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2011年10月 7日 (金)

ノット/東響(2011/10/7)

2011年10月7日(金)19:00
サントリーホール

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団

(第593回定期演奏会)
ピアノ:小菅優
合唱:新国立劇場合唱団

ドビュッシー:「夜想曲」~シレーヌ
シェーンベルク:ピアノ協奏曲
武満徹:雨の樹の素描Ⅰ
(アンコール)
ラヴェル:ダフニスとクロエ(全曲)

一曲目のドビュッシーで、いつもならこのオケから聴けるはずの、磨き上げられた艶やかな音が影を潜め、一瞬、戸惑いました。
しかしこの音は指揮者が求めた音のよう。
代わりに鳴ったのは、鋭利な刃物を想起させるような切味の良い音。
少し刺激がきつい感じもしますが、これはこれで認めるべきでしょう。

シェーンベルクのピアノ協奏曲でも、ノットさんの指揮するオケの音は相変わらず…と言うより、さらに徹底してシャープ、刺激的。
対する小菅優さんも切味は鋭い、クリアーな音ですが、どことなくヒューマンな温もりも感じます。
協奏曲は譜面を置き、譜めくりの方が付いての演奏ですが、危なっかしさは皆無。
アンコールは(私の席からは見えませんでしたが)暗譜だったようです。
最初、アンコールも「シェーンベルク?」と思ったくらい、“続き”としては素晴らしくマッチした選曲。
休憩時間にロビーの掲示を見て、はじめて武満徹さんの曲と知りました。

休憩後の「ダフニスとクロエ」は、編成が大きくなった分、多少シャープな印象は弱まりましたが、それでも刺激的。
東欧風…と言ったら言い過ぎかもしれませんが、
「なるほど、いずれ、ストラヴィンスキーが『火の鳥』や『春の祭典』を書くわけね」
と納得させてくれるような演奏。
(帰宅して調べてみると、年代的にはほとんど同時期です。『火の鳥』初演が1910年、『ダフニスとクロエ』初演が1912年、『春の祭典』初演が1913年とのこと。)

面白いことに、各奏者のソロの音もノットさんの音色に染まっています。
コンサートマスターの大谷康子さんのソロ、首席ヴィオラの青木篤子さんのソロ。
そして、「ダフニスとクロエ」と言えば、この方でしょう。
首席フルートの甲藤さちさん。
甲藤さんのソロもノットさんの音色に染まっていましたが、テクニック的には事前の期待通りであり、大満足。
終演後、ノットさんがただ一人起立を求めたのが甲藤さんでした。

このように、どことなくストラヴィンスキーを想起させるようなラヴェルの「ダフニスとクロエ」。
最後はお祭り騒ぎ…と言ったら言い過ぎかもしれませんが、多少上品さには欠けるものの、面白いことは面白い。
…というわけで、楽しくハッピーエンドでした。

20111007

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