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2011年9月 4日 (日)

トゥルコヴィッチ/都響(2011/9/4)

2011年9月4日(日)14:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:ミラン・トゥルコヴィッチ
東京都交響楽団

(「作曲家の肖像」シリーズVol.83《モーツァルト》)
ファゴット:岡本正之

モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」
モーツァルト:ファゴット協奏曲
モーツァルト:交響曲第39番

2年前の2009年6月。
ボッセさんが指揮する予定だったA定期のハイドン・プログラム。
ボッセさんがキャンセルしたことにがっかりして、チケットを持ってたのに行かなかったら、代役のトゥルコヴィッチさんがまさかの大評判。
この日の演奏会は、私にとっては、あのときのリベンジでした。

なるほど、これは素晴らしい。
基本的に流麗でアクセントをつける演奏はピリオドスタイルっぽいのですが、ノンヴィブラートではないし、せかせかした感じも無く、優美に歌う側面も合わせ持った演奏。
切り取ればジューシーな果肉が出てきそうな“ウィーン風”と“今風”が見事に融合した素晴らしい耳のご馳走でした。

ファゴット協奏曲では、もちろん岡本さんのソロも良かったですが、バックのオーケストラ…と言うか、指揮するトゥルコヴィッチさんが素晴らし過ぎる。
こんなに気合いが入り、しかも細部まで目の行き届いたファゴット協奏曲のオーケストラ・パートは、なかなか聴けるものではないのではないでしょうか。
指揮姿は「ほら、ここでもこんな魅力的な旋律が鳴っているんですよ」「ほら、こちらでも、あちらでも…」とでも言うように、音の宝物を掘り起こした指揮者に脱帽。
周知の通り、トゥルコヴィッチさんは、ファゴット奏者出身です。
交響曲では譜面を見ていたのに、協奏曲では暗譜。
やはり、この曲には特別な思い入れがあるのでしょう。

交響曲の演奏では、最初の「プラハ」も心地よい演奏でしたが、最後の第39番は、よりスケールの大きい白熱した演奏になりました。
これだけ気迫のこもった熱い演奏において、都響の音が一切粗雑にならず、高い次元でのハーモニーを維持したのは、本当に素晴らしい。
偉大なる“折衷案”の大勝利…とでも言いたくなるようなピリオドっぽさとウィーンっぽさのハイレベルでの融合。
前述のように、交響曲は譜面を置いての指揮でしたが、譜面はとりあえず置いてあるだけでほとんど記憶している様子の指揮姿。
複数ページまとめてめくる場面も多々あり、第39番の第3楽章などは一度もめくらずに最後まで行ってしまいました。

いやはや、素晴らしかった。
こうして私は、前回聴かなかったハイドン・プログラムのリベンジを果たしたわけですが、聴いたら聴いたで、前回聴かなかったことが心底残念に思えてくるパラドックス。
今回も都響とは、この日限りの一期一会。
想像するに、前回の定期の大成功を受けてすぐに次のオファーを出して、2年後の今日…なのでしょうから、次回は万全の招聘で定期演奏会を思う存分に振っていただきたいと思いました。

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