« 辻本智美(P)(2011/8/14) | トップページ | 山本貴志(P)(2011/8/28) »

2011年8月21日 (日)

サイトウキネン・フェスティバル松本(2011/8/21)

2011年8月21日(日)16:00
まつもと市民芸術館・主ホール

指揮:沼尻竜典(中国の不思議な役人)、
    小澤征爾(アリア、青ひげ公の城)
サイトウ・キネン・オーケストラ
(サイトウキネン・フィスティバル松本2011)
〈フィレンツェ歌劇場との共同制作による新作〉

バッハ:(G線上の)アリア
バルトーク:バレエ「中国の不思議な役人」
バルトーク:オペラ「青ひげ公の城」

パワー全開!
祝・全快!
小澤征爾さんの指揮する「青ひげ公の城」は、繊細なニュアンスと壮大なスケールを両立した驚異のサウンドでした。

私にとっては、サイトウキネン・フェスティバル松本は、4年ぶり2回目。
いや、最初の年は、オペラコンサートで2往復しましたので、3回目と言うべきかもしれません。
やはり、松本文化会館ではなく、まつもと市民芸術館でのオペラには、格別のものがあります。

最初に小澤征爾さんが登場してちょっとビックリ。
沼尻さんの怪我のニュースもありましたので、一瞬、小澤さんが「中国の不思議な役人」も指揮するのか!?と…。
しかし、そうではなくて、東日本大震災の被災者のためにバッハのアリアを演奏。
登場したときはブラボーの混じった拍手で迎えられましたが、演奏終了後の拍手はありませんでした。

静かに祈った後、沼尻竜典さんが足を引きずりながら、でも、歩いてピットの中に入ってきました。
さすがに「中国の不思議な役人」終演後の答礼はピットの中からでしたし、ピットから退場するのは、場内が休憩時間に入ってからでしたが…。

沼尻さんの指揮するピットの中のオケは、最初のうちは小澤征爾さんがアリアを演奏した直後のせいか、少々ぎこちなく感じられなくもありませんでしたが、曲が進むに連れて音にパワーが乗り、躍動感のある舞台を見事に導いたと思います。
十分に満足のいく、素晴らしい演奏だったと思います。
しかし…。
休憩後の小澤さんは、さらに、遙かに、凄かった!
私の座った4階席からはピットの指揮台の位置はほとんど見えませんでしたが、鏡のような舞台装置に映り込む指揮姿からうかがい知るに、は力強くしなやか。
特に、第5の扉(広大な領地)の場面の音のスケールには、唖然として聴き入る以外ありませんでした。

「青ひげ公の城」のバック、「中国の不思議な役人」の主役を務めたダンス・カンパニーのNoism(ノイズム)は、正メンバーから成るNoism1と、研修生から成るNoism2で構成されているそうです。
躍動感のあるステージで、黒子を使って操り人形を模しような動きは、視覚的な面白さがあります。
さほど奇抜ではなく、音楽を生かした演出と言って良いでしょう。
「役人」「青ひげ公」に一貫したものが感じられ、好印象。
終演後は、演出家にもブラボーが多数飛んでいました。

歌手の方は、青ひげ公の暗く沈んだような陰影のある声の表情、ユディットのはしゃいだり驚いたりする声の表情、もちろん素晴らしかったです。
しかし、一番雄弁だったのは、例によって小澤征爾さんの指揮するオケの音。
バックのダンスの視覚効果と相まって、刺激的な目と耳の御馳走でした。
テレビ・カメラが入っていましたので(NHKかどうかまでは確認しませんでしたが)後日放送されるのも楽しみです。

この日は、「中国の不思議な役人」「青ひげ公の城」ともに、フライングの拍手やブラーボーは一切無く、幕が降り、暗転し、再度ピットの譜面灯が点灯するまで、長い静寂が保たれていました。

最初にバッハのアリアが演奏されたこともあって、当初の告知の休憩込みで2時間をオーバーし、終演は18:30を過ぎました。
19:00過ぎの特急の指定券を買ってあったので「終演後にソバでも食べて帰ろうか」と思っていたのが、あまり時間が無く、売店で売り切れ間際の食料を買い込んで乗車しました。
「ギリギリ乗れるかも」の特急の、1本後の特急にしておいて正解でした。
隣りの席の方は、「青ひげ公」の上演中、時計ばかり見ていて、終わるやいなや、出て行きました。
上演に集中していない様子で、ちょっとかわいそうでした。

蛇足(1)
この日は、沼尻さんも十分に良かったですが、さすがに小澤さんは格が違いました。
沼尻さんと小澤さんの組み合わせと言えば、カザルスホールでの新日本フィルのハイドン交響曲全曲演奏会の最終回もそうでした。
あの時の沼尻さんはまだ駆け出しで、小澤さんとの差は、かわいそうなくらいでした。
あのときに比べれば、差は十分に縮まっていると思います。

蛇足(2)
今回は、休日公演の最安席を買えた幸運。
しかし、松本駅に着いた後、チケットを紛失するという失態を演じました。
駄目もとで尋ねたスーパーのサービスカウンターに落としものとして届いていました。
大汗をかきました。
「松本まで来て、何もせずに帰るのか…。」
「会場で事情を話して入場させてくれるだろうか…。」
「いや、落とすとしたら、チケットを取り出して確認したあの辺りだ…」と。
チケット取れたのも幸運、紛失したのが見つかったのも幸運でした。

出演:
青ひげ公:マティアス・ゲルネ
ユディット:エレーナ・ツィトコーワ
吟遊詩人:アンドラ-シュ・パレルディ
井関佐和子、宮河愛一郎、藤井泉、櫛田祥光、中川賢、青木枝美、
真下恵、藤澤拓也、計見葵、宮原由紀夫、亀井彩加、角田レオナルド仁
Noism1、Noism2
SKF松本合唱団

演出・振付:金森穣
空間:田根剛、 リナ・ゴットメ、ダン・ドレル(DGT)
衣裳:中嶋佑一(artburt)
照明:伊藤雅一(株式会社 流)、金森穣

20110821




追記(2011/8/28):
すでに報じられているように、この初日を振った小澤さんは、2日目、3日目を体調不良で降板しました。
この初日のときもあまり体調が良くなかったそうです。
4階席から見ていた私には全くわかりませんでした。

|

« 辻本智美(P)(2011/8/14) | トップページ | 山本貴志(P)(2011/8/28) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214768/52536007

この記事へのトラックバック一覧です: サイトウキネン・フェスティバル松本(2011/8/21):

« 辻本智美(P)(2011/8/14) | トップページ | 山本貴志(P)(2011/8/28) »