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2012年1月17日 (火)

高関健/都響(2012/1/17)

2012年1月17日(火)19:00
東京文化会館

指揮:高関健
東京都交響楽団

(第728回 定期演奏会Aシリーズ)
クラリネット:三界秀実
ピアノ:岡田博美

《日本管弦楽の名曲とその源流-13(プロデュース:一柳慧)》
北爪道夫:地の風景
北爪道夫:クラリネット協奏曲
リゲティ:ロンターノ
リゲティ:ピアノ協奏曲

いやはや、唯一CDで予習することが出来たリゲティのピアノ協奏曲が、事前の印象が「私の理解を超えている」で、どうなることかと思っていましたが、それが(理解して聴いたとは口が裂けても言えませんが)音の雨あられ…の乱舞…を楽しめたのですから、やっぱり生演奏は面白い。

休憩後のリゲティのロンターノは、大編成のオケの超・多層から成る(鳴る)驚くほど均質な音響空間が、拡散と凝縮を繰り返し、最後は彼方へと消えて行く。
オーケストラ音楽の未来、可能性は無限なり…と感じました。
もちろん、今となっては、それなりに昔の曲なのかもしれませんけれど。

そして、同じ作曲家の作品とは思えないくらい違うピアノ協奏曲。
ジグソーパズルを瞬時に組み合わせ、それをパラパラ漫画のようなスピードで動かして行くかのような、超・スリリングな曲、演奏。
弦は5人だけという、かなりスリムな編成にもかかわらず、ロンターノよりも「音の粒がめちゃくちゃ多い」という印象。

ロンターノの後、ピアノ協奏曲への配置転換中、高関さんのトークがあり、
「この曲の指揮は4回目ですが、本番がうまく行ったためしがありません。」
「これは、私たちが悪いのではなく、曲が難し過ぎるのです。」
「失敗したらやり直しますから…。」
「誠意を持って対応させていただきます。」
と、笑いを誘っていました。(結構、ウケていました。)
難曲を前に身構える会場の空気、聴衆の緊張を解きほぐす、これ以上ないくらい絶妙なトーク、演奏会の重要な一要素でした。

このリゲティを「源流」とするという設定の北爪道夫さんの作品2曲が前半。

開演前のプレトークで、北爪さん自身がお話しをされたので、初めて聴く作品でしたが、結構「既知感」を持って聴くことが出来ました。

「地の風景」は、ざわめき、広がりを感じさせる環境的な音響が続いた後、後半は、はっきりとした旋律っぽい音のうねりに。
オーケストラの音って、シンセサイザーが逆立ちしてもかなわないくらい多彩な音色のパレットを持っている。
ハイヴィジョン映像を聴いているような…。

クラリネット協奏曲は、
「クラリネットがこれだけ活躍する曲なら、三界さん、そりゃ気合いが入りますよね」
というような曲、演奏。
最初はさざめくように伴奏していたバックの小編成のオーケストラが、矢部さんがひょろりと見事なソロを弾いたのを皮切りに高揚していき、「競争曲」になった後、また静かになって、何度も「終わりか?」「今度こそ終わりか?」の後、静かに終わりました。

定期演奏会で、すなわち、真剣勝負の現代音楽の演奏が聴ける年2回の機会。
お客さんの数は多くはなかったと思いますが、酷いというほどの空席でもなく、この演目なら良い方でしょうか?
3月のインバルさんの演奏会に振り替えずに会場に足を運んだ定期会員を多く含む(と思われる)聴衆の、演奏中の集中力は素晴らしい!!
フライングの拍手など皆無。
全4曲で、指揮者が脱力するまで静寂が保たれました。

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