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2012年2月の19件の記事

2012年2月25日 (土)

スダーン/東響(2012/2/25)

2012年2月25日(土)18:00
サントリーホール

指揮:ユベール・スダーン
東京交響楽団

(第597回定期演奏会)
ヴァイオリン:パク・へユン

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番
      ~ラルゴ
(アンコール)
シェーンベルク:交響詩「ペレアスとメリザンド」
シェーンベルク:ハープと弦楽のための
      ノットゥルノ
(アンコール)

ヴァンスカ様の「悲愴」は、冷静に聴いていたつもりでしたが、自分でも気づかぬうちに結構ハイテンションになっていたようで、ハシゴした先では多少の疲弊感。
しかし、明日の川崎定期の会場のある新百合ケ丘は私の住まいからは遠いので、振替せずに頑張って今日聴く2公演目の東響定期。
スダーン監督のモーツァルトはやはり格別。
…と思っていたら後半はもっと凄いことに…。

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」は、スダーンさんらしい歯切れの良いモーツァルト。
独奏のパク・へユンさんはピリオドスタイルではないと思いますが、引き締まったスリムで筋肉質の音色がバックのオケと良く合っていたかな。
快速系の演奏だと思いますが、歌うところは急がずに弾き込んでいて変幻自在な印象でした。

そして…。

軽い気持ちで臨んだ後半のシェーンベルク「ペレアスとメリザンド」が凄い、凄い、凄い。
シェーンベルク・ツィクルスだった今シーズンの東響定期、その最後を飾ったのは、紛れもなく今シーズン一番の気合いの入った演奏でした。
スダーン監督と東響が、あうんの呼吸なのは十分存じ上げていますが、それがこの巨大編成の曲でも、ほぼ完璧に、自然に、当然のようにピタリと合い、雄弁に奏でる。
まさしく、一緒に呼吸している感じ。
シェフと手兵の究極のあるべき姿、完成形のひとつと言って良いでしょう。

曲が終わった後、スダーンさんは、拳を振り上げたまま数秒間動きませんでした。
脱力し、拍手が始まった後も、しばらくは顔を上げませんでした。
それくらい、入魂の熱演だったのでしょう。

驚いたことに、この驚異的にパワフルな「ペレアスとメリザンド」の後に、アンコールが演奏されました。
スダーンさんのスピーチは、私の英語力と席の位置ではほとんど聞き取れませんでしたが「マイ・オーケストラ…」と言っていたような…。
確かに「私の」ですよね、東響は。
アンコールは弦楽合奏とハープによる演奏。
「ペレアスとメリザンド」のゴージャスなメインディッシュの興奮をさますように優しく奏でられ、さながら食後のデザートのようでした。

それにしても、オペラシティで読響が驚異のサウンドであの空間を圧倒した僅か数時間後に、サントリーホールで東響が、読響とは違う系統の驚異のサウンドでこの空間を圧倒するとは…。
なんともぜいたくな一日でありました。

追記:
Twitterで教えてくれた方がいらして、アンコールは追悼演奏だったそうです。
「デザート」というのは不適切な表現だったようです。

追記2(2012/3/1)
訃報に関するリンクです。心より御冥福をお祈りいたします。
音楽評論家・東条碩夫先生のブログ
東京交響楽団オフィシャル・ブログ

20120225

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ヴァンスカ/読響(2012/2/25)

2012年2月25日(土)14:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:オスモ・ヴァンスカ
読売日本交響楽団

(第10回オペラシティ・マチネーシリーズ)
チューバ:次田心平

シベリウス:森の精
アホ:チューバ協奏曲
(日本初演)
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

「ヴァンスカ・フェスティバル2012」(←個人的に)第4回にして最終回。
3曲とも日本初演の「アホ・ツィクルス」最終回。
2~3年前、ヴァンスカ様が毎年来るのが当然と思っていたアホ(←固有名詞ではなく形容詞)だった私。
今回の来日は思う存分にチケットを買いました。
次の来日はいつですか?

冒頭のシベリウスの「森の精」からして、洗練されたオケの渦巻く音が素晴らしい!
いまから、あのシベリウスの2番をもう一度演奏すれば、先週のあの凄い演奏よりもさらに凄い演奏になるのでは?と思えてくるくらい。
それだけヴァンスカ様の音が読響に徹底されてきたということなのでしょう。

これまた日本初演のアホのチューバ協奏曲では、次田さんは指揮者の右横で指揮者の方を向いて座りました。
確かに楽器の開口部の向きからすると理にかなっています。
チューバを独奏とした協奏曲自体、耳新しい。
もちろん、チューバも超絶技巧だったのでしょうが、バックのオケも相当に手が込んでいる様子。
それを、よくここまで磨き上げたと驚嘆する演奏でした。

そして、休憩後の悲愴交響曲!
これは爆演ですよ、目で見る限り。
指揮の動作然り、ヴィオラ首席の鈴木さんのゴリゴリゴリッと半狂乱に近い仕草で弾きまくる姿然り、…。
それなのに出てくる音は、濁りのない純度。
微弱音の無限のニュアンス、最強奏の飽和しないスケール感。
これを驚異のサウンドと言わずして、何と言いましょう?

もちろん、ロシアや、民族・民俗をあまり感じさせない純音楽風の演奏は、チャイコフスキーらしくないと言えなくもないでしょう。
でも、多少のハプニングはありましたが総じて完成度の高い、洗練された、スタイリッシュな音響は、もう、有無を言わさぬ説得力でした。

ハプニングと言うのは、ひとつは、悲愴交響曲の第1楽章で、コントラバス奏者の一人が弓を落として結構派手な音が…。
あとは、生演奏にはあり得る、音の出が揃わない箇所。
でも、そんなことをあげつらうことに意味はありません。

ヴァンスカ様の指揮する読響の4公演を聴いて。
アホ・ツィクルス(3曲日本初演)と有名曲を組み合わせたプログラミングの勝利。
回を追うごとに“ヴァンスカ様・サウンド”が浸透して変貌していった読響の音色。
“視覚的爆演”にも関わらず、洗練されたサウンドの驚異。

一番興奮したのは初日のシベリウスの2番のハイテンションでした。
しかし、音の完成度では翌週の定期とマチネに一歩譲るかもしれません。
甲乙つけがたいですが、私の印象のベストはこの日の「悲愴」でしょうか。
でも、定期での「ミネア」の高揚感も本当に素晴らしく、再演希望です。
あと、初日に比べて格段のグレードアップだった2日目の「ペール・ギュント」も素晴らしかった。
いやいや、全て素晴らしかった。
幸せな2週間でした。

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2012年2月21日 (火)

ヴァンスカ/読響(2012/2/21)

2012年2月21日(火)19:00
サントリーホール

指揮:オスモ・ヴァンスカ
読売日本交響楽団

(第512回定期演奏会)

アホ:ミネア(日本初演)
R.シュトラウス:歌劇「ばらの騎士」組曲
ブラームス:交響曲第1番

オケの状態は先週より良かったかもしれません。
ますますヴァンスカ様のサウンドが徹底され、隅々まで微細に渡る指示が徹底されている印象。
アッサリしているようでいてよく聴くと情報量はめちゃくちゃ豊富。
次から次へと繰り出す“技”が不自然にならず、全体の一部分として見事に調和する。

1曲目のアホ作曲のミネアは巨大編成です。
アラビアの太鼓を使ったり、インドの要素、和の要素など、多様なものを内包しながら調和の取れたハーモニー。
フルスケールの最強奏でも濁りのない驚異のサウンド。
打楽器大活躍の快感はプロコフィエフの5番より凄い?

2曲目の「ばらの騎士」組曲は、清涼系のサウンド。
そういう意味ではウィーンの世紀末の退廃的な雰囲気とは少し違います。
しかし、微弱音に込められたニュアンスは多彩。
ねっとりしていない「ばらの騎士」も魅力十分。
“一流の音”は、スタイルの違いはあれど、「ああ、こういう方向での完成形は、こうだよな~」と思わせる説得力を持っています。

休憩後のブラームスも重苦しくなく、スッキリ系。
だからと言ってアッサリ“流した”演奏などでは決してなく、無限のニュアンスが一音一音に込められた味わい深い演奏。
例によって消えいるような微弱音の美しさ、フレージングの絶妙さ、濁らないクライマックス。
品がなくて恐縮ですが、繰り返しで「やった!儲かった!」と思ってしまいました。

「ヴァンスカ様によるアホ・ツィクルス」などとカタカナで書くと、普通の方には語感がいまひとつかもしれませんが、私にとっては、待ちに待ったトキメキの対象です。
読響の定期演奏会の指揮台にヴァンスカ様が立っている姿を見るだけでも幸せです。

この日のホールには、テレビ・カメラが入っていました。
マイクも相当数設置されていました。

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2012年2月19日 (日)

バッハ・フェスティバルⅦ(2012/2/19)

2012年2月19日(日)15:30
すみだトリフォニーホール

レイチェル・ポッジャー
≪トリフォニーホール・バッハ・フェスティバル2012≫
第2日
コンサートVII [コンチェルト]

ヴァイオリン・指揮:レイチェル・ポッジャー
ブレコン・バロック
 ヴァイオリン:ボヤン・チチッチ
 ヴァイオリン:ヨハネス・プラムソラー
 ヴィオラ:ジェーン・ロジャース
 ヴィオローネ:ヤン・スペンサー
 チェロ:アリソン・マクギリヴレイ
 チェンバロ:マルチン・スフィオントケヴィッチ

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲BWV1056に基づく
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲BWV1053に基づく
テレマン:3つのヴァイオリンのための協奏曲TWV53:F1
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲BWV1042
J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043
      ~第2楽章
(アンコール)

小ホールでのコンサートⅥの終演は15:10頃。
この大ホールでのコンサートⅦ(最終回)は15:30開演。
間隔が20分しかなく、α波を誘発するようなチェンバロの音色による「ゴルトベルク変奏曲」の世界から、協奏曲の世界への頭の切り替えが、私は少しスムーズに行きませんでしたが、それは贅沢と言うもの。

ブレコン・バロック(アンサンブル)は、プロフィールによれば、英国ウェールズの観光地ブレコンでの音楽祭のために創設され、当初は音楽祭に活動を限定していたとのことです。
CDは出ているにしても、それを日本に居ながらにして2日間にわたり聴けた幸せ。
全7公演のうち、私はコンサートⅣ以降の4公演を鑑賞。
昨日が18:30開演のコンサートⅣ(協奏曲)。
本日が11:00開演のⅤ(ソロ)(無伴奏)、13:30開演のⅥ(ソロ)(ゴルトベルク)、15:30開演のⅦ(協奏曲)。
だじゃれではありませんが、“快演”でした。

この最終回、最初の2曲のヴァイオリン協奏曲は、編曲されたチェンバロ協奏曲として残る楽譜からの復刻とのことです。

終わって欲しくない…と思っても、終わってしまいました、至福の時間と空間が…。
ポッジャーさんのサインは欲しい気もしましたが、あの古楽器の音色は、我が家のローエンドのオーディオ装置では再現出来ないでしょう。
結局CD購入に至らず、会場を後にしました。
でも、心は充足感でいっぱいです。

そう言えば、アンコールの演奏が始まる前に、携帯電話の着メロのような音が場内、後方から聞えてきました。
苦笑して止まるのを待って演奏を始めたポッジャーさん。
会場の聴衆も「しょうがないなぁ…」という感じで、さほど苛立つことなく待ったのは、それまでの演奏で心の充足感を感じていたからでしょうか?

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バッハ・フェスティバルⅥ(2012/2/19)

2012年2月19日(日)13:30
すみだトリフォニーホール(小ホール)

レイチェル・ポッジャー
≪トリフォニーホール・バッハ・フェスティバル2012≫
第2日
コンサートⅥ [ソロ]
トリフォニーホール≪ゴルトベルク変奏曲≫2012

チェンバロ:ディエゴ・アレス

J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 ト長調 BWV988
J.S.バッハ:コラール「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV645
(アンコール)
ファリャ:劇音楽「ペドロ親方の人形芝居」より
「エントラーダ・ラ・カルロマグノ(カール大帝の入場)」
(アンコール)

ゴルトベルク変奏曲は、12月に大ホールで、シェプキンさんのピアノで聴いたときもそうでしたが、今日の小ホールでのアレスさんのチェンバロによる演奏でも、変奏が始まってしまうと、もう巻き込まれ、酔わされ、身を任せ、最後のアリアになって、「はっ」と我に返る。
(地震もちょうどその頃だったような…。)

チェンバロでゴルトベルク変奏曲を生で聴くのは初めてだと思いますが、ピアノとは違った輝きがあるのは確かです。
オルゴールが巨大化し、音の粒子のじゅうたん爆撃を一身に受けているよう。
しかしそれがアグレッシヴであったとしても、聴いていて陶然となり、α波を誘発されるのは元がオルゴールみたいなものだから?

α波のおかげで陶然となり、途中少し眠気を覚えました。
でも、寝てしまわずに、快い眠気の中で、美しい音を受け止めていました。

アンコールの「目覚めよと呼ぶ声あり」は、演奏者自身の編曲のようなことを言っていたような気もしますが、私の英語力では不確かです。
「誰でも知っている曲」とアレスさんは言っていましたが、演奏が始まったときに、「あ、「主よ、人の望みの喜びよ」だっけ?」と思ったレベルです、私のバッハ鑑賞歴は。

もう一曲のアンコールも「私はスペイン人なので…」と言っていたようで、「ファリャ」と言ったような気もしましたが、帰宅してネットで検索しても、クラブサン協奏曲はヒットしても、チェンバロ独奏曲は出てこなくて「違うかな?」と。
上記の曲名は、トリフォニーホールのTwitterで知りました。

20120219

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バッハ・フェスティバルⅤ(2012/2/19)

2012年2月19日(日)11:00
すみだトリフォニーホール

レイチェル・ポッジャー
≪トリフォニーホール・バッハ・フェスティバル2012≫
第2日
コンサートⅤ [ソロ]

ヴァイオリン:レイチェル・ポッジャー
チェロ:アリソン・マクギリヴレイ

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番BWV1005
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番BWV1008
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番BWV1006
J.S.バッハ:4つのデュエットより第3番BWV804
(アンコール)

昨日のネット上での皆さんの感想を拝見すると、対象的な2人の演奏とのこと。
しかし、バッハ初心者の私には、さほど違いはわかりませんでした。
(感想を語る資格なし?)
強いて印象を言うと、ヴァイオリンが内へと凝縮、チェロが外へと拡散…いや、その比喩も無理やりっぽいです。

CDでこれらの曲を聴く時は、私はモダン楽器の奏者の方が多いかな?
それに比べて…と言って良いのかわかりませんが、古楽器で聴くバッハの無伴奏は、月並みな言葉ですが、心を洗われるよう。
どこがどうということは言えないのですが、たったひとつの楽器から出てくる無限の音で宇宙空間が出現するような…。

それにしても、トリフォニーホール、古楽器があれほど美しく鳴るとは、あの大きさの空間にしては音響的に相当素晴らしいと言って良いのではないでしょうか。
少なくとも、1階席や3階バルコニー席舞台寄りで聴く限りは。
(雨宿り席を除く。)

アンコールに二重奏を演奏してくれて、これまた(私には二人が同質に感じてしまったのですが…)聴き手の私は、無我の陶酔の境地です。

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2012年2月18日 (土)

バッハ・フェスティバルⅣ(2012/2/18)

2012年2月18日(土)18:30
すみだトリフォニーホール

レイチェル・ポッジャー
≪トリフォニーホール・バッハ・フェスティバル2012≫
第1日
コンサートⅣ [コンチェルト]

ヴァイオリン・指揮:レイチェル・ポッジャー
ブレコン・バロック
 ヴァイオリン:ボヤン・チチッチ
 ヴァイオリン:ヨハネス・プラムソラー
 ヴィオラ:ジェーン・ロジャース
 ヴィオローネ:ヤン・スペンサー
 チェロ:アリソン・マクギリヴレイ
 チェンバロ:マルチン・スフィオントケヴィッチ

J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲イ短調BWV1041
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲ニ短調BWV1052
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲イ長調BWV1055
J.S.バッハ:管弦楽組曲第3番BWV1068~アリア
(アンコール)

ヴァンスカ・フェスティバル(←個人的に)期間中ですが、トリフォニーホールではレイチェル・ポッジャーさんを招いてバッハ・フェスティバル。
この日は11:00から4公演。
私は4つめの、コンサートⅣ[コンチェルト]のみを鑑賞。
ちなみに、チェンバロ協奏曲では、ポッジャーさんは弾きませんでした。

東京文化会館での二期会「ナブッコ」からのハシゴ。
上野~秋葉原~錦糸町の移動はさほど大変ではありません。

「普通に良い」バッハ。
「自然で良い」バッハ。
月並みな言葉しか思い浮かばない、心に染み入るバッハ。
古楽だからと言って尖っていない、でも爽やかで、ねっとりしていないバッハ。

本編の協奏曲も、もちろんしみじみ聴き入ったのですが、アンコールのアリアがさらに素晴らしい。
この曲は大震災以降、わが国ではたびたび演奏され、耳にしてきましたが、本来この曲は、追悼の悲しい音楽ではなく、少し楽しい面すらある、心が落ち着くとともに弾むような、多面的な音楽であることを再認識。
有名曲=単純な曲…ではなく、深い、深い、深い音楽でした。
普通に良かった。
でも、すごく良かった。
言葉が浮かばないのですが、しみじみと、でも喜びをもって心に染み入りました。

お客さんの入りは少しさみしい感じでしたが、拍手は熱いものがありました。
でも、古楽器ですから、本来はもう少し小さい規模のホールで開催されても良いのでしょう。
1801席のトリフォニーホールを満席にして聴くような演奏会ではなく、かえって良かったかもしれません。
演奏者も満足そうでした。

開演前はさほど人が寄っていなかったロビーのCD売り場が、終演後は殺気だった(?)人たちが押し合い。
サインを待つ列もテンション高し。
でも私は、生の音が良すぎて、とてもCDを買って聴く気になれませんでした。

この企画、トリフォニーホール単独招聘なのでしょうか?
素晴らしい企画だと思います。

20120218

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二期会「ナブッコ」(2012/2/18)

2012年2月18日(土)14:00
東京文化会館大ホール

東京二期会オペラ劇場
《二期会創立60周年記念公演》
イタリア・パルマ王立歌劇場との提携公演
都民芸術フェスティヴァル参加公演

ヴェルディ:ナブッコ

最安席・都民芸術フェスティバル価格でこれだけ楽しませていただいて申し訳ありません!
(私は都民ではありません。)
前評判の高かった若きマエストロ
リハーサルの段階で、二期会関係の方々が「素晴らしい」「素晴らしい」とツィートされていたので、「セールストーク?」と思いつつも、それなりに期待していました。
しかし、期待をはるかに上回る素晴らしさ。
若い段階でのひとつの完成系に到達しているのではないでしょうか?
指揮者へのブラボーが一番大きかったのも当然のことだと思います。。

出だしは「ああ、良くないときの某オケ…」と思わないでもありませんでしたが、滑り出せばそれなりに…。
幕が上がってコーラスが出てくると格段に…。
歌手の皆さんも、役柄にふさわしいスタイルで堂々の歌唱。
でも、これも指揮のパワーの賜物ではないでしょうか?

皆さん良かったと思いますが、中でも悪役アビガイッレ(ナブッコが奴隷に産ませた娘)役の岡田昌子さんが特に印象に残りました。
前半でのふてぶてしいくらいの威圧的存在感。
最後の死を前に許しを乞う場面の清麗な歌唱。

舞台はさほど奥行きを使っていないセッティング。
こういう設定は、悪く出ると平面的な、板に描いたような舞台の印象を与える恐れもあるのですが、この上演の舞台装置は安っぽさはなく、良く仕上がっていたと思います。
むしろ、舞台前面で歌うことが多くなった歌手とコーラスに、音響的にプラスに働いたのではないでしょうか?

音響的なことを言うと、例の有名な合唱「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」は、拍手に応えてもう一回演奏されました。
一回目の、コーラスが円形に密集して歌った時よりも、2回目の、ばらけて舞台上に広がって歌った時の方が、音響的に声の迫力を感じたような気がします。

オペラも、歌手が歌う位置によって、そして客席の場所によって、結構音響的に違いますね。
舞台の奥の方の高い位置で歌うのは、歌手の方にとっては、音響的にハンディがあると思います。
なので、岡田昌子さんが、高い位置の王座に座ったときの歌唱で、あまりハンディを感じさせなかったのはさすがだと思いました。

スタッフ
指揮:アンドレア・バッティストーニ
演出:ダニエレ・アバド
美術・衣裳:ルイージ・ペレーゴ
照明:ヴァレリオ・アルフィエーリ
合唱指揮:佐藤 宏
演出補:ボリス・ステッカ
演出助手:菊池裕美子
舞台監督:佐藤公紀
公演監督:直野 資

キャスト
ナブッコ:青山貴
イズマエーレ:今尾滋
ザッカーリア:斉木健詞
アビガイッレ:岡田昌子
フェネーナ:清水華澄
アンナ:日隈典子
アブダッロ:大久保 憲
ベルの司祭長:倉本晋児

合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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2012年2月15日 (水)

ヴァンスカ/読響(2012/2/15)

2012年2月15日(水)19:00
サントリーホール

指揮:オスモ・ヴァンスカ
読売日本交響楽団

(第546回サントリーホール名曲シリーズ)
クラリネット:マルティン・フロスト

グリーグ:付随音楽「ペール・ギュント」抜粋
アホ:クラリネット協奏曲
(日本初演)
伝承曲(ヨーラン・フロスト編):クレズマー舞曲
シベリウス:交響曲第2番

前日の演奏会を聴いた後、「これでもう、仮に死ぬまでにシベリウスの2番が聴けなかったとしても人生に悔いはない」と思いましたが、「でも、もし仮に、今日の2日目の演奏を聴かなかったら一生後悔するかもしれない」と考え直し、サントリーホールで再び「あれ」を体験しに…。

ヴァンスカ様のシベリウスの2番を2日続けて聴ける幸せ。
ヴァンスカ様が毎年来るのが当たり前と思っていたあの頃の私は、今から思えば愚かでした。
昨日よりは落ち着いて鑑賞出来たのは、昨日一度体験したから?
それとも…?
しかし第4楽章に入ると、そんな冷静な感情もどこかへ吹き飛び、後はもう渦に身を任せるだけ。

細かいことを言えば、ヒヤリ…という箇所はそれなりにあったような気がしますけど、それによって演奏の価値が落ちることは、少なくとも私にとっては微塵もありません。
昨日のオペラシティでの「スタイリッシュ」の印象はやや後退し、民族的な印象が少し増えたのはホールの音響のためでしょうか?

さらに嬉しかったのは、ペール・ギュントの最初の方の演奏は、おそらく昨日の演奏より格上のサウンドのようだったこと。
それは、あのシベリウスのマインドコントロール?の翌日ですからねぇ。
冒頭のチューニングの音からして、気合い入りまくりに聴こえたのは気のせい?
もちろんホールも違えば、席も違いますので断言はできませんが…。

クラリネット協奏曲も、アンコールも、超絶技巧はやはり凄いことに…。
昨日は気がつきませんでしたが、アンコールでの弦楽合奏は、後ろの方の弦楽器奏者の方は弾いていなくて、編成を減らしての演奏でした。

ヴァンスカ・フェスティバル(←個人的に)は、もう半分終わってしまいました。
でも、後半は、オケの首席奏者陣がそれなりに入れ替わると予想されます。
もしかしたら、もっと凄いことになるかもしれないと、密かに、しかし大きく、期待しています。

あと、ヴァンスカ・フェスティバル(←個人的に)は、最初に曲目を見たときは「有名曲路線?」と思ったのですが、よくよく見ると、「アホ・ツィクルス」であったりします。

20120215

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2012年2月14日 (火)

ヴァンスカ/読響(2012/2/14)

2012年2月14日(火)19:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:オスモ・ヴァンスカ
読売日本交響楽団

(第10回オペラシティ名曲シリーズ)
クラリネット:マルティン・フロスト

グリーグ:付随音楽「ペール・ギュント」抜粋
アホ:クラリネット協奏曲(日本初演)
伝承曲(ヨーラン・フロスト編):クレズマー舞曲
(アンコール)
シベリウス:交響曲第2番

仮にもう、死ぬまでシベリウスの2番がを聴けなかったとしても、人生に後悔はありません!
(…などと言いつつ、白々しく、翌日のチケットも持っていたりするのですが…。)

待望久しいヴァンスカ様が、読響に帰ってきました。
もちろん十分過ぎるほど期待して聴きに行ったのですが、その期待を遥かに上回る壮絶!な演奏!!

前半も「素晴らしい!さすがヴァンスカ様!」と思って聴いていたのですが、後半の圧倒的なシベリウスを聴いてしまうと「まだ余力はたくさん残っていましたね…」と言わざるを得ないのかな。
いや、比較対象としてふさわしくないほど、後半のシベリウスが凄すぎたのでしょう。

全く濁らない最強奏のスケール感。
そのテンションの高さは微弱音の消えそうな美しさの中にも宿っています。
月並みな表現ですが、ダイナミックレンジがめちゃくちゃ広い!
これを爆演と呼べないなら何と言えば良いのでしょう?
それくらい、煽りに煽った指揮でありながら、乱雑なところの無い驚異のハーモニー。
オケのメンバー全員、ヴァンスカ様のマインドコントロールの術中にはまり、考えることを許されず、ただただ、うわの空で演奏していたかのような…。

私のヴァンスカ様の鑑賞歴は比較的最近からで、読響とのベートーヴェン・ツィクルスの1番、2番の日から。
したがって、大評判だったラハティ響との来日演奏会とかは体験できていません。
それでも、この2012年に、現在のヴァンスカ様のシベリウスを聴けたことだけで、ああ、生きていて良かった、と心から喜びたい幸福感でいっぱいです。

ヴァンスカ様のシベリウスは、ラハティ響とのCDは聴いたことがありますが(ミネソタ管弦楽団との再録音の方は未聴)この日の読響との演奏は、意外とスタイリッシュでモダンな印象。
根底には北欧の血が流れていることは感じられますが、そんな分析的な聴き方をすることが無意味なくらい、有無を言わさぬ超一流の壮大な音響空間でした。

冒頭の「ペール・ギュント」は、後半のシベリウス以上にスタイリッシな印象を受けました。
オケのアンサンブルとテンションは、結果的に後半には及びません。
もちろんそれは後でわかったことですけど…。
ゆったりとした曲では指揮棒を持たず、細かく振らず、表情付けだけするような指揮。そこから産まれる絶妙のニュアンス。
迫力に満ちた曲では指揮棒を持ってがむしゃらに振る場面も。
ヴァンスカ様の指揮で「ペール・ギュント」抜粋が聴ける喜びは十分にありましたが、最初の方は多少緊張もあったのかもしれませんが、微妙な箇所も(←ごく僅かです)。
徐々にエンジンがかかり…。
「2日目はもっとよくなるんだろうな~」と思わないでもありませんが、十分に満足して聴いていました。
後半を聴くまでは。(←しつこくてすみません。)

終演後は後半のシベリウスの凄演で印象が霞んでしまいましたが、前半のフロストさん独奏のアホのクラリネット協奏曲も、素人耳にも超絶技巧の連続がわかるスリリングな曲で、めくるめく音の変化に引き込まれました。
強い音の続く場面と、ゆったりとした静かな場面が交錯する曲。
アンコールにはヴァンスカ様も指揮題に戻り、弦楽合奏も加わって、さらに凄いことに…。

オーケストラは全曲対向配置。
私は3階バルコニー席だったので半分しか見えませんでしたが、ヴァンスカ様の指揮は身を乗り出さなくても見えて嬉しかったです。
でも、P席を買えば良かったかな…。
空いていましたし…。
休憩後は座っている人の数がずいぶん増えたようですけど…。

20120214

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2012年2月12日 (日)

仲道郁代(P)(2012/2/12)

2012年2月12日(日)14:00
サントリーホール

ピアノ:仲道郁代

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」
          ~第2楽章
(アンコール)
ショパン:練習曲Op.25-1「エオリアン・ハープ」(アンコール)
エルガー:愛の挨拶(アンコール)

普段、オケ偏重リスナーの私にとって、ピアノ・リサイタルは、アウェーの感覚があります。
この日もアウェー。
ただし、場所はホーム・グラウンド。
あたかも、QVCマリンフィールドに交流戦で阪神タイガースを迎えたようなものかもしれません(違うか…)。

それにしても、なんだかんだ言っても、一人でサントリーホールをほぼ満席にしてしまうのは凄いことです。
曲目に「テンペスト」、「月光」、「熱情」が含まれていたにしても…。
しかも、その大入りのお客さん、驚いたことに(失礼!)鑑賞マナーが結構良い!

ニックネームのない第7番を入れたあたりが“こだわり”と拝察しますが、やはり有名曲中心の演目は、私のようなピアノ曲初心者には嬉しい。
これがもし、オール・スクリャービン・プログラムだったら、チケットを買わなかったでしょう。
ただ、ポピュラーな分、耳は多少辛口になってしまいます。

良いと感じて聴き入ったのは緩徐楽章の方かもしれません。
「熱情」の第2楽章然り、アンコールに弾いた「悲愴」の第2楽章然り。
それに対して、第3楽章などの速いパッセージなどは、ここぞという所で少しだけ“力み”を感じた…と言ったら辛すぎるでしょうか。
仲道さんのベートーヴェンのCDの多くが、「レコード芸術」誌で特選盤になっていることは存じ上げていますが…。

アンコールの最後の曲、エルガーの「愛の挨拶」は、年1回のサントリーホールでのリサイタルに毎年来ている常連さんにはおなじみの、「これを弾かないと終わらない」曲とのこと。
私は“一見さん”なので、「すみません、初心者で…。」と思いながら聴かせていただきました。

ベートーヴェンのソナタにも良いところの方が多かったですし、聴きに来た甲斐があったとも思いますが、アンコールに弾いたショパンの方が、より「らしさ」が出ていたような気がしないでもありません。

…などと、偉そうに感想を述べてしまいましたが、私が聴いていたのはP席なので、本来は感想を述べる立場にあらず…かもしれません。
ただしピアノはステージ中央辺りに置かれていたので、協奏曲のときに比べれば、音響的なハンディは小さかったと思います。

前述のように、満場の聴衆の鑑賞マナーが驚くほど良かったのは慶賀のいたりですが、曲の最後の音が鳴り終わるいやいなやの拍手は少し残念。
あと、確か最後のアンコール曲の演奏中、客席から鈴が鳴るような音がかなり長く…。
0.05%の人のせいで…。

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2012年2月11日 (土)

デードワ(P)(2012/2/11)

2012年2月11日(土・祝)15:00
すみだトリフォニーホール

ピアノ:ラリッサ・デードワ
≪ロシア・ピアニズムの継承者たち≫
第4回 ラリッサ・デードワ

≪生誕150年 オール・ドビュッシー・プログラム≫
ドビュッシー:前奏曲集第1巻
ドビュッシー:前奏曲集第2巻
ドビュッシー:「子供の領分」
        ~ゴリウォーグのケークウォーク
(アンコール)
ドビュッシー:「ピアノのために」~プレリュード(アンコール)

4日前に、大ホールのステージ上の間近で聴かせていただいた、デードワさんのピアノ・リサイタル。
この日が本番(チケット買いました)です。

昼食を食べ過ぎたのか、前半、眠くなってしまったのが個人的に少し残念。
(演奏会行き過ぎ!という説もありますが…。)
しかし、ボ~っとしながら聴いていたピアノの音であっても、本当に美しく心地良い。

基本的に4日前に感じた印象と同じで、「これは本場が期待できる!」と思って、その期待通りだったわけで…。
何がどう…と言う突出した特徴はなく、自然に、ひたすら自然に進む音楽。
そこに漂う高貴なニュアンス。
冷徹ではなく、温もりのあるピアノの音。
もちろん激しいところはかなりの迫力だが、乱暴にならない。
いままさに円熟の境地…のような演奏です。

デードワさん、確か今回が初来日と聞いたような気が…。
今回の招聘はトリフォニーホール単独での招聘なのでしょうか?
どうやって見つけてきたの?…と聞きたいくらいの意外性?のある大ヒット?
CDは、海外盤でドビュッシーの全集があります。
終演後にサイン会があるかも…と買わないでいましたが、ロビーで価格を見たら7千円台。
予想通りサイン会はありましたが、同じCDをAMAZONマーケットプレイスの米国のお店から2千円台前半で買えるようなので、購入は見送りました。

室内楽やピアノ・ソロの演奏会は、オケ偏重リスナーの私にとって、アウェー感があるのですが、トリフォニーでのピアノ・リサイタルには、だいぶ免疫が出来てきました。
…っていうか、トリフォニーの音響って、ピアノの音に結構合っていません?

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2012年2月10日 (金)

矢崎彦太郎/東京シティ・フィル(2012/2/10)

2012年2月10日(金)19:00
東京オペラシティ・コンサートホール

指揮:矢崎彦太郎
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(第256回定期演奏会)
ピアノ:フランク・ブラレイ

バーバー:管弦楽のためのエッセイ第2番
ガーシュウィン:ピアノ協奏曲ヘ調
ドビュッシー:前奏曲第2巻~ラヴィーヌ将軍
(アンコール)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)

なんと、なんと、どうしたんでしょう、東京シティ・フィル!
絶好調ではありませんか!!
100%完璧とは言いませんが、日頃、時折感じさせる不安定さは皆無に近かったのでは?
エキストラに良い奏者が揃ったのでしょうか?…などと悪口を言ってはいけませんね。
矢崎さんが振るとオケの音が、(飯守さんが振ったときとはガラリと変わって)南欧の太陽に輝きを帯びるから不思議。
しなやかさと繊細さも兼ね備えた音です。

最初のバーバーからしてオケの鳴りが良い。
爽快な響きに一曲目から会場は結構湧いていました。
続くガーシュウィンでもオケは絶好調。
独奏のブラレイさんは、いきりたつことなく冷静に(?)名技を繰り広げてくれましたが、オケの方は大熱演。
しかし両者にミスマッチの印象は無く、協奏曲の妙味を感じさせてくれました。

後半のペトルーシュカは、走り出したらもう止まれません!…と言うような演奏。
オペラシティの大空間が万華鏡のような色彩感に満たされる快感!
協奏曲に続いて、指揮者の真正面でピアノを弾いたブラレイさんも、突出すること無くニュアンス豊かな演奏。
ペトルーシュカ終演直後、ブラレイさんは矢崎さんに向かって大拍手。
協奏曲でもオケを讃えていましたが、一員として弾いたペトルーシュカでも満足そうな笑み。
曲の最後、矢崎さんが両手をほぼ降ろすまで(脱力するまでは至りませんでしたが)静寂が保たれたことも良かったと思います。

来シーズンの東京シティ・フィルは、矢崎彦太郎さんの首席客演指揮者の肩書きは残るようですが、オペラシティでの定期演奏会への登場は無く、現時点で告知されているのは、たぶんティアラこうとう定期の1回のみ。
「せっかく矢崎さんが振るのに田園?」という気がしないでもありませんが、こうなったら田園であろうとも(?)聴きに行きましょう!

…いやいや、いつぞや聴いた、矢崎さんのモーツァルトも素晴らしかったから、ベートーヴェンもきっと素晴らしいでしょう。

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2012年2月 9日 (木)

三ツ橋敬子/読響(2012/2/9)

2012年2月9日(木)19:00
すみだトリフォニーホール

指揮:三ツ橋敬子
読売日本交響楽団

(読響Symphonic Live
深夜の音楽会・公開収録)
オーボエ:蠣崎耕三

R.シュトラウス:13管楽器のためのセレナード
R.シュトラウス:オーボエ協奏曲
ブリテン:オウィディウスによる6つの
       メタモルフォーゼ~「パン」
(アンコール)
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
ヨハン・シュトラウスⅡ世&ヨゼフ・シュトラウス:
            ピチカート・ポルカ
(アンコール)

今夜もすみだトリフォニーホールへ。
今夜も無料、ハガキ応募での抽選です。
窓口で引き換えた座席は、自分では絶対買わない雨宿り席!
しかし聴いてみるとトリフォニーホールの音響は優秀なようで、雨宿りのハンディをあまり感じさせない、雨宿り席にしては意外に良い、一応鑑賞に耐える音。
しかし「雨宿り席にしては」という修飾語は絶対省略することの出来ない音であり、残響感もトリフォニーにしてはあまり感じられず…。
あそこが新日本フィルでS席というのは…(以下略)。

それはともかく、席の音響のことなど忘れさせてくれる素晴らしい演奏でした。

前半のR.シュトラウス2曲は、読響の管楽セクションの優秀さを誇示するような演奏。
13管しかり、オーボエ協奏曲しかり。
読響のオーボエ首席で、協奏曲の独奏の蠣崎さん、素晴らしい音!
メカニカルな冷たさ皆無の、温かい音が自在に飛び回る印象。
支えるバックのオケも弦を中心にみずみずしい音!

その蠣崎さんのオーボエの音が素晴らしい上に、13管で(後半の「イタリア」でも)吹いていたもう一人の方(もう一人の首席の辻さん??)の音も素晴らしくて…。

後半の「イタリア」は、はつらつとしたみずみずしい響きが心地良い演奏。
この演奏を偉そうに「深みが足りない」と感想を述べることはたやすいことですが、若さのほとばしるような音の躍動を素直に楽しんだ方が勝ち。
以前、東フィルで「英雄」を聴いたときに感じた音が飽和する印象は全く感じませんでした。

冒頭と合間での日テレ・古市アナのトークも例によってコンパクトで好感。
長過ぎず、短か過ぎず、音楽の邪魔をしないトークです。
「私が紹介するのも変ですが、今日は日テレだけでなくNHKのカメラも入っています」とのことです。
あと「三ツ橋敬子さんは今回が読響と初共演です」とのことでした。

三ツ橋さん、さすがに緊張があったのか、カーテンコールで多少のぎこちなさはありましたが、(指揮の方も、弦のピチカートなどがほんの少しずれる箇所も数カ所?)音大生が試験を受けているようなレベルなどでは決して無く、聴衆に聴く歓びを与えてくれる音作りはプロの指揮者の領域です。
まだスタートラインからさほど離れてはいないのかもしれませんが、今後も継続して聴いていきたい指揮者です。

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2012年2月 7日 (火)

デードワ(P)(2012/2/7)

2012年2月7日(火)19:30
すみだトリフォニーホール

ピアノ:ラリッサ・デードワ
≪ロシア・ピアニズムの継承者たち≫
特別企画 デードワ プレミアム・ライヴ

チャイコフスキー:四季(全12曲)
ショパン:ワルツ第1番Op.18
       「華麗なる大ワルツ」
(アンコール)
ショパン:ノクターン第5番Op.15-2(アンコール)
ショパン:ワルツ第9番Op.69-1(アンコール)

大ホールステージ上の特別鑑賞席。
ピアノは通常と逆向きの配置でパイプオルガン側が正面。
ピアノをコの字に囲む配置の席。
至近距離で聴くピアノは、さながらサロンで聴いているかのよう。
私は、普段なら新日本フィルのヴィオラの皆さんが座っているあたりで聴きました。

この演奏会は、チケット購入者が応募できる抽選でのご招待(無料)。
アンコール3曲を含めて約60分。
本来、こんなサロンのような演奏会は、ディナー付き数万円でもおかしくないかもしれません。
(…と言いつつ、夕食は某牛丼チェーンですませたのですが…)
本番の演奏会は4日後で、ドビュッシー・プログラムです。

デードワさんのピアノの音は、温もりがあり、西欧風の上品なチャイコフスキー。
指揮者で言えば、デュトワではなくフルネ、ムラヴィンスキーではなくテミルカーノフ…などと暴言を言って良いのかわかりませんが、なんとも香しい品のある音。

それを間近で聴く聴衆の皆さんの集中力も素晴らしい。
たぶん、それは演奏者にも、ひしひしと伝わったことでしょう。
演奏後の拍手に応えるデードワさん、本当に嬉しそうでした。

アンコールのショパンが、また素晴らしい。
私は、ショパンの曲はやや苦手な方なのですが、「華麗なる大ワルツ」での絶妙の音色に驚嘆して聴き入りました。

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2012年2月 6日 (月)

沼尻竜典/読響(2012/2/6)

2012年2月6日(月)19:00
東京オペラシティ・コンサートホール

指揮:沼尻竜典
読売日本交響楽団

(都民芸術フェスティバル
オーケストラ・シリーズNo.43)

ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

休憩後の、「春の祭典」の前のチューニングの音が、既にめちゃくちゃ気合いが入っていて、「これは…!」と思ったら、本番は案の定、すごいことに…。
もう、完全に「あっちの世界」へ行っちゃった演奏。
…というよりも、神がかり的な儀式の高揚。

ストラヴィンスキー3大バレエ音楽。
「火の鳥」が組曲で、拍子抜けした気持ちが25%、ホッとした気持ちが75%…。
チラシには組曲か全曲かの記載は無かったので、本当に全曲やったら、何時に終わるのだろう?…と思っていたことは事実です。
でも、これだけの演奏であれば、全曲やってくれても、最後まで目を輝かせて聴けたことでしょう。

「火の鳥」の、カスチェイ王…の辺りで点火。
続く「ペトルーシュカ」では、冒頭からハイテンションのハーモニー。
沼尻さんの明晰な音作りが、スコーンと抜けるように響き、心地良い。

読響主催ではなく、都民芸術フェスティバルという、いわば「お呼ばれ」の演奏会。
しかし席を埋めたお客さんの大半が、ストラヴィンスキーを聴きたくて来場した…ということが、演奏が進むに連れてオケのメンバーに伝わっていったのではないでしょうか?
…そんなヒートアップの仕方でした。

しかし、このハイテンションのストラヴィンスキー3大バレエ…の次の読響の演奏会を指揮する三ツ橋敬子さん、大変なところに乗り込んでいくことに…。
頑張って下さい!

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2012年2月 5日 (日)

ゲッツェル/神奈川フィル(2012/2/5)

2012年02月05日(日)14:00
グリーンホール相模大野

指揮:サッシャ・ゲッツェル
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

(名曲シリーズ オーケストラ名曲への招待
~ハ短調の慟哭~)
ピアノ:三舩優子

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲 
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
ブラームス:交響曲第1番

グリーンホール相模大野は、この日は初めて行きました。
いわゆる“多目的ホール”の作りですが、反射音と直接音を予想して席を選んだので、少なくとも私の座った席では、オーケストラを聴くのに問題ない響き。
残響は、多くはありませんが一応“有り”。
弦の音もピアノの音も潤いがありました。

冒頭の「ルスランとリュドミラ」には、一週間前の「ドン・ファン」の出だしのようなパワーを予想して身構えていましたが、この日はびっくりするほど強くはありませんでした。
それでもまあ、協奏曲の前の序曲としては順当な演奏でしょう。
中間部での弦楽器の厚み、音の歌い回しは魅惑的でした。

続くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番では、個人的に途中、第2楽章あたりで眠くなってしまい、もったいないことをしました。
(会場に向かう電車の中でも眠かったので…。)
でも、うつらうつらしながら聴いていた部分はともかく、第1楽章も第3楽章も、演奏良かったと思います。
ゲッツェルさんは弦楽器出身の指揮者だと伺っています。
だから…と言うのは失礼かもしれませんが、弦楽器の情感たっぷりに歌う表情は豊か。
木管のソロも美しく、ピアノもクリアな音ですが冷徹ではなく、ぬくもりを感じる音でした。

休憩後のブラームスの交響曲第1番は、おそらく先週の定期演奏会での第4番よりも、完成度が高かったのではないでしょうか。
ゲッツェルさんの音が徹底されてきたのかもしれませんし、2日公演の2日目ということもあったのかな。
あるいはコンサートマスターの席に石田さんが戻ったから?
石田さん、もちろんソロは「さすが!」と言いたくなる素晴らしさ。
かなり自己主張をしていたのに神奈川フィルのサウンドの中に溶け込んでいる!
最後のドドドっと盛り上がっていくところでは、一瞬、腰を浮かして弾いていました。

ブラームスでの木管の音色も素晴らしかったです。
特にオーボエとクラリネット。
金管は、先週の第4番よりは安定していたと思いますが、やはり何箇所か、あらら…という場面は散見されてしまいました。

でも総じて言えば満足度の高い演奏会。
功労者はもちろん指揮者とコンサートマスターでしょう。

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2012年2月 3日 (金)

ヴェロ/仙台フィル(2012/2/3)

2012年2月3日(金)19:00
サントリーホール

指揮:パスカル・ヴェロ
仙台フィルハーモニー管弦楽団

(~東日本大震災復興支援に感謝をこめて~
  仙台フィル絆コンサート)
ソプラノ:菅 英三子
テノール:樋口 達哉

ビゼー:カルメン組曲第1番
グノー・カッチーニ・マスカーニ(編曲:福島頼秀):
                   アヴェ・マリアメドレー
マスネ:歌劇「ウェルテル」より
         「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」
プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」より
                  「私のいとしいお父さん」
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」より
                    「誰も寝てはならぬ」
ヴェルディ:歌劇「椿姫」より第3幕への前奏曲
ヴェルディ:歌劇「椿姫」より
             「幸せなある日、天使のように」
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付」
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付」
              第2楽章第2部より
(アンコール)

インフルエンザ後で自粛していたので、久しぶりの平日夜の演奏会。
私はこのオーケストラをそんなに多く聴いてはいないので偉そうに語れませんが、秋のオペラシティでの演奏会のときよりも、格段にコンディションが良かったように感じました。
パスカル・ヴェロさんは、名前はもちろん存じ上げていますが、私は1999年の新星日響の演奏会(残念ながら記憶に残っていません)以来、なんと14年ぶり2回目。
評判通り、素晴らしい!

冒頭のカルメンからして、多彩な表現に引き込まれます。
指揮者はときに全身を使い、ときに顔の表情だけを使って巧みにオケをリード。
そして、オペラ・アリアでの表情豊かな伴奏に脱帽。
私はP席で聴いていたので、声は元々、音響的にハンディがあります。
そこへオケが「ぜひこのマエストロと一緒にピットへ入ってほしい!」というような魅惑的な旋律を奏でるのだからたまりません。
私の席ではオケの独壇場。
歌手を食ってしまうくらいの印象。

P席で聴いていたとは言え、テノールの樋口達哉さんは結構良かったように思います。
ソプラノの方は、う~ん、後ろで聴くのはちょっと苦しい…かも…。
少し平板な印象も散見。
でも、これはあくまでもP席で聴いた私の印象です。

後半のサン=サーンスはさらに完成度が上がった印象。
第1楽章第2部の比類のない美しさ。
サントリーホールのオルガンって、こんなにきれいな音でしたっけ?(失礼!)
第2楽章第2部は、一歩一歩着実に歩むような、少しだけゆっくり目のテンポでしたが、緊張感が途切れるきとなくピッタリついていったオケに拍手!

まさかのアンコールでの再演奏はさらに高揚!
さすがに、途中キセルがあったのかな??
つなぎ目は少しぎこちなかったかも。
でも、そんなことはどうでも良い。
ハイテンションの演奏をもう一回聴けるなんて、最高のプレゼントです。

コンミスの方は、前半終了時に、すでに弓が少し切れてちぎっていましたが、後半の交響曲でも切れてちぎり、アンコールでもまた切れていました。
渾身の演奏だったのでしょう。
管楽器も(在京の某オケで聴かれるような)弱音部で恐る恐る音を置きに行く印象は皆無。

パスカル・ヴェロさんの指揮は動きに無駄が無く、動作が高い効率で音に変換されている感じです。
見ながら聴いていて、本当に気持ち良くなる指揮。
仙台まで行かずに聴けて良かった!
…と言いつつも、会場で、仙台での定期演奏会のパンフレットをもらってしまいました。
(ホームページにも出ていますが。)
魅惑的なラインナップ。
う~ん、仙台まで行きたくなります。

ちなみにこの日のチケットは(場内多少空席はありましたけど)全席完売だったようです。

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2012年2月 1日 (水)

ゲルハルト・ボッセ氏逝去

ボッセ氏の訃報に接し、悲しい気持ちでいっぱいです。

実は、つい先日、2012年1月27日の大阪フィル定期演奏会は、当初ボッセさんが指揮すると発表されており、私も関東から聴きに行く予定でした。
一回券発売日にチケットを購入し、航空券や宿泊予約もしてありました。

結局、ボッセさんは指揮することが出来ず、私自身もインフルエンザに感染してしまい、病み上がりであったため、遠征そのものを取りやめたばかりでした。

2012年12月、都響の年末の第九を指揮することがすでに発表されており、心から御快復をお祈りしていたところです。

御冥福をお祈りするとともに、生前、素晴らしい音楽をありがとうございましたと、感謝の気持ちでいっぱいです。

以下は、私の、ボッセさんの指揮した演奏会の鑑賞記録です。
諸般の事情により、ずっと追いかけられていたわけではありません。
でも「次の演奏会」を楽しみにしていました。
しかし、「次」は、もうありません。
合掌。

■新日本フィルハーモニー交響楽団(1990/11/18)
 カザルスホール
 ハイドン:交響曲第91番
 ハイドン:交響曲第92番
 ハイドン:交響曲第93番
 ハイドン:交響曲第92番~第4楽章

■新日本フィルハーモニー交響楽団(1999/2/7)
 カザルス・ホール
 ハイドン:トランペット協奏曲
 ハイドン:協奏交響曲
 ハイドン:交響曲第104番

■東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団2007/9/20

■東京都交響楽団2007/10/30

■札幌交響楽団2007/12/7

■札幌交響楽団2007/12/8

■神奈川フィルハーモニー管弦楽団2008/1/25

■新日本フィルハーモニー交響楽団2008/02/16

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