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2011年9月24日 (土)

あらかわバイロイト「神々の黄昏」(2011/9/24)

2011年9月24日(土)13:00
サンパール荒川大ホール

TIAAオペラ第51回公演
オペラ劇場あらかわバイロイト
ワーグナー:神々の黄昏

第1幕終了後の休憩でロビーにいると、開演を告げる生演奏のファンファーレが鳴り、びっくり。
名前だけでなく、ここまで徹底しているとは…。
開演ギリギリに到着したので、開演前は聴いていませんが、第3幕の前にもありました。

私は今回が初めての鑑賞で、評判はいろいろ聞いていましたが、実際に自分の耳で体験するまで、どんなレベルか半信半疑でした。
まして、私にとっては(失礼ながら、日程的に)外来オペラの谷間の鑑賞。
しかし、危惧を解消してお釣りが来ました。
心地良くワーグナーのサウンドに浸ることが出来る嬉しい誤算。
もし新国立劇場のピットでこの音がしたら全然違うことを言うかもしれませんが、予算その他を想像すれば、大健闘と言って良いでしょう。

歌手の印象は、出来に凸凹はあると感じることは事実です。
サンパール荒川は、オーケストラピットを使うと収容人員1000人程度のキャパ。
もし、この規模のホールでなくて東京文化会館とかの空間だったら、声量が通用するかどうかは定かではありません。
でも、中にはキラリと光る人も居ます。
ブリュンヒルデの福田祥子さん、ハーゲンの大塚博章さんが秀逸。
そう思ったのは私だけではなかったようで、カーテンコールでの拍手は、このお二方のときはひときわ大きいものでした。
福田祥子さんは、終演後にロビーに並んで挨拶している姿を拝見すると、かなり長身の方で、道理でジークフリートが小さく見えたはずです。
至近距離で拝見しても美しい方でした。

指揮の佐々木修さんは、失礼ながら私は、どういうクラスの方なのか存じ上げておりません。
しかし、この長大な楽劇を「破綻無く」ではなく「聴かせる」レベルで振り通したという事実がここにはあります。
カーテンコールには、百科事典のような厚さのスコアを持って現れました。
オケはメンバー表を見ると第1ヴァイオリンが10人程度。
100%満足する洗練された音だったとは言えませんが、皆さんワーグナーが好きなんだろうな~という印象。

上演のレベルは、外来はおろか、国内勢でも、新国立劇場や二期会と比べるのは酷でしょう。
しかし、断じてアマチュアのレベルとは一線を画したプロの上演。
「幕下ではなく関取」と言ったら失礼かな。
残念ながら、聴衆の数は多いとは言えませんでした。
長大な第1幕の後は、さらに微妙に減ったような気もします。
私の前の席の方は居なくなり、視界を遮っていた“頭”が無くなってスッキリ爽快のワンスロープの会場。
13:00開演で45分の休憩を2回挟み、19:00終演という時間帯の設定は、わたしのような人種であっても、終演が遅くならなくて嬉しい。
前日は優勝を狙う大関クラス?
今日は十両?
明日は???
健闘を讃えたい気持ちでいっぱいです。

スタッフ
指揮:佐々木修
演出:佐藤美晴
管弦楽:TIAAフィルハーモニー管弦楽団
(コンサートマスター:三ツ木摩理)
合唱団:あらかわオペラシンガーズ
合唱指揮:草原哲広
副指揮・首席コレペティトゥア:河合良一
美術:松村あや
演出助手:舘亜里沙

公演監督:田辺とおる
制作:片山孝調

キャスト
ジークフリート:池本和憲
ブリュンヒルデ:福田祥子*
ハーゲン:大塚博章
グンター:大井哲也
グートルーネ:薮田瑞穂
ヴァルトラウテ:田辺いづみ
アルベリッヒ:飯田裕之
第一のノルン:飯島由利江
第二のノルン:生沼美香
第三のノルン:松井亜樹*
ヴォークリンデ:佐久間響子
ヴェルグンデ:栗原千英
フロスヒルデ:田村由貴絵
*印は東京国際声楽コンクール入選・入賞者

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コメント

見てきました。初日です。

昨年のワルキューレも見ましたが、今回の神々の黄昏の方が充実した舞台で見応えあるものでしたね。
私はA席で鑑賞したので、この素晴らしい作品を充分に堪能することができました。
全体の印象としては、限られた予算で精一杯の舞台演出を実現させていたと思います。
写真写してきました↓
http://sakuraweb.homeip.net/uploader/src/up161997.jpg
または、
http://uploader.sakura.ne.jp/src/up59681.jpg
ただ不満な点として、ハーゲンの合唱の場面で家臣らが傘や竹刀を持ちだしてきたのは酷かった。
また、赤い衣装の踊り手は意味不明で余計に感じられました。
客の入りはワルキューレの時よりも少なかったような印象です。
不況のせいかも。

リング4部作の中でもワルキューレと神々の黄昏は素晴らしいので、この2つに絞って上演したのは正解だと思います。
(率直に言って、ラインの黄金とジークフリートは出来が悪いと思う…)

投稿: あらかわ | 2011年9月27日 (火) 00時17分

コメントありがとうございました。
時期的にこの9月は外来オペラ2団体に藤原歌劇団の公演もあり、入場者数としては苦しかったかもしれませんね。
私は噂は聞いていたので、一度体験したいと思い、本来休養日だった日に無理矢理鑑賞予定を入れてしまいましたが、結果的に足を運んで良かったと思いました。

投稿: 稲毛海岸 | 2011年9月27日 (火) 18時37分

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