されていますが、毎回鈴木秀美さんが振るわけではなく、次回は1月にライナー・ホーネックさん指揮するとのことです。

当初の予想より30分早い新幹線に乗れたので、日付が変わる前に家に着くことができました。

20110729

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2011年7月28日 (木)

アルミンク/新日フィル(2011/7/28)

2011年7月28日(木)19:15
サントリーホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第481回定期演奏会)
ヴァイオリン:イザベル・ファウスト


ウォルトン:ヒンデミットの主題による変奏曲
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
J.S.バッハ:ソナタ第3番~第3楽章
(アンコール)
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容

イザベル・ファウストさんの感情移入したブリテンの協奏曲が秀逸。
譜面を置いての演奏ですが、消化不良な印象は皆無です。
第2楽章の長大なカデンツァは恐ろしいまでの集中力。
曲が静かに終わり、音が消えた後、10秒が、20秒か、…拍手までの長い静寂。
会場全体が音に集中していました。
新日本フィルも、ファウストさんの音に敏感に反応し、好サポートでした。

その前のウォルトンのヒンデミットの主題による変奏曲と言う曲は、私は感想が書けるほど曲を聴き込んでいないのですが、もう少し潤いが欲しいような、ちょっと整理されていないような…。
単に私が曲に親しんでいないだけかもしれませんが(でも、それはブリテンの協奏曲も大同小異なんですよね)ちょっとだけもどかしさが残りました。。

休憩後のヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変容では、ウォルトンで感じたような印象は無く、ニュアンス豊かな響きを堪能しました。
白熱し、高揚していく体感は、ラヴェルのボレロを聴いたときに通じるものがあったかもしれません。
この曲でも最後は残響が消えてからの拍手。曲間の咳払いも無し。
フライングの拍手やブラボーもなく、客席を含めて後味の良い演奏会でした。

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2011年7月24日 (日)

鈴木秀美/山響(2011/7/24)

2011年7月24日(日)16:00
山形テルサホール

指揮・チェロ:鈴木秀美
山形交響楽団

(第214回 定期演奏会)

ボッケリーニ:チェロ協奏曲第7番
シューベルト:交響曲第1番
ハイドン:交響曲第100番 「軍隊」
ハイドン:交響曲第13番~第2楽章
(アンコール)

夏季の日月休みのおかげで気軽に?できる日曜日の日帰り遠征。
山形新幹線での片道3時間はキツイかなと思いましたが、飛行機と違って新幹線は直前でも乗れるし、空港からバスに乗ったりせずに座っていれば街中まで着いてしまうの楽ですね。
良い気分転換になりました。

新幹線の時間の関係で開演1時間前に到着。
しかし、早めに行って正解でした。
開演45分前の15:15に開場。
ロビーでのプレコンサートが15:20開始。
開演10分前には鈴木秀美さんのプレトークがありました。
(山響HPには載っていなかったような気が…。)
ロビーコンサートは、モーツァルトのクラリネット五重奏曲の第1、第2楽章。
奏者5人の一体感があり、素晴らしい演奏でした。
これだけの演奏になったということは、気合いを入れて練習したのではないでしょうか。

本編のボッケリーニのチェロ協奏曲は、鈴木秀美さんはチェロを両足で支えての演奏。
バックのオーケストラは弦楽合奏。
事前にNaxos Music Libraryで“予習”したときはさほど面白い曲とは思わなかったのですが、この日の生演奏では生き生きとした表情に魅了されましたた。
ソロだけでなく、バックのオーケストラも表情豊かでした。

しかし、交響曲は別次元の凄さ。
シューベルトの交響曲第1番になると、古楽系のサウンドが山響からとどろく。
1曲目のボッケリーニよりもはるかに鋭角的に感じるのは管楽器とバロックティンパニが加わったせいもあるのでしょうか。
でも、若書きの曲とは言え、シューベルトの曲ですからスケールが違うのでしょう。
終楽章が圧倒的な迫力で終了し、会場は大喝采。
1曲目よりも、2曲目の方が拍手がはるかに大きかったのはチェロを弾いた鈴木秀美さんに申し訳ない気もしましたが、まあ指揮者として呼ばれたわけだし、曲のスケールも違うし、何よりも「これなら指揮したくなるよな」という素晴らしい演奏でした。

休憩後のハイドンはパフォーマンス付き。
第1楽章終演後、客席の扉がバタンと音を立てて開き、ドタドタと足音をたてて3人の打楽器奏者が入場。
背中や頭に銀紙で作ったゼンマイの形の物をつけて人形の想定。
尻もちをつくようにドテッと着席して客席からは笑いが起こりました。
一瞬「今頃遅れて来て、ドタドタ入って来るなよ!」と思ってしまいました。
見事にやられました
このハイドンの演奏は、前半のシューベルトの1番と甲乙つけがたい熱演。
やはり古楽系のサウンドですが、ハイドンの方が少し重量感が増した感じ。
演奏終了後は汗を拭う楽員さん多数。
在京オケでなかなかハイドンが聴けない状況なので、こうして素晴らしい演奏で聴けた喜びは大きかったです。

アンコールに鈴木秀美さんは再びチェロを持って現れました。
「ハイドンの交響曲第13番の第2楽章は、第2楽章がほとんどチェロ協奏曲で…」
「こういう状態でパッと弾ける曲は少なくて…」
「乏しいレパートリー…」
との謙遜の口上ですが、暗譜での演奏は心にしみいる素晴らしい音色でした。

【プレコンサート】

ヴァイオリン:犬伏亜里
ヴァイオリン:館野ヤンネ
ヴィオラ:成田寛
チェロ:小川和久
クラリネット:川上一道

モーツァルト:クラリネット五重奏曲~第1、第2楽章

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2011年7月21日 (木)

上岡敏之/東フィル(2011/7/21)

2011年7月21日(木)19:00
東京オペラシティ・コンサートホール

指揮:上岡敏之
東京フィルハーモニー交響楽団

(第65回東京オペラシティ定期シリーズ)

シューベルト:交響曲第7番「未完成」
シューベルト:交響曲第8番「グレート」

友人からまた東京フィル定期のチケットを頂いたのでオペラシティへ。
さすがに過密スケジュールで少々へばり気味。

上岡さんの指揮なので、もし超スローテンポだったら耐えられるだろうかと心配しましたが、「未完成」は割と普通の演奏で一安心。
普通のと言っても、凡庸という意味ではありません。
強奏させても粗雑な鋭角的な音にならず、弾力性のある弾むような音。
これにはティンパニ奏者の気配りも効いていたのかでしょうか。
ところどころカルロス・クライバーっぽい煽りの動作を入れるのはいつもの上岡さん流と言って良いでしょう。
未完成の後の拍手は長い静寂の後でした。

後半の「グレート」は打って変わり、それなりにあちこちをいじった演奏。
主旋律でないパートを強調したり、思いっきりタメを作ったり、強弱を普通でないようにやったり。
基本はやや早めのテンポですが減速したりします。
それらのいじりが作為的に感じないのは音楽に勢いがあるからでしょうか。

「グレート」の最後は、音が静かに消えていくように終わるタイプ。
私は、昔、FM放送(テンシュテット/ベルリン・フィルのライヴ?)で聴いたことはありますが、生で聴いたのはたぶん初めてです。
再び長い静寂の後、指揮者が脱力してから大喝采。
2曲とも演奏の後、長い静寂が保たれ、気持ちの良いものでした。
演奏中、床に物を落とす人が数人居たのは大目にみましょう。

残念ながら、短期間に、東響都響新日フィル読響と立て続けに切ってきた耳には、東京フィルの管楽器のニュアンスが極上だったとは言いがたいのは事実です。
でも、上岡さんのあのいじくりに追従し、勢いを失わなず、ハイテンションの演奏を聴けたのは、帳消しにしてお釣りが来たかもしれません。
そうは言っても上岡さんは、大雑把ではなく、結構細部にもこだわりを持っていたように感じられました。

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2011年7月19日 (火)

下野竜也/読響(2011/7/19)

2011年7月19日(火)19:00
サントリーホール

指揮:下野竜也
読売日本交響楽団

(第506回定期演奏会)

《下野プロデュース・ヒンデミット・プログラムVI》
ヒンデミット:「さまよえるオランダ人」への序曲

~下手くそな宮廷楽団が朝7時に湯治場で初見をした~
(下野竜也編・弦楽合奏版、世界初演)
ヒンデミット:管弦楽のための協奏曲
(日本初演)
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)

連日のお出かけで、自分がどこへ向かっているのかわからなくなりそうでした。
溜池山王、初台、錦糸町、上野、みなといみらいのいずれかを選べば、20%の確率で当たると思いますが…。

“湯治場オランダ人”は、なんとNaxos Music Libraryにも音源があり、それを聴いただけでも抱腹絶倒ものだったが(聴かなきゃ良かった…)、今回はさらに下野さんが編曲した弦楽合奏版をパフォーマンス付きの演奏。
新日本フィルのトリスタンの翌日にこんな学芸会が来るとは…。
手ぬぐいを肩にかけたり、うちわを持ったり、わいわいがやがや言いながら楽員さんがラフな格好で登場。
下野さんも「おっはよう、ございま~す」と言いながら、はっぴ姿?で登場。
「はい、初見だよ、初見」と言いながら楽譜を配り、出てきた「オランダ人」の音はハチャメチャな調子外れ。
ごていねいに、チューニングのときも、ハモらない調子外れの音をわざと出していましたっけ。
ハチャメチャな演奏が終わった後、会場から「ブラボー」と声がかかると、下野さんは「ブラボーだってさ」と言って楽員さんを笑わせる。
最後に、パイプオルガンの前に置かれた大道具の時計(読響温泉の文字)のパネルがひっくりかえり、「読響は下手くそではありません」の文字。
いやはや、凄いものを視聴させていただきました。
ちなみにこの日はテレビカメラが入っていましたので、後日放送されることでしょう。

2曲目は皆普通の格好に戻り、普通にチューニングして、きれいに揃った演奏。
でも、1曲目の“湯治場オランダ人”の強烈な音と強烈な光景が残像のように残っていて、今ひとつ楽しめなかったのは事実。
まあ、1曲目を生で聴けたことを喜びましょう。

最近ハードなので、前半のめったに聴けないヒンデミットを聴いたら帰ろうか…と思っていましたが、意志が弱くて、結局、最後まで居ることになりました。
これ以上食べたら駄目とわかっていても食べものを口に入れてしまう心理と同じかな。

後半のブルックナーの第4番「ロマンティック」。
こういう明るいブルックナーは、認めない人は認めないだろうな…と思っていましたが、終演後は(フライングのブラボーもなく)指揮者が手をおろした後に盛大な拍手とブラボー。
第3楽章が終わったところでブラボッと叫んだ人が一人いましたが…。
ちょっと不思議な感覚になる音響で、ラヴェル編曲のムソルグスキーのような…、本当は違うんだけどカラフルになっちゃいました、みたいな…
。確かに明るすぎて深みはあまり感じられないのですけれど、美しいことは事実。
私は一応楽しく聴きました。

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2011年7月18日 (月)

アルミンク/新日本フィル(2011/7/18)

2011年7月18日(祝・月)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第480回定期演奏会)

ワーグナー作曲:トリスタンとイゾルデ(コンサート・オペラ)

舞台後方にパイプオルガンを覆い隠す巨大なスクリーン。
その前(オケ後方)と、木管の前(弦の後方)、そしてオケの前(舞台の客席寄り)の3列に、歌手が歩く通路。
舞台の両サイドの3階バルコニー席はパイプオルガン側の座席が撤去されており、歌手・合唱、独奏はそこにも現れる。
2階バルコニー席の先端には、歌手が指揮を見るためのモニター画面も取り付けられていました。
演出効果のため、オケが弾く舞台の床は黒色。
指揮者の譜面にライトがついていないと思ったら、天井のほぼ真上から指揮者を照らすスポットライト。
アルミンクさんのスタイリッシュな指揮姿が浮かび上がりきれいでした。

歌手はイゾルデが圧倒的。
第1幕の怒りはたじろぐくらいの剣幕。
表情からして完全になりきっている。
ネット上の情報では、音程が今ひとつ、叫び過ぎ、イゾルデ向きでない、など、どちらかというとネガティブな感想が多い感じですが、私は、そのフルボリュームの声を楽しませてもらいました。
そのイゾルデをなだめるブランゲーネも負けていない。
藤村実穂子さん、バイロイトの常連であるだけでなく、ティーレマン/ウィーン・フィルの第九のソリストに迎えられる人です。
私はドイツ語のことはよくわかりませんが、くっきりと発音されていて美しいと思いました。

アルミンクの指揮するオケも表情豊かにドラマを奏でる。
アルミンクらしい明晰な音だが軽くはありません。
第2幕終了時に、ブラボーに混じってブーイングも出ましたが、まあ、認めない人は、受け入れられないでしょうね。
私はこういうサウンドも結構好きですが…。

第1幕のハイテンションに比べると、第2幕のイゾルデはおとなしめ?
もっとも、夜の場面ですからね。
第2幕で印象的だったのはマルケ王の、声が震えんばかりの深い苦悩と悲しみ。
これも、ネット上での評判は今ひとつでしたが、まあ、こういうのもありだと私は思いました。

演出は「???」
最後のメロートの剣を受けるとき、2人の間隔は5~6m。
真ん中の通路の必要性が、私には今ひとつわからなかったです
。あれだって作ればお金はかかりますし…。

スクリーンに映写されるCGはイメージを想起させるような少し抽象化した画像ですが、私は音楽を邪魔しない効果を好意的に見ていました。
もっとも去年の「ペレアスとメリザンド」で見たような画像の使い回しがあったような気もしないではありません。
第3幕の惑星(地球?)CGは、私には意味不明でした。

第3幕開演のチャイムがなった後、誤操作か、ホール内の照明が急に全て消えて、真っ暗になるハプニング。
一瞬、東京電力の大規模停電か?という考えも頭をよぎりました。
指揮者を映すモニターはついていたので、すぐに「違う」とわかりましたが…。

改めて、第3幕の開始は暗転した中で、指揮者とトリスタンがそ~っと登場し、明かりがついたときには、トリスタンは横たわっており、アルミンクさんは指揮台に立っていました。
第3幕は再び緊迫感ある舞台。
イゾルデの力強い声。
最後の音が消え、暗転し、数秒の静寂の後の大歓声。
藤村実穂子さんと石野繁生さんへのブラボーが、ひときわ大きかったようです。

歌手が目立つのはオペラだから当然ですが、新日本フィルの好演も素晴らしかったと思います。
そして、奏者だけでなく、経済的にも相当大変だったと想像される企画を実現させたスタッフの皆さんにも拍手を贈りたい気分。
新日本フィルにとって、新国立にお呼ばれして「ばらの騎士」のピットに入るのと、主催公演(定期)で「トリスタンとイゾルデ」をやるのとでは、演奏の大変さの違いはさておき、経済的な大変さの違いは、想像するだけで頭が下がる思いです。

演出:田尾下哲
トリスタン:リチャード・デッカー
マルケ王:ビャーニ・トール・クリスティンソン
イゾルデ:エヴァ・ヨハンソン
クルヴェナル:石野繁生
メロート:桝貴志
ブランゲーネ:藤村実穂子
牧童、若い船乗りの声:与儀巧
舵取り:吉川健一
合唱:栗友会合唱団
合唱指揮:栗山文昭

20110718


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2011年7月17日 (日)

アラン・ギルバート/都響(2011/7/17)

2011年7月17日(日)14:00
サントリーホール

指揮:アラン・ギルバート
東京都交響楽団

(都響スペシャル)
ヴァイオリン:フランク・ペーター・ツィンマーマン

ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」
J.B.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番
      ~アンダンテ
(アンコール)
ブラームス:交響曲第1番

なんと繊細なオーケストラの音。
上質の手ざわり。
音の出だしから鳴り終わりまで、粗雑な箇所は皆無。

最初のハイドン変奏曲は、これまでなんとなく「ひとつの曲」という漠然としたイメージを持っていましたが、今日のアラン・ギルバートさんが都響から引き出してみせた魅惑的な旋律の数々は、それぞれの変奏が、それぞれの個性的な魅力を持っていることを、まるで今日初めて教えてもらったような気分でした。

フランク・ペーター・ツィンマーマンさん独奏のベルクのVn協奏曲は美しい。
ひたすら美しい。
そして少し悲しい。
無機的なはずの音響が、生命力を持って語りかけてきます。
そのような空気は、アンコールのバッハまで一貫性を持って保たれていました。

後半の交響曲も、良い時の都響の常として、全奏者が渾身の力演をしているのに全くうるさくならず、突出する奏者もなく、アンサンブルとしての完成形を示しています。
どこを採ってもニュアンス豊か。
しなやか。
弾力性。
矢部さんをはじめとして、ソロが活躍する場面で、ソロの美しさ、素晴らしさがオーケストラ全体と完全に溶けあっていて素晴らしい。

この日は全席完売。
満場の聴衆も、指揮者の血筋とポストを心得ています。
拍手の熱さはかなりのものでした。

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2011年7月16日 (土)

スダーン/東響(2011/7/16)

2011年7月16日(土)18:00
サントリーホール

指揮:ユベール・スダーン
東京交響楽団

(第591回 定期演奏会)
ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル
ヴィオラ:西村眞紀

モーツァルト:交響曲第25番
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲
シェーンベルク:浄夜
(弦楽合奏版)

交響曲第25番は先日のモーツァルト・マチネで聴いた第39番ほど鋭角的に感じませんでした。
確かにきびきびとした進行はスダーンさんのモーツァルト。
しかし、まろやかな印象もあります。
これは、ティンパニが無いなど、編成から来る印象もあったのでしょう。
中間楽章で思い切った表情付けをするなど、スダーン節のモーツァルトであることは確かです。

もうひとつ響きに影響したかもしれないのが、ホールの反響板。
サントリーホールの舞台の上につるされた透明な反響板です。
大震災の後は、ずっと上の方、天井の近くまで引き上げられていましたが、この日は、以前の位置?まで降ろされていましたた。
そのせいか、微妙にまろやかな響きになっていた(戻っていた)ような気がしましたけど自信はありません。

協奏交響曲は「キュッヒルさん、容赦しないなぁ」という印象。
キュッヒルさんに限っては、“強奏”交響曲です。
もちろん手抜きをされるより余程良いですが、西村眞紀さんは、さすがに「ウィーン・フィルの顔」が相手では分が悪いのは仕方ないかな??
それでも自分の音を見失わないように、無理に背伸びをせずに弾いていたのは正解だったかもしれません。
協奏曲交響曲では、ソロの部分だけでなく、ソロが休んでいる部分ではオーケストラの第1ヴァイオリン、ヴィオラのパートも演奏。
ソロを弾くだけでなく、オーケストラもぐいぐい引っ張るキュッヒルさんでした。

この日のコンサートマスターは、ニキティンさん、高木さんの二人が揃い、アシスタント・コンサートマスターの田尻さん、廣岡さんも二人揃いました。
交響曲はニキティンさん、協奏交響曲は高木さんがトップを弾く。
そして、後半のシェーンベルクでは、キュッヒルさんがゲスト・コンサートマスターとしてトップの席に。

浄夜は、艶やかに磨き上げられた美しくも緊迫感のある演奏。
少し退廃的なウィーンの…などと言う言葉による形容は圧倒的な音楽の前には無力。
スダーンと東響のあうんの呼吸に加え、トップに座ったキュッヒルさんのリードも大きく、何とも雄弁な弦楽合奏になりました。

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2011年7月13日 (水)

飯守泰次郎/東京シティ・フィル(2011/7/13)

2011年7月13日(水)19:00
東京オペラシティ・コンサートホール

指揮:飯守泰次郎
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(第247回定期演奏会)

ベートーヴェン:「コリオラン」序曲
ベートーヴェン:交響曲第2番
(マルケヴィチ版)
ベートーヴェン:交響曲第5番(マルケヴィチ版)

元々は3月17日に予定されていた定期演奏会でした。
大震災直後だったために延期されましたが、マルケヴィチ版によるベートーヴェン・シリーズの最終回。
全曲レコーディングもあり、最終回だけ中止にするわけにはいかないという、開催の必然性を伴った演奏会。
チケットはそのまま有効でした。

戸澤さんと松野さんの二人のコンサートマスターが並んで座り、オケの方も万全の布陣。
マルケヴィチ版がどうこうよりも、どこをどう聴いても飯守さんのベートーヴェン。
ズシンと響く重低音の一撃はいつも通りの快感ですが、今日のシティ・フィルの響きには、いつになく透明感が感じられました。
すでに前半の第2番の第1楽章からアクセル全開。
しかし激しいだけの粗野な演奏ではなく、どこを切り取っても、果汁をたっぷり含んだ果肉のようなみずみずしさ。
第2番の最後の音で、フライング気味の拍手だがあったことは残念でしたが、すでにコンサートの前半で、それも第2番という比較的地味な方の交響曲で、ハイテンションの熱演に圧倒されました。

しかし、後半はもっと凄かった。

第5番のサウンドはさらに完成度が高く、その上随所で火柱が上がるような豪快な演奏。

これだけ煽りに煽って…と言うより、オケの方が反応の連鎖で燃え上がってしまった感もありますが…爆演にならず、高いレベルのスケール感を具現化したのには驚嘆するばかり。

このベートーヴェン・シリーズ、私は個人的な事情により、この最終回の日だけしか足を運べませんでしたが、1回だけでも生で聴けたことを喜ぶべきでしょう。
全曲レコーディングのCDが、名盤として発売される日を心待ちにしたいと思います。

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2011年7月11日 (月)

趙静(Vc)(2011/7/11)

2011年7月11日(月)11:30
第一生命ホール

チェロ:趙静
ピアノ:松本和将

<ライフサイクルコンサート#61>
昼の音楽さんぽ 第6回
趙静(チョウ・チン) チェロ・リサイタル

ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番
メンデルスゾーン:無言歌集より
           「ヴェネツィアの舟歌II」op.30-6
メンデルスゾーン:無言歌集より「春の歌」 op.62-6
メンデルスゾーン:無言歌集よりチェロ・ソナタ第2番
R.シュトラウス:4つの情緒のある風景Op.9
        ~第2曲:さびしい泉のほとり
(アンコール)

日月休みの恩恵で、平日の昼間に、休暇を取ることなく第一生命ホールへ。
60分のコンサート。
しかし、お気軽な演奏ではなく、白熱の真剣勝負でした。
最初のベートーヴェンも十分に素晴らしかったと思いますが、2曲の無言歌をはさんだ後のメンデルスゾーンのソナタの方が、歌い回し、気合の込め方ともに、さらに素晴らしい、気迫のデュオになっていたと思います。
ピアノの松本さんも伴奏ではなく競争(奏)。
二人とも、最後の方は「これでもか!」というように力が入っていました。
終演後の二人の笑顔が演奏の出来を物語っていました。

最後のメンデルスゾーンがこれだけの熱演なら、無理にアンコールを弾かなくても…という気もしました。
それは、ネガティブな意味ではなく、それだけメンデルスゾーンのソナタの演奏が素晴らしかったということです。

20110711

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2011年7月10日 (日)

二期会「トゥーランドット」(2011/7/10)

2011年7月10日(日)14:00
東京文化会館大ホール

東京二期会オペラ劇場
プッチーニ:トゥーランドット

実は福井敬さん目当てで前日の公演のチケットを発売初日に買って持っていました。
しかし、勤務先の夏季電力ピーク・シフト対策で土曜日が出勤日になり、半休を取るつもりでしたが午後に会議が入り、急だったので知人に譲ることも出来ず、無駄にしてしまいました。
それでも、ネット上での評判も良いし、ぜひとも聴きたい。
慌てて最終日のチケットを手配したときは安い方の席は残り少なくなっていましたが、探せばあるもので、某プレイガイドでC席、4階サイドの1列目を入手できました。
福井敬さんは歌わないキャストだが、ジェルメッティさんが指揮する読響がピットに入ることは変わりはありません。

その、ジェルメッティさん指揮する読響に対する期待は十二分に満たされました。
巨体の指揮者が腕を広げて作り出す巨大な音響空間。
オケ、コーラス、ソリストが共鳴して拡大するサウンドの巨大なスケール感。
演出の視覚効果も手伝って上野に出現した不思議な異空間。
演出や舞台装置は以前の上演でも(私は雑誌で写真を見ただけですが)結構話題になったと記憶しています。
正直、設定は私にはよくわかりませんでしたが、素人の私の判断基準は単純で、視覚効果が面白く感じればOK。
そういう意味では、歯車が何を意味しようが、SF的な舞台は面白かったと思います。

歌手については、正直「やっぱり福井敬さんの歌う日に来たかった」という思いはありましたが、リュウ役の新垣有希子さんは良かったし、コーラスも良かったし、これだけのものを見せてもらえれば、来れなかった昨日の券、プラスもう一回チケットを買い直して来た甲斐は十分あったと思います。

それにしても東京文化会館、今日は4階サイド1列目でしたが、私が良く座る5階サイドとの音響差はやはりあると思いました。
舞台からの距離の違いもあるでしょうが、たぶん一番大きな要因は、天井からの反射音でしょう。
5階の方が音が生々しい感じで、迫力なら5階、響きのバランスは4階1列目の方が上でしょうか。
あくまでも私個人の嗜好ですが…。
ちなみに、3階L4列やR4列よりは、4階L1列やR1列(今回はC席)の方が良い席ではないかと私は思うのですが、世の中必ずしもそうなってはいなくて、3階の方が高額のランクの席(今回はB席)だったりします。

スタッフ
指揮:ジャンルイジ・ジェルメッティ
演出:粟國淳
装置:横田あつみ
衣裳:合田瀧秀
照明:笠原俊幸
振付:松原佐紀子
演出助手:久恒秀典、大森孝子
合唱指揮:佐藤宏
舞台監督:大仁田雅彦
公演監督:大島幾雄

キャスト
トゥーランドット姫:丹藤亜希子
カラフ(王子):ルディ・パーク
リュウ(ティムールに仕える奴隷):新垣有希子
皇帝アルトゥム:牧川修一
ティムール(退位したタタール王):大塚博章
ピン(大臣):栗原 剛
パン(大臣):西岡慎介
ポン(大臣):菅野 敦
役人:上江隼人

合唱:二期会合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団

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スダーン/東響(2011/7/10)

2011年7月10日(日)11:00
NEC玉川ルネッサンスシティホール

指揮:ユベール・スダーン
東京交響楽団

(モーツァルト・マチネ 第6回)
ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのための
       パルティータ第2番~サラバンド
(アンコール)
モーツァルト:交響曲第39番
モーツァルト:交響曲第39番~第3楽章より
(アンコール)

自由席で全席完売とのこと。
少々焦りました。
私は開演55分前に着きましたが、すでにロビーは順番待ちの列2巡目。
たぶんリハーサル中で、ロビーまでの開場。
空調のきいたロビーで待てたのは良かったですが、立って並んで待つことには変わりなく、やはり自由席はつらい。
今回は僅かながら改善され、震災前に指定席を購入した人には、入場時にチケット裏面に「優先エリア」のシールが貼られました。
前回の5月のときは、客席内でのチェックが事実上行き届いてなかったので、まあ妥当な処置かと思います。
開演20分前の10:40頃にようやく客席開場。
その頃にはロビーは人、人、人。
「開けなさいよ、早く!すみませんじゃないよ!」と係員相手に大声のおじさんが約1名。
いやはや。こんな思いまでしてでも聴きたいのは、スダーン/東響のモーツァルトの魅力です。

キュッヒルさん独奏のヴァイオリン協奏曲第4番、艶やかなことこの上ない。
極上の美音とは、このことを言うのでしょう。
圧倒的な存在感。
このウィーン・フィル・コンサートマスター前には、いつものスダーンの歯切れの良いモーツァルト・サウンドがいくぶん後退した感もありますが、これだけのヴァイオリン・ソロが聴ければ、無論不満はありません。

交響曲第39番はガラリと変わって、いつものシャープなスダーンさんのモーツァルト。
小気味好いテンポでスリリングに疾走するモーツァルトは快感。
この音を求めて私は会場に足を運んだのです。
求めていたものと、得られたものが完全一致したような幸福感を感じました。

アンコールに交響曲の第3楽章が再度演奏されましたが、本編で絶妙の間をとってから鋭い切り込みを見せた場面で、間をとったまま、そのまま終わらせてしまい、会場の笑いを誘いました。
“いたずら”にあっけにとられているまま、演奏会は終了してしまいました。

会場のNECルネッサンスシティホールは、舞台の奥行きがあまりなく、オケは窮屈そうかも。
音響はさほど悪くはないが、やはりミューザと比べられるものではありません。
空調の暗騒音も多少気になりました。
それでも、キュッヒルさんの美音と、スダーンさんのシャープなモーツァルトが聴けた喜びは大きかったです。

20110710

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2011年7月 4日 (月)

アルミンク/新日本フィル公開リハーサル(2011/7/4)

2011年7月4日(月)10:30
すみだトリフォニーホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
新日本フィルハーモニー交響楽団

(公開リハーサル)

ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」第3幕より

夏季電力ピーク・シフト対策で、私の勤務先は7~9月の間は原則、日曜日と月曜日が休みになりました。
…というわけで、休暇を取ることなく堂々と平日の午前中から錦糸町へ。
「トリスタンとイゾルデ」のリハーサルですが、今日はオーケストラだけの練習です。
10時入場開始で舞台上はすでに3-4割の楽員さんが練習中。
気合いの入った音が響いています。

リハーサル冒頭、チューニングが終わると、アルミンクが通訳を伴ってマイクを持ち、客席に向かって簡単な解説。
「今日は第3幕を…あらすじ…最初の譜読み」
ファンを大切にする音楽監督です。
リハーサルが始まってしばらくして、途中、演奏を止めたときにも、マイクを持って客席に向かい「いまレンタルのパート譜に書き込まれていた弓使いを、コンサートマスターが直しています。最初の練習ではよくあることです。」と解説。
サービス精神旺盛で嬉しい。

10:30開始で11:30から15分の休憩。
でも舞台上は音を出す奏者多数。
アルミンクさんも15分待たずに指揮台に戻って来ていました。

アルミンクさんは練習番号は日本語で、簡単な指示は英語で、少し込み入った指示は通訳を伴ってドイツ語で。
12:30になったところで60分の休憩に入り、公開はここまで。

新日本フィルらしい明晰でクリアーなサウンドは心地よいです。
重々しい響きではありませんが、軽薄な印象もありません。
スタイリッシュなワーグナーサウンド…と言って良いのかわかりませんが、根っからのワグネリアンは、こういう音をどう思って聴くのでしょうか?
私は公演が楽しみです。
公演の2週間前でこれだけの音が出ていれば、本番は十分期待できるのではないでしょうか。

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2011年7月 1日 (金)

鈴木雅明/東京シティ・フィル(2011/7/1)

2011年7月1日(金)19:00
東京オペラシティ・コンサートホール

指揮・オルガン:鈴木雅明
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(第250回定期演奏会)

J.S.バッハ:ファンタジア ハ短調BWV562
J.S.バッハ:コラール「我らが苦難の極みにある時も」
       BWV641(「オルガン小曲集」より)
マーラー:交響曲第5番

(マーラー没後100年)

マーラーの交響曲第5番の前に、震災の被災者のために鈴木雅明さんのオルガン演奏。
なんと贅沢な…などと書くと被災者を悼む鈴木雅明さんの気持ちを踏みにじるようですが、葬送行進曲から始まる交響曲の前に、清らかな気持ちでパイプオルガンの優しい音色に浸る。
「拍手は辞退」と書いてあったのに、一部の方が拍手をしてしまったのは残念ですが、魂を洗われるようなひとときでした。

さて、本編のマーラーの交響曲第5番での鈴木雅明さん。
動く!動く!激しく動く!
「第1楽章からそんなに動いて最後まで持つの?」と思ったくらいでしたが、最後まで激しい動きは衰えませんでした。
楽章間ではハンカチではなく、指揮台の上(の指揮棒を置く場所)に丸めて置いてあったタオルで汗を拭う。

基本的に、のたうちまわるようなマーラーではなくて、きちんと構築したサウンドなのだと思いますが、このような激しい情熱の指揮がもたらす爆発力は凄まじい限り。
鈴木雅明さんの指揮姿は、古楽の指揮でも「音が見えるような動き」ですが、マーラーでもそれは同じ。
東京シティ・フィルの音色が、他の在京上位クラスのオケの音と同等でないのは確かです。
でも、これだけの熱演を聴いて、それをあげつらうことに私は意味を見出せません。
楽章間や終演後に肩で息をしたり、汗を拭う奏者多数。
オーボエの鷹栖美恵子さんは上手いですね。
今日もソロの美しい音色で魅了されました。
指揮者とオケが一体になって成し遂げた素晴らしい演奏だったと思います。

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