« ブラビンス/都響(2011/9/26) | トップページ | 山下一史/仙台フィル(2011/10/4) »

2011年10月 2日 (日)

新国立劇場「イル・トロヴァトーレ」(2011/10/2)

2011年10月2日(日)14:00
新国立劇場
ヴェルディ:イル・トロヴァトーレ

「やっぱり歌劇場のオーケストラは良いなぁ」と感じながら聴いていて、よく考えると、ピットに入っているのは、あの東京フィルなんですよね。
むせび泣く旋律、咆哮する全強奏、どこをとってもドラマティック。
終盤に向けてどんどん高揚していく舞台。
この興奮を作り出したのは、演出ももちろんですし、歌手の皆さんも素晴らしかったですが、やはり一番の立役者は指揮のピエトロ・リッツォさんでは?
私の席(この日はZ席に近い場所で、視覚的にも今ひとつでした)からはピットの中は見えませんでしたが、リッツォさんは少なくともオペラについては、なかなかの実力者だろうと耳で(心の目で)指揮姿を想像しました。

歌手ではレオノーラとマンリーコが特に秀逸。
アズチェーナは終盤にかけて良くなっていった感じ。
そして、このオペラと言えば、コーラスでしょう。
毎度のことではありますが、新国立劇場合唱団は本当に素晴らしい!

ウルリッヒ・ペータースさんの演出は(プログラム冊子に書いてあるのでネタバレOKと思いますが)終始、舞台上に男優と子役が「死の象徴」としてたたずむ舞台。
不気味な雰囲気を狙ったのかどうかはわかりませんが、そして、その狙いが100%達成していたのかどうかはわかりませんが、なかなか面白い趣向であることは事実。
終演後のロビーで「なに?あのこうもり?」などと話しをしているのも小耳に挟みましたので、全観衆が満足したかどうかはともかく、カーテンコールで演出家が登場したときの拍手は盛大でした。

ところでこのオペラは…。
いや、このオペラだけでなく「リゴレット」)も…。
凄惨なストーリーに似合わぬ美しい旋律に違和感を感じることがあります。
この日も「なぜヴェルディは、こんな暗いストーリーにこんな美しい旋律をつけたのだろう?」と何度も思ったことは実感です。
でも、音楽的には素晴らしかったので、とりあえず文句なし。

シーズン開幕の初日。
気合いの入った上質の新制作でスタートを切ったのではないでしょうか。

スタッフ
【指揮】ピエトロ・リッツォ
【演出】ウルリッヒ・ペータース
【美術・衣裳】クリスティアン・フローレン
【照明】ゲルト・マイヤー

キャスト
【レオノーラ】タマール・イヴェーリ
【マンリーコ】ヴァルテル・フラッカーロ
【ルーナ伯爵】ヴィットリオ・ヴィテッリ
【アズチェーナ】アンドレア・エディナ・ウルブリッヒ
【フェルランド】妻屋秀和
【イネス】小野和歌子
【ルイス】鈴木准
【老ジプシー】タン・ジュンボ
【使者】渡辺文智

【俳優】古賀豊
【子役】池袋遥輝

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

|

« ブラビンス/都響(2011/9/26) | トップページ | 山下一史/仙台フィル(2011/10/4) »

コメント

こんばんは。

私も、新国立劇場の「イル・トロヴァトーレ」を鑑賞してきましたので、興味深く読ませていただきました。

ご指摘のようにレオノーラとマンリーコはよかったですね。レオノーラは突然の代役だったそうですが、「オテロ」でヒロインを歌った人で、今回も大変素敵でした。

新国立劇場合唱団が素晴らしいことは、まったく同感です。

私もブログに「イル・トロヴァトーレ」の感想を書いてみましたので、是非読んでみてください。

よろしかったらブログにご意見、ご感想などコメントを頂けると感謝致します。

投稿: dezire | 2011年10月 8日 (土) 17時56分

dezireさま
拙文をお読みいただき、ありがとうございました。
dezireさまのブログも拝読させて頂きました。作品の分析が素晴らしいですね。「その通り!」と、何度も頷きながら
読ませて頂きました。

投稿: 稲毛海岸 | 2011年10月 8日 (土) 18時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214768/52891666

この記事へのトラックバック一覧です: 新国立劇場「イル・トロヴァトーレ」(2011/10/2):

« ブラビンス/都響(2011/9/26) | トップページ | 山下一史/仙台フィル(2011/10/4) »